TOPアメリカン・プロレスPWGPWG 2010年 →PWG:Battle of the Los Angels Night One 9/4/10

PWG:Battle of the Los Angels Night One 9/4/10の分析


名勝負 なし
好勝負 なし

1枚、約2時間50分です。

YB対決が予定されていましたが両者対決を拒否し脱落も辞さないと表明。
ダブル・フォール系を封じるもレフェリーに手を出しダブルDQになる始末。
お仕置きが必要とカットラーズが現われタッグへと突入です。

@カットラー・ブラザーズvs.ヤング・バックス
 序盤でカットラーズが大技を決めていくもまるでジョバー相手のようでやりすぎ。
 YBが椅子攻撃でひっくり返すのも良いがその後との落差が大きすぎる。
 カットラーズが盛り上げ方を良く知っていてYBを上手く叩きのめすけれども
 YBが緩めて待ってやるシーンはチラホラあり全体的な完成度はいまいち。
 ミスも組み込んで進行終盤は素晴らしかったですね。
 数を重ねているだけに相手の得意技をカウンターで防いでいくので
 どうなっていくのか気になる面白いクライマックスでした。
 まあまあ良い試合。

Aブランドン・ガットソンvs.ライアン・テイラー
 意欲的に攻防を生み出すのは良い。
 独創的なのも良い。
 しかしそれはちょっとわざとらしさが漂っています。
 攻防は試合のためにあるが試合は攻防のためにないのです。
 ある程度認知されている状況にも関わらず空間が開いているのは反省しなければ。
 悪くない試合。

Bジョーイ・ライアンvs.チャック・テイラー
 緩やかになってもそこをちゃんと拾うのでクオリティは落ちない。
 けどあっさり味でクオリティが上がっていく事もないですね。
 勝負に余り興味を抱かせず悪い意味で2日目の結果なんてまったく予想をさせない。
 平均レベル。

Cポール・ロンドンvs.ロデリック・ストロング
 ロンドンはアマレス・タイツの股間部分に詰め物をして登場。
 真剣な顔してそこに触らせるスポットを延々垂れ流します。
 ある程度ロンドンが真面目になっても自分勝手さは健在ですし
 ストロングもこの程度の試合と舐めていて実際そうなのでダラダラは止まりません。
 ロンドンのおふざけMAX、ひどすぎる試合でした。

Dクラウディオ・カスタニョーリvs.リコシェ
 Evolveのテイラー戦の素材を流用しながらも
 メインはリコシェのハイ・フライヤー能力の限界への挑戦です。
 様々な空間ポイントに可能性を見出していてそれはまるで自由なサーカスのようです。
 驚天動地。
 ただそれを突きつめていく分、試合全体の構築に注意を十分に割けていない所がある。
 リコシェのブレイクを感じさせるオンリー・ワンの内容。
 中々良い試合でした。

Eオースチン・エリーズvs.ロッキー・ロメロ
 お互い相手を意識しながら動きを選び精度の高い物を見せます。
 安心のクオリティですね。
 瞬間、瞬間で作っている所があって
 中盤まではロメロのサブミッションやダンス・スポットに繋がりを依存しているものの
 後半からは拳の織り交ぜによってちょっとは糸が太くなるし
 終盤は両者の戦略を皆が分かっているだけに自然と落ち着くべき所にまとまる。
 平均的な良試合。

Fブランドン・ボナムvs.ブライアン・ケイジ
 前回の成功を受けて再戦を組みたくなる気持ちは分かるけど・・・。
 ケイジがちょっと焦りすぎでしたね。
 環境の使い方は良いのだけど。
 ボナムもスピードがワン・テンポで、また流れの締めが弱かったですね。
 また再戦だからとカナディアン・デストロイヤーを2連発するようなカードではありません。
 悪くはない試合。

Gエル・ジェネリコvs.戸澤陽
 戸澤は自分を好いてくれている観客と良い一体感を生み出しています。
 技自体も伸びがあるし、技と技の間の動きは感情をそのまま反映させていて良いですね。
 一方のジェネリコは時にリズムのサポートをしながら
 インパクトのある技を要所で叩き込みブレーン・バスタァァァーを出す価値のある試合へと仕上げています。
 最後のレフェリー・ミスは残念でしたが、
 これに関してはブレーン・バスタァァァーを逃れてのジャーマンで締めなかった事に問題がありました。
 中々良い試合。

Hクリストファー・ダニエルズvs.クリス・ヒーロー
 序盤。
 テクニカルな戦いになると雰囲気を漂わせます。
 しかしそれはミス・ディレクション。
 他ならぬダニエルズが粗野な打撃で仕掛け、
 ヒーローが追い込まれていく展開です。
 ヒーローが打撃で追い詰められるのは珍しく
 メインにふさわしいレア度を演出できていますし、
 ダニエルズからはそれを実現するだけの集中力が迸っていましたね。
 ヒーローの盛り返しへの注目とダニエルズの予想を外す方向転換が上手く織り交ぜられた内容となっています。
 想像以上に楽しめた試合でした。
 好勝負に届かずも中々良い試合。
 
総評
 出来不出来がはきりと分かれながらも
 クオリティの高い試合が想像よりも多く生まれています。
 地味に充実した大会。
 (執筆日:12/4/10) 
DVD Rating:★★☆☆☆

注目試合の詳細

なし

試合結果

@カットラー・ブラザーズvs.ヤング・バックス
Aブランドン・ガットソンvs.ライアン・テイラー
Bジョーイ・ライアンvs.チャック・テイラー
Cポール・ロンドンvs.ロデリック・ストロング
Dクラウディオ・カスタニョーリvs.リコシェ
Eオースチン・エリーズvs.ロッキー・ロメロ
Fブランドン・ボナムvs.ブライアン・ケイジ
Gエル・ジェネリコvs.戸澤陽
Hクリストファー・ダニエルズvs.クリス・ヒーロー