PWG：DIO! 6/11/10の分析
| 名勝負 | なし |
| 好勝負 | なし |
１枚、約２時間２０分です。
①ロス・ルチャスvs.ジョニー・グッドタイム、ジェロム・ロビンソン
PWGでの立ち位置でこの2チームが新旧の位置づけになるのは分かる。
ただ攻防は続けすぎてはいけない。
例え精度が悪くなくても続けすぎれば観客はリアリティーを疑う。
バランスが大事。
ましてや今ではスポット･フェストという概念が認知されているのですから。
LTPらは相手に寄り立つもルチャスはそこからヒールへとかわし求愛を断っている。
ベース･ラインを改善せず技という一要素に頼っている。
だから試合がばらばらになる。
何を見せるのか分からず不安な間だ。
それは試合を揺るがしうる。
悲しいのは揺らぐほどの実体がそもそもないという事であるが・・・。
悪い試合。
②ブランドン・ボナムvs.ライアン・テイラー
問題は彼らの攻めが一貫していないことだ。
どうやらPWGの観客は熱しやすく冷めやすい。
ざわつきに耐えられない2人は容易に技に頼るのである。
しかしそれらが繋がっているとはとても言いがたい。
悪い試合。
③スコット・ロストvs.戸澤陽
受けは過剰な表現で攻めは尻ギミックに拘って論理性を欠いている。
また感情の発露は不安定です。
よって戸澤は色物以外の何者でもないのである。
悪い試合。
④ジョーイ･ライアン、カットラー・ブラザーズvs.ヤング・バックス、マラカイ・ジャクソン
ライアンは見ていて安心できる仕事をする。
試合を引っ張りはせず他にまかせているが
自分の役目においてはしっかりインパクトも与えている。
マラカイは格好がある程度ついてきて一目見たときにはどちらがマットか分からないだろう。
しかしセコンドでの動き、注意の払い方、プロ意識を見れば細かい部分での弱さが散見される。
このレベルならまだまだ3人目の位置づけであるべきでTシャツを脱ぐべきでは無かった。
また兄弟との反目する部分はもっと豊かに語る事も出来ただろう。
しかしながら良質の6人タッグではあった。
平均的な良試合。
⑤キャンディス・ラレイvs.クリスティーナ・ヴォン・エリー
キャンディスは自分に足りない物がある事を知っている。
その上でどう盛り上げるかを考えている。
これは戸澤とは本質的に違う盛り上げ方である。
また女性である割に、と感心される事は決して恥じるべき事ではなく
それで自ら意思を持って勝負するのは良い事である。
少し悪い試合。
⑥クリス･ヒーローvs.ブランドン・ガットソン
自分を良く理解することは必要だ。
そして時には現実を受け入れる必要がある。
ガットソンには悪いが彼には華がない。
それならば真摯な態度で、地味さの中に機微の彩りを咲かせる事だ。
今回の試合のように自分の出来る範囲の表情の中で情緒を感じさせれば良い。
ヒーローは反応に臨機応変に対応しながら
ベースはチョップと場外、パンチの使い分けで徐々に気持ちを引き出していくという確固たる方法論を持っている。
終盤は道筋が見えにくいが少なくともガットソンの方向性は最初から変わりはしない。
似合わぬ技も過剰ではなく必死の差別化として映っている。
平均的な良試合。
⑦タッグ王座戦：エル･ジェネリコ、ポール･ロンドン（ch）vs.ケビン･スティーン、ブライアン･ケンドリック
ジェネリコは何故ブレーン･バスターを使ったのだろうか。
ロンドンの相方として道なき道を行く事が如何に危険か知らなかったのかい。
そのロンドンは技がどういう技か考えない。
意味を与えられず使い捨てられる技達。
ケンドリックは脇役に甘んじてドラマには興味がないようだ。
犬のようにスティーンに付き従うだけ。
カリスマティック・ヒールの姿はそこにはない。
スティーンは試合を楽しんでいる。
しかし目の前に映っているのはジェネリコではなく、幾多のレスラーの1人なのだろう。
かくして試合は期待外れに終わる。
それは4人が選んだ未来。
だが誰が望んだ未来だというのだろう。
平均レベル。
総評
神は死んだ。
（執筆日：12/4/10）
DVD Rating：☆☆☆☆☆
注目試合の詳細
なし試合結果
①ロス・ルチャスvs.ジョニー・グッドタイム、ジェロム・ロビンソン②ブランドン・ボナムvs.ライアン・テイラー
③スコット・ロストvs.戸澤陽
④ジョーイ･ライアン、カットラー・ブラザーズvs.ヤング・バックス、マラカイ・ジャクソン
⑤キャンディス・ラレイvs.クリスティーナ・ヴォン・エリー
⑥クリス･ヒーローvs.ブランドン・ガットソン
⑦タッグ王座戦：エル･ジェネリコ、ポール･ロンドン（ch）vs.ケビン･スティーン、ブライアン･ケンドリック