TOPアメリカン・プロレスPWGPWG 2011年 →PWG:Card Subject To Change III 4/9/11

PWG:Card Subject To Change III 4/9/11の分析


名勝負 なし
好勝負 タッグ王座戦:エル・ジェネリコ、リコシェ(ch)vs.ヤング・バックス

@ピーター・アヴァロンvs.ジョニー・ユーマ
 ユーマはDDT4でブレイクの兆しが見えたにも関わらず
 相変わらず尻に拘るし、変哲のない攻防さえミスしそうになっている。
 演武的過ぎる攻防と無駄な脳天落としが目立つ内容。
 悪い試合。

Aキャンディス・ラレーvs.ポリシア・ペレス
 キャンディスなら普通に戦えるのだが、
 どうしてもPWGという舞台がポリシアに
 過剰にヒール・アピールをするという判断に陥らせている。
 もう少しバランス良く攻防と流れを織り交ぜたかった。
 少し悪い試合。

Bウィリー・マックvs.ロデリック・ストロング
 ロデリックが技術と打撃で持って優位に進めようとするのに対し、
 ウィリーが打撃で打ち返して対抗しようとします。
 王道の構築ですが、ウィリーにやり返された後、
 必ずロデリックが優位性を取り戻して仕切っているのが良いですね。
 対等に引き上げるにしてもウィリーは新人でしかないのですから
 もしウィリーがやり返した所で仕切っていたら実情と乖離する事になっていました。
 後半の攻防もウィリーが大一番にふさわしい働き。
 打撃で観客に声を上げさせると
 スピードとパワー、それぞれをアピールする技を織り交ぜた反撃で流れを作っていました。
 中々良い試合。

Cロウ・キーvs.戸澤陽
 戸澤が観客と交流するのに対し、
 昔のロウ・キーならそんな事を許しはしなかったでしょう。
 戸澤のような別スタイルの相手と蹴り合いなんかしなかったでしょう。
 このカードになった時の期待感はやはり昔のロウ・キーに抱くもの。
 カードが実現してみればロウ・キーはもう変わってしまっていて
 一進一退をそれぞれの得意技で作り上げたり、
 戸澤が興味深い攻めを見せていたものの、 
 ベースの位置づけはずれているし、両者がクリックした内容とはとても言い難いものでした。
 まあまあ良い試合。
 
Dジョニー・グッドタイムvs.ライアン・テイラー
 攻防はユニークだが、技を印象的にするために開けている間が
 その技の性質をまったく考慮していないためにわざとらしさを際立たせているだけになっている。
 また求められている場面と違う投打締を選択するので
 試合における勝ちっ気がどちらからも感じられない結果に。
 少し悪い試合。

EPWG王座戦:クラウディオ・カスタニョーリ(ch)vs.ジョーイ・ライアン
 CCがテクニカル・ウィザードのライアンを完封して
 観客と一体となってアピールする余裕すら見せる。
 ライアンがラフに打って出る展開は非常に自然です。
 ライアンの攻めで腕を痛めたCCが
 普段アッパーカートを打つところをエルボーで対応していたり、と芸の細かい部分を見せていますね。
 一方でそのためにパワフルな攻めが犠牲になっているかというと
 そうではなくベビーフェイス/ヒールのダイナミズムが生まれていますし、
 特に飛びつきサブミッションに対して、そのままコーナーを上り雪崩式FAスラムを放ったのは圧巻でしたね。
 最後のサブミッションへの持って行き方も見事でした。
 ライアンがやっぱりグダっていてキレがないのと
 セカンド・レフェリーの登場/判断に違和感があったものの
 (普通にライアンの息がかかったレフェリーなんじゃないかと疑ってました)
 それさえ改善されれば好勝負も夢じゃない内容でした。
 好勝負に届かずも中々良い試合。
 
Fタッグ王座戦:エル・ジェネリコ、リコシェ(ch)vs.ヤング・バックス
 (ロンドン欠場によりリコシェが代役)
 傲慢なTVスター、Yバックスが翻弄される序盤。
 Yバックスは元は技で押せ押せのハイ・フライヤーですから
 相手の立場も良く分かっていて上手く受けています。
 中盤はジェネリコ、リコシェの二連孤立。
 ジェネリコ、リコシェは同系統なのでダブらないか心配していましたが、
 ジェネリコの正確な場読みにリコシェがのっかってキレのある浮遊を加える、という形が出来ていましたね。
 吉野とのタッグの経験を適用してきた形です。
 終盤も白熱した攻防でしたし、ジェネリコ、リコシェのタッグをまた見たいと思わせる内容でした。
 ぎりぎり好勝負。

総評
 ロウ・キーvs.戸澤は期待外れだし、アンダーカードも微妙だが
 B、E、Fはこのタイトルならではのカードにして上質な内容となっている。。
 (執筆日:10/14/11)
DVD Rating:★★☆☆☆

注目試合の詳細

なし

試合結果

@ピーター・アヴァロンvs.ジョニー・ユーマ
Aキャンディス・ラレーvs.ポリシア・ペレス
Bウィリー・マックvs.ロデリック・ストロング
Cロウ・キーvs.戸澤陽
Dジョニー・グッドタイムvs.ライアン・テイラー
EPWG王座戦:クラウディオ・カスタニョーリ(ch)vs.ジョーイ・ライアン
Fタッグ王座戦:エル・ジェネリコ、リコシェ(ch)vs.ヤング・バックス