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AIW:Absolution V 6/27/10の分析


名勝負 なし
好勝負 AIW王座戦:ジョニー・ガルガーノ(ch)vs.ブライアン・ダニエルソン

約3時間40分。
@#1コンテンダーズ・ガントレット・マッチ:ジャック・オブ・ラブvs.ピンク・マスタッシュズvs.バナナ・ブリゲイドvs.オルセン・ツインズvs.チーム・ビヨンド
 ジャック・オブ・ラブvs.ピンク・マスタッシュズ。
 まずは簡単な孤立後、女性の衣装を着たスーパー・オプラが暴れる、というファン・マッチで〆。
 2戦目ピンク・マスタッシュズvs.バナナ・ブリゲイドは
 ブリゲイドが少々粗いものの連携技で押し勝つという内容。
 3戦目はブリゲイドvs.オルセン・ツインズ。
 最初に音の出るチョップを、最後に迫力のある技を配置したものの、
 リングは狭いし、個々の完成度もいまいちで格好だけ。
 この3戦は色合いは良いもののクオリティは低かったですね。
 最後はツインズvs.チーム・ビヨンド。
 ここでようやく本格的な試合となります。
 スピードが出せない中組み合わせで勝負し盛り上げていきました。
 ジミーの合いの手も光りましたね。
 平均レベル。

Aグレゴリー・アイアンvs.ジャスティン・リー
 序盤の戦略的攻防から中盤の主導を握った後のベースも悪くない。
 特に駄目って言うほどひどくないですからね。
 しかし良いという程のレベルではいので
 なあなあ、で試合が進み、終盤に向けての高まりはない。
 特にアイアンは終盤の技セットを今一度見直した方が良いですね。
 少し悪い試合。

Bプレーサー・プラットーンvs.ダ・ラティン・クライム・シンジケート
 相手のアクション待ち状態が見えすぎ。
 8マンにも関わらずテンポとは無縁の甚振りシーンがベース。
 甚振るにしても適当にやっているので浅い打撃も目立ちます。
 最後もこれまた適当に乱れうち。
 ひょろひょろの若造がギャングっぽい輩から丸め込みで勝負を奪い取る、
 その結果以上の価値を6分かけてもまったく生み出せなかった。
 ひどすぎる試合。

Cフォールズ・カウント・エニウェア:アルファ・ベータ・デューク、ジョン・ソーンvs.ブラックバラード
 頭部を柵にぶつけたり有刺鉄線の束をぶつけたりしてハードコアだが、
 観客を熱狂させられていないのだから不十分。
 やるなら柵の外、観客席に入るまで暴れなくては。
 後半からにかけてのリング/場外の使い分けも意識されていませんね。
 最後のフィニッシュへのスポットの連続も
 上手く焦点をバトンタッチしないといけない。
 これはカメラ・マンの技量も関係してくる所だけど。
 悪くない試合。

DAIW王座戦、ノーDQ:ジョニー・ガルガーノvs.トミー・マーサーvs.ジェームス・キーナンvs.ファケイド
 4ウェイですがリングが狭いせいでどうしてもタイミング合わせに手間取りますね。
 テンポ良く進めるのが難しい。
 しかし4人で途切れさせずに繋いでいます。
 キーナン、ファケイドも久しぶりに見たけど以前感じた粗さはなくなってますね。
 ノーDQという事で後半は凶器も織り交ぜられ盛り上がりました。
 まあまあ良い試合。

E女子王座戦:ジェファーソン・セイント(ch)vs.エンジェルダスト
 ジェファーソンは女子王者になってますが男で、
 アンディ・カウフマンを彷彿とさせるギミック。
 最初にヘイリー・ヘイトリッドを呼び出すも出てこず、
 びびったんだな、とか言っているとエンジェルダストが現れこの試合に。
 上でアンディ・カウフマンを彷彿とさせると書いたけど
 実際ジェファーソンの試合運びは良いですね。
 勝敗とは関係ない所で試合の見所を作りボリュームを生み出しています。
 またハードコア・スポットを持ち出してきて、結果的に自分で受けるのも良いねぇ。
 ジェファーソンがやられる所を見るためにAIWの大会に行く、という事が成立する選手です。
 エンジェルダストも気性の激しさを見せ一応貢献していましたね。
 最後はヘイリーの入場曲が鳴ってジェファーソンの注意が逸れ・・・っていう定番ネタ。
 王道ではあるけれどここまででハードコアまで持ち出している事を考えると
 フィニッシャー一発でカウント3はしっくりいかないので丸め込みの方が適切に思えますね。
 まあまあ良い試合。

Fインテンス・ディビジョン王座戦:リコシェ(ch)vs.シマ・ザイオン
 バランスの良い試合進行。
 リコシェは相手の動きの切り方が良いし、
 ザイオンもICWで見た時と比べ、印象化が出来るようになっている。
 リコシェのタイミングをコントロールした受けによりスムーズに進行し、
 最後はザイオンにミスがありながらも
 リコシェの凄技のインパクトで強引ながらも一気に盛り上げていきました。
 平均的な良試合。

Gタイラー・ブラックvs.チャック・テイラー
 10分ない内容でそれぞれの見せ場を実直に組み合わせ、
 コンパクトにまとめた内容です。
 ちゃんと一進一退を生み出していますが、
 相手とのミックスを考え抜いて生まれたものではないので
 2人の間の実力差はそんなに埋まっておらず、
 タイラーがピンチと感じる瞬間はそれ程なかった。
 平均より少し上。

Hタッグ王座戦、3本勝負:ヤング・スタッズ(ch)vs.エアロフォーム
 1本目はトルネード式の場外乱戦からスタート。
 リングに入らせない形を作って派手な合体技でフィニッシュです。
 1本目として上手く作り上げましたね。
 2本目は落ち着いて通常形式のタッグ。
 観客席へのダイブなど盛り上げましたが、
 ちょっと無駄に長くやって勢いを生かせず。
 2本目なのだから1本目みたいに綺麗に作る事を優先させても良かったですね。
 3本目はインパクトのあるフィニッシュだったが、2本目を引きずりごちゃごちゃしていました。
 平均レベル。

IAIW王座戦:ジョニー・ガルガーノ(ch)vs.ブライアン・ダニエルソン
 レスリング内の変化。
 小さいことを嵐の前の静けさとして見せています。
 その中でガルガーノも決して見劣りしない臨み方だったのが良いですね。
 他所の団体のトップを迎えるに当たり、互角の攻防を見せるのは王道だが、
 その作る過程においても互角の貢献量であれば燃えるというものです。
 中盤はまずガルガーノが腰攻め。
 こっちらが先で良かったですね。
 流石にこういう事に関してはアメドラと互角のレベルの物を見せるのは難しいですから。
 アメドラは腕攻め。
 自分のテンプレートを柔軟にどの場面にも適応させる能力は素晴らしいものがあります。
 そしてその腕攻めで時間をゆったり使っているにも関わらず
 それでも成立しているのはサブミッションの痛みを伝える力が優れているからこそです。
 時間の調整を感じさせないまま終盤へと突入し、
 相手を傷つけすぎない綺麗な切りあいで持って30分時間切れを迎えました。
 キャリア・メイキングらしい限界を出し尽くす試合になるかと思いきや、
 理解しあった上で深く入り込まない、不思議な余韻を残す内容でした。
 ぎりぎり好勝負。

総評
 団体総出で盛り立てて自分の団体の器以上のレスラーを向かえる舞台を作り上げ、
 その上で期待を背負ったエースが内容を残す、という
 AIW史上最高の大会構成と最高のメインになっています。
DVD Rating:★★★☆☆
(執筆日:5/25/11)

注目試合の詳細

IAIW王座戦:ジョニー・ガルガーノ(ch)vs.ブライアン・ダニエルソン
 組むとアメドラがアーム・ドラッグ。
 ジョニーがハンマー・ロックを決めブリッジ。
 アメドラがショルダー・タックルで倒す。
 グラウンド・ヘッド・ロック。
 ジョニーがグラウンド・ヘッド・シザース。
 アメドラが反転しブリッジで抜ける。
 脚を絡め両肩をつけにいく。
 ジョニーが耐え逃れる。
 アメドラがショルダー・タックル。
 ジョニーがカウンターでドロップ・キック。
 ナックル・ロック。
 ガルガーノが押して上にのる。
 アメドラが腹に脚を当てて飛び上がりモンキー・フリップ。
 ジョニーは場外に出て間をおく。
 アメドラが腕を取る。
 5分経過。
 ジョニーが前転から転がし腕を取る。
 アメドラが切りドロップ・キック。
 場外に出たジョニーにエプロンからハイ・ニーを狙う。
 ジョニーはかわしてエプロンに上がるとトペ・アトミコ。
 エプロンにぶつける。
 リングに戻しカバー。カウント2。
 アメドラはサイド・ヘッド・ロックに返すと起こしてけり。
 エルボーの打ち合い。
 ジョニーがバック・ブリーカー。
 エルボー。
 アメドラはコーナーに振られるもムーンサルトで裏に回る。
 ロープに走りネック・ブリーカー・ドロップ。
 アッパーカート。
 10分経過。
 腕折り。
 腕に狙いをつける。
 ロメロ・スペシャルの体勢。
 抵抗するジョニーに鼻フックを決めI've stil 5。
 ロメロ・スペシャルを決める。
 そこからドラゴン・スリーパー。
 ジョニーが顔をかきむしり逃れる。
 ジョニーの腕を折り曲げひねって倒す。
 背中を蹴りつける。
 エプロンに出たジョニーに腕折。
 ロープに走る。
 ジョニーがロープ越しにスピアー。
 両者ダウン。
 エルボーの打ち合い。
 ジョニーが押しニー。
 ロープに走る。
 アメドラが追いバック・エルボー。
 ジョニーが追いバック・エルボーに延髄切り。
 エプロンのアメドラにハンドスプリング・キックを決め落とす。
 そしてトペ・スイシーダで追撃。
 リングに戻すとダイビング・クロス・ボディ。カウント2。
 スーパー・キックへ。
 アメドラは受け止めるとアンクル・ロック。
 ジョニーが何とかロープを掴む。
 アメドラがダウンするジョニーを蹴りつける。 
 ロープに振られたジョニーがサンセット・フリップ。
 体勢を入れ替えあう。
 アメドラがカウント2で返す。
 胸を蹴りつける。
 受け止められるもトライアングル・チョークに引きずり込む。
 体を起こされるや脚を取って倒しアンクル・ロック。
 起き上がったジョニーにレッグ・ロック・ジャーマン。カウント2。
 キャトル・ミューティレーション。
 ジョニーは反転し起き上がると丸め込み。カウント2。
 延髄切りを防ぎレッグ・クラッチ・ボストン・クラブを狙う。
 アメドラが丸め込む。カウント2。
 ローリング・エルボーへ。
 ジョニーがかわしスーパー・キック。
 両者ダウン。
 エルボーの打ち合い。
 アメドラは蹴りで応じる。
 ロープを使ってのビッグ・ブーツの打ち合いに。
 アメドラがカウンターで張り手。
 張り手。
 ジョニーがソバット。
 25分経過。
 担ぐとターン・バックルにぶつける。カウント2。
 レッグ・クラッチ・ボストン・クラブ。 
 アメドラがロープを掴みそのまま場外に。
 ジョニーはリングに戻すとショルダー・ブロック。
 もう1発狙う。
 アメドラが蹴り上げる。
 カウンターのスピアーを受け止めるとキャトル・ミューティレーション。
 ジョニーがロープに脚をかける。 
 残り2分。
 コーナー上に載せ雪崩式バック・ドロップ。カウント2。
 エルボー連打。
 残り1分。
 カバーするもカウント2。
 ならばと再びキャトル・ミューティレーション。
 ジョニーが反転して起き上がる。
 バックに回りユニークリー・ユー。
 カバーしに行くもカウントは2。
 ゴングが鳴り30分時間切れ!

試合結果

@#1コンテンダーズ・ガントレット・マッチ:ジャック・オブ・ラブvs.ピンク・マスタッシュズvs.バナナ・ブリゲイドvs.オルセン・ツインズvs.チーム・ビヨンド
Aグレゴリー・アイアンvs.ジャスティン・リー
Bプレーサー・プラットーンvs.ダ・ラティン・クライム・シンジケート
Cフォールズ・カウント・エニウェア:アルファ・ベータ・デューク、ジョン・ソーンvs.ブラックバラード
DAIW王座戦、ノーDQ:ジョニー・ガルガーノ(新チャンピオン!)vs.トミー・マーサーvs.ジェームス・キーナンvs.ファケイド
E女子王座戦:ジェファーソン・セイント(ch)vs.エンジェルダスト(新チャンピオン!)
Fインテンス・ディビジョン王座戦:リコシェ(ch)vs.シマ・ザイオン
Gタイラー・ブラックvs.チャック・テイラー
Hタッグ王座戦、3本勝負:ヤング・スタッズ(ch)vs.エアロフォーム(新チャンピオン!)(2-1)
IAIW王座戦:ジョニー・ガルガーノ(ch)vs.ブライアン・ダニエルソン(30分時間切れ)