TOPアメリカン・プロレスPWGPWG 2008年 →PWG:All Star Weekend 6 Night One 1/5/08

PWG:All Star Weekend 6 Night One 1/5/08の分析


名勝負 PWG王座戦:ブライアン・ダニエルソン(ch)vs.ロウ・キー
好勝負 なし

総時間2時間55分です。

エクスカリバーがASW6のカードを説明。
そして現れたアメドラに翌日CIMAと再戦してもらうが
今夜は今からあるレスラーとPWG王座戦をやってもらう、と言う。
出てきたのはなんとロウ・キー!

@PWG王座戦:ブライアン・ダニエルソン(ch)vs.ロウ・キー
 という事で誰が想像したか、豪華すぎるカードで幕開け。
 08年最高のオープニングは約束されたも同然。
 そして実際にそうなったのでありました。
 〜〜〜
 道を行く。
 眼前に広がる白き空間を
 走るのでもなく這うのでもなく
 はたまたスキップするでもなく、
 ただ歩んでいく。
 歩みは機械化されたモデルのそれではなく
 不具による歪なそれでもない。
 最も負担のかからない、最も着実な歩き方で
 ひたすら自然に真っ直ぐに、
 その道を行く。
 ・・・
 ふと立ち止まりて後ろを振り返る。
 一直線の軌跡・・・と1足の靴が落ちている。
 靴など要らぬやもしれぬ。
 頂点はそこに見えている。
 それにもう走ってもいい頃だ。
 どうするか?
 戻ろうか。
 戻ろう。
 そういうことになった。
 左足に靴を履いて
 右足に靴を履く。  
 おや、これは奇妙な履き心地だ。
 何やら踊りたくなった。
 踊ろうか。
 踊ろう。
 混沌のサルサを。
 左足はそこに。
 右足はそこに。
 ステップを踏んで。
 駆けて。
 這って。
 モデルのごとく。
 不具者のごとく。
 混沌のサルサを。
 ・・・
 今までの道から外れたか。
 呼吸も荒い。
 しかし後悔は無い。
 彼は既に高みにいた。
 〜〜〜
 という事でぎりぎり名勝負でした(笑)。
 一応通常レビューもすると
 工夫という物が小細工に思えるほど
 ただ普通にする事を最大限のクオリティにまで高めたのが前半。
 間、展開の呼吸が絶妙。
 後半は逆に少し歪でのりにくく
 また、この前半だといつも以上にストックがあるのに
 壮絶な物にする事を選ばなかった。
 しかしながら腕攻めと腰攻めという筋を前半から生み出す上手さを見せ
 最後の幕引きもニヤリとさせられる事は間違いない。

Aカール・アンダーソンvs.エル・ジェネリコ
 @であんなのやられたらたまったものではないですが
 ”現役のアンダーソン”という称号をCWから奪おうと
 奮闘中のカールが2試合目に求められる
 ファン・マッチ的要素も取り混ぜながらちゃんと仕事をしました。
 平均より少し上。

Bロニンvs.スコーピオ・スカイ
 スカイがウドの大木を切り倒す木こりを好演。
 まあまあ良い試合となりました。
 構図的には初回ASWで見せたAJ対ジョーに似ている。

Cダイナスティ(スコット・ロスト、ジョーイ・ライアン)vs.エイジ・オブ・ザ・フォール(ジミー・ジェイコブス、タイラー・ブラック)
 好調なジェイコブスとスコットに
 ライアンのヘタレ・ヒールとタイラーの身体能力が加わって面白くならない訳がない。
 今回の試合では随所における
 控えの介入が絶妙。
 只それまでと比べるとクライマックスの完成度はやや低い。
 あっさりめですしもう少しできそうな気がしました。
 好勝負に届かずも中々良い試合です。

D#1 コンテンダーズ、3番勝負:ロデリック・ストロングvs.ジャック・エヴァンス
 エヴァンスのシングル・キャリアで
 一番良かった試合というのはvs.ストロングでありましょう。
 そのストロングとの3番勝負となればASWにふさわしいものでしたが・・・
 ストロングが軟体人間エヴァンスに対し
 強烈なサブミッションを決めたりと懐かしのシーンも見られましたけれども
 総じてかつての相性の良さは見られず。
 平均的な良試合に止まりました。
 残り2戦はどうなることやら。

Eマッスル・アウトロウズ(土井成樹、吉野正人)vs.ヤング・バックス
 連係力、スピード力共にあるジャクソン兄弟は
 ドラゲー向きですね。
 この試合も連係技を基本技並みに繰り出して行き
 それでいて終盤もリングを広く使って更に盛り上げる。
 まあ土井、吉野で外れる訳もないですが・・・。
 中々良い試合でした。

Fアレックス・コズロフvs.TJパーキンス
 コズロフは活きの良い新人ですけれども
 (CMLLにも出ているようです)
 このカードで20分弱というのはきつすぎる。
 自分の力を超えた試合時間に対し
 じらしまくりの遅延作戦で対処しましたが
 余りにつまらなすぎて(悪くは無いのだけれども)
 観客が死んでしまいました。
 平均レベル。

GCIMAvs.横須賀享
 ユーモアを絡めながらもしっかりと試合を構成。
 予想をつかせない切り返し等
 見所は多い物の10分程というのは短すぎる。
 最後は微妙だが別に激戦という訳でもないので良いか。 
 平均的な良試合。

Hクリス・ヒーロー、キャンディス・ラレイ、ネクロ・ブッチャーvs.ヒューマン・トルネード、クラウディオ・カスタニョーリ、エディ・キングストン
 これがまさかのメイン・イベント。
 キャンディスって男性に混じって試合できる程だったのか、と思って
 注目してたらやっぱり駄目でした(苦笑)
 前半は場外乱闘で
 (会場の外に出ればネクロが石を拾って投げたり
 CCがスノボーにのって転倒したりと)
 後半はリングで2対3のハンデ戦。
 その要所要所にキャンディス絡みのスポットを配置しています。
 PWG唯一にして最大のストーリー・ラインなので 
 ドラマチックな内容になり観客総立ち。
 (場外戦で椅子がばらばらになったってが一番の理由でしょうが)
 中々良い試合でしたね。
 
総評
 質の高い試合が揃ってますが
 やはり試合順がおかしいですよ。
 メインも実はトルネード組が勝利にするんですね。
 PWG王座戦を差し置いてまでバッド・エンドにする必要があるのか、
 大いに疑問です。
 しかし相変わらずASWに外れはありません。
DVD Rating:★★★★☆

注目試合の詳細

@PWG王座戦:ブライアン・ダニエルソン(ch)vs.ロウ・キー
  両者ロープ・ブレイク時に胸を軽く叩いて離れ
  グラウンドでもアメドラがレッグ・ロックを決めればロウ・キーもレッグ・ロック。
  ヘッド・ロックを食らったアメドラはロープ・ブレイクに持って行き胸を軽く叩く。
  離れる前にアッパーカートを叩き込む。
  ロウ・キーは距離を詰め蹴りを放とうとするやアメドラがロープの外に出る。
  ロウ・キーはアメドラをコーナーに押し込むとチョップを打って離れる。
  アメドラが拳をロウ・キーの顔に押しつけTell 5 referee。
  裏でロウ・キーが起き上がりチョップ。
  コーナーで顔に足を押しつけTell 5 referee。  
  エルボー・ドロップからカバー。カウント2。
  ボディ・シザース。
  アメドラはそのまま起き上がるも崩れ落ちる。
  これを見てロウ・キーが腹に狙いをつける。
  場外に落としチョップ。
  アメドラがアッパーカートで打ち返す。
  リングに戻し腕に狙いをつける。
  ロウ・キーが脚にチョップを打ってくるもサミング。  
  暴言を浴びせ張り手。
  スナップ・スープレックスからダイビング・ヘッド・バッド。
  そこからクロス・フェイス・チキン・ウィングへ。
  捕らえきれないと見るやタイガー・スープレックスの体勢。
  ロウ・キーがアメドラをコーナーにぶつけて解こうとする。
  アメドラは逆にロウ・キーをコーナーにぶつけるとランニング・フォア・アームズへ。
  ロウ・キーは避けるとウィール・キック。
  両者ダウン。
  ロウ・キーがマシンガン・チョップ。
  アメドラが腕を攻撃して動きを止めるもロウ・キーの勢いは止まらない。
  ロウ・キーがスプリングボード式ハイ・キックからカバー。カウント2。
  ダブル・アーム・スープレックスの体勢は防がれるもガット・バスターを決めカバー。カウント2。
  腕を掴んでのリバース・ベア・ハグ。
  アメドラはロープ・ブレイクに持って行き
  相手が緩んだ隙を突いてダブル・アーム・スープレックスへ。
  決まると同時にアーム・バー。
  マウントになりパンチ。
  再びアーム・バー。
  ロウ・キーがロープに脚をかける。
  アメドラはドロップ・キックでロウ・キーを落とすとトペ・スイシーダへ。
  ロウ・キーはハイ・キックで迎え撃つと
  セカンド・ロープにもたれかかるアメドラにダイビング・ダブル・ストンプ。
  カバーするもカウント2。
  蹴りを入れカバー。カウント2。
  フェニックス・スプラッシュを狙おうとしたか、
  しかし回転が足らず自爆。
  アメドラがインバート首4の字。
  エルボー連打。
  ロウ・キーがカバーに持っていく。カウント2。
  フルネルソン・スープレックス。
  カウント2で返されるやキャトル・ミューティレーションへ!
  ロウ・キーが同方向に飛びカバー。
  アメドラはカウント2で返すとエルボー連打!
  カバーに持っていくがカウント2。
  再びエルボー連打から雪崩式バック・ドロップへ。
  ロウ・キーが噛み付いて防ぎツリー・オブ・ウォー!
  カバーするもカウントは2!
  ならばとキー・クラッシャーを決めるもカウントは2!
  ドラゴン・スリーパー!
  そのままエルボー連打!
  アメドラがタップしロウ・キーが新PWGチャンピオンに!

試合結果

@PWG王座戦:ブライアン・ダニエルソン(ch)vs.ロウ・キー(新チャンピオン!)
Aカール・アンダーソンvs.エル・ジェネリコ
Bロニンvs.スコーピオ・スカイ
Cダイナスティ(スコット・ロスト、ジョーイ・ライアン)vs.エイジ・オブ・ザ・フォール(ジミー・ジェイコブス、タイラー・ブラック)
D#1コンテンダーズ、3番勝負:ロデリック・ストロングvs.ジャック・エヴァンス
Eマッスル・アウトロウズ(土井成樹、吉野正人)vs.ヤング・バックス
Fアレックス・コズロフvs.TJパーキンス
GCIMAvs.横須賀享
Hクリス・ヒーロー、キャンディス・ラレイ、ネクロ・ブッチャーvs.ヒューマン・トルネード、クラウディオ・カスタニョーリ、エディ・キングストン