TOPアメリカン・プロレス注目インディー →AIW:TPI 2011 Day One 5/20/11

AIW:TPI 2011 Day One 5/20/11の分析


名勝負 なし
好勝負 なし

3枚、約4時間50分です。

実質的に崩壊したIWA-MSから引き継いだ形ですが
Ted PettyではなくTodd Pettengill Invitationalになっていますね。
また単なるトーナメントではなく優勝者には
王座にいつでも挑戦できる、というWWEで言うMITBの権利が与えられます。

@1回戦:グレゴリー・アイアンvs.ジョン・カルマン
 アイアンは右腕が折り曲がったままで動かない様子。
 制約がありながら頑張っているけれども
 常にリアルな負傷を感じさせながらのハラハラで
 ゴーウェン・レベルにまではたどり着いていない。
 そのアイアンが勝利してしまい今後の試合も犠牲になるではと不安・・・。
 ひどい試合。

A1回戦:ザ・デュークvs.AERO!
 デュークは落ち着いた試合運びが出来るものの
 もう少し絞らないとディティールに注意を払えない。
 AERO!はもう少し打撃含め技を綺麗に決めないと
 体格差を埋められる説得力を感じることが出来ない。
 AERO!の起き上がり判定も意味不明な精度です。
 スタイルの対比という面白さはあったろうけどね。
 少し悪い試合。

B1回戦:アイゼア・ボンズvs.ジェームス・キーナン
 キーナンはプロレス史上屈指の足元がふらつく男なのに
 何故スキニー・パンツをコスチュームに選ぶのか。
 確かにキャラには合っているが、
 そのせいで自分の欠点を自ら助長させるなんて馬鹿げています。
 一方のボンズ。
 太っているのにスタンディング・ムーンサルトをしたりするのが売り。
 その性質上スポットで動く関わり方になるのは分かるが
 要所だけ動くとも言えない程とにかく動かない。
 また技も意外に体重がのっていなくて
 こちらも自分の売りが全然確立できていない駄目っぷり。
 ひどい試合。

C1回戦:ソンジェイ・ダットvs.ボビー・ビバリー
 このレベルの団体だと体つきを見れば
 レスラーとしての価値が正直に出ているもの。
 ボビーからはデイビーに近い志向性を感じる。
 ソンジェイは観客にフォローさせるまずまずの働きです。
 しかし相手のセコンドにももう少し注意を払いたい所。
 ビバリーは自分のスタイルを分かっていて良い技を選択しているものの
 まだ継ぎ接ぎで攻め/受けのバランスや悪徳マネージャー、フレクサーとの関連性など
 まだまだ完成させていく余地は大きい。
 平均レベル。

 フレクサーが女子王者のジェシカ・ハボックが負傷により欠場する事をアナウンス。
 対戦相手だったミッキーが現れ、ならあんたとやろうかと言い出す。
 フレクサーは、女を殴る趣味はない、しかし代わりにリクルートしてきた選手がいる、と言ってミナを紹介。

Dミッキー・ナックルズvs.ミナ・リブレ
 ミッキーの試合は久しぶりに見ますね。
 レスリング、場外戦、試合の取り組み方にイアンの教えが見え、
 今尚ミッキーという個性が通用する事が確認できる。
 嬉しくなりますねぇ。
 相手のミナは体重がある分ミッキーと戦っていて違和感は覚えないが特に感心はしない。
 最後のスーパープレックスをミスした後、ミナが動くのを拒否したせいで微妙な後味が残ったし。
 悪い試合。

E1回戦:デイブ・クリストvs.リッキー・シェイン・ペイジ
 試合中ミスらしいミスもなかったが特別興味を引くような内容でもない。
 5分もなかったのでもう少し時間を与えても良かったかもしれない。
 悪くない試合。

F1回戦:ファサイドvs.シュガー・ダンカートン
 中途半端にダンスを入れて緩い空気にした後
 シリアスに戻してメリハリをつけられるのかが重要なポイント。
 前後半で明確に区切ったため大きな問題にはならなかったものの
 前後半どちらにおいてもダンカートン主導でファケイドは何も良い所がなかった。
 少し悪い試合。

 ダルトンがタッグ・パートナーを見つけた、といってジョーイを紹介。
 俺たちは無敗だからタッグ王座に挑戦させろ、といいオルセンズも了承し次の試合へ。

Gタッグ王座戦:オルセン・ツインズ(ch)vs.ダルトン・キャッスル、ジョーイ・ザ・スネイク
 ダルトン、ジョーイが試合の流れにのった動きができないために
 どうも試合がスムーズに進行せず、オルセンズが小さくカラーを加えるに留まる内容。
 悪い試合です。 

H1回戦:ルイス・リンドンvs.フリップ・ケンドリック
 相手の動きを読んだカウンターが多く
 パートナー対決の趣が出ています。
 事前に打ち合わせできる序盤を過ぎるとクオリティは落ちてくるが
 それでも意表をついた動きが所々であり面白い。
 特にリンドンのアーム・バー狙いは悪くないですね。
 予想より楽しめる内容で、平均より少し上。

I1回戦:ジェイク・クリストvs.ジョナサン・グレシャム
 相手を押さえつける意図の伴った本格的なレスリングを見せてくれます。
 中盤はグレシャムが脚攻め。
 今回は売りである綺麗なフォームを崩してまで
 気持ちを前に出していてより惹きつけられるファイトでしたね。
 クリストはそれを受けて脚を余り動かさないようにしながらも引き続きリズムをつけているのがにくい。
 上手く進んでいた試合ですが終盤は少しトーン・ダウン。
 一線を越えた打ち合いという認識からダメージを受けているはずの脚を使っての蹴りを多用したのが一因です。
 まあまあ良い試合。

J1回戦:マリオン・フォンテインvs.コルト・カバナ
 コメディー番組にでも出てきそうなマリオンのキャラは楽しいが、
 コメディー・ネタを考える能力はそこまで無い。
 そのマリオンに花を持たせる形でカバナがセーブした結果、
 余り面白くないコメディーと、そこからシリアスになる必要があったと信じる事が出来ない攻防でしかない。
 悪い試合。

K1回戦:ティム・ドンストvs.マッド・マン・ポンド
 ルールにのっとって試合しようというドンストに対し
 ポンドは観客が求めているんだといって無理矢理ハードコア・ルールに引きずり込みます。
 試合は場外、トイレまで含めた色々な場所で
 ドンストのコミカルな受けを中心に楽しませる内容。
 過激とは程遠いが(技の精度が低くて半分外れていたりする)、
 凶器はコンクリートまでバリエーションに飛んでいるし、
 ハードコア・ファン・マッチとしては適当でしょう。
 平均レベル。

Lジョニー・ガルガーノvs.戸澤陽
 戸澤は技を決めた後のフォローの意識が高いですね。
 ガルガーノも連続技を主体とするもののこちらは技の積み重ねによるフローが素晴らしい。
 それぞれのカラーが出ていますがどちらも少々実体にかけるのが玉に瑕。
 唐突ではあったものの戸澤がハイ・テンション芸を解禁し後半へ。
 ガルガーノは的確な反撃、リズムは素晴らしいのですが
 ベビーフェイスとしてやるならやられ姿で観客をひきつけなければいけませんね。
 今のままでは淡白です。
 終盤は気合を絡めた良質な攻防ながら、
 連続ダイブは観客のためが第一義にならざるを得ずやりすぎ。
 まあまあ良い試合でした。

M1回戦:ジミー・ジェイコブスvs.BJウィットマー
 ライバルを感じさせる立ち構えからスタート。
 中途半端な釘の絡ませ方、長い場外戦と構成はいまいちでしたが、
 ハードなチョップの打ち合い、流血、とその攻防は
 かつてのライバリティーを思い起こさせるには十分な激突でした。
 BJは前より配慮が出来なくなった印象だが、
 体格上それは許容されるし、他の一気に劣化した面々に比べるとまだまだ戦えるレベルです。
 まあまあ良い試合。

N1回戦:ポール・ロンドンvs.シーマ・ザイオン
 ロンドンがまたもやってくれました。
 ハードコアな場外戦なので一応体を張ってはいるけど、
 構築上から言って不必要に長いし、
 またメインなのについていかなかった観客は見れない戦いをするとは馬鹿にしています。
 リングに戻るとダウン・モードに入るも動きが雑。
 SSPも決まりはしたものの脚がロープに当たってましたからね。
 WWEのSSPミスから始まった抗争も
 キッドマンではなくロンドンがやったと記憶が書き換えられてしまいそうな程
 インディー復帰後のロンドンはなめた仕事をしている。 
 少し悪い試合。

@ACH vs.ゲイリーJ
 両者リスト・ロックのレベルから工夫を施しているけれども
 観客の前でやるにはもう少し精度を高めたい。
 またアイディアが豊富であるが故に一人のレスラーのスタイルとしては統一感が欠けているようにも映る。
 ACHはリッチ・スワンのようなレスラーで同じように伸びる可能性は持っていそう。 
 悪くない試合。

Aセックス・ボムスvs.サブミッション・スクアッド
 どちらのタッグもタッグ技が一通り揃っています。
 タッグとしての面白みをもれなく提供できていますね。
 しかしあくまで見れるレベルのタッグの内一つでしかなく
 ショーケースとしてはもう少しアピールしたかったか。
 SSの片割れの身体能力にはおっ、と思わされましたけどね。
 少し悪い試合。

総評
 AIWレスラーvs.ゲストで注目カードを組んできましたが、面白い化学反応は起きず。
 そんなにクオリティは低くないが試合数が多いので見ていて疲れてしまう。
 (執筆日:7/11/11)

注目試合の詳細

なし

試合結果

@1回戦:グレゴリー・アイアンvs.ジョン・カルマン
A1回戦:ザ・デュークvs.AERO!
B1回戦:アイゼア・ボンズvs.ジェームス・キーナン
C1回戦:ソンジェイ・ダットvs.ボビー・ビバリー
Eミッキー・ナックルズvs.ミナ・リブレ
F1回戦:デイブ・クリストvs.リッキー・シェイン・ペイジ
G1回戦:ファサイドvs.シュガー・ダンカートン
Hタッグ王座戦:オルセン・ツインズ(ch)vs.ダルトン・キャッスル、ジョーイ・ザ・スネイク
I1回戦:ルイス・リンドンvs.フリップ・ケンドリック
J1回戦:ジェイク・クリストvs.ジョナサン・グレシャム
K1回戦:マリオン・フォンテインvs.コルト・カバナ
L1回戦:ティム・ドンストvs.マッド・マン・ポンド
Mジョニー・ガルガーノvs.戸澤陽
N1回戦:ジミー・ジェイコブスvs.BJウィットマー
O1回戦:ポール・ロンドンvs.シーマ・ザイオン
@ACH vs.ゲイリーJ
Aセックス・ボムスvs.サブミッション・スクアッド