TOP日本のプロレスDDT →DDT:Wrestle Peter Pan 7/15/19

DDT:Wrestle Peter Pan 7/15/19の分析


名勝負 KO-D無差別級王座戦:遠藤哲哉(ch)vs.竹下幸之介
好勝負 KO-Dタッグ王座戦:佐々木大輔、高尾蒼馬(ch)vs.HARASHIMA、ヤス・ウラノ

@勝俣瞬馬、飯野雄貴、渡瀬瑞基vs.上野勇希、吉村直巳、島谷常寛
A樋口和貞、中津良太vs.梅田公太、岩崎孝樹
B赤井沙希vs.世志琥

Cエクストリーム王座戦、蛍光灯IPPONデス・マッチ:彰人(ch)vs.朱崇花
 (1本用意された蛍光灯を割ってしまうと敗北。通常のフォールも有効)
 蛍光灯IPPONのルールを拘りぬいて
 ロープに設置して、持たせて、リングにおいて、と
 あらゆるシチュエーションで
 このルールの攻防をやりきりましたね。
 蛍光灯を持たされて投げられても
 蛍光灯に衝撃がいかない受身を取ることで
 敗北を防いだりとユニークでしたね。
 朱崇花は性同一障害の女子レスラーということで
 バックグラウンドだけで注目は集まりますが、
 身長・身体能力の高さもあり、リングの中でも
 自分の背景を語れるレスラーです。
 もう少し動きの制動ができればと思いますが、
 まだ20歳ということで今後の成長に期待です。
 好勝負に少し届かず。

Dアイアンマン・ヘビー・メタル級王座戦、時間差入場バトル・ロイヤル

E鈴木秀樹vs.納谷幸男
Fクリス・ブルックス、高梨将弘vs.MAO、マイク・ベイリー

G初代O-40王座戦、ウェポン・ランブル:高木三四郎vs.スーパー・ササダンゴ・マシン
 毒舌解説者ケロちゃんを
 最初のウェポンとして投入し、
 動きが悪いと自ら言わせることによって
 年齢上の弱みを笑いに変えてしまったのはずるくも上手い。

 芸人のクロちゃんをDに続けてリングに上げたことに対しても
 同じく自己批判をこめつつ丸く収めている。
 ただやり過ぎると色んな意見があるよね、で誤魔化されている感が強くて良し悪しだけれども。

 後半はササダンゴによるプレゼンの妙技。
 リアルさを醸しての笑いと見せかけて感動物へ。
 そこで最後オチをつけつつ、
 試合後のやり取りで、この試合をすることになった
 タジリのTweetの伏線も回収してまとめました。

 ただDDTファンでないと最後のウェポンの発表内容は
 大きなインパクトとは言いがたいし
 その後は技の攻防ほとんどなくすぐにフィニッシュするので、
 尻すぼみの印象を受けなくもないですね。
 好勝負に届かずも中々良い試合。

H青木真也vs.男色ディーノ

IKO-Dタッグ王座戦:佐々木大輔、高尾蒼馬(ch)vs.HARASHIMA、ヤス・ウラノ
 控えが絡んで適切に展開。
 ウラノの相手のコントロール術は上手いし、
 佐々木も観客席の相手へのダイビング・エルボーと
 体を張ったビッグ・スポットを提供しつつ
 細かな部分への気配りが目を見張ります。
 HARASHIMAも変わらずのハード・ワークで下支え。
 高尾は3人に比べると制動弱く、
 他より一段落ちる印象は否めないものの
 その中でベストの働きを目指しており、
 最強タッグを決めるという位置付けにふさわしい内容になっています。
 文句なしに好勝負。


JKO-D無差別級王座戦:遠藤哲哉(ch)vs.竹下幸之介
 遠藤がこずるいカバーを仕掛けつつも
 その仕掛けは上から目線。
 竹下へのコンプレックスに鬱積しつつも
 王者として克服した今だからこその使い方をしている。
 竹下も真っ直ぐでありながら仕掛けて探りあい。
 王者/挑戦者の前に遠藤/竹下の
 個人としての人間関係が濃密に描かれます。

 遠藤は腹に、竹下は腰に狙いをつけて相手を削りつつ、
 複雑な読み合いを見せてくれます。
 その読み合いは複雑といいつつも
 見るものを置いてけぼりにしながら引っ張り上げるものではなく
 一緒についていかせた上で素で凄いと感じさせるもの。
 素晴らしいですね。

 竹下がロープを背にボディ・シザースで遠藤を場外落とそうとすると
 遠藤が頭部からエプロンに落ちて流血。
 少しヒヤッとしましたが、
 予定から崩れることなく引き続きハードに。

 遠藤がニーに対しニーで合わせると
 ヘッド・バッドにハンドスプリング・エルボー。
 タフさを強烈に印象付けつつも
 追撃に行こうとして腰の痛みで崩れ落ちる。
 両極端なセルを連続でこなすのは大変難しかったものの
 上手くこなしていて王者として随分と成長したなと感じさせました。
 その後も期待通りDDTを代表するライバルによる最高級の攻防でした。

 60分試合をやった時に30-40分で切っていれば名勝負という出来で、
 いつかその名勝負を見せてくれ、と強く願ったものですが、
 2年して最高の舞台で、その間の経験・成長したスキルを取り入れた上で
 それを見せてくれたことに感謝しかない。
 文句なしに名勝負。
 (執筆日:7/?/19)

Rating:★★★★★

注目試合の詳細

なし

試合結果

@勝俣瞬馬、飯野雄貴、渡瀬瑞基vs.上野勇希、吉村直巳、島谷常寛
A樋口和貞、中津良太vs.梅田公太、岩崎孝樹
B赤井沙希vs.世志琥
Cエクストリーム王座戦、蛍光灯IPPONデス・マッチ:彰人(ch)vs.朱崇花
Dアイアンマン・ヘビー・メタル級王座戦、時間差入場バトル・ロイヤル
E鈴木秀樹vs.納谷幸男
Fクリス・ブルックス、高梨将弘vs.MAO、マイク・ベイリー
G初代O-40王座戦、ウェポン・ランブル:高木三四郎(初代チャンピオン!)vs.スーパー・ササダンゴ・マシン
H青木真也vs.男色ディーノ
IKO-Dタッグ王座戦:佐々木大輔、高尾蒼馬(ch)vs.HARASHIMA、ヤス・ウラノ
JKO-D無差別級王座戦:遠藤哲哉(ch)vs.竹下幸之介(新チャンピオン!)