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新日本プロレス:New Dimension 4/3/11の分析


名勝負 IWGP王座戦:棚橋弘志(ch)vs.永田裕志
好勝負 なし

SlamBamJam製。

@三上恭佑、高橋広夢vs.キラー・ラビット、キラー・ラビット
 三上は体重をちゃんと体の動きに出せている。
 高橋も素地は悪くないようですね。
 まさかの二匹目が出てきたラビットですが前回よりは良いですね。
 ネタでしかないうさぎ跳びドロップ・キックを控えめにし、
 もちつきチョップを加えた事でバランスが良くなっています。
 アメリカンプロレスのヒール・テイストを交えているのも興味深い。
 面子上レベルは低めながら好感の持てるオープニング。
 悪くない試合。

A獣神サンダー・ライガー、タイガー・マスク、本間朋晃vs.矢野通、飯塚高史、石井智宏
 いきなり場外乱闘。
 椅子も使って思いっきりが良いし、
 ライガーの感情的な動きに盛り上がりましたね。
 ライガーの孤立はヒール側に技術がないので物足りなかったものの
 タッチ成功後のベビーフェイスの反撃が良くプラマイ0となっている。
 平均レベル。

B天山広義、井上亘、キング・ファレvs.内藤哲也、高橋裕次郎、田中将人
 ファレはゆとりを持つ事が出来るようになっていて力強さを感じさせる。
 井上は変形のエルボー技を多用しているが、まだ身についてないですね。
 基本的な試合運びはそんなに悪く感じなかったけど、
 これでは観客に見せるべきではない、と思ってしまいます。
 天山はタフな部分が出てきて復調傾向。
 ヒール側はややベビーフェイスに華を持たせすぎ。
 自分のアピールが終盤に偏っていてもう少し配分に気をつけたい所です。
 平均レベル。
 
CCMLLウェルター級王座戦:田口隆祐(ch)vs.円華
 序盤のレスリング。
 円華は押さえつける力が弱過ぎます。
 構築としての配置を考えているのに
 そこまでの戦いの中での意味合いが薄かったりと
 格好だけという印象がぬぐえません。
 これなら田口はもっと受けてやった方が良いですね。
 脚攻めは選択自体は良いものの開始が早すぎました。
 相手の腕攻めにきっちり調整できる田口なら
 もっと円華を活かす形に持っていけたように思えます。
 平均より少し上。

D中西学、飯伏幸太、ケニー・オメガvs.中邑真輔、邪道、外道
 ケニーはキレ、独創的な変化が実に素晴らしい。
 飯伏の動きも良くオメガとの連携も安定。
 邪道外道も的確で悪くない試合運びです。
 問題はこの試合の興味を持つポイントであるはずの
 ヘビー級とJrとの絡みの中にまったく発展性がなかった事。
 勿論中邑にしてみればヘビー級として力を見せ付けなければならないという思いもあるのだろうけれどもう少し何とかならなかったか。
 中西の場合はそもそもとして出番が少なすぎですね。
 こういう内容だと今後こういうカードを組んだ時の期待値も下がってしまいます。
 まあまあ良い試合。

E真壁刀義、KUSHIDAvs.小島聡、TAKAみちのく
 KUSHIDAは控えとして貢献するしリズムも良い。
 しかし対するTAKAが省エネファイト。
 小島も相手がJrだからと相手にしません。
 そのくせ小島X真壁間で良い戦いが見られる訳でもない。
 わざわざセミとしてこのカードを組んだ意味合いを感じる事の出来ない低調な内容。
 最後はタイチの乱入から決着。
 悪くない試合です。

FIWGP王座戦:棚橋弘志(ch)vs.永田裕志
 最初の棚橋の心理戦は道化がかっていて
 彼の描く王者像からは少々外れている。
 しかしロー・キックのリアクション含め永田が如何に脅威かを実感させるには十分。
 じっくり行うレスリングの中で永田も
 レスリングの中に狙いを織り込んで棚橋を上回る領域にある事を暗示出来ている。

 中盤は永田のニー、蹴りvs.棚橋の脚攻め。
 永田はこれを食らいながら構築を考えるのは無理だろうと思わせる程ハードな打撃を叩き込んでいる。
 一方で相手に動く余地を与える間も両立されています。
 相手が脅威であれば脅威であるほど棚橋が脚攻めで凌ぐ意味が出てくる。
 棚橋の脚攻めは変哲の無い部分で執着心を示しつつ、ドラスクの派手さを織り交ぜている。

 後半は永田が脚の痛みを乗り越えて蹴りを打ち始める。
 その蹴りは脚攻めを食らう前よりも鋭く、
 理屈から言えば少々やりすぎかもしれない。
 しかし気持ちで痛みを乗り越えられると納得する程
 この試合の永田の気持ちの持ちようは強い。
 とても42歳の挑戦者とは思えませんね。
 情熱を尽くすからこそ観客が一体となった攻防が実現し、
 またそこに方法論以上の心の折り合いが闘いの一要素として生まれている。
 クライマックスに入る頃には完全にその世界に引き込まれていました。
 35分に及ぶ死闘でした。
 最後のフィニッシュがハイ・フライ・フロー連発だったのだけが惜しい。
 必殺技といった設定を超えた世界まで行ったのだから
 こういう試合こそ通常とは違うフィニッシャーを選ぶべきです。
 MOTY候補。
 ぎりぎり名勝負。

 試合後田中が永田に試合を申し込む。
 また中邑が棚橋に挑戦を表明し、棚橋も受ける。

総評
 全体的に物足りない内容ではあるが悪くないし
 メインが十分濃厚で大会としての満足感も残してくれる。
DVD Rating:★★☆☆☆
(執筆日:8/28/11)
 

注目試合の詳細

FIWGP王座戦:棚橋弘志(ch)vs.永田裕志
 バックの取り合い。
 棚橋がロープに逃げる。
 永田がテイクダウン。
 後ろに回った棚橋の腕を取る。
 棚橋が脚を取って倒しストンピングをしてから離れる。
 組もうとすると永田がカウンターでヘッド・バッド。
 永田がロー・キックを打ち込む。
 棚橋がコーナーに逃げ仕切る。
 永田が腕を取りにいく。
 棚橋が逃れヘッド・ロック。
 グラウンドへ。
 永田がグラウンド・ヘッド・シザースに返しすぐ跳ね除けられる。
 永田がアーム・バーを狙う。
 ロックされたので外すもすぐに棚橋がロックしなおす。
 ならばと永田がトライアングル・チョーク。
 ロープ・ブレイク。
 フェイントをかけながら張り手を狙いあう。
 永田がヒットさせフロント・ヘッド・ロック。
 棚橋が丸め込みアキレス腱固め。
 永田が体勢を立て直す。
 ロープ・ブレイク。
 永田が蹴りを受け止めて倒しストンピング。
 棚橋が永田をコーナーにやりエルボー。
 永田が体勢を入れ替えエルボー連打。
 棚橋がエルボー連打。
 永田が胸を突く。
 棚橋に打たせる。
 棚橋がボディ・スラムを決めアピール。
 永田が蹴りを打ち込み倒す。
 起き上がった棚橋がエルボー連打。
 ロープに振りドロップ・キックへ。
 永田がロープを掴んで自爆させ胸を蹴ろうとする。
 かわそうとするのを見てフェイント。
 胸を蹴り飛ばす。
 棚橋が場外に転がり出て間を置く。
 戻ってきた棚橋にニー。
 ニーを打ち込んでいく。
 起き上がった棚橋にビッグ・ブーツを狙う。
 棚橋はかわしてエプロンに出るとロープを使ったドラゴン・スクリュー。
 エプロンから場外の永田にトペ・アトミコ。
 リングに戻すと脚にストンピング、エルボー・ドロップ。
 レッグ・ロック。
 永田がロープに逃げる。
 エルボーを打ってきた永田の脚を蹴りつける。
 ロープに脚を絡め引っ張る。
 ニー・クラッシャー。
 4の字。
 永田が反転させるも戻される。
 永田が反転してロープを掴む。
 15分経過。
 永田が脚を蹴られながらも起き上がる。
 打って来いという棚橋にエルボー。
 棚橋は打ち返して脚をける。
 ロープに走る。
 永田がカウンターでキッチン・シンク。
 自身も痛みで崩れる。
 永田が先に起き上がり蹴り。
 腕を取ると蹴り上げる。
 胸に蹴り。背中に蹴り。
 ハンマー・ロック。
 ロープ・ブレイク。
 永田が腕折。
 腕に蹴り。
 脇固め。
 ロープ・ブレイク。
 腕に蹴り。
 レフェリーが棚橋の様子を確かめる。
 永田が蹴り。
 エルボー。
 棚橋がエルボーを打っていく。
 永田が耐えエルボー、蹴りで倒す。
 アーム・バー。
 棚橋がロープに脚をかける。
 蹴りを打っていく。
 棚橋が受け止めドラゴン・スクリュー。
 エルボー。
 コーナーに振ろうとする。
 振り返されるも低空ドロップ・キック。
 ドラゴン・スクリュー。
 脚を持とうとする。
 永田が蹴り飛ばす。
 ロープに振るとビッグ・ブーツを狙う。
 棚橋がかわしフライング・フォア・アームズ。
 ボディ・スラム。
 セカンド・ロープからセントーン。カウント2。
 ロープに走る。
 永田が腕を取って倒し永田ロックII。
 ロープ・ブレイク。
 起こそうとする。
 棚橋がエルボーにブロー。
 ロープに走ろうとする。
 永田が引きとめジャーマン。
 コーナーの棚橋にビッグ・ブーツ。
 エクスプロイダー。カウント2。
 ブレーン・バスターを狙う。
 棚橋が防いでエルボー。
 永田も打ち返し打ち合い。
 棚橋が張り手を連打。
 永田は耐え切ると張り手。
 張り手の打ち合い。
 永田が連打。
 膝を突いた棚橋に張り手を叩き込み倒す。
 起こすとブレーン・バスターを狙うも膝が痛む。
 棚橋が脚を取りにいく。
 永田が延髄切りへ。
 棚橋はかわすとグラウンド・ドラゴン・スクリュー。
 起こすドラゴン・スクリュー。
 テキサス・クローバー・ホールド。
 ロープ・ブレイク。
 ロープに走る。
 永田がカウンターで張り手。
 棚橋が張り返してロープに走りスリング・ブレイド。カウント2。
 起こして変形ファルコン・アロー。カウント2。
 コーナーに上る。
 永田が起き上がり張り手。
 雪崩式エクスプロイダーを狙う。
 棚橋がヘッド・バッドで落とす。
 起き上がった永田にハイ・フライ・フローへ。
 永田がカウンターで蹴りを打ち込む。カウント2。
 コーナーの棚橋にハイ・ニー。
 コーナー上にのせて雪崩式エクスプロイダーを狙う。
 棚橋がエルボーで抵抗。
 永田がヘッド・バッドを連打。
 トップ・ロープに立ち雪崩式ベリー・トゥー・ベリー。
 カバーするもカウントは2。
 30分経過。
 起こすとスピニング・ブレーン・バスター。カウント2。
 バック・ドロップを狙う。
 耐える棚橋にニー。
 バック・ドロップへ。
 棚橋が体重をかけて潰し押さえ込む。カウント2。
 永田がロープに走りビッグ・ブーツへ。
 棚橋は受け止めると低空ドロップ・キック。
 テキサス・クローバー・ホールドを狙う。
 永田が腕を取って引きずり込みアーム・バー。
 逃れようとした動きに合わせてアーム・ブリーカー。
 白目をむいて締め上げる。
 棚橋がロープ・ブレイク。
 永田はスリングショット・ネック・ブリーカー。
 バック・ドロップ。
 カバーするもカウント2。
 起こしてもう1発狙う。
 棚橋が脚を蹴り。
 永田が棚橋をコーナーに押しやり背中にハイ・ニー。
 雪崩式バック・ドロップを狙う。
 棚橋が体重をかけて潰す。
 永田を起こしてドラゴン・スープレックスを狙う。
 切られるも達磨式ジャーマン。カウント2。
 35分経過。
 コーナーに上り、立ち上がった永田にハイ・フライ・フロー。
 ダウンした永田にもう1発。
 ハイ・フライ・フロー。カウント3!

試合結果

@三上恭佑、高橋広夢vs.キラー・ラビット、キラー・ラビット
A獣神サンダー・ライガー、タイガー・マスク、本間朋晃vs.矢野通、飯塚高史、石井智宏
B天山広義、井上亘、キング・ファレvs.内藤哲也、高橋裕次郎、田中将人
CCMLLウェルター級王座戦:田口隆祐(ch)vs.円華
D中西学、飯伏幸太、ケニー・オメガvs.中邑真輔、邪道、外道
E真壁刀義、KUSHIDAvs.小島聡、TAKAみちのく
FIWGP王座戦:棚橋弘志(ch)vs.永田裕志