TOPアメリカン・プロレスIWA-MSIWA-MS 2004年→IWA-MS:A Phenomenal Invasion 9/15/04

IWA-MS:A Phenomenal Invasion 9/15/04の分析


名勝負 なし
好勝負 AJスタイルズvs.マット・サイダル

3本勝負:クリス・ヒーローvs.ブライアン・ダニエルソン

2枚組み約3時間20分。

1試合目−ダニー・ダニエルズvs.エディ・キングストン
 未熟で使えないレスラーの典型のようなキングストンと
 ダニーの試合はかみ合わず悪い試合。
 
2試合目−ミッキー・ナックルズvs.トレイシー・ブルックスvs.ミスチーフ
 この頃はまだそれなりに面白いぐらいで
 技術の裏打ちを感じません。
  
3試合目−B-Boy vs.ネイト・ウェブ
 B-Boyのハード・ヒッティングにウェブの変わった攻め、
 更に意外に凝った攻防があってまあまあ良い試合。
 
4試合目−テーブルズ・エリミネーション・マッチ:コーポラル・ロビンソン、2タフ・トニーvs.マッド・マン・ポンド、キャッシュ・フロー
 フィニッシュがテーブルへの雪崩式スーパープレックスとは
 デス・マッチ団体にしてはぬるいんじゃない。
 路線変更中とはいえ・・・。
 少し悪い試合。

5試合目−JCベイリーvs.スティーブ・ストーン
 短いのが救いのひどすぎる試合。 

6試合目−ロデリック・ストロングvs.エリック・キャノン
 若さあふれるストロングの動に小悪党エリックの静。
 激しいチョップの打ち合いも挟んでいて
 中々なんだけど8分程と短い。

7試合目−アレックス・シェリーvs.クラウディオ・カスタニョーリ
 相性が良く中々良い試合に仕上がっていますが
 序盤は仕切り直しばっかりだし
 その後も最後までシェリーの脚攻めvs.CCのヒール・プレイ1本調子でやや単調なのが問題点。
 もっと良くなり得たはずなので残念。
 中々良い試合。

GAJスタイルズvs.マット・サイダル
 サイダルが身体能力を全開にしてAJに立ち向かっていきます。
 それに対してAJはこれまでにない程乱暴な扱いで迎えます。
 強引な足払いにサイダルが頭からリングに倒れるシーンもありましたね。
 そこには優雅さなんてありません。
 ただ強引な中にも相手が気づけば反撃する見せ場が生まれるように試合を動かしている。
 そしてサイダルはムーブを全力でやるだけでなく
 集中力を研ぎ澄まして試合に臨んでいるのでAJの示唆に気づき活かしている。
 こういう試合に求められる力強さは
 どうしてもサイダルに欠けている所がありますが
 腰攻めという展開、AJのダメージ表現によってそこまでマイナス面として現れはしませんでした。
 終盤のスタイルズ・クラッシュを巡る攻防も秀逸で
 試合後にはスタンディング・オベーションも起きていましたね。
 サイダルのシングル・ベストです。
 ぎりぎり好勝負。
 (執筆日:11/8/11)

H3本勝負:クリス・ヒーローvs.ブライアン・ダニエルソン
 前回と比べると特異的バランス、間が
 上質ではあるものの一般的なレベルに落ちている事は否めません。
 打撃もホールドの抵抗の中で躊躇なく織り交ぜられます。
 しかし前の試合をコンパクトに振り返るという面で導入としてはありでしょう。
 またその上で描かれるアメドラの脚狙いvs.ヒーローの首狙いは絶品です。
 どちらも展開としては描かれず
 あくまでレスリングとしてまとめられる攻防の中で
 同時進行でお互いが狙う部位のダメージ蓄積に動いています。
 必殺技サブミッションを意識させる事で
 技の攻防へとシフトし、意表をついてのアメドラが丸め込み決着という
 展開も観る側に引っ掛かりを与えずスムーズに移行していますね。

 2本目は激しい打撃の打ち合いとアメドラの腕攻め。
 こちらの一極狙いは先ほどと違い展開として描かれています。
 支配権を奪われた中で防御に徹するヒーローの腕をどう攻めるか、8:2の見せ場です。
 腕を取ろうとしてもこらえられるのでまず空いているヘッド・ロックを決め、
 そのロックを外そうと腕を動かしたところで本命の腕を取る。
 そのような攻防が繰り広げられます。
 これをコンセプトに1本通せば良かったですね。
 スロー・ペースになる中でベースの密度が落ちました。
 点在で技を自由に交えるのは面白いものの
 3本目を見据えて技を温存しておきたい中で
 技を浪費してしまいましたし、そこから得たリターンも不十分です。
 ここは1本目で丸め込み勝つ方をヒーローとし、
 2本目はヒーローが腕攻めに陥落し、1-1になるというストーリーにすべきでした。

 3本目。
 雪崩式技でステージ・アップしたのは上手いが、それはこの2人の個性に依存しないものです。
 十分な時間が取られない中、サブミッションの切り返し合いになり
 最後は一般的にはとてもフィニッシュとは受け止められない
 同時サブミッションからダブル・レフェリー・ストップ。
 両者共にギブ・アップしていない事もありこれにはがっかり来ましたね。
 敢えてこういうブックをしたのはアイアンマン・マッチ3戦目のためながら
 それが結局実現しなかったのだから尚更です。
 前の試合にはない面白みがあるもののフィニッシュ含めた3本目の位置づけがまずく
 尻すぼみになってしまった感は否めない。
 完成度で前回の試合には劣るものの技術的に最高峰の内容。
 文句なしに好勝負です。
 (執筆日:11/8/11)

10試合目−IWA-MS王座戦:ピティ・ウィリアムス(ch)vs.CMパンク
 とにかく変な試合。
 両者のやりたい事がずれていてちぐはぐ。
 博打級レスラーのパンクはともかく
 ピティもおかしい。
 ダイビング・ヘッド・バッドとか
 普通は使わない技、見られない変な攻防目白押し。
 少し悪い試合。

総評。
 これほどのカードを組んでも客席がぎりぎり半分くらいなのは寂しい・・・。
 メインは外れだが7,8,9と良い試合が揃っている。
 アメドラなんかの渋い試合が好きならお勧めできる。  
DVD Rating:★★★☆☆
(執筆日:9/21/11)

注目試合の詳細

GAJ スタイルズvs.マット・サイダル
  相手にさせたいことをさせないグラウンドの攻防から始まり
  AJが仕掛けドロップ・キックを狙う。
  サイダルはロープに捕まって避け自爆させる。
  AJは不意を突いてのハリケーン・ラナを決める。
  サイダルがヘッド・ロックでAJの動きを抑えていく。
  AJはバック・ドロップで無理矢理場外に落とすとブランチャ。
  リングに戻しAJが容赦なく攻めていく。
  サイダルはエプロンのAJを落とすとムーンサルト。
  リングに戻しコークスクリュー・ラ・ケプラーダ。カウントは2。
  背中に乗ってのシューティングスター・プレスもカウント2。
  AJの腰を攻めコーナー上へ。
  AJがサイダルを捕まえジャーマンを狙う。
  サイダルは抵抗して逃れるとクロス・ボディへ。
  AJは受け止めると振り回して叩きつける。
  両者ダウン。
  AJがジャーマンを狙う。
  抵抗を受け狙いを変えてパワー・スラム。カウント2。
  AJが一回転してのリバースDDTを狙う。
  サイダルは体勢を入れ替えレッグ・ドロップ。カウント2。
  AJがハリケーン・ラナを狙ったサイダルを捕らえスタイルズ・クラッシュを狙う!
  サイダルはロープにしがみつく。
  AJは力で無理矢理引き離しパワー・ボムへ。
  サイダルがハリケーン・ラナに切り返す!カウントは2!
  サイダルが雪崩式フィッシャーマンズ・バスターを狙う。
  殴り落とされるも戻って雪崩式ハリケーン・ラナへ。
  AJは受け止めると雪崩式スタイルズ・クラッシュの体勢に!
  サイダルがもがいて逃れる。
  AJはサンセット・フリップに行きスタイルズ・クラッシュへ!
  サイダルは蹴りつけて逃れクルーシーフィックスへ。
  AJは耐えると体勢を変えスタイルズ・クラッシュで1,2,3!
  観客からはスタンディング・オベーション!
  AJはサイダルを認め握手。
  イアンが現れ健闘を称える。  


H3本勝負:クリス・ヒーローvs.ブライアン・ダニエルソン
  ヒーローが握手を求めるもダニエルソンは応じない。
  腕の取り合い、グラウンドの攻防で始まる。
  ヒーローがクラベイトを決めたりとやや優位。
  ダニエルソンが脚に狙いをつける。
  サーフボード・ストレッチを決める。
  仕切り直し。
  ダニエルソンはスタンディングを嫌いしゃがんだまま距離を詰めていく。
  そのまま脚を蹴りに行く。
  ヒーローは受け止めるとSTF。
  一進一退のグラウンド戦が続く。
  ダニエルソンはロープ・ブレイク時に襲い掛かりアッパーカート。
  ヒーローもフォア・アームズで打ち返しクラベイトで再びグラウンドに。
  ダニエルソンがキャトル・ミューティレーションへ!
  ヒーローは体を裏返して防ぐ。
  ダニエルソンはロープ・ブレイクになるもニー・ドロップを叩き込みアッパーカート。
  ヒーローがフォア・アームズで打ち返す。
  ヒーローはビッグ・ブーツからヒーローズ・ウェルカムを狙う!
  ダニエルソンは逃れるとキャトル・ミューティレーションを狙う!
  ヒーローはバックを取り返す。
  ダニエルソンが丸め込みに返しブリッジで1,2,3!
  ダニエルソンが先取(15分)!
  アッパーカートとフォア・アームズを打ち合う。
  ヒーローがローリング・フォア・アームズを決めカバー。カウント2。
  ヒーローが打撃で攻める。
  ダニエルソンはヒーローの腕にドロップ・キックを決めると
  腕を集中攻撃して打撃を封じる。
  勝利を確信し油断したかスタンディングに移行する。
  ヒーローはローリング・エルボーを受け止めると
  首を取って後方に投げ捨てる。
  両者ダウン。
  ヒーローがフォア・アームズの打ち合いに勝つ。
  スパイン・バスターからセントーンでカバー。カウント2。
  キャノンが現れヒーローの気をそらそうと野次を飛ばす。
  ダニエルソンはバック・ドロップから逃れるとローリング・エルボー。
  カバーするもカウント2。
  ならばとキャトル・ミューティレーションを狙う!
  ヒーローが体勢を起こして防ぐ。 
  ダニエルソンはアッパーカートを決めるとハリケーン・ラナへ。
  ヒーローがパワー・ボムに返しハングマンズ・クラッチ!
  ダニエルソンがロープを掴む。
  ヒーローは中央に持って行きハングマンズ・クラッチ!
  途中で止めヒーローズ・ウェルカムからカバーで1,2,3!
  ヒーローが追いつく(26分)!
  ダニエルソンは3本目が開始になっても起き上がれない。
  と見せかけ起き上がるとコーナー上のヒーローを捕らえスーパープレックス。
  更にダイビング・ヘッド・バッドへ。
  ヒーローは避けるとセントーンへ。
  ダニエルソンは避けるとキャトル・ミューティレーション!
  ヒーローが体を裏返して逃れるとハングマンズ・クラッチ!
  ヒーローは体を回転させて逃れるとブリッジで首を締め上げる!
  ヒーローは体勢を起こすと決められたままハングマンズ・クラッチ!
  両者レフェリー・ストップでドローとなる(30分)!
  ダニエルソンがレフェリーに文句を言っている。
  ヒーローはなら延長にしようとダニエルソンに申し出る。
  ダニエルソンは受け入れず去っていこうとする。
  イアンが立ちふさがりお前のような偉大なレスラーが逃げ出すのかと尋ねる。
  そして逃げてもいいが今度はヒーローとのアイアン・マン・マッチを組もうと言う。
  ダニエルソンは悪態を吐きながら去っていく。
  ヒーローがアイアン・マン・マッチへの抱負を述べ、観客に感謝する。

試合結果

@ダニー・ダニエルズvs.エディ・キングストン
Aミッキー・ナックルズvs.トレイシー・ブルックスvs.ミスチーフ
BB-Boy vs.ネイト・ウェブ
Cテーブルズ・エリミネーション・マッチ:コーポラル・ロビンソン、2タフ・トニーvs.マッド・マン・ポンド、キャッシュ・フロー
DJCベイリーvs.スティーブ・ストーン
Eロデリック・ストロングvs.エリック・キャノン
Fアレックス・シェリーvs.クラウディオ・カスタニョーリ
GAJスタイルズvs.マット・サイダル
H3本勝負:クリス・ヒーローvs.ブライアン・ダニエルソン(2-2)(ダブル・レフェリー・ストップ)
IIWA-MS王座戦:ピティ・ウィリアムス(ch)vs.CMパンク