TOPアメリカン・プロレスPWGPWG 2011年 →PWG:All Star Weekend 8 Night Two 5/28/11

PWG:All Star Weekend 8 Night Two 5/28/11の分析


名勝負 なし
好勝負 エディ・エドワーズvs.エル・ジェネリコ

タッグ王座戦:ヤング・バックス(ch)vs.オースチン・エリーズ、ロデリック・ストロング

戸澤フェアウェル・マッチ:クリス・ヒーローvs.戸澤陽

約2時間45分です。

@ブライアン・ケイジ・テイラーvs.ケニー・キング
 ブライアンは通常技を全力でやるようになりましたね。
 そうなるとケニーの身体能力も必要とされる。
 両者共、前日よりも良い状況下にあります。
 しかしブライアンは目の前の事を一生懸命行うために
 その後の未来の事を考える余裕を失っている。
 テイラー・ブラザーズとして介入で援護を受けるスタイルに落ち着かせるにしても
 まだまだ完成度を上げていかなければいけません。
 平均より少し上。

Aロックネス・モンスターズvs.ナイトメア・ヴァイオレンス・コネクション(ケビン・スティーン、戸澤陽)
 乱戦からユーマを孤立させます。
 スティーンは前半口で観客を楽しませる雑な扱い方でしたが
 後半に入るとスパドラに近い方向性、それでいて彼の個性が発揮された形で
 ロックネスを肉体的にも、精神的にも追い込んでいきます。
 戸澤が飼い犬のような立ち位置にあるのも面白いと思いますね。
 一方のロックネスはもっとシリアスに立ち向かわなければいけません。
 そうしたなら試合に対する移入度はもっと上がったと思いますね。
 ロックネスにはまだいらぬゆとりがあります。
 そのゆとりを使って創意工夫をこらせるなら別だけど
 現状ではまだまだベテランにがむしゃらにぶつからなければ価値を提示できない段階です。
 終盤はスティーンらが前日に完成されたスポットを披露。
 ロックネスに相当する粘りがあったかは疑問ですが
 エプロンでのパッケージ・パイル・ドライバーまで出て大いに盛り上がりました。
 平均的な良試合。

Bウィリー・マックvs.リコシェ
 ウィリーがリコシェの領域で軽快な動きを見せています。
 同時にパワフルなムーブで主導権を握る。
 基本的にはリコシェの技を並べて
 ウィリーは後手で対応する形。
 リコシェは単なるハイ・フライヤーではなく
 現在この一線を張る選手ですので
 流石に後半にかけてウィリーがついていけていない場面も見られるようになりましたが、
 それでもスタンディングSSPなど予想の上をいくムーブを繰り出し、
 最後まで興味を抱かせる内容でした。
 平均的な良試合。
 
Cカットラー・ブラザーズvs.ダイナスティ(ジョーイ・ライアン、スコーピオ・スカイ)
 孤立から爆発という基本の形は押さえているが緩く粗い。
 ぎりぎりの所で踏ん張ってつなぎとめてはいますが
 これならそれぞれ孤立せず1回の孤立ですっきりさせた方がよかったですね。
 色々な攻防で試合時間を稼いでいるが状況を一変させる事は出来ず。
 平均レベル。

Dエディ・エドワーズvs.エル・ジェネリコ
 エドワーズはリングが小さくなれば走り方を変えて対応するなど
 PWGの世界の住人として自分を再構築している。
 ジェネリコも普通とは違うタイミングでアクションに打って出たり、
 脚の痛みを巧みに表現したりとディティールを凝らしている。
 この2人が絡む中で試合は思いのままに動いていく。
 ノー・セルの打ち合いから両者場外転落に持って行ったのには予想を完全に外されましたね。
 何故か場外カウントをカットせずにエプロンで相手を攻撃したのは意味不明でしたけど。
 5試合目なりの内容に収まっていて派手さは控えめながら
 繊細な部分によって他と一線を画している内容。
 ぎりぎり好勝負です。

Eタッグ王座戦:ヤング・バックス(ch)vs.オースチン・エリーズ、ロデリック・ストロング
 場外でいきなり乱闘を始めると戦場はトイレにまでもつれこみます。
 テンション高かったですね。
 リングに戻ればエリーズらがヤング・バックスの見せ場を上回る連携技を披露。
 ジェネレーション・ネクスト時代を思い起こさせます。
 ヤング・バックスも気持ちのこもった打撃で反撃しロデリックを孤立させます。
 キャリアで勝るロデリックが捕まっている間もおとなしくせず抵抗するので
 孤立シーンの間もスリリング且つハードな攻防が見られ密度が高かったですね。
 エリーズはヤング・バックスが演じるキャラと被るAAキャラを行っている経験上、
 どのようにヤング・バックスをお仕置きすれば良いか良く分かっていますね。
 終盤も相手の連携技から自分の連携技へ持ち込もうと
 手綱を引き寄せあってぎりぎりの攻防を実現させ、
 その上でヤング・バックスがチープな丸め込みで防衛という「らしさ」で締めました。
 前日の不満を完全に解消してくれる内容。
 ぎりぎり好勝負です。

F戸澤フェアウェル・マッチ:クリス・ヒーローvs.戸澤陽
 ヒーローがレスリング・テクニックによって危険な雰囲気を醸す一方で
 ボディ・スラムやショルダー・タックルといった体格差対決で
 特別な位置づけを与えられる事が良くある技を戸澤が決め返してステップ・アップ。
 中盤はヒーローが絶対的な差を見せつけようと常にKOの可能性をはらんでいるような攻撃を繰り出します。
 一方で戸澤を認めているというストーリーを利用して
 カバーの加え方を上手く抑制し単調にならないようにしていますね。
 終盤も真っ直ぐなぶつかり合いを見せてくれました。
 ただ実質的な3戦目という事で(DDT4のタッグを2戦目として)
 どうしてもこの程度では終わらない、終われない、という状況下で
 技のインフレーションが起きてしまった事は否めません。
 真っ直ぐな方向性であるが故に余計に目立つのです。
 PWGでこれだけ愛されて、フェアウェルと銘打ってしまったら選択肢としてないが、
 DG USAのようなヒールとしてヒーローと相立つ姿も見たかったですね。
 それはともかくとして観客含めた3者がフェアウェル・マッチにふさわしい素晴らしい試合をやってのけました。
 文句なしに好勝負。

GPWG王座戦:クラウディオ・カスタニョーリ(ch)vs.ロウ・キー
 ロウ・キーが間を取って蹴りを放ち
 ロープを使ったアーム・バーを見せます。
 そこには昔の面影が色濃く映る。
 CCも理の腰狙いと理を超越したと力で対抗。
 特別な関係までは築けなかったものの
 自分の魅力はしっかりアピールした上で
 要所では安易に妥協せずその魅力をぶつけあっています。
 クオリティでは前の3試合には及ばなかったものの
 ロウ・キーが私たちの中に刻まれたロウ・キー像を演じてくれたという特別感があり、
 それはメインを張るに値する結果につながっている。
 好勝負に少し届かず。

総評
 豪華な面子によって期待以上の試合内容とする。
 PWGのカラーを保ちつつROHばりの王道を行った充実の内容です。
 年間最高大会の一つの候補でしょうね。
 (執筆日:10/15/11)

DVD Rating:★★★★★

注目試合の詳細

Dエディ・エドワーズvs.エル・ジェネリコ
 握手を交わす。
 エディが腕を取って抑え込む。
 ロープに振られショルダー・タックル。
 ジェネリコがロープを使って一回転しアーム・ドラッグ連発。
 10カウント・パンチ。
 エルボー。
 チョップ。
 バック・ブリーカー。
 エディがチョップ。
 突進してきたジェネリコをコーナー上にのせる。
 エプロンに出てジャンピング・キック。
 場外から逆さ吊りになったジェネリコにベースボール・スライド。カウント2。
 抵抗するジェネリコにビッグ・ブーツ。
 ブレーン・バスター。カウント2。
 コーナーに振り突進。
 カウンターで蹴りを食らうもセカンド・ロープにのったジェネリコにドラスク。
 低空ドロップ・キック。カウント2。
 ロープに足を絡め押し付ける。
 変形レッグ・ロック。
 ロープ・ブレイク。
 ジェネリコは突進してきたエディをかわすと同時にロープを下げ場外に落とす。
 プランチャを狙うも足が痛む。
 ならばとコーナーに上りトぺ・アトミコ。
 リングに戻すとコーナー上からダイビング・クロス・ボディ。カウント2。
 バック・ドロップを狙う。
 防いでロープに走ろうとしたエディを引き戻しブルー・サンダー・ボム。カウント2。
 オッレッ!を狙う。
 エディがカウンターでランニング・ニー。
 ジェネリコが先に起き上がり近づく。
 エディがチョップ。
 コーナーでチョップを連打。
 フェイス・バスター。カウント2。
 ジェネリコがハーフネルソン・スープレックスを狙うもコーナーに押し込まれ防がれる。
 エディがコーナー上のジェネリコにジャンピング・キック。
 バックパック・スタナー。カウント2。
 ハーフ・ボストン・クラブを狙う。
 抵抗され決めれないもののロープに走ったジェネリコの脚を取りそこからハーフ・ボストン・クラブ。
 ロープ・ブレイク。 
 ジェネリコに打って来いと身振り。
 ジェネリコの打撃は弱々しく利いていない。
 エディがビッグ・ブーツ。
 張り手を打ち返してきたジェネリコに延髄切り。
 コーナーのジェネリコに突進。
 ジェネリコがカウンターでコーナーへエクスプロイダー。
 オッレ!へ。
 エディがカウンターで蹴りをいれコード・ブレーカー。
 ジェネリコがひるみながらもビッグ・ブーツ。
 ハーフネルソン・スープレックス。
 エディが気合いで起き上がりスーパー・キック。
 バック・ドロップ。
 カウンターでビッグ・ブーツを食らうもスーパー・キック。
 コーナーへ。
 ジェネリコが追いビッグ・ブーツ。
 ブレーン・バスターを狙う。
 エディが逆に持ち上げるとそのままもつれて両者場外転落。
 カウント19で両者エプロンに上がる。
 レフェリーはカウント20を数えない。
 ジェネリコ、エディも気にせずエルボーを打ち合う。 
 ジェネリコが突進。
 エディがカウンターで蹴り。
 突進。
 ジェネリコがカウンターでみちのくドライバー。
 すぐにリングに戻しカバーするもカウント2。
 コーナー上へ。
 エディがジャンピング・キック。
 抵抗するジェネリコにもう1発。
 トップ・ロープから雪崩式ハリケーン・ラナ。
 ラリアット。カウント2。
 ロープに走りラリアット。カウント2。
 パワー・ボム。
 カウント2で返すなりハーフ・ボストン・クラブ。
 ジェネリコがたまらずタップする!


Fクリス・ヒーローvs.戸澤陽
 ヒーローがバックを取り放る。
 ヒーローが脚を掴みそこからヘッド・ロックへ。
 両肩をつけにいく。カウント2。
 戸澤がヘッド・ロック。
 バック・ドロップを狙われるも着地しヘッド・ロック。
 ロープに振られショルダー・タックルを決めるも耐えられる。
 もう1発撃つも耐えられる。
 同じく。
 ヒーローがロープに走りビッグ・ブーツを狙う。
 戸澤がかわしてロープに走りショルダー・タックルで倒す。
 ボディ・スラムを狙うも持ち上げられない。
 抵抗を受けるももう1度狙う。
 ヒーローが逆にボディ・スラム。
 セントーン。
 戸澤が両膝を立てて迎撃。
 ボディ・スラムからセントーン。
 コーナーでストンピング。
 ヒーローが起き上がり張り手。
 戸澤がやり返す。
 コーナーに振りエルボー。
 コーナーに振り突進。
 ヒーローがカウンターでビッグ・ブーツ。
 セントーン。カウント2。
 頭部を踏みつける。
 戸澤がバック・ドロップを狙う。
 ヒーローが振りほどきエルボーで打ち倒す。カウント2。
 セントーン。カウント2。
 戸澤が抵抗しバック・ドロップを狙う。
 ヒーローが余裕で防いで鼻を掴む。
 ロープに走る。
 戸澤がカウンターでドロップ・キックを決め落とす。
 トぺ・スイシーダ。
 もう1発狙う。
 ヒーローがエルボーで撃ち落とす。 
 リングに戻る。
 ぎりぎりで戻ってきた戸澤にスライディング・キック。カウント2。
 バック・ドロップ。カウント2。
 ストンピング。カウント2。
 チョップを打ち込んで倒す。
 挑発するように倒れている戸澤の顔を張る。
 張り手を打ち込みカバー。カウント2。
 戸澤が起き上がり吠える。
 ロープに走る。
 ビッグ・ブーツを食らうも耐えロープに走る。
 ビッグ・ブーツを食らうも耐えロープに走る。
 ヒーローは3度目のビッグ・ブーツを入れるとパワー・ボムへ。
 戸澤がハリケーン・ラナに切り替えしシャイニング・ウィザード。
 コーナーに振りエルボー。
 コーナーに振りビッグ・ブーツ。
 ジャーマンを狙う。
 ヒーローが振りほどきローリング・エルボーへ。
 戸澤はかわすとオコーナー・ロールへ。
 防がれるもビッグ・ブーツへ。
 ヒーローは受け止めると回してロープに走りエルボー。
 担ぐと回転させてマットに叩き付ける。カウント2。
 ジャブを打ちビッグ・ブーツ。
 パワー・ボムの体勢へ。
 戸澤がまた下からすり抜ける。
 防ぎ合ってヒーローがクラバット・スープレックス。
 コーナーの戸澤にフライング・エルボー。
 ロープに走る。
 戸澤が追いビッグ・ブーツ。
 ジャーマン。
 もう1発狙う。
 耐えるヒーローの背中に蹴り。
 ロープに走り蹴り。カウント2。
 だるま式ジャーマンを狙う。
 ヒーローが振りほどきバック・エルボー。
 バックを取る。
 抵抗を利用してローリング・エルボー。カウント2。
 レッグ・ロック・バック・ドロップ。
 パワー・ボム。カウント2。
 ローデッド・エルボーを狙う。
 戸澤がバック・スライド。カウント2。
 ラ・マヒストラルもカウント2。
 エルボーを連打しロープに走る。
 ヒーローがローリング・エルボー。
 サイトウ・スープレックス。
 戸澤もサイトウ・スープレックス。
 突進。
 ヒーローがカウンターでニー。
 ディスカス・ビッグ・ブーツ。カウント2。
 起こそうとする。
 戸澤がサイトウ・スープレックス。
 ジャーマン。カウント2。
 サイトウ・スープレックス。
 ジャーマン。
 起き上がったヒーローにサイトウ・スープレックス。
 もう1発。
 だるま式ジャーマン。カウント3!

試合結果

@ブライアン・ケイジ・テイラーvs.ケニー・キング
Aロックネス・モンスターズvs.ナイトメア・ヴァイオレンス・コネクション(ケビン・スティーン、戸澤陽)
Bウィリー・マックvs.リコシェ
Cカットラー・ブラザーズvs.ダイナスティ(ジョーイ・ライアン、スコーピオ・スカイ)
Dエディ・エドワーズvs.エル・ジェネリコ
Eタッグ王座戦:ヤング・バックス(ch)vs.オースチン・エリーズ、ロデリック・ストロング
F戸澤フェアウェル・マッチ:クリス・ヒーローvs.戸澤陽
GPWG王座戦:クラウディオ・カスタニョーリ(ch)vs.ロウ・キー