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ASW UK:Best of 2012の分析


名勝負 なし
好勝負 ディーン・オールマーク、ジェームス・メイソンvs.マーク・ハスキンス、ダグ・ウィリアムス(2/26/12)

ディーン・オールマークvs.ネイサン・クルーズ(3/24/12)

@ディーン・オールマーク、ジェームス・メイソンvs.マーク・ハスキンス、ダグ・ウィリアムス(2/26/12)
 ダグ誇張して痛がり、ハスキンスは痛がりつつも綺麗に形に持っていく。
 オールマークの素晴らしい技の見せ方、
 メイソンの技術を感じさせる身のこなしと良い融合を見せていました。
 メイソンとダグの古典ブリティッシュ・レスリング・マッチとか見てみたいですね。
 ダグの打撃からメイソンがちょっとした孤立。
 その後はオールマーク、メイソンの攻め。
 メイソンがスピードをコントロールし、
 オールマークの動きを組み合わせ心地よいテンポを生み出します。
 ハスキンスがそのテンポをまったく乱さず
 オールマークを場外に落とし孤立につなげます。
 孤立時もスムーズなコントロールが売りとなっていますね。
 タッチして入ってきたメイソンが猛攻を仕掛けるかと思いきや
 ロープが首に絡まるというアクシデントを演出。
 これによりメイソンが一時ダウン。
 1対2でオールマークがやられる展開からメイソン復活という王道の流れ。
 メイソンは特に過激技に手を出す訳ではないけれど
 気持ちが高ぶっていることは十分伝わってきます。
 ベテランの妙といいたい所ですがメイソンってまだ32歳なんですね。
 もっと上かと思っていました。
 ぎりぎり好勝負。

Aディーン・オールマーク、ジェイムズ・メイソンvs.ロビー・ダイナマイト、ランページ・ブラウン(3/17/12)
 オールマークは凄いと思わせる方法を知っていてそれを出来る選手ですね。
 まずはオールマークが魅せた。
 その後メイソンが狙いをつけられる展開。
 ダイナマイト、ブラウンが場外や控え受けで盛り立てていましたね。
 ぐったりしたブラウンに合わせて
 オールマーク、メイソンが攻めていきますが
 非常に頭を使って技を組み立てていることが伝わってきました。
 メイソンが捕まった後、ダイブ・スポット。
 混雑させてヒート・アップさせると
 一進一退ではなくベビーフェイス/ヒールの流れで最後をまとめあげました。
 好勝負に届かずも中々良い試合。

Bディーン・オールマークvs.ネイサン・クルーズ(3/24/12)
 オールマークはレスリングの工程を分離して上手く見せている。
 見せ方、精度に拘った丁寧なレスリングで、
 スピードにもゆとりがあり、
 一つ一つが意味をもたせたまま流れの攻防にのった。
 ネック・ブリーカーからネイサン支配の展開。
 印象的な打撃の打ち込みで盛り上げます。
 オーソドックスなスタイルですが
 その中の要素を独自に分離して豊かな試合にしているのは温故知新といったところ。
 アピール系で煽り立てた後終盤へ。
 威力を再設定した魅力的な技の数々で攻防を繰り広げました。
 ネイサンがやや受けすぎだったものの
 一発の入れ込み方は良く成立していましたね。
 ぎりぎり好勝負。

Cジェームス・メイソンvs.ゼブラ・キッド(6/1/12)
 序盤は多彩なロープ・ワーク。
 終盤開始時にやるようなクローズライン連打を織り交ぜたりと
 才気溢れる自由度とハイ・テンポな流れ。
 メイソンの正統なベビーフェイスの振る舞いに対し、
 ゼブラが環境を使った攻撃で制圧しにかかります。
 ゼブラは基本現状維持で試合を発展させる試合運びとはいかないものの
 相手のメイソン含めそれぞれの立場がまったく揺るがなかったのは凄い。
 最後はメイソンが華麗に締めます。
 新日のJr王座戦を思い出した。
 好勝負に届かずも中々良い試合。

Dデイヴ・フィンレーvs.ダニー・ボーイ・コリンズ(6/1/12)
 まずは押さえつけるレスリング。
 そうなるとフィンレーが上を行くのかと思いきや
 ダニーも中々どうして
 スケールを大きくする見せ方で引けをとっていない。
 中盤になってフィンレーが荒っぽく環境を使って反撃していきますが
 ここでもダニーは完成度を崩さない。
 ただユーロの欠点とでも言いましょうか
 試合運びの幅の狭さを感じますね。
 キャラ表現の要素もある割りにその効果は弱めです。
 それでもユーロの試合構築に限れば良く分かっているな、と感心します。
 色々なアクションで機運を高め、綺麗に纏め上げました。
 もっと苦戦する感じや個のレスラーとしての我の競い合いがあっても良かった。
 中々良い試合。

Eディーン・オールマークvs.ジョニー・ストーム(6/1/12)
 華麗な演舞からスタート。
 垂直ロープ走りから斜めにショルダー・タックル相打ちをやったりします。
 そこからストームの着地系で盛り上げていくかと思いきや
 意表をついてゆったり落としてくる。
 その中でそれぞれ適度にカウンターを入れ一定のリズムで試合運び。
 コンビネーション、丸め込みの応酬で徐々に上げていくと
 そのままユーロらしい終わり方で決着。
 激戦という感じではないものの一定のレベル以上にある。
 平均的な良試合。

Fロウディー・リッキー・ナイト、ジミー・オーシャンvs.ボビー・ブルックサイド、フランキー・スローン(6/1/12)
 まずはヒールが技を決めアピール。
 今度はベビーフェイスがやり返し、ヒールが控え受けのおまけ付き。
 そこからベビーフェイスの孤立シーンへ。
 観客を煽り、場外に落としてセコンドのスウィート・サラヤに攻撃させる、という
 王道の中の王道の内容ですね。
 サラヤの働きは目を見張るものがありますが
 一方だけで成立しているので孤立している感じはないですね。
 また孤立脱出から後半開始かと思いきや
 ヒール側をぶつけていってそのままフィニッシュ。
 80年代のアメプロ的まとめ方ですね。
 その観点から言えば80年代アメプロほど機能的でもないのでクオリティとしてはいまいち。
 まあまあ良い試合。

Gロビー・ダイナマイトvs.ジェームス・メイソン(7/9/12)
 ゆったりとレスリング。
 かと思いきやロープ・ワーク使って一気にスピードを上げる。
 このギア・チェンジが大変素晴らしいですね。
 拳の見得とヒール戦略、アマレス的動きを交えつつ、
 その後もアメプロ的な型に依存せず
 ヨーロッパの強みを活かした自由転換で試合を作り上げました。
 メジャーの地方巡業を思わせるようなコンパクトな枠ですが、
 何気ないことを高いレベルでやってのけた試合。
 好勝負に届かずも中々良い試合です。
 (執筆日:12/23/12)


注目試合の詳細

なし

試合結果

@ディーン・オールマーク、ジェームス・メイソンvs.マーク・ハスキンス、ダグ・ウィリアムス(2/26/12)
Aディーン・オールマーク、ジェイムズ・メイソンvs.ロビー・ダイナマイト、ランページ・ブラウン(3/17/12)
Bディーン・オールマークvs.ネイサン・クルーズ(3/24/12)
Cジェームス・メイソンvs.ゼブラ・キッド(6/1/12)
Dデイヴ・フィンレーvs.ダニー・ボーイ・コリンズ(6/1/12)
Eディーン・オールマークvs.ジョニー・ストーム(6/1/12)
Fロウディー・リッキー・ナイト、ジミー・オーシャンvs.ボビー・ブルックサイド、フランキー・スローン(6/1/12)
Gロビー・ダイナマイトvs.ジェームス・メイソン(7/9/12)