新日本プロレス:Best of G1 Climax 26 2016 part.1の分析
名勝負 | G1公式戦:内藤哲也vs.マイケル・エルガン(G1 26 N4 7/24/16) |
好勝負 | G1公式戦:丸藤正道vs.オカダ・カズチカ(G1 26 N1 7/18/16) G1公式戦:柴田勝頼vs.中嶋勝彦(G1 26 N4 7/24/16) G1公式戦:石井智宏vs.丸藤正道(G1 26 N7 7/28/16) G1公式戦:マイケル・エルガンvs.ケニー・オメガ(G1 26 N8 7/30/16) |
@G1公式戦:棚橋弘至vs.SANADA(G1 26 N1 7/18/16)
棚橋が執拗なヘッド・ロックを仕掛けますが、
SANADAは落ち着いて対処。
所々でチラッとヒール感を発露させると
その控えめさがふ不穏な印象に繋げられ、
より一層魅力的なヒールに昇華できますね。
身体能力は非常に高く棚橋もやりやすそうでしたが、
そこに一つスパイスを加えなければ
トップにまで駆け上がりきれないのは
かつての内藤が証明しています。
このG1を良い機会としてSANADAが
ブレイク・スルーすると新日は益々面白くなる。
好勝負に届かずも中々良い試合。
AG1公式戦:丸藤正道vs.オカダ・カズチカ(G1 26 N1 7/18/16)
丸藤は抑えつつピンポイントで腕狙いを敢行。
この緩急が丸藤らしさの演出ですね。
敢えてヒール・アピールみたいないらないものは付けず
淡々と厳しい腕攻めをすることで豊かに見せている。
オカダは少々疲労感を出し過ぎなきらいもあるが、
正統な技配置で反撃を開始。
静かな見得で盛り上げてくれます。
ただ終盤思ったほどの攻防はなく
丸藤が完封した印象も受ける形です。
初日のサプライズとして意図したものかもしれませんが、
この試合単独としては更に先を求めたくなる気持ちもある。
ぎりぎり好勝負。
BG1公式戦:柴田勝頼vs.中嶋勝彦(G1 26 N4 7/24/16)
BML以来の再戦。
柴田は変化しようとしてもオーソドックスに落ち着いてしまう。
中嶋もハードではあるのだけれど
年齢を重ねる中でがむしゃらさは無くなり
柴田で言うところの色気はなくなっていますね。
そんなそれぞれの欠点は欠点としてありつつも
この2人の試合はやはりスイングするようで。
中嶋は柴田への流れの誘導、引き立て方が良く、、
ハード・ヒットの使い方、見せ方もやっぱり上手い。
柴田も良くフィニッシュに物足りなさを感じることが多いが、
今回は最高に良かったですね。
ぎりぎり好勝負。
CG1公式戦:内藤哲也vs.マイケル・エルガン(G1 26 N4 7/24/16)
内藤のトランキーロ戦法の前にエルガンも木偶にならず、
ポーズをやり返したり打撃に耐えて見せたり
深みのある形で自身を、相手を映えるようにします。
内藤もエルガンのパワーを良い受け表現で返していますね。
トランキーロの戦略の範囲内なのか本当に苦しいのか
どっちとも良い意味で捉えられる表現。
分からない所を残すことで注目、観客の思考を導いています。
内藤の徹底した脚攻めがぎりぎりでの面白い攻防を生み出します。
エルガンも脚のダメージ表現が丁寧でしたね。
15分経過まで濃密すぎる時間、緻密な理が続きました。
個人的にはこの試合がG1の中で一番好きかも。
ぎりぎり名勝負です。
DG1公式戦:石井智宏vs.丸藤正道(G1 26 N7 7/28/16)
石井の細かな打撃は調整が利くので、丸藤は動きがいがあるし、
また石井のタフな要素は丸藤のチョップを一番光らせてくれる。
ベースの相性は良い一方で
何かを生み出すことに関してはまだまだな所はありますね。
その点で終盤の攻防はやや浅め。
エメラルド・フロージョンは良いアイディアですが、
これはむしろフィニッシュにしても良いのでは。
その価値があるだけのメランコリックな技ですからね。
ぎりぎり好勝負。
EG1公式戦:マイケル・エルガンvs.ケニー・オメガ(G1 26 N8 7/30/16)
既に実績を作り数え歌になりつつあるカード。
試合のテンポ感が一致しているので
相手のための動きを齟齬なく組み込みながら
試合として一番良い動きの組み合わせを生んでいる。
見ていてストレスなく非常に気持ちが良いフローですね。
最初から最後まで2人の連関は解れなかった。
また、両者共に日本の観客の盛り上がり方に通じていたのも
この試合が成功した要因の一つですね。
ぎりぎり好勝負。
FG1公式戦:柴田勝頼vs.内藤哲也(G1 26 N8 7/30/16)
内藤は飄々と自分のペースで試合を展開。
柴田の痛めている腕を、そして脚を攻めていきます。
内藤のキャラが柴田の愚直な日本男児像を際立たせましたね。
また、負傷箇所で動きが止まるからこそ
狂犬的反撃への緩急にもつながっている。
後半余りにゆったり過ぎな所と
ヒットのタイミングが甘く打撃の迫力が伝わらなかったのが残念。
後一歩の内容ですね。
好勝負に少し届かず。
GG1公式戦:棚橋弘至vs.石井智宏(G1 26 N11 8/3/16)
棚橋の石井の根性ファイトの扱いは分かったものですが、
石井も棚橋の見せ場を良くわかっているので
石井の方から導いている所もありましたね。
ただ一度成功事例を出してしまうと
それをなぞることに安穏とし、中々新しいもの、
これまで以上のレベルに踏み込めない所があります。
この試合はその落とし穴に陥ってしまった印象。
好勝負に少し届かず
HG1公式戦:柴田勝頼vs.ケニー・オメガ(G1 26 N12 8/4/16)
変則的なオメガと直線的な柴田。
カードの狙い通り対比的なスタイルが
それぞれを光り輝かせることに繋がっています。
柴田は先が少し見えていない所がありましたが、
そこはオメガがしっかりリードしていました。
柴田が踊らされている印象が強いので、
もう少し柴田も頑張りたい所でしたけどね。
好勝負に少し届かず。
(執筆日:7/?/16)
注目試合の詳細
なし試合結果
@G1公式戦:棚橋弘至vs.SANADA(G1 26 N1 7/18/16)AG1公式戦:丸藤正道vs.オカダ・カズチカ(G1 26 N1 7/18/16)
BG1公式戦:柴田勝頼vs.中嶋勝彦(G1 26 N4 7/24/16)
CG1公式戦:内藤哲也vs.マイケル・エルガン(G1 26 N4 7/24/16)
DG1公式戦:石井智宏vs.丸藤正道(G1 26 N7 7/28/16)
EG1公式戦:マイケル・エルガンvs.ケニー・オメガ(G1 26 N8 7/30/16)
FG1公式戦:柴田勝頼vs.内藤哲也(G1 26 N8 7/30/16)
GG1公式戦:棚橋弘至vs.石井智宏(G1 26 N11 8/3/16)
HG1公式戦:柴田勝頼vs.ケニー・オメガ(G1 26 N12 8/4/16)