TOPアメリカン・プロレスPWGPWG 2010年 →PWG:Cyanide: A Loving Tribute to Poison 12/11/10

PWG:Cyanide: A Loving Tribute to Poison 12/11/10の分析


名勝負 なし
好勝負 なし

約2時間25分です。
@ウィリー・マックvs.ピーター・アヴァロン
 あれっLTPってこんなでかかったっけ、と一瞬見間違うマックですが良いですね。
 スピード感がありながら技の打ち方が実に強烈。
 デビュー戦ながら強キャラで活躍させたいな、ともう思わせました。
 一方アヴァロンは過剰過ぎて賑やかしだけ。
 かといって抑え目にして試合出来る能力があるかは疑問ですけどね。
 平均レベル。

Aロデリック・ストロングvs.チャック・テイラー
 ストロングがふざけるテイラーをしばき腰攻めへ。
 薄っぺらく両者が定番の技を出しているだけですね。
 決してマイナスではないけれど驚きもありません。
 終盤もストロングの受けがわざとらしく改善されない。
 振り返ればストロングの激しい攻めがあっただけの内容。
 平均レベル。

Bカットラー・ブラザーズvs.ロックネス・モンスターズ(ジョニー・グッドタイム、ジョニー・ユーマ)
 スターとしては足りない所もありますが、
 相手の裏をかく攻防を多用する事で序盤の掴みに成功。
 中盤は連携技の披露タイム。
 カットラーズは斬新な合体技で大きなインパクトを生み、
 グッドタイムは1つ1つの技を大事に見せています。
 ユーマはついていけてませんでしたがキャリアを考えると仕方ないか。
 終盤は粗っぽさがより目立つようになるが
 気持ちを維持して独創的な攻防を続けきりました。
 最近成熟した事もあり忘れられがちだけど
 インディーとはこうあるべきという挑戦的な内容。
 中々良い試合です。

Cジョーイ・ライアンvs.ブランドン・ガットソン
 いくらライアンがすかしているからといって
 それに対して相手を嘗め余裕を持って立ち向かうにはガットソンは絶対的に実績が足りません。
 試合の中核となるライアンの腕攻めに関しても
 ガットソンは上手く対応できず試合運びが出鱈目になっています。
 するとライアンは合わせようとして自分まで出鱈目に。
 そんな方向で一致してもどうしようもありません。
 その方向で頑張っていたけれど頑張る前に方向を修正しましょう。
 ガットソンを4ウェイながら王座に挑戦させてしまった事が悪影響を生み出している。
 悪くない試合。

Dヤング・バックスvs.ファイティング・テイラー・ボーイズ(ライアン・テイラー、ブライアン・ケイジ・テイラー)
 Yバックスのハイ・テンションな馬鹿っぷりが見所。
 ここまでアピール力があると相手は普通に反撃するだけでもはやヒーローですね。
 特筆すべき身体能力、構築は見られなかったものの現状維持で推移させ、
 重要なダイブ・スポットの工夫でポイントを稼ぎます。
 終盤はYバックスが鉄板の流れを生み出します。
 ケイジのパワーもアピールできているし良い攻防でしたね。
 平均的な良試合。

Eケビン・スティーンvs.戸澤陽
 いきなりトペでスタート。
 場外乱闘後スティーンが甚振る展開へ。
 これまでと同様戸澤の性質を上手く活かした構築ですね。
 しかしPWGテイストがちょっと足を引っ張っている。
 スティーンは観客との距離が近く、変態性が薄れているし、
 戸澤も分かりやすいとはいえボディ・スラムという形骸化の段組を取るには
 リアルな気持ちのぶつかり合いが前面に出すぎている。
 終盤は気持ちに引っ張られる形で激しい技を解禁し、
 気合の見せ方も素晴らしかったです。
 好勝負に少し届かず。

Fタッグ王座戦:ポール・ロンドン、エル・ジェネリコ(ch)vs.キングス・オブ・レスリング
 ROHとPWGの王者対決ということで
 序盤は互いを意識して静かに火花を散らします。
 ロンドンもおふざけ一切なしでレスリングも普通に対応していますね。
 それどころかハード・ヒットで立ち向かっていくので
 復帰後初めてロンドンを応援したくなりましたね。
 体格差を埋める仕掛けは余りないし、
 中盤は控え介入などの交錯が過剰で今全体のどのぐらいの地点に辿り着いているか目安が分からないという欠点もあるけれど
 気持ちでぶつかる素晴らしい攻防で全般を通じて濃密な時間が流れました。
 ロンドン、ジェネリコの試合の中でもこれまでで一番の出来です。
 それでも尚ロンドンは他と見劣りしていたんですけどね。今回は不問です。
 好勝負に届かずも中々良い試合。

総評
 ロンドンのおかげでメインがメインとして機能。
 タッグの充実、戸澤のブレイクで他もクオリティが高かったですね。
 (執筆日:4/11/11)
DVD Rating:★★★☆☆

注目試合の詳細

なし

試合結果

@ウィリー・マックvs.ピーター・アヴァロン
Aロデリック・ストロングvs.チャック・テイラー
Bカットラー・ブラザーズvs.ロックネス・モンスターズ(ジョニー・グッドタイム、ジョニー・ユーマ)
Cジョーイ・ライアンvs.ブランドン・ガットソン
Dヤング・バックスvs.ファイティング・テイラー・ボーイズ(ライアン・テイラー、ブライアン・ケイジ・テイラー)
Eケビン・スティーンvs.戸澤陽
Fタッグ王座戦:ポール・ロンドン、エル・ジェネリコ(ch)vs.キングス・オブ・レスリング