TOPアメリカン・プロレスPWGPWG 2004年 →PWG:The Musical 4/17/04

PWG:The Musical 4/17/04の分析


名勝負 なし
好勝負 ブライアン・ダニエルソンvs.サモア・ジョー

総時間約2時間40分です。

@トップガン・タルワー、チャールズ・マーキュリーvs.ヒューマン・トルネード、スパ・バード
 持ちネタで観客を暖めるシーンもありましたが
 基本中身のない、悪い試合。

Aアポロ・カーンvs.リッキー・レイヤース
 真剣勝負的な雰囲気が漂っていたのは良かったですけど
 カーンのセルの下手さがなんとも。
 少し悪い試合。

Bディスコ・マシーンvs.スコーピオ・スカイ
 スカイが試合にスピードをつけてキャリーし
 独創性で色を添えます。
 ディスコの試合ならこんなもの。
 悪くない試合。

 試合後ボッシュらがスカイを襲撃。
 元タッグ・パートナーのシルバーが止めさせスカイを気遣うも
 スカイはシルバーの手をはねのけ去っていく。

Cトマセーリ・ブラザーズvs.ジョーイ・ライアン、スコット・ロスト、ビリー・キム
 ライアン組もXファウンデーションというユニットだけあって
 タッグではないトリオスにしか出来ない
 複雑な攻防で魅せる事に成功しています。
 スコットとライアンの関係が微妙にこじれる、という
 ストーリー表現も上々です。
 平均的な良試合。

DB-Boyvs.クリストファー・ダニエルズ
 定番の生徒vs.先生マッチ・・・ですが
 今では違う方向性に進んでいるためか
 それ程特別な物は見られませんでしたね。
 平均より少し上。
 ところでダニエルズってPWGで
 余り実力を発揮できていない気がしませんか。
 入場曲がないとエンジンがかからないのでしょうか(笑

Eハードコア・キッドvs.デランジド、リット
 スキップしましょう。
 こんなひどい試合。
 っていうかテディーを呼ぶなら
 こんな連中のマネージャーなんかさせずに試合させてよ。

Fタッグ王座戦:クリス・ボッシュ、クイックシルバー(ch)vs.エクスカリバー、スーパー・ドラゴン
 シルバーとスパドラが絡んで失敗する訳がない。
 ある意味TARO並みの相性ですからね。
 タッグ向きの4選手それぞれが持ち味を出し
 ハード・ヒッティング・アクションが詰め込まれた熱戦に仕上げました。
 好勝負に届かずも中々良い試合。

Gブライアン・ダニエルソンvs.サモア・ジョー
 最初の5分間は和やかなグラウンド・レスリング。
 Musical風に指を鳴らすシーンもありました。
 次の5〜10分でお互いを意識し始め
 敵対ムードに変化させ場外ダイブへ。
 10〜19分は場外の攻防で主導を握ったジョーが
 ハード・ヒッティングで追い込みます。
 途中でダウン・カウントを数えさせるシーンが様になってましたね。
 ここで腰をウィーク・ポイントに設定した後
 アメドラの盛り返しを経て再び場外へ。
 ジョーの脚もウィーク・ポイントになり
 残り5分、リングで互いの力をぶつけ合うという内容です。
 パンク対ジョーのように設定された時間の使い方が絶妙な上
 ハード・ヒッティングによる表現が素晴らしい。
 激しさ、凄さを狙っているのではないのですね。
 その一発一発でどれだけ伝えられるか。
 それを目的にこの境地に辿り着いている。
 上記の目的による物もそれはそれで良い物ですが
 こちらはじわりと観る者の心に染み渡ります。
 だからこそ最後に得意技、必殺技をほとんど使わず
 壮絶なニアフォール的な激しさがなくても
 それはまさに試合の取りにふさわしい全力感に溢れていましたし
 試合後に清々しい風が吹いていました。
 このコンセプトを30分という時間に合わせて
 ひたすら追求し続けていたら名勝負も狙えたのではないでしょうか。
 ぎりぎり好勝負。

総評。
 試合が進むごとにギアが入って行き
 セミ、メインと素晴らしい試合を披露。
 これは良い大会でしたね。
 (執筆日:7/26/08)
DVD Rating:★☆☆☆☆

注目試合の詳細

Gブライアン・ダニエルソンvs.サモア・ジョー
  アメドラはロープに押し込むと離れ際に胸を軽く叩く。
  4つに組むとアメドラがリスト・ロック。
  ジョーが回転して逃れる。
  ジョーがリスト・ロックを決めるとアメドラが回転して逃れる。
  アメドラがこれはMusicalだと言うと
  2人は指を鳴らしながら回る。
  会場からは歓声が起こる。
  ジョーがショルダー・タックルを決める。
  リスト・ロック。
  アメドラはロープを通ってジョーの腕をロープに巻きつけドロップ・キック。
  腰を振ってみせる。
  グラウンド・レスリングの攻防。
  5分経過。
  仕切り直し。
  アメドラはジョーをコーナーに押し込むとチョップ。
  チョップの打ち合いに。
  アメドラがアッパーカート。
  ジョーがヘッド・バッドでお返し。
  複雑なサブミッションを決める。
  わざと途中で離してやる。
  アメドラがクラバート。
  ジョーが変形バック・ドロップに切り返し離れる。
  ジョーはアメドラをコーナーに押し込むと前腕をこすりつける。
  カウントを数えるレフェリーにI say 5。
  アメドラが体勢を入れ替えやり返す。
  カウントを数えるレフェリーにFuck Fuck。
  ジョーをリング中央に引っ張っていきドロップ・キック。
  もう1発決め落とす。
  タイミングを計りスプリングボード式トペ・アトミコを決める。
  10分経過。
  エプロンに上がってきたジョーにリング内へのブレーン・バスターを狙う。
  ジョーが逆に持ち上げ場外へのブレーン・バスター。
  オレ・キックも決める。
  もう1発。
  アメドラがジョーの手を振り払いチョップ。
  ジョーは受けきるとお返しのチョップを浴びせリングに戻す。
  カバーするもカウント2。
  コンビネーション・ニー・ドロップを狙う。
  体を起こしたアメドラに蹴りを何度も叩き込みニー・ドロップ。
  カバーするもカウント2。
  15分経過。
  フェイス・ウォッシュ他ハードな打撃を叩き込んでいく。
  フォア・アームズの連発からチョップでダウンさせるとカウントを数えさせる。
  カウント8で起き上がったアメドラがアッパーカートを連発。
  ジョーが払い蹴りで黙らせる。
  カバーするもカウント2。
  ボストン・クラブで追い込む。
  コーナー上へ。
  アメドラが捕まえスーパープレックスを決める。
  カバーするもカウント2。
  グラウンド・ヘッド・シザース。
  ジョーがロープに脚をかける。
  20分経過。
  アメドラがチョップを浴びせロープに走る。
  ジョーがパワー・スラム。
  カウント2で返されるやアーム・バー。
  アメドラがロープに脚をかける。
  アメドラがチョップを浴びせロープに走る。
  ジョーがスパイン・バスターを決めカバー。カウント2。
  アメドラはコーナーへの攻撃を防ぐとセカンド・ロープからのアッパーカート。
  カバーするもカウント2。
  ブレーン・バスターを狙うも持ち上がらない。
  ならばとフォア・アームズを叩き込んでからスナップ・スープレックス。
  続けてダイビング・ヘッド・バッドへ。
  ジョーが脚を上げたため相打ちになる。
  両者ダウン。
  張り手の打ち合いに勝ったジョーがショート・レンジ・ラリアットへ。
  アメドラは避けるとアブナミドル・ストレッチを狙う。
  ジョーが抵抗したため両者落下。
  アメドラのチョップにジョーの蹴り。
  ジョーがアメドラの頭部を蹴り上げチョップ。
  アメドラもニーを入れるとオレ・ドロップ・キック。
  続いてブレーン・バスターを狙う。
  ジョーが逆に持ち上げブレーン・バスター。
  25分経過。
  更にエプロンからダイビング・ニー・ドロップへ。
  アメドラは避けて自爆させるとリングに戻しハーフ・ボストン・クラブ。
  ジョーがロープを掴む。
  脚を攻めていく。
  ジョーの脚をロープに絡めコーナーに固定するとチョップを打ち突進。
  ジョーがカウンターでSTO。
  張り手にチョップを叩き込む。
  アメドラもアッパーカートにチョップ。
  ロープに走りラリアットへ。
  ジョーが受け止めアーム・バーに持ち込もうとする。
  その動きを利用してキャトル・ミューティレーションへ。
  反転させられるもすかさずアッパーカート。
  間髪入れずローリング・エルボー。
  カバーするもカウントは2。
  ハーフ・ボストン・クラブを狙う。
  ジョーは蹴り飛ばすと向かってきたアメドラに強烈なラリアット。
  そして変形ボストン・クラブ。
  アメドラがロープを掴む。
  中央に戻しボストン・クラブ。
  アメドラがロープを掴む。
  残り30秒。
  スリーパーへ。
  アメドラが何とかロープを掴んだ所で30分時間切れ。
  アメドラがジョーの胸を突く。
  ジョーもやり返す。
  レイヤースが仲介しようとするも
  アメドラに胸を突かれるとアメドラに襲いかかる。
  レイヤースとジョーがアメドラをリンチして去っていく。
  アメドラはマイクを取ると・・・
  ジョーをリスペクトするがレイヤースは臆病者だ。
  次回興行で2人とシングルを要求する。
  ジョーは俺を倒せなかったし俺の方が優れたダンサーだ。
  ・・・と述べる。

試合結果

@トップガン・タルワー、チャールズ・マーキュリーvs.ヒューマン・トルネード、スパ・バード
Aアポロ・カーンvs.リッキー・レイヤース
Bディスコ・マシーンvs.スコーピオ・スカイ
Cトマセーリ・ブラザーズvs.ジョーイ・ライアン、スコット・ロスト、ビリー・キム
DB-Boyvs.クリストファー・ダニエルズ
Eハードコア・キッドvs.デランジド、リット
Fタッグ王座戦:クリス・ボッシュ、クイックシルバー(ch)vs.エクスカリバー、スーパー・ドラゴン(新チャンピオン!)
Gブ ライアン・ダニエルソンvs.サモア・ジョー(30分時間切れ引き分け)