WWE:Best of TV Matches 2003 part.3の分析
名勝負 | なし |
好勝負 | WWE王座戦:ブロック・レスナー(ch)vs.クリス・ベノワ(SD 12/4/03) |
WWE王座戦、アイアン・マン・マッチ:カート・アングル(ch)vs.ブロック・レスナー(SD 9/18/03)
この2人ならアマレス・ベースのレスリングで時間を稼げるはずなのですが、序盤からブックの力が強すぎましたね。
レスナーの獰猛性はカートがもっと密着してコントロールすべきだし、反対のヘタレはレスナー自身が間を置きすぎ。
放って置かれるとカートのスター性は弱くなりますからね。
9分経過時のレスナーの椅子攻撃により、消耗ペースが速くなりましたし、
そこから20分の内に5本も決まるので必殺技が軽視される同時に、必殺技があれば下地なんていらないという他の技の軽視にもつながっている。
マンネリ化しないように必殺技以外で数本決まりますが、説得力の足りない結果になるという負のスパイラルですね。
またそれは終盤、2本差の表現を困難にする事にもつながっている。
基本的にブックのストーリーは非常に面白いものがありますが、
とにかくアドリブの余地が少ない点が残念ですし、
王座を移動させるようにカートも状態が良くなく、求められている以上、予想されている以上の働きを見せる事は出来ませんでした。
好勝負に少し届かず。
(執筆日:7/17/10)
Dカート・アングル、アンダーテイカーvs.ブロック・レスナー、ジョン・シナ(SD 10/2/03)
豪華な顔ぶれにふさわしい内容になりました。
カートはシングルほどフィットせずともシナを適切に動かすし、
テイカーもシナを軽んじて力を見せ付ける。
テイカーと火花散るレスナーはまずタッグ・スポットから孤立させたカートに対し素晴らしく迫力ある攻めで自己アピール。
ついでにシナものっかります。
そして後半レスナーとテイカーの激突。
先ほどスケール・アップしたレスナーがテイカー相手に派手な受けを取り、テイカーもまたそこからスケール・アップさせる。
タッグ屋ではないビッグ・スター4人の集合ならではの
絶対的魅力のぶつかり合いに熱くなりましたね。
取り残されるかと思っていたシナも意外に存在感を発揮しており、
ブラス・ナックルでフィニッシュを務めるという栄光に預かったのも納得の働き。
好勝負に少し届かず。
(執筆日:2/9/11)
EWWE王座戦:ブロック・レスナー(ch)vs.クリス・ベノワ(SD 12/4/03)
Cと見比べれば際立って分かるけれどもこの試合は主導権の奪い合いが熱いですね。
ベノワは真っ直ぐな感情に従い、その瞬間に対し全力でチョップを打ち込む。
それに対しレスナーは未来を見てグラップラーの異名を奪い取るかのようなニーで黙らせる。
フット・ワークによるいなし、逃げも冴え渡っていますね。
惚れ惚れするようなパワーから繰り出される投げ、といいいつぞやのルガーを思い出しました。
完全に2人のスタイルがクロス・オーバー、輝かせあった形で、
最後のベノワの心を折ろうとするフィニッシュも見事な表現です。
結果的にはベノワはRawに移り世界王者になった訳ですが、
ベノワをレスナーのトップ・ライバルとしてWWE王者にするというのも十分考慮に値する選択肢だったと思いますね。
文句なしに好勝負。
(執筆日:7/17/10)