新日本プロレス:Best of G1 Climax 26 2016 part.2の分析
名勝負 | G1公式戦:石井智宏vs.オカダ・カズチカ(G1 26 N13 8/6/16) G1公式戦:棚橋弘至vs.オカダ・カズチカ(G1 26 N17 8/12/16) G1公式戦:ケニー・オメガvs.内藤哲也(G1 26 N18 8/13/16) |
好勝負 | G1公式戦:棚橋弘至vs.丸藤正道(G1 26 N13 8/6/16) G1公式戦:中嶋勝彦vs.マイケル・エルガン(G1 26 N18 8/13/16) G1優勝決定戦:ケニー・オメガvs.後藤洋央紀(G1 26 Finals 8/14/16) |
@G1公式戦:石井智宏vs.オカダ・カズチカ(G1 26 N13 8/6/16)
全力ファイトの石井ですが、
この試合ではレインメーカー・ポーズを取られた時に
起き上がってチョップを打ち込んだりと
変則を少し織り込んで緩急を利かせています。
オカダはダメージの表現が素晴らしいし、
攻めも戦いの中での効率を考えさせる見事なもの。
同じCHAOSだからか石井をしっかりスケール・アップしていて
一進一退の作り方も非常に綺麗でした。
最後までどちらに転ぶか分かりませんでしたからね。
ぎりぎり名勝負。
AG1公式戦:棚橋弘至vs.丸藤正道(G1 26 N13 8/6/16)
棚橋の脚攻めを丸藤がエプロンでのパイルで凌ぎチョップへ。
テンポの丸藤に対し棚橋はフローか。
棚橋は今一歩引いた立ち位置とはいえ
エース対決のシチュエーションといっても良いでしょうから
序盤からもう少し均衡させても良かった。
丸藤がオリジナルの動きを次々出して乗ってくると
棚橋も積極的に切り返しを混ぜて
自分の土俵と相手の土俵との接点を作っていく。
クライマックスはもう少しボリュームが欲しかったけれど
後半の右肩上がりとまとめ方は流石の一言です。
ぎりぎり好勝負。
BG1公式戦:内藤哲也vs.EVIL(G1 26 N14 8/7/16)
EVILが軸をぶらさず椅子攻撃も交えて人気選手内藤をKO。
EVILの落ち着きぶりに比べると
内藤は俊敏さが売りとはいえ
こういう相手ならどんと構えて欲しいですね。
EVILが簡単に主導権を渡さず、
予想以上に強敵であり続けたので盛り上がりました。
ただフェイス/ヒールの試合にも
レスラーの矜持をかけた試合にも振り切れなかった感はある。
中々良い試合。
CG1公式戦:SANADA vs.石井智宏(G1 26 N15 8/8/16)
石井の耐えに対し、
SANADAが攻めっ気をしっかり出して対応しているので
細かく一進一退が生まれ観ていて面白いですね。
また、ドロップ・キック等
持ち前の跳躍力もスポットで発揮できています。
ただ石井みたいに気合での起き上がりを見せた時に
石井が潰しにいったのは余り良くなかった。
クライマックスのバランス感は改善の余地があると思いますね。
好勝負に少し届かず。
DG1公式戦:内藤哲也vs.YOSHI-HASHI(G1 26 N16 8/10/16)
YOSHI-HASHIはムーブの挙動のせいで
素人くさく、技が軽く見えてしまいます。
自然と応援してしまう魅力にも繋がっている要素ですけどね。
構成のセンスは意外と良かったりして不思議な選手です。
内藤が執拗な腕攻めを中心に
YOSHI-HASHIの良さを十分に活かす試合運びを見せ、
悪い所もなくまとまっていました。
好勝負に届かずも中々良い試合。
EG1公式戦:後藤洋央紀vs.丸藤正道(G1 26 N17 8/12/16)
直線的な後藤に合わせ丸藤がコントロール。
丸藤のチョップが活きる相手ですが
石井と比べると後藤の対応は魅力に乏しい。
後半戦。
再び場外を入れてリフレッシュし
且つ攻防を継続させたのはナイス。
丸藤の連打スタイルが後藤の一発スタイルと上手くかみ合って
面白い攻防が見られました。
好勝負に少し届かず。
FG1公式戦:棚橋弘至vs.オカダ・カズチカ(G1 26 N17 8/12/16)
黄金カード再び。
今回の特別なシチュエーションとしては
勝者が決勝に進出できる一方で、
引き分けるとお互いが敗退するというもの。
だからこそオカダの奇襲には意味があるし、
それを凌がれてゲーム・メイクを少し長くするのもまた意味がある。
細やかなステップを踏んでいく試合展開。
奇襲から始まったからこそ10分経過時に
疲労感表現の要素も組み込むことが出来て上手く回っています。
後半に突入するに当たって
柵へのドラスクという前半の脚攻めとはレベルを変えた同種の攻め。
ここで脚攻めという展開で時間を潰さなかったのが良かった。
オカダが場外ツームストンで張り合ったことで
あくまでライバリティとしての同質性が強く残りました。
同質性とはいっても細かな違いが個性としても現れているのだから立派。
棚橋は各種スリング・ブレイドを起点としているものの
スポットでの構築で分担している訳でもなく、
まだまだ全般的な能力でわたりあってベストな試合を目指します。
最後はハイ・フライ・フローを決めカバーした所で時間切れ。
最後オカダはカウント2で返さなくてもドラマチックな気もします。
またマスターピースが生まれました。
文句なしに名勝負。
GG1公式戦:中嶋勝彦vs.マイケル・エルガン(G1 26 N18 8/13/16)
蹴り応えのある相手とあって中嶋は100%の動き。
エルガンもパワー殺法で魅せてきます。
中盤、中嶋が脚攻めへ。
流れの結び方が綺麗ですね。
こういう状態になるとエルガンも
ベストの流れを生むようなピンポイントの精度を追及できる。
また、終盤においてはエルガンの決勝進出もある中で
勢いのある攻防にしたのは非常に良かった。
ぎりぎり好勝負。
HG1公式戦:ケニー・オメガvs.内藤哲也(G1 26 N18 8/13/16)
唾を吐きあって挑発合戦。
アクションとしては弱いですが、
それも本人たちも分かっているようで
ダウンにまではしないことでキャラのぶつけ合いに良い意味で留めている。
そこから戦況に応じた一極攻めで鬩ぎあい。
双方のリング・ワークの調和は美しい。
後半に移ると実況席へのパワー・ボム、
スプリングボード式柵越えトペ・アトミコ、
更にはエプロンでのドラゴン・スープレックス、と過激技をこれでもかと連発。
一気に惹きつけてニア・フォール合戦に雪崩れ込みます。
ここで内藤が脚攻めを細やかに利かせながら
緩急の利いた攻防に仕上げていたのは見事。
全てやりきる攻防でショーをスティールしました。
ぎりぎり名勝負。
IG1優勝決定戦:ケニー・オメガvs.後藤洋央紀(G1 26 Finals 8/14/16)
比較的丁寧な出だしですが、
逆に言うと前半はやや特別感に欠けるかも。
ただ後藤はそこが欠点ですから
オメガが上手く補って下地を作ったといっても良いかもしれない。
オメガが見事な緩急で攻めの流れを作り、
後藤をピンポイントで絡ませることでベスト・ミックスを実現。
終盤も決勝らしい派手な攻防ですが、
技だけにも頼っておらず後藤のキャリア・ベスト候補にもなってくる一戦に。
文句なしに好勝負。
(執筆日:7/?/16)
注目試合の詳細
なし試合結果
@G1公式戦:石井智宏vs.オカダ・カズチカ(G1 26 N13 8/6/16)AG1公式戦:棚橋弘至vs.丸藤正道(G1 26 N13 8/6/16)
BG1公式戦:内藤哲也vs.EVIL(G1 26 N14 8/7/16)
CG1公式戦:SANADA vs.石井智宏(G1 26 N15 8/8/16)
DG1公式戦:内藤哲也vs.YOSHI-HASHI(G1 26 N16 8/10/16)
EG1公式戦:後藤洋央紀vs.丸藤正道(G1 26 N17 8/12/16)
FG1公式戦:棚橋弘至vs.オカダ・カズチカ(30分時間切れ)(G1 26 N17 8/12/16)
GG1公式戦:中嶋勝彦vs.マイケル・エルガン(G1 26 N18 8/13/16)
HG1公式戦:ケニー・オメガvs.内藤哲也(G1 26 N18 8/13/16)
IG1優勝決定戦:ケニー・オメガ(優勝!)vs.後藤洋央紀(G1 26 Finals 8/14/16)