TOPアメリカン・プロレスPWGPWG 2013年 →PWG:DDT4 1/13/13

PWG:DDT4 1/13/13の分析


名勝負 なし
好勝負 なし

@1回戦:インナー・シティ・マシンガンズ(リコシェ、リッチ・スワン)vs.ヤング・バックス

A1回戦、タッグ王座戦:スーパー・スマッシュ・ブラザーズ(ch)vs.アンブレーカブル・ファッキング・マシーン(マイケル・エルガン、ブライアン・ケイジ)
 ウノの負傷もあり王座移動。

B1回戦:フューチャー・ショック(アダム・コール、カイル・オライリー)vs.Dojo Bros(エディ・エドワーズ、ロデリック・ストロング)
 序盤は散逸。
 コールはあそこにチョップを受けたりしてヘタレ芸をするのに対し、
 オライリーは小生意気な方面のヒール・キャラで技術の競い合いをしている。
 またロデリック、エドワーズは連携技など自由にスムーズな変化で
 相手との関係性なしに通用することを序盤の段階で行っています。
 ただタッグとしてどちらも一級品なので徐々に調整され、
 ファン要素と独創的な連携が良い按配に織り交ざった試合へと転じていきます。
 蹴りのかわしにより上手くリセットしながら素晴らしい攻防。
 最後の予想させない形からブレーン・バスター道連れ→ベルト攻撃と持っていったフィニッシュも印象的です。
 また、オライリーが素晴らしいハード・ヒットで他の3人に見劣りせずPWGにも定着できることを示したのは大きかった。 
 序盤の低速スタートだけが惜しまれる。
 好勝負に少し届かず。

C1回戦:ケビン・スティーン、エル・ジェネリコvs.ブリスコ・ブラザーズ

D2回戦、タッグ王座戦:アンブレーカブル・ファッキング・マシーン(マイケル・エルガン、ブライアン・ケイジ)(ch)vs.ヤング・バックス
 ゲイジは80年代のWWEレスラーを思わせるぎこちなさですね。
 スティーン戦なんかを見たときは成長したな、と思ったのですがどうしてしまったのか。
 ケイジ、エルガンがパワーを見せつけた割りに
 Yバックスの反撃の方法は普通で攻守がつながっていません。
 中盤はYバックスがケイジの脚をせめて孤立させる形ですが
 ケイジとの交流ないくせに連携技が乏しく微妙。
 タッチに成功してからはエルガンがあの体躯で
 ハイ・フライヤー並みの大きな動きで盛り上げます。
 その後はYバックスの流れる攻めにパワー・スポットを加えます。
 普段Yバックスの相手をするのは軽量級の選手ですから
 独創性、斬新さは非常に高くて面白かった。
 しかし繋ぐ意識がなく羅列気味で試合のクオリティにはつながっていない。
 まあまあ良い試合程度。

E2回戦:フューチャー・ショック(アダム・コール、カイル・オライリー)vs.ケビン・スティーン、エル・ジェネリコ
FB-Boy vs.ウィリー・マック


GKO or サブミッション:ドレイク・ヤンガーvs.サミ・キャリハン
 サミが出会いがしらでのヘッド・バッド。
 不意打ちスタートでいくには戦いを重ね過ぎているきらいがありますね。
 PWGだけで見ればぎりぎり成立するかもしれませんが。
 KO形式に合わせた見せ方をしているのは素晴らしいですがやり口は粗い。
 とにかくスポットを入れていこうというスポット・フェストに通じる後世です。
 ステージから椅子トラップへのDVDなどによる
 通常のダメージ観を無視した攻め合いの後
 サミがヤンガーの脚に椅子を挟んで椅子攻撃連打。
 この良質な展開を経て、凶器つきサブミッションや攻防のリセットによる加速化など
 素晴らしい見せ場の数々が生まれます。
 ただコーンという凶器、ヤンガーの攻撃を受けてのふらつき方はコミカルで
 リアルに過酷な試合には不適当。
 また過酷過ぎるが故に終盤はKOの可能性が薄くなっており、
 それを納得させるには上からエルボー連打というフィニッシュ・シーンは物足りない。
 好勝負に少し届かず。  
 
H決勝:ヤング・バックスvs.ケビン・スティーン、エル・ジェネリコ
 バックスがゴング前にベルト攻撃。
 スティーン、ジェネリコもやり返して乱戦スタートです。
 これまでの試合を経ての決勝という
 位置づけを再認識させる疲労感を出しました。
 やや場外乱闘の時間が長いですが、その分気持ちは出ている。
 リングに戻ってジェネリコ孤立。
 バックスも疲れているようで倦怠感を抱えながらの動きでしたね。
 ジェネリコのタッチできるかどうかの見せ場をしっかり作ったのは良し。
 このトーナメントの中でそれが意味を持ちましたからね。
 スティーンを踏み台にしてのジェネリコのトペコンで盛り上がった後は、定番のスーパー・キック連打。
 スティーンが排除され、残ったジェネリコがカウント2で返すことで熱狂です。
 最後はノックス絡めてからリーディングからの意表突き。
 試合後の和解含めスティーン/ジェネリコの最終章としては素晴らしいものの
 この試合に関しては結構大雑把でスティーンが制約になり高度化しきれていませんね。
 Yバックスも雰囲気押しで対応してましたからその欠点はそのまま残っている。
 好勝負に少し届かず。

 試合後ジェネリコがスティーンに握手を求める。
 スティーンは無視して去ろうとする。しかし戻ってきてハグ。
 その後ジェネリコがフェアウェル・スピーチ。


総評
 トップ・レベルのタッグ・チームを集めてきた注目の大会。
 ノン・トーナメントにもサミvs.ヤンガーを据えるなど手抜き一切なしです。
 当然予想されたようにクオリティは高いものとなっていますが、
 メイン含め好勝負といいきれるほどのものはなく、
 良くも悪くも"大会としての"完成度がより先んじる格好に。
 どちらにせよジェネリコのフェアエルの位置づけがあるので
 インディー・ファンはマスト・バイですけどね。
 (執筆日:3/2/13)
DVD Rating:★★★★☆

注目試合の詳細

なし

試合結果

@1回戦:インナー・シティ・マシンガンズ(リコシェ、リッチ・スワン)vs.ヤング・バックス
A1回戦、タッグ王座戦:スーパー・スマッシュ・ブラザーズ(ch)vs.アンブレーカブル・ファッキング・マシーン(マイケル・エルガン、ブライアン・ケイジ)(新チャンピオン!)
B1回戦:フューチャー・ショック(アダム・コール、カイル・オライリー)vs.Dojo Bros(エディ・エドワーズ、ロデリック・ストロング)
C1回戦:ケビン・スティーン、エル・ジェネリコvs.ブリスコ・ブラザーズ
D2回戦、タッグ王座戦:アンブレーカブル・ファッキング・マシーン(マイケル・エルガン、ブライアン・ケイジ)(ch)vs.ヤング・バックス(新チャンピオン!)
E2回戦:フューチャー・ショック(アダム・コール、カイル・オライリー)vs.ケビン・スティーン、エル・ジェネリコ
FB-Boy vs.ウィリー・マック
GKO or サブミッション:ドレイク・ヤンガーvs.サミ・キャリハン
H決勝:ヤング・バックス(優勝!)vs.ケビン・スティーン、エル・ジェネリコ