TOPアメリカン・プロレスTNA 2011年→TNA:Against All Odds 2/13/11

TNA:Against All Odds 2/13/11の分析


名勝負 なし
好勝負 なし

◆ロビーがマイク・アピールしジェネレーション・ミーの欠場を告げる。カズが現れお前相手に防衛戦を行ってやるよ、といい試合に。

@Xディビジョン王座戦:カザリアン(ch)vs.ロビーE
 カズはカリスマ性を醸し出す為に意図的に技に工夫をこらしているし、
 ロビーEはうざキャラの完成度は高く、試合においてもある程度反映されている。
 ですから基本的な役割をこなしているという点では良い。
 しかし終盤がロビーの介入からの丸めこみとカズのフィニッシャー、
 それぞれ各1発ずつという小ささはオープニングという事を差し引いても希薄です。
 平均レベル。

Aロブ・テリー、ガンナー&マーフィーvs.スコット・スタイナー、ビア・マニーInc
 テリーの体は見事ですね。
 何故人気出ないんだろうと思っていたら使い方がひどいですね。
 ガンナー&マーフィーとバランスを歪にするのは正解ですがスポットはしっかりテリーがこなさなければなりません。
 ようやく出たと思ったら観客は既に孤立されたルードに対する応援に傾いてる状況ですからね。
 活躍できない筋肉馬鹿はただの馬鹿です。
 ガンナー&マーフィーも自発的意図、もしくは指示に従って、
 どちらの行動にせよまったく貢献が出来ておらずPPV出場を勝ち取れた理由がわかりません。
 スコットに対して悪い点を指摘できない程イモータルがふがいなかったですね。
 筋肉を実際に使わない所がもはや独特の魅力になりつつあるスコットの復活が見所という内容。
 悪い試合です。

Bサモア・ジョーvs.ディアンジェロ・ディネイロ
 体格差があるのでジョーが受けないのは正しい選択です。
 しかし耐えの表現が不十分です。
 この試合で求められているのは単細胞のマッチョがよくやっているようなアピールです。
 それで微細ながらクオリティは上がる。
 ポープは攻撃力が弱い、という欠点が露呈した形。
 試合後の振る舞いなどスターとしては通用するように思いますので
 これは組んではいけないカードだったという印象ですね。
 フィニッシュも完全に浮いていて悪い試合。

Cノックアウト王座戦、ラスト・ノックアウト・スタンディング:マディソン・レイン(ch)vs.ミッキー・ジェームス
 ミッキーの打撃は躍動的でコスチュームともマッチしています。
 レインはヒールとしての駆け引きを積極的にこなすので、最近の中では一番良い働きです。
 しかし女子だからと観客が無理に納得しないといけないダメージ設定だったり、
 観客の反応無視でただただ物量で押していく部分がある。
 内容は普段のサボり具合ゆえ激戦ではあるが、
 特にラスト・ノックアウト・スタンディングという形式にする必要はなく、
 チープ・フィニッシュを選択するなら尚更観客の期待値を無駄に高める必要はない。
 悪くない試合。

◆モーガンがヘルナンデスを呼び出す。メキシカン・ヒールに転向したヘルナンデスがロー・ブロー。

DRVD vs.マット・ハーディ
 マットは前回同様生来のヒールっぽさを出している。
 ここぞのタイミングで動く感覚はあるし、拳も鋭いです。
 ただ拳に対する受けがおかしく絵になっていないのと最後のムーンサルトはまだ使いこなせていない印象です。
 RVDはマイ・ペースにプロレス活動している印象ですが、状態は意外に良い。
 攻めに工夫をこらしたりキレがあったりして感心する場面もありました。
 必殺技を頂点として構図ではなく終盤へのギアも今ひとつだが
 大技の攻防で鬩ぎ合いを成立させた内容。
 まあまあ良い試合です。
 
Eストリート・ファイト:ブリー・レイvs.ブラザー・ディーボン
 基本のパンチは一定のレベルを保っています。
 しかし基本的にレイが受けっぱなしなので退屈ですね。
 ディーボンの息子を絡めるも息子がディーボンをかばう展開に熱くなる程の過激さはありません。
 息子をカバーして終了したのも意味不明です。
 どちらかと言えばアイ・クイット・マッチのシーンですよね。
 しかしレイの表情はケビン・スティーンばりに狂っているので見物。
 少し悪い試合。

Fジェフ・ジャレットvs.カート・アングル
 カートは素晴しい。
 レスリングの中にバック・ドロップを織り込むセンス。
 ベノワ戦のような独自の世界観ではないが、
 レスリングに序盤の土台作り以上の意味を見出せています。
 ロープに振る行為にして美しいし、
 元妻相手のドロドロ・ストーリーを組み込んで試合をこなすプロ意識も褒めたい。
 人工的な待ち方でもそこからの動きの出し方が上手いから落差のある緩急として成立している。
 一方のJJは復帰後凡庸になっていますね。
 経験上、下手はしませんがこの試合中魅力を感じる事はなかった。
 終盤JJは定番の介入ネタで幾つも決着がつきそうな場面を生み出しましたが羅列です。
 それではしつこいだけです。
 最後はそこから逸脱する必要があるとはいえあんな弱いフィニッシュでは駄目。
 クオリティのほとんどを生み出したカートが報われずフラストレーションが残る内容です。
 平均的な良試合。
 
GTNA王座戦、ラダー・マッチ:ミスター・アンダーソン(ch)vs.ジェフ・ハーディ
 ジェフお得意の形式。
 黒歴史のJJ戦よりは良い、しかしベストのパンク戦には程遠い出来です。
 体は張っています。
 試合の全体を見通した動かし方も悪くない。
 しかし見せ方が綺麗ではなかったりツイスト・オブ・ヘイトを便利技として使ったりするように
 メリハリがないから印象に残りにくい。
 大雑把でヒールを貫けていない部分も散見されます。
 一方のアンダーソン。
 エリーズと好勝負を残した経験がありますね。
 この試合でもダメージ設定に関しては素晴しいものがありました。
 しかしTVスターとしてはベビーフェイス色が薄すぎます。
 時には蓄積した痛みを食いしばって見得を切らなければいけません。
 メインとしては一応合格点だが、メジャーとしての激戦模様を生み出せずチープ・ポップなのは苦しい所ですね。
 最後のエンディングもブックに書くと良く見えるけど実際やるとなるとミスしたように見えて・・・。
 まあまあ良い試合。

総 評
 幾つか新しい動きは見られるのですが、
 既存メンバーで何とかやりくりしているという印象をぬぐえない。
 これまで元WWEの加入に頼って運営してきたつけかな。
 (執筆日:2/15/11)
DVD Rating:☆☆☆☆☆

注目試合の詳細

なし

試合結果

@Xディビジョン王座戦:カザリアン(ch)vs.ロビーE
Aロブ・テリー、ガンナー&マーフィーvs.スコット・スタイナー、ビア・マニーInc
Bサモア・ジョーvs.ディアンジェロ・ディネイロ
Cノックアウト王座戦、ラスト・ノックアウト・スタンディング:マディソン・レイン(ch)vs.ミッキー・ジェームス
DRVD vs.マット・ハーディ
Eストリート・ファイト:ブリー・レイvs.ブラザー・ディーボン
Fジェフ・ジャレットvs.カート・アングル
GTNA王座戦、ラダー・マッチ:ミスター・アンダーソン(ch)vs.ジェフ・ハーディ(新チャンピオン!)