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Noah:Best of Noah 2021 part.2の分析


名勝負 なし
好勝負 タッグ王座戦:杉浦貴、桜庭和志(ch)vs.中嶋勝彦、マサ北宮(3/7/21)

Jr.ヘビー級王座戦:吉岡世紀(ch)vs.小峠篤司(3/14/21)

@タッグ王座戦:杉浦貴、桜庭和志(ch)vs.中嶋勝彦、マサ北宮(3/7/21)
 杉浦はマサと真っ向からパワー勝負する際には
 50歳という年齢の限界を感じさせるものの
 ボード・コントロール面では50歳ならではの
 経験に裏打ちされた巧みな戦術を見せました。

 それにより桜庭が自分の欠点を余り気にすることなく
 自分のMMAスキルを前面に出して攻防することが出来ています。

 桜庭の相手役を務めた中島は桜庭への配慮、受け方が素晴らしいですね。
 桜庭の一撃性を引き立てて、
 MMA背景の攻めとプロレスの形の攻めを上手く混在させています。

 一方で攻め手に移れば50歳の桜庭に容赦ない蹴り。
 事故が起きやすい意表を突く形は取らず、
 受け手側が予期して我慢しやすい形を取っているとはいえ
 良くここまでハードな蹴りを放つな、と驚きます。
 
 北宮は不器用さもありつつも彼独自の耐えが他にない見せ場になっていて
 最後のフィニッシュも良かったですね。

 それぞれの欠点含めて30分超えるロング・マッチの構築に反映させた絶妙のタッグでした。

 文句なしに好勝負。

AJr.ヘビー級王座戦:吉岡世紀(ch)vs.小峠篤司(3/14/21)
 吉岡のストレートなキレの押し出し。
 
 小峠もスピードスターなので、
 そのまま合わせても良い演舞合戦で一定の成功を収めたはず。
 そこを小峠が意識的に変化させて調整を図っていますね。
 以前の小峠とは違う新しい姿を見せています。

 エプロン、場外など場を使ったスポットで
 しっかりと攻守の切り替えを演出。

 技種の組み合わせも上手かったですね。

 吉岡が短期間で陥落したのは残念ですが、
 間違いなく結果を残しているので今後も重用して欲しいですね。

 ぎりぎり好勝負。

BGHCヘビー級王座戦:武藤敬司(ch)vs.清宮海斗(3/14/21)
 思うように体が動かない事含めて、人生を背負って魅せるのがプロレス。
 試合前のプロモでの武藤の言葉ですが、
 そこには真実がある一方で、凄く都合の良い言葉でもあります。

 最初のレスリング。
 基本に戻る、という点で王座戦の格式をもたらそうとしていますが、
 清宮が自身で体勢を変えて行って武藤の動けなさをフォローしています。
 全体構成としてレスリングから入る以上の意味合いのないレスリングです。
 
 ヘッド・ロックをかけ、動かして戻す。
 クラシカルな試合運びですが、
 ヘッド・ロックに戻す為に
 違和感のある動作を混ぜないといけない、
 得意技を浪費しないといけないのは辛いですね。

 武藤が腕攻めを重ねますが、
 定番の脚攻めは以前にやったので目先を変えるという意図。
 当然脚攻めに比べると精度の低下を感じます。
 サブミッションの濃淡は良いんですけどね。

 清宮の存在意義が薄いまま時間が経過。

 清宮はスタイルをハイ・フライに寄せて
 フライング・ヘッド・バットという変則手にも染めないといけない。
 しかし武藤が受け手としてテンポを作れず。
 
 そして武藤のフランケンシュタイナー。
 余りに形が酷すぎる。
 このひどいムーブを事実実体のまま失敗として試合に組み込むならば、
 それをアドリブで繕えるならば体動けないこと含めて人生を背負っている、と豪語しても良いけれども
 それが無理という判断があって、無理やりに技が決まったという立て付けに持っていくならば、
 それはやはり未来ある若者がピークを余りにも過ぎたレジェンドに犠牲になった、という印象しか抱けない。

 ここ5年くらいNoahに限らず、大ベテランの頑張りが目立っていましたが、
 今回のNoahの武藤起用は悪い時代を想起させます。

 最後のシャイニング・ウィザード連発の締め方もひどかった。

 試合後現れたのはマサ。
 これまた今の武藤と上手くいきそうにないレスラーを選んできましたね…。
 
 昨年の潮崎政権と真逆を行くような気がしてなりません。
 
 平均レベル。

Cナショナル王座戦:拳王(ch)vs.藤田和之(3/21/21)
 冒頭に演舞を入れてから視殺戦。
 動きを止めて視線を交わします。

 藤田vs.潮崎で述べたように現代アートとしては
 初めて試みたことに意義があるのであって
 最初に演舞を入れてミスディレクションから行った所で
 フックにはなるもののそこに大きな効果は見られません。

 今回観客がいるという点で違いがありますが、
 当然観客の反応込みで視殺戦が変容するという夢のようなことは起こらない。

 観客は手拍子をしますが、続かずに止まってしまったり、
 それでももう一度手拍子を始める人もいたりして
 今回の二番煎じの中途半端さを象徴することになっています。

 軽く手を合わせてから離れて1分間の視殺戦、
 そのセットを5−6回行うぐらいの変化を持たせるべきですね。

 試合時間の半分くらい、8分-9分程で動き出しレスリング。
 このレスリングは良かったですね。
 体格使った圧力のかけ方、呼吸の置き方は藤田のバック・グラウンドが活かされています。

 拳王の藤田を前にして押し込まれる表現も素晴らしい。

 その上で藤田にハードな蹴りを打ち込み。
 藤田が敢えて受けて、もっと打ち込んでこい、と投げかけ。
 この打撃戦も良好ではありますが、
 このカードの攻防を作る手札がかなり少ない台所事情もかなり透けて見えます。

 最後のフィニッシュは良く、試合がまとまりました。

 試合時間を水増ししたい中で
 視殺戦を二番煎じのままで行ったのは残念ですが、
 それ以外は藤田のギミック、位置づけを比較的上手く料理しています。

 ただ一過性のストーリーとしては良いものの
 武藤と同じくこれが政権として続くのはかなりご遠慮願いたい所があります。
 ギミック的には簡単に負けさせられないですしね。

 クオリティ至上主義を意識した終盤作りが目立つ新日本プロレスに対する
 アンチテーゼとして位置づけるのは理解しつつ、
 その中でバランスを取っていた昨年に比べ
 大きく寄せてきた感のある2021年。
 正直不安を感じる所はあります。

 平均的な良試合。
 (執筆日:3/?/21)


注目試合の詳細

なし

試合結果

@タッグ王座戦:杉浦貴、桜庭和志(ch)vs.中嶋勝彦、マサ北宮(新チャンピオン!)(3/7/21)
AJr.ヘビー級王座戦:吉岡世紀(ch)vs.小峠篤司(新チャンピオン!)(3/14/21)
BGHCヘビー級王座戦:武藤敬司(ch)vs.清宮海斗(3/14/21)
Cナショナル王座戦:拳王(ch)vs.藤田和之(新チャンピオン!)(3/21/21)