TOPアメリカン・プロレスPWGPWG 2008年 →PWG:Battle of Los Angels Stage One 11/1/08

PWG:Battle of Los Angels Stage One 11/1/08の分析


名勝負 なし
好勝負 1回戦:ブライアン・ダニエルソンvs.デイビー・リチャーズ

総時間2時間40分です。

出場者が揃って開会式。

@1回戦:TJパーキンスvs.チャック・テイラー
 同じヒールという事で
 最初は戸惑いが見え噛み合わない部分もありましたね。
 チャッキーが色を抑えて対応しようとしましたが
 フィニッシュがチャッキーのヒール・アピール如何に関わる物だったので・・・。
 全体的な構造もややばらけていましたし悪い試合。

Aブランドン・ボアハンvs.ケニー・オメガ
 オメガはポーズも無駄にキレてるね。
 おどけからして面白さが桁違い。
 只そのせいで新人故深みの無いボアハンを完全に食ってしまってますね。
 そういう意味ではもう少し相手を引き出す、という事をして欲しかったか。
 最後も普通に波動拳を炸裂させてオメガ・ワールドに染めていますし。
 いやほんとオメガに勝ち進んで欲しかった・・・。
 平均より少し上。

B1回戦:オースチン・エリーズvs.ナイジェル・マッギネス
 エリーズがグラウンド・ヘッド・シザースの返しのドロップ・キックと見せかけ胸に蹴り
 →ナイジェルの三点倒立に対してエリーズがコーナーで寝てのらない。
 →エリーズが必殺のニー連打
 →エリーズの場外ダイブをナイジェルがカウンターで防ぐ
 この一連のムーブ・シーンが試合のキーを象徴しています。
 試合のステージを一気に引き上げる仕掛け。
 方法論は所謂インサイド・ワークで
 通常、堅さと高さ両方を兼ね備えた最高の土台素材として使われる物ですが
 今回は15分と短い時間の中で
 25分クラスの熱戦シーンを組み込むコネクションとして作用しています。
 確固とした技術と相応の自信で持って臨んだ内容で
 素晴らしい試合になったのも必然というもの。
 好勝負に少し届かず。

C1回戦:ロウ・キーvs.ロデリック・ストロング
 サブミッション不発で緊迫感ある土台を作り上げたのですが
 そこからはストロングが腰攻めでほとんど試合を構築。
 7色バック・ブリーカーが出るような強烈な物ではなく
 ロウ・キーに色を入れてこいと緩みを作った形でしたが
 日本に渡って丸くなってしまったように見えるロウ・キーは応じる事ができず。
 試合のクオリティは安定していますが
 特別凄いといった物にまでは発展しませんでした。
 平均的な良試合。

D1回戦:スコット・ロストvs.ジョーイ・ライアン
 ダイナスティ対決ですが心理戦は軽く添え物に抑え
 中心はスピーディーな技の打ち合い。
 ライアンはPWG前のベビー時を思わせますね。
 相対的に技が軽くなっており
 フィニッシュがフィニッシュに見えなかったのは問題ながら
 2人とも良い意味で気負わずに伸び伸びとやっていたので面白かったですね。
 まあまあ良い試合です。

E1回戦:ブライアン・ダニエルソンvs.デイビー・リチャーズ
 鏡合わせの攻防から
 リチャーズの腹攻め、腕攻めで中盤を作り
 エルボーの打ち合いや丸め込みの応酬を経た
 終盤はリチャーズが腕攻めの利を活かして
 アメドラと互角の熱い攻防を見せます。
 こういうベーシックな技術にかけては
 リチャーズって定評がありますからね。
 狙い通りのハイ・クオリティになっていますよ。
 ついでながらアメドラの最後のエルボー連打の躍動感は素晴らしい。
 ぎりぎり好勝負です。

F1回戦:エル・ジェネリコvs.吉野正人vs.ニック・ジャクソン
 多少見よう見真似感はあるものの
 IWA的な独創性に富んだ3ウェイをドラゲーのスピード感でアレンジ。
 1−1が出てくる中盤にやや落ち、あっさり終わってしまうのではと心配しましたが
 終盤の3ウェイの攻防が意外にじっくりとしたもので十分に取り戻しましたね。
 中々良い試合です。

G1回戦、ノーDQ:クリス・ヒーローvs.ネクロ・ブッチャー
 ヒーローがネクロも普通のプロレスができるんだとマイクで喋ったため
 前半はネクロがグラウンドやモンキー・フリップを見せる基本的な攻防。
 途中でネクロのパンチが解禁された所でラフ・ファイトという内容。
 メインにふさわしいロング・マッチにするため2段階構成にしたのでしょうね。
 テーブルやゴミ箱攻撃も繰り出され、
 その狙いは決して外れてはいなかったのですが
 カードの時点でやはり厳しい物がありました。
 なんたってこの2人は対トルネード抗争の仲間ですから遺恨が無いんですね。
 ヒーローの勝利は確実ですしいまいち引き込むものに欠けました。
 平均より少し上。

 
総評。
 カードの並びをもう少し考えて欲しかったな、という不満はありますけれども
 トーナメントですしそんなに問題でもないか。
 Cを除けば概ね各選手素晴らしい働きを見せてくれたと思います。
 BoLAも名に実が追いついてきた感じです。好大会。
 毎回指摘していた2日制への変更も評価したい。
DVD Rating:★★☆☆☆

注目試合の詳細

E1回戦:ブライアン・ダニエルソンvs.デイビー・リチャーズ
  リチャーズがロープに押し込み顔を張る。
  グラウンドの攻防からアメドラがリチャーズをロープに振り顔を張る。
  リチャーズは場外に出ると物に当たる。
  リングに戻りアメドラの胸を突く。
  アメドラはタックルで倒すとロメロ・スペシャルを狙う。
  ロープに逃げたリチャーズのふくらはぎを踏みつけてから離れる。
  力比べへ。
  アメドラが押し込む。
  リチャーズは体勢を戻すとモンキー・フリップ。
  アメドラもモンキー・フリップ。
  同時にカウント2でブリッジ。
  起き上がった所でアメドラがスープレックス。
  リチャーズはカウント2で返すと同じようにスープレックス。カウント2。
  両者まだロックをはずそうとしない。
  リチャーズが手をひねり上げる。
  アメドラが返してひねりあげる。
  ロープに振るとドロップ・キックで落とす。
  フェイクを入れてエプロンに出るとそこからニー・アタック。
  アッパーカートを入れリングに戻す。
  飛び技へ。
  リチャーズがドロップ・キックで迎撃する。
  腹にパンチを入れキッチン・シンク。
  ボディ・シザースに捕らえる。
  アメドラは逃れるとアーム・バーに持っていく。
  リチャーズがロープに脚をかける。
  バタフライ・スープレックスを決めカバー。カウント1。
  ヘッド・ロック。
  リチャーズがサーフボード・ストレッチに返す。
  カバーの状態に持っていく。
  アメドラはカウント2で返すと同時にサーフボード・ストレッチに捕らえる。
  カバーの状態に持っていく。
  リチャーズがカウント2で返しエプロンに転がり出る。
  アメドラは後を追うとジャーマンを狙う。
  リチャーズはロープを掴んで耐え切るとアメドラの腕を取って下に振り下ろす。
  腕折り。
  腕への蹴り。
  アメドラがアッパーカートで反撃しようとする。
  リチャーズは腕折りで動きを止めるとリングに戻す。
  アーム・ロック。
  腕をまたいでの蹴りを入れサブミッション。
  キャメル・クラッチに移行。
  アメドラを起こすと蹴り。
  アメドラがエルボーを叩き込んでいく。
  リチャーズはジョー・ブリーカーで動きを止めるとタックルからマウント・パンチ。
  コーナーに叩きつけるとヘッド・バッド連打。
  ランニング・スピン・キックを叩き込む。
  アメドラはカウント8で何とか起き上がる。
  リチャーズがランニング・フォア・アームズからロープに走る。
  アメドラがカウンターでネック・ブリーカー・ドロップ。
  アメドラは起き上がるとリチャーズをロープに振りキッチン・シンク。
  背中を蹴りつける。
  コーナーに振ろうとする。
  リチャーズは振り返し突進。
  アメドラはドロップ・トー・ホールドでコーナーにもたれさせるとヒップ・ドロップ。
  ミサイル・キックにニー・ストライクを決めカバー。カウント2。
  胸に蹴りを叩き込む。
  コーナーに振ろうとする。
  振り返されるもムーンサルトで裏に回りロープに走る。
  リチャーズが後を追いクローズラインで場外に落とす。
  そしてトペ・コンヒーロ。
  リングに戻すと腕へのミサイル・キック。
  ノーザンライト。
  カウント2で返されるやリスト・ロックに捕らえる。
  アメドラがロープに逃げる。
  蹴りを叩き込んでいく。
  アメドラは受け止めるとクローズラインへ。
  リチャーズが避けてバックを取る。
  アメドラはバックを取り返すとブリッジしての丸め込みに持っていく。
  リチャーズはカウント2で返すと同時にバックを取りジャーマン。カウント2。
  DRドライバーへ。
  アメドラがリバース・スープレックスに返そうとする。
  リチャーズはサンセット・フリップへ。
  丸め込みの応酬に。
  リチャーズがブリッジで起き上がりバック・スライドを狙う。
  アメドラは防ぐとバタフライ・スープレックスと同時にアーム・バー。
  リチャーズがテキサス・クローバー・リーフに切り返す。
  アメドラがロープに手を伸ばす。
  中央に戻されるも一瞬の隙を突いて丸め込む。カウントは2。
  エルボーの打ち合い。
  ロープに走ってエルボーを打ち合う。
  アメドラがロープに走る。
  リチャーズは打ち上げて蹴りを放つ。
  アメドラは受け止めると体勢を変えていきジャーマン。カウントは2。
  ならばとスーパープレックスを狙う。
  リチャーズが突き飛ばす。
  アメドラは起き上がり再びコーナー上へ。
  リチャーズが雪崩式アーム・バー・テイク・ダウンを決める。
  すかさずアーム・ロックに捕らえる。
  アメドラは脚を払って支えをなくして逃れるとエルボー連打へ。
  リチャーズがエルボーを受け止めリスト・ロックに捕らえる。
  アメドラは何とかロープに脚をかける。
  リチャーズはアメドラの胸に蹴りを入れ暴言を吐く。
  ロープに走りけりを放つ。
  アメドラは受け止めるとエルボー。
  ローリング・エルボー。
  タイガー・スープレックス。カウントは2。
  エルボー連打。
  そしてキャトル・ミューティレーションでタップさせる!
  アメドラの勝利!

試合結果

@1回戦:TJパーキンスvs.チャック・テイラー
A1回戦:ブランドン・ボアハンvs.ケニー・オメガ
B1回戦:オースチン・エリーズvs.ナイジェル・マッギネス
C1回戦:ロウ・キーvs.ロデリック・ストロング
D1回戦:スコット・ロストvs.ジョーイ・ライアン
E1回戦:ブライアン・ダニエルソンvs.デイビー・リチャーズ
F1回戦:エル・ジェネリコvs.吉野正人vs.ニック・ジャクソン
G1回戦、ノーDQ:クリス・ヒーローvs.ネクロ・ブッチャー