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DEFY:Best of DEFY 2023の分析


名勝負 DEFY世界王座戦:スワーヴ・ストリックランドvs.ニック・ウェイン(4/8/23)
好勝負 ジューダス・イカルスvs.タイタス・アレキサンダー(8/12/23)

@DEFY世界王座戦:スワーヴ・ストリックランドvs.ニック・ウェイン(4/8/23)
 昨年のトップ・マッチが王座戦としてリマッチ。

 出だし少しニックが気負いすぎかとも思いましたが、
 昨年の一戦を踏まえた丁寧なセット・アップを見せます。

 演舞の中で綺麗ではない形でニックがマットに落ちダウン。
 ニックはダウン・モードを得意とするのはいいのですが、
 時々ダウンをするべきでない時までダウンしていて
 そこはまだまだ若く、改善の余地ありますね。

 しかしアクシデントが生まれても安全策に寄らず、
 お互い相手の動きに対して重ねて更なる高みを目指そうとしていきます。
 難度は高くなりますが、それだけのリターンあり。
 やっている方も見ている方も緊張感が生まれます。

 後半に向けて強烈なエプロン・スポット。
 エプロンのスワーヴにニックが飛びつくとその後ろにある立てた椅子へのカナディアン・デストロイヤー。
 ストリックランドのハードコア・スピリットには脱帽ですね。
 あっさり決まる訳ないカードですが、
 この一撃にはこれで終わるかも、と思わされてしまいました。

 そこからスワーヴが張り手を叩きこみ、唾を吐きかけると、
 ニックも感情的に拳を振るい両者キレ・モード。

 再びの危険なムーブを挟んで流血。
 ドラマチックな見せ場を盛り盛りで
 エピック・マッチとすべく体を張っていきます。

 スワーヴのクライマックスの表現力はとんでもなく、
 ニックの実質的シングル王者初戴冠にふさわしいものに仕上がっています。

 36分もの激闘。これは要チェックです。

 ぎりぎり名勝負。
 
Aアルテミス・スペンサーvs.ジョン・モクスリー(7/29/23)
 スペンサーがレスリング巧者としてアピール。
 モクスリーも自分はラフが目立つだけけど、
 レスリングができない訳じゃないよと見せつけます。

 スペンサーが椅子攻撃を放てばモクスリーも倍返しで流血させます。

 お互いのアクションが相手のリアクション引き出して高まっていく内容です。
 
 活動範囲が限られるものの才能あるスペンサー、ホームタウン・ボーイが
 全世界的スターとの一騎打ちというシチュエーションも
 観客も最高の盛り上がりで楽しみ尽くしました。

 好勝負に少し届かず。

Bジューダス・イカルスvs.タイタス・アレキサンダー(8/12/23)
 タイタスが非常に活きの良い動き。
 イカルスは道化的アクセントを入れながら
 その軽量級ハード・ヒット路線を一緒にひた走ります。

 張り手一発でぶっ飛び転げまわる受け身など
 イカルスのあくが強すぎるシーンも目立ちますし、
 どちらがリードすべきか見えていない所もありますが、
 貫き通していてそれが自分たちの世界観だと言い張って
 良い意味で押し付けられるだけの内容に仕上げています。

 ぎりぎり好勝負。

Cトム・ロウラーvs.入江茂弘(8/12/23)
 ロウラーが仕掛けていき
 それに入江がリアクションする形。
 
 ロウラーからの働きかけで始まる関係性が最初から最後までで
 そこが一つの制限要素になっている所もありますが、
 それにより双方が輝いているのも確かです。

 好勝負に届かずも中々良い試合。

Dニコール・マシューズvs.マーシャ・スラモヴィッチ(8/12/23)
 ニコールのコンディション良好で受けも攻めも的確。

 細かな所で混ぜるアクセントが
 マーシャへの応援を高めます。

 マーシャも良い攻め口で充実。

 クイックやサブミッションも利いて終盤も見応えがありました。

 後数分長ければ好勝負だったでしょう。

 好勝負に少し届かず。

Eスーパー8XGPトーナメント決勝:コーディ・チュンvs.クラーク・コナーズ(8/12/23)
 キレのあるレスリングなど若手の才気を感じさせるシーンもある一方で
 構成上仕方ないとはいえクラークの間を置いてロング・マッチにする手法が
 コントロール不十分でまどろっこしくなっていたり。

 コーディも比較的ポイントを理解していますが、
 フェイスとしてもっと引き込むには個としてのスター性が求められますね。

 最後はキレ・モードに入りジャーマン食らいつつも無表情で起き上がったりしていましたが、
 それが似合うレスラーかは懐疑的で、
 しかもそれで30分越えの試合を締めくくる感覚も分からない。

 平均的な良試合。

 (執筆日:12/?/23)