ROH:Revolution: Canada 5/7/11の分析
名勝負 | なし |
好勝負 | ROH王座戦:エディ・エドワーズ(ch)vs.クリス・ヒーロー |
約3時間25分です。
@カイル・オライリーvs.クラウディオ・カスタニョーリ
CCは対オライリー独自のものではなく
一般的なパワー・アピールの域を超えない試合運びです。
ROHの地位を考えると仕方ないと納得しつつも
Evolveの試合を思い起こすと勿体無く思います。
オライリーはMMAサブミッションやロー・キックなど手広くやっていますが
ここまで格差をつけられたなら一つに集中して見せたほうが良かったですね。
終盤はCCがスケールの大きな技を見せ盛り上がりました。
まあまあ良い試合。
Aグラッジ・マッチ:スティーブ・コリノvs.マイク・ベネット
グラッジという事で一つ一つ拳を見せていきます。
しかし合わせ過ぎていて乱戦にならず余り遺恨を感じさせないですね。
中盤ではコリノがゴングをベネットの股間に置くか頭に置くかで客いじり。
ベネットのセコンド介入から試合は真剣モードに戻りますが、
コリノのベネットに対する軽い扱いは変わらなかったですね。
最後まで尻に指を突っ込むのに拘っていたし。
16分も時間があり、クオリティはついたが、長ったらしく感じる内容。
悪くない試合。
Bダブル・デンジャー・スクランブル・マッチ:リェット・タイタスvs.アダム・コールvs.マイケル・エルガンvs.トマッソ・チャンパvs.グリズリー・レッドウッドvs.アンディ・リッジ
4コーナー・マッチ、ルチャ・ルール、2回ピンフォールを奪って勝利という形式です。
流れるような攻防とダイブ連発シーンの他、
エルガンの他を圧倒する存在感に大いに盛り上がっています。
ただこの特殊な形式から期待していた
既に1回フォールを奪ったかどうかで周りの反応が変わるとか、
ルールを交えた戦略のストーリー・テリングは全くない。
雪崩式カナディアン・デストロイヤーを決め1回目のフォールを取りに入ったのに不必要にカットしたりと
細かいディティールに対しての作りこみも足りません。
ならどうしてわざわざ新しく形式を作ったりしたんだ、と首を傾げる所ですが、
最後にエルガンが2人まとめてスパイン・バスターをし、それぞれからフォールを奪ったフィニッシュを見て納得しました。
これがやりたかっただけですね。
まあまあ良い試合。
Cデイビー・リチャーズvs.ケニー・キング
最初にかわしあいをしましたが、
攻撃の軌道とそれをかわす身体が離れすぎていて
Big Bang!リマッチというタイトルと同じく無理に虚勢を張っている印象を受けます。
デイビーのトペへの流れは素晴らしかったが、
中盤はデイビーが流し目に試合を運んでいて、
ケニーは試合運びに控えめな関わり方で所々で躍動感ある動きを見せるというもの。
同等に能力を発揮しBig Bang!で成功させたのに
その再戦で何故時間を巻き戻したような構築をするのか良く分かりません。
終盤はあわやリングアウトとかふらふらになりながらも張り手の打ち合いとか
互角の激闘を気取っているが、それが成立するレベルにまではたどり着いていない。
まあまあ良い試合。
◆ブラヴァド・ブラザーズが登場し、オライリー、コールに代わって俺たちがチャンスを与えられるべきだという。
オライリー、コールが登場して言い争いになり乱闘。
オライリー、コールが華麗に技を叩き込み追い払う。
Dラリー・スウィニー追悼試合:デリリウスvs.コルト・カバナ
ダンス合戦から始まり、レフェリーも参加、シャツを取り合うなどコメディーだけに留まった内容。
確かにスウィニーはグダグダな試合も多かったけど
決してコメディアンであった訳ではなく試合の中で楽しませていました。
だからこそ追悼するならIWA-MSのキャンディード追悼試合のような内容になるべきだと思いますよ。
楽しかったけどデリリウスが一夜限りの復活までしての思いは示せていない。
悪くない試合。
Eクリストファー・ダニエルズvs.エル・ジェネリコ
ジェネリコは入場するとそのままダニエルズに襲いかかっていきます。
ダニエルズは前日のように過剰にヘタレる所はなく
ある程度押し込まれて情けない姿も晒してもシリアスを保っています。
それでこそダニエルズの本領が発揮されます。
隙のない関係性でスムーズに試合を展開させていく。
少々溜めが足りない所もあるが、
ジェネリコの魅力的な勢いある攻めを活かしているので問題ない。
中々良い試合。
試合後マルティニが真実の本を叩きつけようとするもコリノが現れ没収。
ジェネリコはコリノを警戒し退場。
取り残されたコリノはマルティニ軍のリンチを受けることに。
Fタッグ王座戦:レスリングズ・グレーテスト・タッグ・チーム(ch)vs.ブリスコ・ブラザーズ
WGTTがアマレス能力を発揮できる
リアルタイムのやり取りの中での硬いプロレスを目指したのに対し、
ブリスコズはレフェリーの目を逸らしてロー・ブローなんていうコテコテのヒール、
つまり形式を活かしたプロレスをしようとするという食い違いっぷり。
しかも途中でマークがアクシデントから流血、
片目が血で塞がった状態になり制約がつきます。
チグハグがお互いに悪影響を及ぼしてはいないが
セミとしてはかなりあっさりした内容となっている。
平均レベル。
GROH王座戦:エディ・エドワーズ(ch)vs.クリス・ヒーロー
依然としてエドワーズは王者として絵になっていないが、
その欠点を補って余りあるほど行動で自分の価値を証明している。
じっくりしたレスリングで優位に立てなかったヒーローから仕掛けたのも、
ヒールの定番という以上に納得いく行動です。
ヒーローは全体的にゆったりとした間を取っており、
退くべき際のクイックネスが落ちているのが残念ですが、
格式や気持ちを感じさせる事には十分成功している。
エドワーズは上記に伴いリズムにはのれませんが、
ヒーローと引けを取らない程の攻撃性で対抗している。
中盤はヒーローが腕攻め。
これに対するエドワーズの腕の痛がり方は完璧でした。
実際に腕を負傷しながらもラダー・ウォーに出た経験がこんな所で活かされるとはね。
ROHならではの予期せぬ形でのテーブル落下からドラマチックな展開に。
エドワーズの必死に耐える姿、ハードな打撃の打ち合いは心を揺さぶります。
それは王者になってから身に着けた後天的技量に原因があるが、
同時に彼がスターではないという本来欠点であるはずの先天性から来る物でもある。
ハードな打撃が一番の見せ場になっているので
ハーフ・ボストン・クラブなどの攻防の付け足しは冗長以外の何物でもなく、
ハーフ・ボストン・クラブを決めながらの頭部ストンピングも絵になっていない依然に不適切。
試合時間設定を見直してセコンド介入、クライマックスの方向性を再定義すれば
去年のデイビーvs.ヒーローのようにMOTY候補になる名勝負にまで行ってたかもしれませんね。
文句なしに好勝負です。
総評
前日のカード強化に伴い平均的なクオリティは上がっている。
それでもカードが実現しうるクオリティから考えると成功とは言えませんけどね。
ただその不満はメインが払拭してくれる。
前日と同じく良質な大会。
DVD Rating:★★☆☆☆
(執筆日:9/1/11)
注目試合の詳細
GROH王座戦:エディ・エドワーズ(ch)vs.クリス・ヒーロー握手をかわす。
ヒーローがコーナーに押し込みクリーンに離れる。
ヒーローのヘッド・ロックからじっくりレスリング。
離れて仕切りなおし。
エドワーズがアーム・ロック。
ヒーローはコーナーに押し込む。
クリーンに離れるかと思いきや頭部を蹴りまくる。
チョップ。
エドワーズも打ち返し打ち合い。
ヒーローがビッグ・ブーツ。
エドワーズがチョップ。
ヒーローがチョップを連打しローリング・エルボーへ。
エドワーズがガードしチョップを連打し倒す。
仕切りなおし。
ヒーローがヘッド・ロック。
ロープに飛ばされショルダー・タックル。
ロープに走る。
エドワーズがヒップ・トスにアーム・ドラッグ。
ハーフ・ボストン・クラブを狙う。
ヒーローはロープに逃げそのまま場外で間を置く。
ヒーローは戻ってくると蹴り。
チョップで崩れさせドロップ・チョップ。
ロープに振ろうとする。
エドワーズが振り返しショルダー・スルー。
チョップで倒す。
踏みつけてカバー。カウント1。
ロープに振りドロップ・キック。
エプロンに出たヒーローを起こそうとする。
ヒーローがサミング。
リングに戻るとエドワーズをコーナーに振ろうとする。
振り返されるもショルダー・スルーへ。
エドワーズがエプロンに着地しエルボー。
コーナーに上ろうとする。
ハガドーンが脚を引っ張って落とす。
ヒーローがロープ越しに蹴り。
リングに戻る。
ハガドーンが羽交い絞めにしてサラが攻撃しようとする。
レフェリーが気づいて2人を退場処分とする。
エプロンで抗議するヒーローにエドワーズが不意打ちのビッグ・ブーツ。
フェンスにぶつけビッグ・ブーツ。
ヒーローがフェンス越しにショルダー・タックルを決め、
フェンス外へのブレーン・バスターを狙う。
エドワーズが逆に持ち上げフェンス内へのブレーン・バスターを決める。
ヒーローが蹴り。
エドワーズがチョップ。
リングに戻ったヒーローにブレーン・バスター。カウント2。
足を押し付ける。
ヒーローはカウンターで蹴りを入れるとセカンド・ロープから飛び腕を踏み抜く。
ハンマー・ロック・バック・ブリーカー。
腕をストンピング。
腕へのローリング・エルボー。
たまらず場外に出たエドワーズの腕をフェンスにぶつける。
リングに戻し腕を蹴りつけていく。
耐えてエドワーズが起き上がっていきチョップを連打。
ヒーローは腕をける。
腕を取ると倒れた状態から蹴り上げる。
フジワラ・アーム・バー。
エドワーズが両肩をつけにいく。カウント2。
ヒーローがフジワラ・アーム・バー。ロープ・ブレイク。
クロス・フェイス・チキン・ウィング。
アーム・ドラッグで逃れられたのでビッグ・ブーツへ。
エドワーズがかわしコーナーへのベリー・トゥー・ベリー。
コーナーへのエルボーからブレーン・バスター。
ミサイル・キック。
場外に出たエドワーズにダイブを狙う。
一度エプロンに出て蹴りつけてからアサイ・ムーンサルト。
リングに戻しかがんだヒーローの背中にダイビング・ダブル・ストンプ。カウント2。
チョップ連打。
ロープに走る。
ヒーローが追いビッグ・ブーツ。
ロープに走る。
エドワーズが追いレッグ・ラリアット。
コーナーのヒーローにハイ・ニー。
コーナーに振ろうとする。
振り返されるもエプロンに出る。
クローズラインをかわし蹴りつけるとコーナー上へ。
ヒーローがエルボーを叩き込むとエドワーズは横のテーブルに転落。
リングに戻すとローリング・ビッグ・ブーツ。カウント2。
パイル・ドライバーもカウント2。
ドラゴン・スリーパーを決めお前より優れているんだ、と叫ぶ。
ロープ・ブレイク。
エプロンのエドワーズを蹴りつけていく。
エドワーズはロープを掴んで転落を耐えていく。
ローリング・エルボーに対してカウンターでジャンピング・キック。
ヒーローをエプロンに出し蹴り。
エプロンでのフィッシャーマンズ・バスター。
両者カウント19でリングに戻る。
額をつき合わせて起き上がるとチョップの打ち合い。
ビッグ・ブーツの打ち合い。
チョップの打ち合い。
ビッグ・ブーツの打ち合い。
ヒーローがローリング・エルボー。
エドワーズはふらつきながらも倒れない。
スーパー・キック。
ヒーローがローリング・エルボー。
エドワーズはふらつきながらもスーパー・キック。
ヒーローがローリング・エルボーを狙うも動きが止まり崩れる。
エドワーズがスーパー・キック。
起こしてタイガー・スープレックスを狙う。
ヒーローは後ろ蹴りからローリング・エルボーへ。
エドワーズはガードするも腕を痛めているので動けない。
ヒーローがローリング・エルボー。
バック・ドロップ。
バック・ドロップ。
レッグ・ロック・バック・ドロップ。
レフェリーがヒーローを下がらせダウン・カウントを取る。
カウント9で立ち上がったエドワーズにヒーローがローリング・エルボー。
カバーするもカウント2。
ヒーローはベルトは俺のものだとポーズする。
パワー・ボムを狙う。
逃れたエドワーズにビッグ・ブーツを狙う。
かわされるも蹴りをいれコーナー上に座る。
エドワーズがジャンピング・キック。
トップ・ロープから雪崩式ハリケーン・ラナ。
ラリアット。
パワー・ボム。
ハーフ・ボストン・クラブ。
ヒーローが何とかロープを掴む。
ハガドーン、サラが入場口に現れる。
レフェリーは下がらせにいくが、
その裏でCCがリングに入りエドワーズにリコーラ・ボム。
ヒーローがカバー。
レフェリーが戻ってくるもカウント2。
ヒーローがデス・ブローへ。
エドワーズがバック・スライドに切り返す。
ヒーローはカウント2で返すと頭部を踏み抜く。
ローリング・エルボーへ。
エドワーズが低空ドロップ・キックからハーフ・ボストン・クラブ。
CCがエプロンに上がる。
デイビーが現れCCを殴りながら退場。
気を取られたエドワーズをヒーローが丸め込む。
カウント2で返されるも頭部を踏み抜きローリング・エルボー。
カウント2。
ヒーローがローリング・エルボーへ。
エドワーズがカウンターでビッグ・ブーツ。
リバース・ハリケーン・ラナ。
2K1ボムにつなげる。カウント2。
パンプハンドル・バック・ドロップ。
カバー。
カウント2で返されるもハーフ・ボストン・クラブ。
ロープに向かうヒーローをずらすと頭部を踏みつけていく。
ヒーローが気絶したとしてレフェリーが止める。
試合結果
@カイル・オライリーvs.クラウディオ・カスタニョーリAグラッジ・マッチ:スティーブ・コリノvs.マイク・ベネット
Bダブル・デンジャー・スクランブル・マッチ:リェット・タイタスvs.アダム・コールvs.マイケル・エルガンvs.トマッソ・チャンパvs.グリズリー・レッドウッドvs.アンディ・リッジ
Cデイビー・リチャーズvs.ケニー・キング
Dラリー・スウィニー追悼試合:デリリウスvs.コルト・カバナ
Eクリストファー・ダニエルズvs.エル・ジェネリコ
Fタッグ王座戦:レスリングズ・グレーテスト・タッグ・チーム(ch)vs.ブリスコ・ブラザーズ
GROH王座戦:エディ・エドワーズ(ch)vs.クリス・ヒーロー