AEW:Best of AEW TV Matches 2023 part.6の分析
名勝負 | AEW世界王座イリミネーター・マッチ:MJFvs.アダム・コール(Dynamite 6/14/23) |
好勝負 | ダブル・ジェオパーディ・マッチ:レイ・フェニックスvs.クラウディオ・キャスタニョーリ(Dynamite 5/10/23) ケージ・マッチ:ケニー・オメガvs.ジョン・モクスリー(Dynamite 5/10/23) フォールズ・カウント・エニウェア:クリス・ジェリコvs.ロデリック・ストロング(Dynamite 5/17/23) インターナショナル王座戦:オレンジ・キャシディー(ch)vs.スワーヴ・ストリックランド(Dynamite 6/7/23) |
@ダブル・ジェオパーディ・マッチ:レイ・フェニックスvs.クラウディオ・キャスタニョーリ(Dynamite 5/10/23)
(勝者が敗者の持つ王座に挑戦できるシチュエーション)
モンキー・フリップを着地したりとレイが軽妙な返しを見せ、
CCも積極的に立体感な攻防を生み出していきます。
トペをボディ・リフトでキャッチしたのには驚きましたね。
レパートリー豊かな一方で、
引き出しから出して攻防をお披露目している感じで
戦いの装いは弱いことは否めないもののその欠点を踏まえても尚面白い。
CCの強烈さを最後は印象付けて〆。
ぎりぎり好勝負です。
Aケージ・マッチ:ケニー・オメガvs.ジョン・モクスリー(Dynamite 5/10/23)
入場してきたオメガにモクスリーが殴りかかり乱戦。
BCC、エリートの乱入もあったショート・カット導入は賛否両論分かれそう。
番組の尺よりも試合優先で普通に長尺確保するのがAEWですからね。
ケージ・インすると有刺鉄線椅子でモクスリー流血。
そこに至る過程はシンプルながら荒々しい。
モクスリーの色気とオメガの過激化コントロール。
モクスリーがコーナーの金具を外す過程すら楽しい。
ガラスも出てきますが流血量自体は控えめ。
しかし見せ方含めた見え方でいえば激闘。
ケージがVトリガーで潰れる演出から
最後はドン・キャリスが裏切る衝撃エンディング。
序盤とクライマックスが演出性強いものの
芯の部分はこのカードならではの潰し合いでした。
文句なしに好勝負。
Bフォールズ・カウント・エニウェア:クリス・ジェリコvs.ロデリック・ストロング(Dynamite 5/17/23)
ロデリックが奇襲。
足を使い、表情を見せて、そこで試合を作ります。
ジェリコは三角飛びドロップ・キックをフェイスにするなど
技に頼らず受けに重きを置いて本質的にこの形式に向き合っていましたね。
観客席を通ると会場廊下に移って、
果てには階段室に出てチョップの打ち合い。
光景としてはユーモラスでありながら
シリアス中のシリアスでやっているのが面白いですね。
最後は会場外の植栽帯でフィニッシュ。
この試合にふさわしい締めくくりでした。
ぎりぎり好勝負。
Cインターナショナル王座戦:オレンジ・キャシディー(ch)vs.スワーヴ・ストリックランド(Dynamite 6/7/23)
硬軟キャラ違うので、そのやり取りでも面白くできるものの
王者としてのオレンジはシリアスな攻防で。
それにしても手が合い過ぎ、と感心する切り返し合いでしたね。
特にコーナー上から肩車で捕まえてから場外のヘッド・シザースまで連鎖した流れは面白かった。
定番の脱力ムーブもシリアスの中に見事に混ぜ込み観客をのせます。
エプロンでの飛びつき断崖式DDTなど
スワーヴらしいハード・スポットが光り、
オレンジの移入感コントロールも素晴らしい見事なニア・フォール合戦となっています。
ぎりぎり好勝負。
DAEW世界王座イリミネーター・マッチ:MJFvs.アダム・コール(Dynamite 6/14/23)
MJFがヒール王者として観客にちょっかいを出したりと憎たらしさ全開。
このMJFを前にするとコールはフェイス時のキャラの弱さが目立ちますが、
MJFのキャラを邪魔しない無色感の中で
求められる攻防を作り上げます。
相手あっての試合の中で
自分のスタイルをここまで引き出され、
純度高いままレベルを上げられる素晴らしさ。
プロレスしてますね。
語らないことで語るコールの姿は
これまでの彼のイメージとは違いますが、
かえって本質的な良さがそのまま出ていましたね。
実況席葬でリング・アウトになりかけたり、
反撃のエプロン・スポットでも華美な演技をせず、
等身大の今のスタイルを貫きました。
両者の魅力の最大値が出た美しい試合で、想像以上の一戦です。
ぎりぎり名勝負。
(執筆日:6/?/23)