TOPアメリカン・プロレスECWECW 2005年 →ECW:Hardcore Homecoming An Extreme Reunion 6/10/05

ECW:Hardcore Homecoming An Extreme Reunion 6/10/05の分析


名勝負 なし
好勝負 バーブド・ワイヤー3ウェイ・ダンス:テリー・ファンクvs.シェイン・ダグラスvs.サブー

2枚組み総時間約6時間(本編は約3時間 15分)です。
Hardcore November Reign、
Forever Hardcoreとセットで
Hardcore ForeverというBOX版が販売されています。

1枚組みバージョンもあるのですが
発売日が早かっただけで
これの完全劣化版となっています。

トッド・ゴードンのマイクで幕開け。
麦わら男やサングラス男といった
かつての常連さんが集まり大盛り上がりの中
ジョーイ・スタイルが登場します。
第一声はOh My God!で大歓声。
ジョエル・ガートナーとサイラスの男版キャット・ファイトもあり試合へ。

@サイモン・ダイアモンド、CWアンダーソンvs.マイキー・ウィップレック、クリス・チェッティ
 できるのはアンダーソンだけですが
 それなりに各人そつなくこなし少し悪い程度。

Aトレイシー・スマサーズvs.ブルー・ミーニー
 FBIvs.bWo。
 レフェリーが絡んだり
 ダンス対決になったりするコメディー・マッチ。

 亡くなったロッコー、ウルフ、キャンディードを偲んで
 グランジ、ピットブル#1、サニーが登場。
 ロードキル、ドーリングが乱入し襲い掛かる中
 現れたのは911。
 紛争処理して、めでたし、めでたし。

Bキッド・キャッシュvs.2コールド・スコーピオ
 キャッシュがTNA版ヒールを完遂し
 未だ当時と引けを取らない浮遊感溢れるスコーピオを引き立てます。
 只スコーピオの悪い癖で間が長すぎる点が目立ちます。
 平均より少し上。

Cギャングスタネイターズvs.バッド・ブリード
 イリミネーターズのクローナスと
 ギャングスターズのニュージャックが合体しギャングスタネイターズと名乗っております。
 お待ちかねのバイオレンス&ブロッドを存分に披露。
 ニュー・ジャックの高所ダイブもあって
 中々良い試合でしたが
 やはりNatural Born Killersが収録されていないのは残念でした。
 
Dジャスティン・クレディブルvs.ジェリー・リン
 今度は技巧戦を。
 ECWらしいスポットを適所に散りばめています。
 中々良い試合でした。 

Eレイヴェンvs.サンドマン
 完全に雰囲気だけでしたが
 これもECWらしいということで1つ。
 悪くないファン・マッチ。
 
Fバーブド・ワイヤー3ウェイ・ダンス:テリー・ファンクvs.シェイン・ダグラスvs.サブー
 バーブド・ワイヤー・マッチということで
 予想通り3ウェイの要素は薄かったですけど
 良いぐだぐだ加減の中
 躊躇無く有刺鉄線に突っ込んでいくその姿は神々しい。
 他も一夜限りの復活大会のメインにふさわしいスポットもあり、
 これはぎりぎり好勝負にしてもいいかなと思います。


総評
 One Night Standがラストを除けば
 WWE色を消すことでECWをアピールしたのに対し、
 こちらは地のECWをそのまま復活させた感じ。
 ぐだぐだな感じとかも含めて小団体ならではの雰囲気があります。
 それぞれ違ったスタイルの試合で
 ECWの多様性が表われているし
 これはECWファンなら楽しめること間違い無しです。


ディスク2
 Forever Hardcoreのカット版30分他
 CM、小話等が収録されています。

特典試合(全て劣化版ECWと名高いXPWから)
@XPW王座戦:クリス・キャンディード(ch)vs.シェイン・ダグラス
 なぜか途中でサブー(初登場)が入ってくると
 キャンディードw/ダグラスvs.サブーになったようで・・・
 良く分かりません。

(2試合目はネタで長くなりすぎたので順序を変えて)
BXPW王座戦:シェイン・ダグラス(ch)vs.ジャスティン・クレディブル(My Bloody Valentine Los Angels 2003)
 要所要所にECWらしいスポットがあって
 ECWを引き摺りまくっているXPWにしてみれば正道の試合なんですけどフィニッシュが・・・
 パウダー攻撃を受けたダグラスがレフェリーを攻撃
 →ジャスティンがダグラスにリバースDDTになってるツームストンを決めカバー
 →カウント8ぐらいした後にセカンド・レフェリーが入ってカウント3
 というもの。
 これは間違いなく試合後いちゃもんつけて
 王座移動無しというパターンではないですか。
 ファンもやっぱりそうかとうんざりしながら、
 一方で古典を楽しむ類のフィニッシュですよ。
 それなのにカウント3が鳴るなり映像が終わるんだからなぁ。
 何とも趣の無い編集です。
 そのせいでまあまあ良い試合程度という評価に下がります。

C ジェリー・リンvs.フベントゥー・ゲレラ(My Bloody Valentine Los Angels 2003)
 XPWにあって1人リンは安定しております。
 なぜかお互い必殺技を普通に返すというクライマックスには?ですが
 クルーザー級らしい素早い攻防を見せ
 まあまあ良い試合となりました。

AXPW王座戦:シェイン・ダグラス(ch)vs.テリー・ファンク(Hostile Takeover 2002)
 〜テリーの翁、老いてますますご盛んのこと〜
 今宵もメイン・イベントのお時間と相成りました。
 ECWアリーナで開催となればブッカーも力の入っているものでございます。
 御本家シェーン・ダグラスに挑戦致しますは
 他ならぬテリー・ファンクでございます。
 さてシェーン・ダグラスが堂々とリングに入ってきたと
 言いたいところなのですが
 伊達にXPWは劣化版ECWと言われておりません。
 入場するシーンなんてものは収録されていないのでございます。
 ああ、なんて興の無い編集でございましょうか。
 しかしここで文句を言っても詮無きことなれば
 Two Wordsを送って・・・
 ああこれは御法度のお言葉でしたね。
 ご勘弁あれ。
 とにかく先に進むことにしましょう。
 そういうことで想像するしか無いので
 ダグラスの入場シーンは様になっていて
 XPWのフランシーンことリジー・ボーデン嬢と
 いちゃいちゃしていても決して軟弱に映らなかったと勝手に決めてしまうのでございます。
 そしてマイク・アピールもまた見事に
 憎々しげなるものだったことでしょう。
 そのマイク・アピールをさえぎるように
 我らがテリー・ファンクが現れた所から映像は始まるのでした。
 テリーの翁、還暦間近なれど
 そのパワーは並々ならぬものがありまして、
 まずは椅子を投げ込むこと、その数十何脚。
 結局ダグラスは場外に逃げましたので
 椅子攻撃は1回も決まらないのですが
 御大なら許されるのでございます。
 そこいらの若手が真似すれば火傷は必至でありますよ。
 さて御大の勢いは止まる事を知りません。
 目の前にパンツがあれば引っ張り、
 ダグラスを尻丸出しにしてしまうのです。
 目の前にゴミ箱があれば手に取り
 ダグラスをゴミまみれにしてしまうのです。
 目の前に出口があれば・・・
 言わずともお分かりですね。
 会場の外に乗り出すのでございます。
 しかし世の中順風満帆とは中々いかないものでございます。
 凶器に使おうとビール瓶を割った際
 その破片で腕を切ってしまうというハプニング。
 流血がひどかったため
 ダグラスが腕攻めで形をつけ
 レフェリー・ストップと相成ったのでございます。
 事故ということでブーイングこそ出していませんが
 観客は憤懣やるかたない心持であった事は
 火を見るより明らかという物ではございませんか。
 さてさて自分のミスは自分で尻拭いしなければなりません。
 そうしなければ次は起用されないかもしれないのでございます。
 これが雇われ者の辛い所でありましょう。
 そこで御大は考えた。
 いや考えていなかったのかもしれません。
 気づいたら体が勝手に動いていた、
 そのように解釈するのが正しいと勝手に思っているのですが
 御大はまずボーデン嬢にパイル・ドライバーを決めて気絶させるのでございます。
 女子に過激技をかける、
 これは団体の大小にかかわらず観客に受けるのであります。
 しかしこれだけならば、ちょっと頭の切れる者なら考え付くことでございましょう。
 いやはや次の行動が奇想天外摩訶不思議。
 鮮やかなる手口なのでありました。
 ボーデン嬢に近寄るとTバックを剥ぎ
 そのTバックでダグラスの首を絞めたのでございます。
 これを見た観客は、
 「やや!?、ご乱心遊ばれたか」と毒気を抜かれ
 次の瞬間には「おう、テリーの翁、お前さんには参ったよ」と
 苦笑ながらに許してしまうのでありますね。
 生ける伝説、只者ではございません。 
 もはやこれはテリー・ファンクという
 強烈な個性が生み出したいうしかないのでございます。
 観客も満足して帰って行った事でございましょう。
 めでたし、めでたし。
 これにて「Hostile Takeover」の幕引きと相成ったのでございます。

DVD Rating:★★★☆☆

注目試合の詳細

Fバーブド・ワイヤー3ウェイ・ダンス:テリー・ファンクvs.シェイン・ダグラスvs.サブー
  ファンクの提案でバーブド・ワイヤー戦に変更。
  ファンクがサニー、サブーがアルフォンソ、ダグラスがフランシーンを連れている。
  3人で組み合い、連鎖ヘッド・ロック。
  ファンク、ダグラスが有刺鉄線に振り飛ばされる。
  サブーがファンクにポエトリー・イン・モーション。
  ダグラスが2人に狙われる。
  場外に逃れたダグラスをファンクが殴りつける。
  そこにサブーが場外ダイブ。
  全員有刺鉄線にぶつけられていき流血。
  誰も優位に立てないでいる。
  連鎖スリーパーを決める。
  ダグラスが場外に逃れる。
  ファンクがサブーに場外でのパイル・ドライバー。
  ダグラスはサブーを持ち上げると有刺鉄線の上に落とす。
  ファンクは2人に椅子攻撃。
  サブーは有刺鉄線に振り飛ばされる。
  ファンクの腕が有刺鉄線に絡まってしまう。
  関係者が慌てて有刺鉄線を切る。
  アルフォンソが介入しダグラスを有刺鉄線に押し付ける。
  これを見てフランシーンがアルフォンソにロー・ブロー。
  アルフォンソもフランシーンを押し飛ばす。
  リングではファンクがサブーの頭を有刺鉄線で絡めている。
  ダグラスはファンクに椅子攻撃。
  レフェリーにも椅子攻撃。
  ファンクが起き上がりダグラスにストレート。
  ファンクはサブーを有刺鉄線に押し当てている。
  その隙にダグラスはチェーンを手にすると
  レフェリーにファンク、サブーを殴りつける。
  ダグラスが完全優位に立っている。
  サブーを有刺鉄線の上に落とすとラダーを入れ登っていく。
  突然照明が消える。
  照明がつくと、そこにはミック・フォーリー。
  ダグラスを投げ落とすとソッコを取り出しダグラスにマンディブル・クロー。
  一転ブーイングを受ける。
  ダグラスがロー・ブローで逃れる。
  フォーリーはダグラスにダブル・アームDDT。
  そして有刺鉄線をソッコにまくと改めてダグラスにマンディブル・クロー。
  ファンクがダグラスにローリング・クレイドル。
  フォーリーがカウントする。
  ダグラスがカウント2で返すも、そこにサブーに椅子を投げつけられる。
  ファンクがもう1度カバーの体勢に戻し1,2,3!
  ダグラスが脱落!
  ファンクがダグラスにスピニング・トー・ホールド。
  サブーが不意をついてファンクにサンセット・フリップ。
  ファンクが丸め込み返すもカウント2。
  ファンクがスリング・ショットを決めるとサブーは場外に落ちる。
  ファンクはテーブルをセットし戻ってきたサブーをそこに寝かせる。
  そしてラダーを登っていく。
  しかしラダーが折れてしまい転落。
  勝機とサブーが椅子の上から跳んで椅子突きアラビアン・フェイス・バスター。
  カバーし1,2,3!
  サブーの勝利!
  他のECWレスラー達も現れ3人の健闘を称える。

試合結果

@サイモン・ダイアモンド、CWアンダーソンvs.マイキー・ウィップレック、クリス・チェッティ
Aトレイシー・スマサーズvs.ブルー・ミーニー
Bキッド・キャッシュvs.2コールド・スコーピオ
Cギャングスタネイターズvs.バッド・ブリード
Dジャスティン・クレディブルvs.ジェリー・リン
Eレイヴェンvs.サンドマン
Fバーブド・ワイヤー3ウェイ・ダンス:テリー・ファンクvs.シェイン・ダグラスvs.サブー
@XPW王座戦:シェイン・ダグラス(ch)vs.クリス・キャンディード(新チャンピオン?)
AXPW王座戦:シェイン・ダグラス(ch)vs.テリー・ファンク(Hostile Takeover 2002)
BXPW王座戦:シェイン・ダグラス(ch)vs.ジャスティン・クレディブル(My Bloody Valentine Los Angels)
Cジェリー・リンvs.フベントゥー・ゲレラ(My Bloody Valentine Los Angels)