TOPアメリカン・プロレス注目インディー →IWA-DS:Carnage Cup 7 2/26/11

IWA-DS:Carnage Cup 7 2/26/11の分析


名勝負 なし
好勝負 なし

3枚、約4時間15分です。
@1回戦、サムタック・キックパッズ:クリス・ディキンソンvs.ジョニー・マングエー
 キックパッズといってもその画鋲は画面を通して見るには小さく、
 攻撃を食らった後で多少体に傷を残しやすいという効果しかない。
 つまりこの形式の意味合いは蹴りにいつも以上の危険性を持たせるという事で、
 UWFスタイルこそ唯一の道であったりする。
 そして無名レベルの選手に一本道を研ぎ澄ませたUWFスタイルなんて出来る訳もありません。
 それも考慮してサムタック・キックパッズだけでなく
 画鋲ケース他テーブル、蛍光灯もありますが、見せ場での間がなっておらずグダグダ。
 悪い試合です。
 
A1回戦、カーペット・ストリップ・メイヘム:ジミー・フェルチャーvs.ピンキー・サンチェス
 普通デス・マッチ・ファイターには肌を晒す気概を求めるけれども
 ジミーは太りすぎていて実に見るに耐えない。
 それはともかくとしてピンキーの受身も相まって攻撃は予想よりハードなので
 知名度のあるピンキーが人とは思えぬ醜い化け物に挑むというストーリーは注目に値する。
 しかしピンキーは受身がコミカルに過剰になる事があり、
 攻めもダメージ値に引きずられていて爆発力に欠けますね。
 またジミーはリバース・スプラッシュが余りに飛距離がなく目を覆う。
 後スタイルに適応できず散発のスポットでしかないゲイ・ギミックもいらないですね。
 特にキスに対してピンキーが画鋲を口移ししてカウンターしたのは意味不明でした。
 少し悪い試合。
 
B1回戦、スマッシュ、パウ、バム!:ダニー・ハボックvs.マット・トレモント
 形式としてはショッピング・カートから画鋲つきマスクまで揃ったオムニバス物。
 カルト・フィクションの一員トレモントが気迫を付随させた打撃を打て、
 また次の行動を考えての受けが出来るので普通にしっかりした内容でしたね。
 ハボックは飛びぬけた才はないが、
 その欠点のない安定力はこういうトーナメントでは貴重です。
 密度のある内容で、フィニッシャーも迫力がありました。
 まあまあ良い試合。

C1回戦、バーブワイヤー・ボーズ&ウェポンズ:ヴァイパーvs.デヴォン・ムーア
 他と比べると実際に当てていない緩い攻撃が目立ちます。
 ムーアが所々で太鼓を叩く様に試合自体への意気込みが足りない。
 ヴァイパーもどインディーでそれなりに名前を見る割に出来ないねぇ。
 結局ムーアの比較的綺麗なスワントーン・ボム、このフィニッシャーしか見所はなかった。
 ひどい試合です。

D1回戦、ピッツ・オブ・ヘル:ネイル・ダイアモンド・カッターvs.デイビッド・デイ
 小さいのに体を張るので、安定して楽しめますね。
 しかしベースの、つまり主に打撃ですが、弱さは否めず、
 スポットも構成力がなく数で押しているだけなので試合全体としてはいまいち面白くないですね。
 このレベルになると常に全力ファイトは必ずしも正に機能せず、
 マンネリこそしなくても抑揚の乏しい試合内容に直結する。、
 少し悪い試合。

E1回戦、SAWデス・マッチ:ジョン・レアvs.スパイダー・ブードロウ
 レアは攻撃のインパクトとリアクションが大きくずれる程下手。
 攻撃も緩すぎますね。
 凶器に慣れてないせいで加減が出来ず
 スパイダーの腕に凶器を突き刺し、想定外の流血をさせてしまった場面が唯一の見せ場です。
 最後は自販機上からのテーブル葬というSAWとまったく関係のないスポットで終了。
 レアの方が勝ち上がってしまった事にがっかりします。
 悪い試合。

Fフィル・マシオvs.ジェレミー・フライン
 マシオは蹴り主体。
 サムタック・キックパッズに入れれば良かったのですがデス・マッチには抵抗があったか。
 まあ所詮中途半端な蹴りですけど。
 試合はお互い積極的に動くも観客の事を考えない自己中心的な物で特に印象に残る場面もない。
 ひどい試合。

G準決勝、ライト・チューブ・ドアーズ:デヴォン・ムーアvs.ダニー・ハボック
 変に経験があるからか何の引っ掛かりもなく試合が進行。
 目だったマイナス面がある訳ではないがここまでワン・オブ・ゼムな内容でもいけない。
 悪い試合。

H準決勝、ルース・ライト・チューブス&ウェポンズ:クリス・ディキンソンvs.ピンキー・サンチェス
 お互い通常試合も出来るという矜持でもあるか、
 凶器をあくまでテイストとして使う試合運びに。
 しかしそのせいでスケールの小さい事を細々と行い、
 ピンキーのコミカルさもそのまま反映されファン・マッチ程度の内容になっている。
 結局通常試合としてもデス・マッチとしても褒めれる物ではなかったですね。
 敗者のはずのディキンソンが勝ってしまい、再開された経緯の観客の反応を見れば、
 この試合が所詮ピンキーの人気だけによって決定付けられている事が分かる。
 ひどい試合。

I準決勝、エクソシスト・デスマッチ:ネイル・ダイアモンド・カッターvs.ジョン・レア
 ネイルは背中一面を真っ赤に染めて頑張っていますが、
 相手が何も返ってこない雑魚であるが故に体の張り損。
 試合を行っている意味合いがありません。
 ひどい試合。

Jハードコア・ランブル
 ミニを1人含む計6人によるランブル戦。
 特に観るべきものはないけれど比較的コンパクトにまとまっています。
 お約束の形式ですしね。
 悪い試合。

KIWA-DS王座戦:クリスジェン・ヘイム(ch)vs.フリークショウ
 クリスジェンがフリークショウに対して打撃を打ち返すので結構乱戦として物になっています。
 王座への気持ちが伝わってくるファイトだったし、
 最後の乱入劇はカルト・フィクションの悪辣さをアピールするには良い物でしたね。
 悪くない試合。

L決勝、テーブルズ、ラダーズ、ライトチューブス&チェアーズ・エリミネーション・デスマッチ:ピンキー・サンチェスvs.ダニー・ハボックvs.ネイル・ダイアモンド・カッター
 ハボックが戦えないという事でグラムが一方的にトレモントの代理出場を宣言。
 トレモントがいきなりネイルを沈めます。
 確かにネイルは満身創痍に見えたけど、実質的に何も残せていない状況でこの扱いは不憫ですね。
 ピンキーvs.トレモントもいまいち。
 先ほどの流れからベビーフェイスvs.ヒールで盛り上げようという事でしょうが
 ここで求められているのはトレモントのような器用なタイプよりも
 強さや怪物性を持っているファイターです。
 やっぱりフリークショウが出ないと駄目だったのではないでしょうか。
 ピンキーも準決勝に比べると良い試合運びだったけれども
 あくまでハードコア・ファイトの域を出ず、
 デス・マッチ・ファイターとして開眼する事は残念ながらありませんでした。
 悪くない試合。

総評
 デス・マッチ・トーナメントって血を流して
 犠牲を払った分少なからずリターンが返ってくる事があって
 そこからスターが生まれたりした訳だけど
 今回は人気があるからという理由でピンキーが総取りしていった形で
 ちょっとやりきれない所がありますね。
DVD Rating:☆☆☆☆☆
(執筆日:5/25/11)

注目試合の詳細

なし

試合結果

@1回戦、サムタック・キックパッズ:クリス・ディキンソンvs.ジョニー・マングエー
A1回戦、カーペット・ストリップ・メイヘム:ジミー・フェルチャーvs.ピンキー・サンチェス
B1回戦、スマッシュ、パウ、バム!:ダニー・ハボックvs.マット・トレモント
C1回戦、バーブワイヤー・ボーズ&ウェポンズ:ヴァイパーvs.デヴォン・ムーア
D1回戦、ピッツ・オブ・ヘル:ネイル・ダイアモンド・カッターvs.デイビッド・デイ
E1回戦、SAWデス・マッチ:ジョン・レアvs.スパイダー・ブードロウ
Fフィル・マシオvs.ジェレミー・フライン
G準決勝、ライト・チューブ・ドアーズ:デヴォン・ムーアvs.ダニー・ハボック
H準決勝、ルース・ライト・チューブス&ウェポンズ:クリス・ディキンソンvs.ピンキー・サンチェス
I準決勝、エクソシスト・デスマッチ:ネイル・ダイアモンド・カッターvs.ジョン・レア
Jハードコア・ランブル(勝者:コーナーストーン)
KIWA-DS王座戦:クリスジェン・ヘイム(ch)vs.フリークショウ
L決勝、テーブルズ、ラダーズ、ライトチューブス&チェアーズ・エリミネーション・デスマッチ:ピンキー・サンチェス(優勝!)vs.ダニー・ハボックvs.ネイル・ダイアモンド・カッター