IWRG：Best of Comando Negro 2010-2011の分析
| 名勝負 | なし |
| 好勝負 | マスカラ･コントラ･マスカラ、3本勝負：エル･ポロvs.コマンド･ネグロ(12/26/10) |
個人製作。
2008年にデビュー。
2010年10月から12月にかけて怒涛のマスカラ戦4試合を潜り抜けた驚異の新人です。
①マスカラ･コントラ･カベジェラ、3本勝負：コマンド･ネグロvs.フリーランス(10/10/10)
(3本目最初がカット）
入場時から乱闘。
フリーランスがコマンドをビート･ダウンし勢いあるムーブを叩きこんでいきます。
最後はトップ･ロープからの雪崩式ハリケーン･ラナという大技でフィニッシュ。
2本目は引き続きフリーランスが攻めていきます。
コマンドは思いっきりが良いですね。
やられっぷりが良く、トぺ・スイシーダも観客席にまで突っ込んでいる。
3本目も驚異的なスポットがある。
フリーランスはコーナー上から場外のコマンドに飛びつきヘッド・シザースを決めるんですが、
これがかなり高く飛んでいてコマンドの受け身の技術の高さが見えます。
更に観客席へのスプリングボード式ボディ・アタックもある。
ほんとムーブにいちいち命をかけている、って感じ。
構成はまだまだながらこれには惹かれざるをえないですね。
平均的な良試合。
②キャスティジョ・デル・テラー：イホ・デル・シエン・カラスvs.トラウマI vs.コマンド・ネグロvs.イホ・デル・ピラータ・モーガンvs.オフィシャル911、アルレクイン・ネグロ、オフィシャルAK47、アラン・エクストリーム、イホ・デル・アニバル、マスカラ・アニョ2000Jr、センタウロ、カルタ・ブラヴァJr(11/4/10)
入場時に場外乱戦もありつつ無事に皆が入って笛が鳴る。
ケージ脱出可能となる10分が経過するまでは特色のない乱戦。
多人数での脱出の防ぎ合いですから
どれも同じようになっておかしくないのだけど
クオリティには確実に差が出ますね。
その原因はその面子以上に結末にあります。
コマンドが強烈なツームストンを叩きこむとアルレクインは完全にKO。
これによって他の5人がほぼ同時に脱出するというもの。
当然まだ試合は続くと思っていたものですから
これは呆気に取られざるを得なかったですね。
悪くない試合。
③マスカラ・コントラ・カベジェラ、3本勝負：コマンド･ネグロvs.チコ・チェ(12/9/10)
チコはポルキー体型ですが、すたすた動けるので試合運びは比較的スムーズです。
チコがダイビング･ボディ･プレスを決めあっさり1本。
2本目。
コマンドが自然にふらふらになる受け表現の才覚を示しました。
最後はダイビング･クロス･ボディを受け流すフォールで〆。
3本目。
コマンドがチコの傷口を攻撃して流血量を増やしたりと、
ヘタレから一転荒っぽいルード・ファイトでアピールしています。
ここまではハマっていたのだけど技の攻防になってからはきついですね。
技に序破急の設定がなく、チコの技自体に魅力がないから
必然的にグダグダに試合を導く結果となっている。
最後はセコンド、レフェリーが絡んだチープ・フィニッシュ。
コマンドがレフェリーをチコと間違え合体技をするなんて無理あり過ぎましたね。
別に眼つぶしを食らっている訳でもないのに。
平均レベル。
④マスカラ･コントラ･マスカラ、3本勝負：エル･ポロvs.コマンド･ネグロ(12/26/10)
ポロは鳥の着ぐるみのようなコスチューム。
ケモニートみたいにミニVerもセコンドにいて
試合とは関係なく皆に愛されるキャラクターという印象ですね。
このポロのトぺ・アトミコを自爆させると
コマンドが椅子を使った極悪な攻めでポロを血祭りにします。
黄色のコスチュームに流血がたれ落ちる様は凄惨極まりない。
コマンドはこの猛プッシュの中、受け身だけでなく試合運びも向上していて
1つ1つ意味ある行動を取って煽る事が出来ています。
ポロはマスクも引き裂かれましたが、驚異的な粘りを見せ反撃開始。
コマンドもまた流血も追い込み、何でも許される壮絶な攻防に。
テクニコ/ルードのダイナミックと大流血があれば
技やレスリングがなくてもとんでもない試合が出来る事を証明した試合。
ポロがコマンドの鼻と口をふさいで窒息させようとしたシーンがこの試合のえぐさを象徴している。
文句なしに好勝負。
⑤ライト･ヘビー級王座戦、3本勝負：ドクトル･セレブロ(ch)vs.コマンド･ネグロ(1/30/11)
マット･レスリング中心。
セレブロがネグロ･ナヴァーロ並に組み付いてから変化するホールドをみせています。
ちゃんとコマンドにも返すチャンスを与えているが、
コマンドの場合は決めたら締め続けるしか能がなくそこには絶対的な差があります。
しかし新人にしてはかなり健闘していますね。
このマット・レスリングにとことん拘る内容。
2本目途中で初めてロープ・ワークを使いますが、
それは自力で劣るセレブロがジャベに持っていく方法論としてやっているだけ。
3本目終盤のダイブまでジャベが帰結におかれたオールド・スクールな一戦です。
最後コマンドが勝利するのはフロックみたいなもので
ストーリー、構成は今一歩ですがジャベ好きなら十分満足できるでしょう。
好勝負に少し届かず。
⑥ライト･ヘビー級王座戦：コマンドネグロ(ch)vs.マルティファセティコ（3/20/11)
セレブロから王座を受け継いだコマンド。
若手のマルティファセティコ相手にしっかりとマット･レスリングを披露。
流石にセレブロのように千のジャベをみせていく出来ないので
グラウンドの主導を握るために１本目から場外、ロープ・ワーク、ハイ・フライなどを絡めていきます。
その分リズムが出てきて面白くなる部分もありますから全然問題ありません。
自分の持てる能力と上手く都合をつけながら
オールド・スクールを大事にする思いを伝えきりました。
最後のパイル・ドライバーに対する受け身も良いですね。
セコンド介入からフィニッシュに持っていったのは残念ながら中々良い試合でした。
(執筆日：5/12/11)
注目試合の詳細
④マスカラ･コントラ･マスカラ、3本勝負：エル･ポロvs.コマンド･ネグロ(IWRG 12/26/10)入場してきたコマンドにポロがトペ･スイシーダ。
リングに戻る。
エプロンに上がってきたコマンドにドロップ･キックを決め落とす。
エプロンからトペ･アトミコを狙うもかわされ自爆。
コマンドはリングに戻るとミニ･ポロを蹴りつける。
場外に下りるとポロを起こしてヘッド･バッド。
椅子を叩きつける。
リングに戻す。
ロープに振りクローズライン。
マスクを引き裂こうとする。
ロープに振り打ち上げパワー･ボム。
ロープに振りスパイン･バスター。
４の字のような技を狙う。
ポロがインサイド･クレイドル。カウント３。
コマンドが場外でポロに張り手。
クーラー･ボックスにもたれさせニー。
バケツを叩きつける。
もう１発。
リングに戻すと噛み付く。
ロープに振りショルダー･スルー。
背中を蹴りつける。
噛み付く。
ロープに振りドロップ･キックで落とす。
コマンドは場外に下りると頭部を蹴り飛ばす。
鉄柱にぶつけ椅子をぶつける。
リングに戻す。
担いで前に叩きつける。
ムーンサルトへ。
ポロはかわすとコマンドのマスクを引き裂く。
ロープに振り打ち上げるとパワー･ボム。
フォールはすぐに解く。
持ち上げるとコーナー上にのせスーパープレックス。
背をもたれさせカバー。
コマンドがクルーシーフィックスに切り返しカウント３。
これで１－１。
ポロが３本目を待たずコマンドを蹴りつける。
場外に落とし張り手。
椅子をぶつける。
椅子をぶつける。
入場口の裏にいったコマンドを連れ戻してまた椅子をぶつける。
リングで口と鼻を押さえつける。
ロープに振りショルダー･スルー。
ロープに振りスパイン･バスター。カウント２。
胸に蹴り。
ロープに振ろうとする。
コマンドが振り返しドロップ･キックで落とす。
トペ･スイシーダで追撃する。
リングに戻そうとする。
ポロが引っ張り地面に叩きつける。
リングに戻る。
リングに戻ろうとするコマンドにロープ越しに蹴り。
場外でダウンするコマンドにヒーロを決める。
ぎりぎりで両者リングに戻る。
ポロがコマンドを担いで変形のスラム。カウント２。
コーナー上へ。
ムーンサルトを放つも自爆。
コマンドがカバー。カウント２。
ポロをロープに振り打ち上げてパワー･ボム。
ロープに脚をかけるもレフェリーがカウント２で気づく。
担ぐと前にスラム。
コーナーに向かう。
ミニ･ポロが防ごうとする。
コマンドは足蹴にすると担ぎ上げガット･バスター。
コーナー上へ。
ポロが捕まえ張り手。
雪崩式アーム･ドラッグ。
担ぐと前にスラム。
ミニ･ポロがセカンド･ロープからボディ･プレス。
ポロが更に上にかぶさるもカウント２。
ロープに走りハリケーン･ラナ。カウント２。
シャツを脱ぎ捨てるとロープに走る。
ボディ･シザースで丸め込むもカウント２。
コマンドが先に起き上がり張り手。
ブレーン･バスターを狙う。
ポロがニーをいれインサイド･クレイドル。カウント２。
おきようとするコマンドをカバー。カウント２。
肩車される状態へ。
コマンドが両手を掴み前にドライバー。カウント３！
コマンドの勝利!
試合結果
①マスカラ･コントラ･カベジェラ、3本勝負：コマンド･ネグロvs.フリーランス(2-1)(10/10/10)②キャスティジョ・デル・テラー：イホ・デル・シエン・カラスvs.トラウマI vs.コマンド・ネグロvs.イホ・デル・ピラータ・モーガンvs.オフィシャル911、アルレクイン・ネグロ、オフィシャルAK47、アラン・エクストリーム、イホ・デル・アニバル、マスカラ・アニョ2000Jr、センタウロ、カルタ・ブラヴァJr(11/4/10)
③マスカラ・コントラ・カベジェラ、3本勝負：コマンド･ネグロvs.チコ・チェ(2-1)(12/9/10)
④マスカラ･コントラ･マスカラ、3本勝負：エル･ポロvs.コマンド･ネグロ(2-1)(12/26/10)
⑤ライト･ヘビー級王座戦、3本勝負：ドクトル･セレブロ(ch)vs.コマンド･ネグロ(新チャンピオン!)(2-1)(1/30/11)
⑥ライト･ヘビー級王座戦：コマンドネグロ(ch)vs.マルティファセティコ（3/20/11)