TOPアメリカン・プロレスPWGPWG 2008年 →PWG:Battle of Los Angels Stage Two 11/2/08

PWG:Battle of Los Angels Stage Two 11/2/08の分析


名勝負 なし
好勝負 準決勝:ブライアン・ダニエルソンvs.クリス・ヒーロー

決勝:ロウ・キーvs.クリス・ヒーロー

総時間2時間30分です。

@2回戦:ブランドン・ボアハンvs.ナイジェル・マッギネス
 流石にROH王者という事もあるのか、
 ナイジェルが圧倒気味に試合を構築していきます。
 それに対するボアハンのリアクションですが
 アンダードッグとしての立場が表現できていませんでしたね。
 また終盤ボアハンの打撃がもろに入りナイジェルが鼻から流血したため、
 予定より早く切り上げたように見えました。
 少し悪い試合。

A2回戦:ロウ・キーvs.吉野正人
 ロウ・キーがドラゲーと絡むという異次元マッチ。
 やはりというかね、
 噛み合ってない訳ではないんだけど
 試合の作り方が刹那的でビジョンが見える物ではありませんでした。
 平均レベル。 

B2回戦:TJパーキンスvs.ブライアン・ダニエルソン
 アメドラが試合を掌で転がし
 TJのレスリング技術を最大限まで引き出します。
 TJも自分が極めているのにエルボーを打たれたらロープに逃げたりと
 ヒール像を上手く作っていますね。
 終盤、脚攻めを活かした一進一退の攻防も良く
 20分越えのロング・マッチを見事にやりきりました。
 中々良い試合。

C2回戦:スコット・ロストvs.クリス・ヒーロー
 ハード・ヒッティングがコンセプト。
 場外カウントを活かしたりして上手くまとめており
 軽めでありながら消耗感も演出できています。
 まあまあ良い試合です。

D準決勝:ロウ・キーvs.ナイジェル・マッギネス
 ナイジェルは眼に青タンが出来ていて怪我は鼻だけで無かったと発覚・・・。
 試合が始まりますが明らかに無理をしています。
 怪我をネタに何とか形をつけますがクオリティをつける事までは出来ず。
 最後も反則裁定でうやむや・・・。
 これは元々予定されていたのかもしれませんけどね。
 期待の一戦は完全な外れになってしまいました。
 少し悪い試合。

E準決勝:ブライアン・ダニエルソンvs.クリス・ヒーロー
かける、という過程まで含めた
 高度なグラウンド・テクニックとその魅せ方を披露。
 ヒーローの脚攻めが最後まで通されていたりと
 IWAのエピック・バトルに魅了された者としては大満足の内容。
 いやもう素晴らしかった。
 これで終わらせても良いのだけど一応欠点について述べておくと
 アメドラ側は構成として大技も使っていたのだけど
 グラウンドの地味な流れに取り込まれており(完成度の高さ故の部分もありますが) 
 それ程見ていて高ぶる物が無かったので
 アメドラもグラウンドにこだわってとことんやりきっても良かったかもしれませんね。
 玄人を唸らせる素晴らしい内容で、ぎりぎり好勝負。

Fケニー・オメガ、ジョーイ・ライアン、チャック・テイラーvs.オースチン・エリーズ、ロデリック・ストロング、デイビー・リチャーズvs.ニック・ジャクソン、ネクロ・ブッチャー、エル・ジェネリコ
 レフェリーいじりから始まり面白いコメディー・スポットもありますけれども
 それ以外が空気で煩雑なんですよね。
 またそのスポット、全員でオメガを追いかけて外まで繰り出したり、にしても
 ちょっとノリが軽すぎて、盛り上がれば何でも許されるだろうというスタンスというか
 学生プロレス(私はやっていた身として色々愛憎があるもので・・・)の領域に入っている印象があり
 個人的には余り評価できないですね。
 悪くない試合。
 この試合中ロープが壊れるアクシデントがあったため
 セカンド・ロープ、サード・ロープを撤去、トップ・ロープのみになっています。
 
G決勝:ロウ・キーvs.クリス・ヒーロー
 復帰・新日参戦後丸くなったと評したロウ・キーですが
 トップ・ロープのみという異常な状況、
 それに対応できる物を既にChirstmas Carnage06で作り上げたヒーローが相手とあって
 あの偏執性という魅力が戻ってきましたよ(まだどこか殺気というか物足りない所はあるんですけどね)。
 ロープ・ワークはコーナーに1回振っただけ。
 ひたすらグラウンドとハードな打撃けで試合を構築していきます。
 ヒーローを鼻から流血させたサッカーボール・キック等
 ハード・ヒッティングが十分に効果を発揮して雰囲気を作り上げた結果
 終盤は1つ1つの技がフィニッシュになるのでは、と思わされかなり盛り上がりましたね。
 決勝にふさわしい熱戦で文句なしに好勝負。

総評。
 もしボアハンの代わりにオメガが勝ち上がっていたら
 ナイジェルvs.オメガが実現して
 ナイジェルvs.ロウ・キーというレア・カード
 (WWEと契約してしまったし、もはや不可能か?)も存分にやれたはず。
 そうなると最優秀大会レベルになっただろうだけにほんと惜しまれるんですが
 過去史上最高のBoLAになった事は間違いないですよ。
 PWGファンはマスト・バイです。
DVD Rating:★★★★☆

注目試合の詳細

E準決勝:ブライアン・ダニエルソンvs.クリス・ヒーロー
  握手して試合開始。
  探り探りのレスリング。
  アメドラがストラングル・ホールドから反ろうとする。
  ヒーローが逃れてストラングル・ホールドで反りあげる。
  アメドラが逃れる。
  腕の取り合い。
  アメドラがブリッジから取り返してスープレックス。
  腕を踏みつける。
  ヒーローが怒って迫るもアメドラはロープの外に上半身を出して外す。
  ヒーローがチョップから脚を取りレッグDDT。
  連発してロメロ・スペシャルの体勢にいこうとする。
  抵抗され脚のロックを外されるもSTF。
  頭のロックを外され今度はハングマンズ・クラッチを狙うもロックを決めれない。
  諦めて脚のみロックする。
  脚へのサブミッション。
  アメドラの頭部へのサブミッションを狙いにいく。
  ヒーローは決められる前に体勢を変えて防ぎ脚を攻めていく。
  脚へのサブミッションを決めたままアメドラの頭部に張り手。
  アメドラはエルボーを打ち返すと脚を取って逃れると鼻フックで起こし張り手。
  ヒーローがエルボーを打ち返してダウンさせる。
  カバーするもカウント2。
  ヒーローがセカンド・ロープに飛び乗る。
  アメドラはエルボーを叩き込んで落とすとスライディング・キックからスプリングボード式ボディ・アタック。
  リングに戻しミサイル・キックを決める。
  跳び起きるとニー・ストライクでカバー。カウント2。
  キャトル・ミューティレーションを狙う。
  ヒーローも決められないよう耐える。
  アメドラはカバーに持っていく。カウント2。
  ヒーローは脚を掴むと打ち上げて一回転させ脚をマットに叩きつける。
  シングル・レッグ・ジャイアント・スイングから変形クローバー・リーフ。
  アメドラがロープを掴む。
  ヒーローはアメドラを担ぎマットに叩きつけるとコーナー上へ。
  アメドラは体勢を崩すと雪崩式バック・ドロップ。
  カバーするもカウント2。
  すぐにエルボー連打へ。
  キャトル・ミューティレーションに捕らえる。
  ヒーローは反転させようとする。
  アメドラが更に反転させ決め直す。
  ヒーローがロープに脚をかける。
  アメドラがヒーローに張り手、パンチを連発。
  コーナーに振ろうとする。
  ヒーローは防ぐと同時にローリング・エルボー。
  アメドラの脚をロープにかけ脚にローリング・エルボー。
  ロープに走る。
  アメドラがカウンターでローリング・エルボー。
  ヒーローがドラゴン・スクリュー。
  エルボーを叩き込んでカバー。カウント2。
  脚を踏みつけハングマンズ・クラッチ。
  アメドラがたまらずタップ・アウト!
  ヒーローが決勝へ!


G決勝:ロウ・キーvs.クリス・ヒーロー
  トップ・ロープのみで試合開始。
  握手を交わす。
  ヒーローが脚を取りハングマンズ・クラッチを狙う。
  ロウ・キーが逃れて背に回りスリーパー。
  逃れようとする所でアーム・バーに移行しようとする。
  ヒーローはもがくとトップ・ロープに脚を伸ばす。
  ロウ・キーが脚を取って倒す。
  ヒーローがアーム・バーを狙う。
  ロウ・キーは両手をロックして耐える。
  ヒーローがアーム・ロック。
  ロウ・キーは体勢を変えるとカバーの状態に持っていく。
  ヒーローが逃れて仕切り直し。
  ヒーローがフロント・ヘッド・ロックを決め倒す。
  ロウ・キーは逃れると胸に蹴りを叩き込む。
  仕切り直し。
  ヒーローは頭を掴むとニーをいれチョップ。
  ロウ・キーもチョップを打ち返す。
  モンゴリアン・チョップからロー・キックを叩き込む。
  ヒーローのローリング・エルボーをガードするとエルボーで倒す。
  頭部を蹴りつける。
  これでヒーローは流血する。
  ロウ・キーはヒーローを場外に連れ出すと椅子に座らせる。
  ドロップ・キックを決める。
  リングに戻る。
  ヒーローが起き上がるも倒れる。
  ロウ・キーは場外に出てヒーローをリングに戻す。
  鼻フックを決める。
  胸に蹴りを叩き込む。
  カバーするもカウント2。
  ヒーローを起こそうとする。
  ヒーローがふりほどいてローリング・エルボー。
  ロウ・キーがふらつきダウンする。
  ヒーローがランニング・エルボー。
  クラバート・スープレックスからカバー。カウント2。
  胸にチョップ。
  鼻フックにチョップ。
  顔にビッグ・ブーツを決めカバー。カウント2。
  両手足をロックする。
  カバーに移行するもカウント2。
  首にエルボーを叩き込む。
  首にパンチ。
  リリース・スープレックスからカバー。カウント2。
  ロープの上に落とす。
  エプロンに頭部を出すとドラゴン・スリーパー。
  カウントが数えられ離す。
  ロープを掴んでセントーンを決めるとカバー。カウント2。
  背に回りヘッド・ロック。
  ロウ・キーはおんぶする形で起き上がると後ろに倒れて逃れる。
  ヒーローが先に起き上がりセントーン。
  カバーするもカウント2。
  チョップ。
  クラバート。
  ロウ・キーはエルボーで逃れると胸を蹴り上げる。
  頭部を蹴りつけていく。
  両膝をついた所で蹴りを放つ。
  ヒーローは受け止めて起き上がるとエルボーへ。
  ロウ・キーは避けるとウィール・キック。
  スピン・キック。
  もう1発。
  後頭部に蹴りを振り下ろす。
  側頭部にランニング・キック。
  カバーするもカウント2。
  ドラゴン・スリーパーへ。
  すぐにヒーローがロックを外す。
  キー・クラッシャーを狙う。
  ヒーローがコーナーに逃れる。
  ロウ・キーはコーナーに振るとランニング・エルボー。
  キー・クラッシャーを狙う。
  ヒーローは逃れるとクラバート・スープレックス。
  カバーするもカウント2。
  ハングマンズ・クラッチを狙う。
  ロウ・キーが伏せてロックを決めさせまいとする。
  ヒーローはセントーンを決めてから再び狙いハングマンズ・クラッチを決める。
  ロウ・キーは噛みついて逃れる。
  ヒーローはロウ・キーを起こすと手に噛みつく。
  ローリング・エルボーからカバーするもカウントは2。
  ヒーローズ・ウェルカムを狙う。
  ロウ・キーは体勢を変えるとキー・クラッシャー。
  何とか自身の体を上にのせる。カウントは2。
  ドラゴン・スリーパーに捕らえる。
  ヒーローが丸め込みに切り返す。
  カウント2に返されるやクラバートに捕らえて起き上がりクラバート・スタナー。
  カバーするもカウントは2。
  ハングマンズ・クラッチを狙う。
  ロウ・キーは逃れるとドラゴン・スリーパーを狙う。
  ヒーローが逃れる。
  ローリング・エルボーを叩き込む。
  ロウ・キーはふらつくもジョン・ウー・ドロップ・キック。
  ドラゴン・スリーパーに捕らえてタップさせる!
  ロウ・キーの優勝!
  観客はリングを叩いてロウ・キーの名を叫ぶ。
  ヒーローは#1コンテンダーを見つけたとだけ言って去る。
  ロウ・キーにトロフィーが贈られる。
  ロウ・キーはPWGと観客に感謝する。

試合結果

@2回戦:ブランドン・ボアハンvs.ナイジェル・マッギネス
A2回戦:ロウ・キーvs.吉野正人
B2回戦:TJパーキンスvs.ブライアン・ダニエルソン
C2回戦:スコット・ロストvs.クリス・ヒーロー
D準決勝:ロウ・キーvs.ナイジェル・マッギネス
E準決勝:ブライアン・ダニエルソンvs.クリス・ヒーロー
Fケニー・オメガ、ジョーイ・ライアン、チャック・テイラーvs.オースチン・エリーズ、ロデリック・ストロング、デイビー・リチャーズvs.ニック・ジャクソン、ネクロ・ブッチャー、エル・ジェネリコ
G決勝:ロウ・キー(優勝!)vs.クリス・ヒーロー