AAW:Best of 2010の分析
名勝負 | なし |
好勝負 | なし |
2枚、約3時間30分です。
@AAW王座#1コンテンダーズ・マッチ:ハロウィックドvs.グラン・アクマvs.ジグソウvs.フリップ・ケンドリックvs.ルイス・リンドンvs.トリック・デイビス(Chaos Theory 1/22/10)
アクマが一番良く見えるという事実が、他がどれだけ粗を重ねたかを指し示している。
ルチャ・ルールによる入れ替わりも攻防もごたごたしていて
とてもAAW王座に挑戦する資格を証明できたとは言えない。
悪い試合。
Aデイビー・リチャーズvs.スペル・クレイジー(Chaos Theory 1/22/10)
クレイジーは場外投げなど要所では印象的な事をするものの
基本的に手抜きでリチャーズにヒールをさせて大半をまかせています。
リチャーズが一人で盛り上げてまとめた内容。
平均レベルです。
Bタイラー・ブラックvs.シェイン・ホリスター
切り口の鋭い鬩ぎあいでスタート。
タイラーはAIWとかでもホリスターと戦ってますから
どういうテンポで試合を進めるべきか心得ていますね。
ホリスターは表現的ではありませんが、
それまでに溜まった不満を陰鬱な攻撃で晴らすという個性にはなっている。
終盤もう少し2人の立ち位置を鮮明にしたら攻防にも意味合いが出てきたでしょう。
まあまあ良い試合。
CAAW王座戦:サイラス・ヤング(ch)vs.ハロウィックド(Dragongate USA Fearless 1/23/10)
それぞれが異なるスタイルを持ち寄り
特に高めあうでもズレるでもなくそこそこの内容に。
別に王座戦にする必要性やカードを組む必要性は感じさせず。
悪くない試合。
(執筆日:5/22/10)
Dタッグ王座戦:ハウス・オブ・トゥルース(ch)vs.タイラー・ブラック、ジミー・ジェイコブス(Auditions 2/19/10)
HoFがヘタレてAotFがテンション高く攻める関係性は適切だけど
それが一致して素晴らしい物が生まれる程には交じり合っていない。
ジェイコブスの孤立も余り効果的ではなくやはりROHに比べるとタッグ力が落ちるなと実感。
終盤もあっさり目に決着しています。
平均より少し上。
Eノー・ロープ・バーブド・ワイヤー・マッチ:ハウス・オブ・トゥルースvs.フェニックス・ツインズ(6th Anniversary Show 3/26/10)
トルネード式なので型に縛られず、
また遺恨戦という事で甚振り重視で能力をほとんど使わず。
しかしそんな状態でまったりと試合が進行する様は
逆にその凄惨さを際立たせる結果となっています。
CZWなどに引けを取らず有刺鉄線にバンプを取っていきますし、
終盤はHoTの乱入攻勢、ラダー、柵スポットで派手に打ち上げています。
ラストの攻防はどちらが勝つか見当をつかせず素晴らしかったですね。
中々良い試合。
Fヘリテイジ王座戦:エリック・キャノン(ch)vs.クロッチ(Bound by Hate 6/11/10)
クロッチは打撃の重みが違うのに
エリックと対抗できていて無理がありますね。
相手の誘導に関しても無視して自分の形で誤魔化そうとしていて駄目。
結局ノーススター・エクスプレスの乱入からフィニッシュなのでエリックも少々手抜きです。
悪い試合。
Gヘリテイジ王座戦:エリック・キャノン(ch)vs.ミスチーフ(Bound by Hate 6/11/10)
先の試合に勝ったエリックがアピールしていると
暗転からミスチーフが背後に登場しこの試合に。
カード自体としては面白そうながら
実現した経緯上ミスチーフがやたら攻める展開に。
一方的で退屈するしエリックが配慮して合わせている感も目立ちます。
後半になるとエリックも攻めるが真っ向からの攻防は相変わらずリアリティーがない。
悪い試合。
Hラリー・スウィニーvs.ダン・ローレンス(Reign of Violence 8/14/10)
ダンは落ち着きがなくスウィニーののらりくらりペースの中に組み込めない。
必然的にスウィニーの一人舞台な内容になります。
終盤はハラハラしたけどそれはタイツをずらされて
スウィニーの大事なものがカメラに映りやしないかと思ってであって
ダンとの攻防で、ではない。残念ながらね。
悪くない試合。
IAAW王座戦:サイラス・ヤング(ch)vs.タイラー・ブラック(Reign of Violence 8/14/10)
まずは互角の様式立てで積み上げていきます。
サイラスのやり方は荒っぽく
細かい意思疎通を交わすにあたって支障があるけれども
相手を潰すという態度の表示という点では魅力的です。
中盤はそのサイラスのやり方に任せ切りでタイラーが中々動きませんでしたね。
いまいち深い攻防に入らない上に、
サイラスがカウンターばかりで間が利いてないので後半はいまいちギアがかからず。
30分経過し試合続行不可能として中途半端にフィニッシュしたのが残念ながら似合ってしまう内容です。
まあまあ良い試合。
タイラーが試合続行を求めるもクリスチャン・エイブルに襲撃される。
JAAW王座戦:サイラス・ヤング(ch)vs.リコシェ(Defing Moment:Fade to Black 9/24/10)
サイラスが序盤では大きく受け中盤では獰猛に支配にかかる。
ふり幅が大きくて良いですね。
リコシェも適切なタイミングで反撃していて、
連続技のコンビネーションで大きな勢いを生み出しています。
攻防による手綱引きは一進一退で想像以上に素晴らしいものでした。
リコシェはデビュー戦でしたが、ゲスト・スターとしての扱いで
2人もまたそれにふさわしい意思疎通を見せましたね。
只お互いの必殺技をかわした後はちょっとやりすぎです。
好勝負に少し届かず。
Kタッグ王座戦:タイラー・ブラック、ジミー・ジェイコブス(ch)vs.ハウス・オブ・トゥルース(Defing Moment:Fade to Black 9/24/10)
WWE移籍が決まったタイラーのAAWラスト・マッチ。
序盤は前回と同じくAotFが調子にのっているHoTをびびらせ連携技を見せます。
他ならぬタイラーが孤立する展開になり、
ジェイコブスが相手それぞれにダイブしたりとやたら活躍するので
前半はタイラーがひっそりと去ってしまうのかな、と首を傾げる形式的な内容。
しかしジェイコブスが孤立して予想以上に伸びると終盤でやってくれました。
HoTの潤沢な合体技と、冴え渡るカウンターの攻防は素晴らしく、
乱入したサイラスがジェイコブスを連れ去った後のタイラーvs.HoTも
完全に観客をのせて最後のフィニッシュまで持って行きました。
スロー・スタートながら終わってみればAAWラスト・マッチにふさわしい激戦でしたね。
中々良い試合。
総評
タイラーのラスト・ラン目当てで購入。
タイラーの安定感ある内容に満足した上で、
AAW十八番のバーブド・ワイヤー・マッチや
トップを張るサイラスの試合に感心する、という狙い通りの内容になっています。
AAWという団体を知るのにも向いています。
DVD Rating:★★☆☆☆
(執筆日:5/25/11)
注目試合の詳細
なし試合結果
@AAW王座#1コンテンダーズ・マッチ:ハロウィックドvs.グラン・アクマvs.ジグソウvs.フリップ・ケンドリックvs.ルイス・リンドンvs.トリック・デイビス(Chaos Theory 1/22/10)Aデイビー・リチャーズvs.スペル・クレイジー(Chaos Theory 1/22/10)
Bタイラー・ブラックvs.シェイン・ホリスター
CAAW王座戦:サイラス・ヤング(ch)vs.ハロウィックド(Dragongate USA Fearless 1/23/10)
Dタッグ王座戦:ハウス・オブ・トゥルース(ch)vs.タイラー・ブラック、ジミー・ジェイコブス(新チャンピオン!)(Auditions 2/19/10)
Eノー・ロープ・バーブド・ワイヤー・マッチ:ハウス・オブ・トゥルースvs.フェニックス・ツインズ(6th Anniversary Show 3/26/10)
Fヘリテイジ王座戦:エリック・キャノン(ch)vs.クロッチ(Bound by Hate 6/11/10)
Gヘリテイジ王座戦:エリック・キャノン(ch)vs.ミスチーフ(Bound by Hate 6/11/10)
Hラリー・スウィニーvs.ダン・ローレンス(Reign of Violence 8/14/10)
IAAW王座戦:サイラス・ヤング(ch)vs.タイラー・ブラック(試合続行不可能)(Reign of Violence 8/14/10)
JAAW王座戦:サイラス・ヤング(ch)vs.リコシェ(Defing Moment:Fade to Black 9/24/10)
Kタッグ王座戦:タイラー・ブラック、ジミー・ジェイコブス(ch)vs.ハウス・オブ・トゥルース(新チャンピオン!)(Defing Moment:Fade to Black 9/24/10)