TOPアメリカン・プロレスDragon Gate USA →Dragon Gate USA:United: Finale 1/30/11

Dragon Gate USA:United: Finale 1/30/11の分析


名勝負 戸澤陽vs.BxBハルク
好勝負 オープン・ザ・ドリーム・ゲート王座戦:土井成樹(ch)vs.横須賀享(Gate of Victory 10/25/09)

1枚、約3時間5分です。
PPVの名前はUnted We Stand。

@ブロディー・リーvs.リッチ・スワン
 どうしてもこれだけ体格差があると
 リーの試合運びを矯正する事は出来ずそこにのらざるを得ない。
 そしてリーの試合運びは勝手で、
 結果としてリーのスカッシュ・マッチのような内容になってしまっている。
 悪い試合。

 試合後BWがスワンなんてこの程度さ、と馬鹿にする。
 BWはリーグ戦のCIMA、キッドvs.土井、リコシェを
 BW同士の試合なんてする必要がないとボイコット。
 そこにジェイコブスが現れならば俺と試合しろ、と言う。
 結局ジェイコブス及び連れ3人との8マン・タッグを行うことに。

AARフォックスvs.チーチ・ヘルナンデス
 それぞれめがすぐに反撃に走るので
 さっきの攻撃の効果は?となっていて
 いまいち観客からも反応を得られていませんね。
 観客席へのダイブなど全体的に派手ではあったんですけど。
 少し悪い試合。

B戸澤陽vs.BxBハルク
 ハルクは人が編み出したレスリングを自然体にして攻防に望み、
 戸澤は人為的に呼気を発しながら野性味ある行動に打って出る。
 お互い人間的であり、動物的でありながらまったくの対極です。
 ハルクはいつになくゆとりを持った試合運びを行っており、全てを受け取る大きい器です。
 (何故これが王者時代に出なかった)
 戸澤は感情を乗せる、ここまではいつも通りだが、
 その後感情を意図的に沈めて
 (それはまるで薬物を摂取したかのようにぐっと下がる)試合を運んでいる。
 ベビーフェイス/ヒールが混一となり、これまで培ってきた経験、能力が一つに凝縮された状態となっている。
 最後まで両者の非日常的な状態は保たれ
 (それはベノワがRR03で本当に"レスリング・マシーン"になったように)、
 終盤も冴え渡るカウンターで見事な鬩ぎあいとなっています。
 3試合目、何もタイトルもかかっていない状態で実現してしまったが、
 双方のキャリアにおいてもベストに挙げられるマジック・タイム。
 ぎりぎり名勝負です。

 エリーズに対し、ジェイコブスがチーム・メンバーとして勧誘。
 エリーズは過去の抗争は水に流し共闘に応じる。
 モクスリーが登場し、反BWには賛成するからYAMATOを貸し出してやる、と言う。
 ホミサイドがモクスリーに奇襲を仕掛けそのまま次の試合へ。

CノーDQ:ホミサイドvs.ジョン・モクスリー
 ホミサイドは気がおかしくなったのではないか、という程荒っぽい攻撃。
 しかし試合を作る気はいつも以上になく場外戦ばかり。
 モクスリーもどうする事も出来ずまったく締まりのない流れとなっています。
 レジーのロー・ブローで無理矢理締めるのかと思いきや
 その後も形だけの攻防がリングで続きます。
 最後は3カウントではなく叩きのめした方が本当の勝利者だぜ、と
 ホミサイドがわざとモクスリーを上にかぶせカウント3取らせていますが見事に滑っている。
 悪い試合。

 試合後ホミサイドが攻撃を続ける。
 戸澤が現れモクスリーを救い出し逃げていく。

Dレックス・リードvs.ピンキー・サンチェス
 リードは強さを感じさせない受けで、
 技もパワフルというより只雑なだけ。
 カードを組んだ意義を感じさせない、ひどい試合。
 
 各選手が登場後カリハンが現れジェイコブス軍最後の一人として名乗りを上げる。
 ジェイコブスが了承し次の試合へ。
ECIMA、ドラゴン・キッド、リコシェット、土井成樹vs.ジミー・ジェイコブス、オースチン・エリーズ、YAMATO、サミ・カリハン
 ジェイコブスは最近ベテラン・ファイトが多い事を活かして
 キッドを標的に自分のペースを掴んでいます。
 エリーズはどんな場面でも起用にこなせる対応力を披露。
 CIMAは屈指のアピール能力で中盤の鍵となっています。
 他も良質な働きです。
 しかし急増なチーム戦という事が響いて
 ジェイコブス軍がスムーズに試合を運ぶ程
 戦っている理由が分からなくなってくる。
 終盤も4人同時サブミッションや3人同時ミサイル・キックで派手だが、
 最後は言いだしっぺのジェイコブスが敗北し試合自体が否定されたような格好。
 楽しい内容だが、この面子ならそれ以上のものに昇華したかった。
 平均的な良試合。

F初代オープン・ザ・ユナイテッド・ゲート王座戦:吉野正人、PAC vs.チャック・テイラー、ジョニー・ガルガーノ
 Pacは確かに常に身体に力を張り詰めて動けるようになりました。
 しかしドロップ・キックとそこからの跳ね起きの動き方がまったく同じ。
 動くという中で意味合いを失われていく状態に陥っています。
 そんなPacを挑発する役を担ったテイラーが誰でも出来るストンピングでアピールしたのは見事。
 まったくもって的確なアピールです。
 ただ序盤で徐々に高めていった個性は
 中盤で鳴りを潜め、いつの間にか必殺技が炸裂するシーンとなります。
 そしてDGの悪い癖ですが必殺技が決まってからがスタートとでも言うように
 2発目から不自然な程やたらカウンター合戦が始まっていく。
 そして最後はPacが飛び技ではなくジャーマンを選んだ事で予期せぬ形でフィニッシュする。
 決勝っぽくなりそうでレールから外れてしまった内容。
 平均的な良試合です。

バック・ステージでモクスリー、YAMATOが戸澤と言い合いになりリンチ。

@オープン・ザ・ドリーム・ゲート王座戦:土井成樹(ch)vs.横須賀享(Gate of Victory 10/25/09)
 まずはスムーズなレスリング。
 スピードのふり幅が大きく、ドラゲーの強みを発揮しています。
 早い段階でジャンボの勝ちが炸裂し、
 そこから横須賀の腕攻めへと上手く展開を作り上げます。
 横須賀が反撃し脚攻め。
 どちらもしっかりした一極攻めですが
 序盤の入り方からすると時間にゆとりを持って行うのは望ましくないですね。
 土井がトペ後、冷却スプレーをかけてもらって脚の痛みを忘れると(ちょっと無理があるねぇ)
 終盤は汗迸る戦いを濃厚に。
 ジャンボの勝ちや馬鹿たれスライディング・キックが異常な数打たれていますが、
 横須賀の意図的に長くしたダウンと土井の細やかなアピール能力が
 それを豊かなストーリーを持ってその攻防を語る事を可能にしている。
 DG独自の試合構成で欠点も出ているが、
 それ以上に凄みを見せた30分超えの内容です。
 ぎりぎり好勝負。

ハイライト、ハルクx戸澤のビデオを収録。

総評
 DG USAらしいセミが寄せ集め的内容に終わり、
 メインはドラゲーらしい楽しさがあるも感慨を呼び起こさない内容。
 そのため大会に対して成功したという印象は持っていないが
 ドラゲーという枠を超えたプロレスを見せた戸澤Xハルクと
 ドラゲーの枠の中で激戦を見せた特典の試合が収録されているのでお勧め。
(DVD Rating:★★☆☆☆)

注目試合の詳細

B戸澤陽vs.BxBハルク
 戸澤が観客に見せつけるようにヘッド・ロック。
 ハルクが返しコントロールを取る。
 上にかぶさりニーでこづく。
 グラウンド・ヘッド・ロックをグラウンド・ヘッド・シザースに返され逃れる。
 仕切りなおし。
 ナックル・ロック。
 ハルクが側転から腕を取り直す。
 アーム・ドラッグからグラウンド・ヘッド・ロック。
 ロープに振られショルダー・タックル。
 アーム・ドラッグ。
 ロープに走りアーム・ドラッグ。
 ドロップ・キック。
 一度場外で間を置いて戻ってきた戸澤に蹴り。
 打ち込んでいく。
 戸澤は受け止め倒すとセントーン。
 コーナーで喉に脚を押し当てドロップ・キック。
 クラバートから頭部を蹴り上げる。カウント2。
 ヘッド・ロック。ロープ・ブレイク。
 胸に張り手を打ち合う。
 打ち勝ちコーナーでチョップを連打。
 ガードを取ったハルクの顔にパンチ。
 ハルクがソバット。
 両者ダウン。
 戸澤が先に起き上がり蹴り。
 ロープに振りエルボー。
 ローリング・エルボー。
 ロープに振ろうとする。
 ハルクが側転で防ぎソバット。
 スプリングボード式ヒップ・ドロップ・アタック。
 場外に逃れた戸澤にニーを押し当てる。
 リングに戻る。
 戻ってきた戸澤にクラバート。
 ニーを突き上げる。
 スナップ・メアからドロップ・キック。
 スタンディング・ムーンサルト・セントーン。カウント2。
 戸澤が振り返しドロップ・キック。
 耐えて走ったハルクに低空ドロップ・キック。
 ロープに走りドロップ・キックで落とす。
 トペ・スイシーダ。
 もう1発。
 更に3発目。
 リングに戻しサイトウ・スープレックスを狙う。  
 ハルクが防ぎヘッド・ロックをかけエルボー。
 戸澤が耐えサイトウ・スープレックス。カウント2。
 コーナーのハルクがカウンターで蹴り。
 セカンド・ロープからクロス・ボディへ。
 戸澤がカウンターで両膝を立てる。
 ロープに振りショルダー・スルーを狙う。
 ハルクが踵落とし。
 蹴りのコンボ。
 かわされるも水面蹴り。
 蹴りを打ち込むもカウント2。
 投げようとする。
 抵抗する戸澤に絡みつくと蹴り飛ばす。
 EVO。カウント2。
 コーナー上へ。
 戸澤が飛び蹴り飛ばす。
 コーナー上へ。
 エルボーを受けるもヘッド・バッドで黙らせスーパープレックス。
 カバー。カウント2。
 起こしてエルボー。
 エルボーの打ち合い。
 戸澤が連打しソバット、延髄切り。
 ロープに走る。
 ハルクがサマーソルトからソバット。
 ロープに走ろうとする。
 戸澤が引きとめジャーマンを狙う。
 ハルクが着地し蹴り飛ばしていく。
 蹴りぬこうとしたものを戸澤がスクール・ボーイ。
 ハルクがカウント2で返してすぐ起き上がり頭部に蹴り。
 ロープに走る。
 戸澤がカウンターでハリケーン・ラナ。
 体勢を変えられるも逃れてシャイニング・ウィザード。
 両者ダウン。
 エルボーの打ち合い。
 ハルクが食らうもその衝撃を活かしてソバット。
 ロープに走り頭部を蹴り飛ばす。
 戸澤がロープに走り頭部にバイシクル・キック。
 打ち合っていく。
 戸澤が膝をつかせロープに走る。
 ハルクがショルダー・スルー・プレス。カウント2。
 パンプ・ハンドルからニーをいれスラム。カウント2。
 起こして張り手に蹴りにソバット。
 担ぎ上げる。
 戸澤がばたつきリバースDDT。
 ロープに走り飛びつきダブル・ニーで潰す。カウント2。
 ジャーマンへ。
 ハルクが蹴りで止めジャンピング・キック。
 ロープに走る。
 戸澤がカウンターでバイシクル・キック。
 ロープに走る。
 ハルクがカウンターでクローズライン。
 一息つくもそこを戸澤がジャーマン。カウント2。
 ならばともう1発。
 そしてダルマ式ジャーマンでカウント3!


@オープン・ザ・ドリーム・ゲート王座戦:土井成樹(ch)vs.横須賀享(Gate of Victory 10/25/09)
 軽いレスリング。
 ヘッド・ロックを食らった横須賀がロープに押す。
 土井のショルダー・タックルを耐えていく。
 耐えあいから横須賀が倒す。
 横須賀がサンセット・フリップへ。
 土井が逃れバカタレ・スライディング・キックへ。
 かわされグラウンド・ヘッド・ロックへ。
 横須賀は逃れるとジャンボの勝ち。
 土井はたまらず場外に。
 土井が振り替えされるも鉄柱への激突は避ける。
 クローズラインをかわすと横須賀は鉄柱に腕をぶつける。
 土井が横須賀の腕を鉄柱にぶつける。
 リングに戻る。
 カウント18で戻ってきた横須賀の腕を攻める。
 土井がロープに走る。
 横須賀がカウンターでエルボーを打つも腕が痛む。
 ならばとロープに走った土井に低空ドロップ・キック。
 土井を持ち上げダブル・ニー・クラッシャー。
 ロープに脚をからめドロップ・キック。
 鉄柱に脚をぶつけたりと脚を攻める。
 土井が張り手を連打。
 横須賀が低空ドロップ・キックで黙らせる。
 ダブル・ニー・クラッシャーをもう1発。
 4の字を決める。
 ロープ・ブレイク。
 土井がエプロンの横須賀に腕折。
 ロープに絡ませランニング・バック・エルボー。
 ダイビング・セントーンへ。
 横須賀はかわすと脚を取りロープに打ち付ける。
 ロープに絡まった脚を蹴り飛ばす。
 変形4の字。
 ロープ・ブレイク。
 投げようとする。
 土井も投げようとする。
 脚を殴られるも土井が投げる。
 雪崩式技を狙う。
 横須賀が担ぎ雪崩式ニー・クラッシャーへ。
 土井が何とか着地しキャノン・ボール。
 担いで場外への土井ファイズ。
 ロープに走りトペ・スイシーダ。
 リングに戻る。
 ロープに横にしてDDT。カウント2。
 20分経過。
 土井ファイズへ。
 横須賀が着地。
 担ぎ上げフェイス・バスター。
 両者ダウン。
 横須賀がカウンターでコーナーへのエクスプロイダー。
 パワー・ボムの体勢。
 土井がショルダー・スルーに返す。
 コーナーへ。
 先取りしようとした横須賀を殴りつける。
 横須賀が前腕を叩きつける。
 コーナーに上りトップ・ロープから雪崩式エクスプロイダー。カウント2。
 ロープに走りジャンボの勝ちへ。
 土井がガードしロープに走る。
 同ロープに走った横須賀に雷神ボム。カウント2。
 コーナー上にのせ雪崩式バック・ドロップを狙う。
 抵抗されるもネック・ブリーカーを決め手から雪崩式バック・ドロップ。カウント2。
 タイガー・スープレックスを狙うも防がれる。
 横須賀の動きにあわせマスキュラー・ボムを狙う。
 逃れられるも担ぎ土井ファイズ。
 ロープに走る。
 横須賀がカウンターでジャンボの勝ち。
 ロープに走り馬鹿たれスライディング・キック。カウント2。
 両者ダウン。
 横須賀がマスキュラー・ボムを狙うも防がれる。
 土井がカウンターでエルボー。
 エルボーの打ち合い。
 横須賀が崩れる。
 土井が連打。
 横須賀が耐えてにじり寄るとエルボー連打。
 ショート・レンジ・ラリアット。
 ロープに走りジャンボの勝ち。
 ロープに走ろうとする。
 土井が一瞬のうちに絡めとりタイガー・スープレックス。カウント2。
 増すキュラー・ボムへ。
 防がれロープに走る。
 横須賀が直角ロープに走りジャンボの勝ち。
 夢幻を決めるもカウント2。
 コーナーの土井にクローズライン。
 コーナー上にのせる。
 30分経過。雪崩式エクスプロイダーを狙う。
 土井が防いで担ごうとする。
 得ボーを耐えて担ぎ上げる。
 横須賀がエルボー連打。
 土井が耐え雪崩式土井ファイズ。
 ロープに走り馬鹿たれスライディング・キック。
 カバーするも横須賀の脚がロープにかかる。
 張り手を連打。
 ロープに走り馬鹿たれスライディング・キック。
 横須賀が吼える。
 土井が2発目。
 横須賀が耐えて吼える。
 土井が3発目を狙う。
 横須賀がかわし丸め込む。カウント2。
 横須賀がロープに走る。
 土井が追いバック・エルボー。
 ロープに走り馬鹿たれスライディング・キック。カウントは2。
 マスキュラー・ボムへ。
 横須賀が下にもぐりこみドライバー。カウントは2。
 ロープに走りジャンボの勝ちへ。
 土井が受け流しクルーシーフィックス。カウントは2。
 横須賀がロープに走りジャンボの勝ち。
 もう1発狙う。
 土井が受け止め丸め込む。カウント3!

試合結果

@ブロディー・リーvs.リッチ・スワン
AARフォックスvs.チーチ・ヘルナンデス
B戸澤陽vs.BxBハルク
CノーDQ:ホミサイドvs.ジョン・モクスリー
Dレックス・リードvs.ピンキー・サンチェス
ECIMA、ドラゴン・キッド、リコシェット、土井成樹vs.ジミー・ジェイコブス、オースチン・エリーズ、YAMATO、サミ・カリハン
F初代オープン・ザ・ユナイテッド・ゲート王座戦:吉野正人、PAC(新チャンピオン!)vs.チャック・テイラー、ジョニー・ガルガーノ
@オープン・ザ・ドリーム・ゲート王座戦:土井成樹(ch)vs.横須賀享(Gate of Victory 10/25/09)