全日本プロレス:2012 Jr.Heavyweightの分析
名勝負 | なし |
好勝負 | Jrヘビー級王座戦:ケニー・オメガ(ch)vs.大和ヒロシ(1/3/12) Jrヘビー級王座戦:ケニー・オメガ(ch)vs.カズ・ハヤシ(2/3/12) |
@Jrヘビー級王座戦:ケニー・オメガ(ch)vs.大和ヒロシ(1/3/12)
ケニーの嫌味ヒールは素晴らしいですね。
それに伴い技の頻度も抑えられるので
王座交代劇のように過剰な過激さに陥らないようにする
抑止効果としても一定の効果がある。
大和も良いですね。
真っ向勝負のスタイルではあるものの
それを情熱バカ一代として突っ切った結果、
テンプレートにはまらない独特のファイト・スタイルが生まれました。
正反対のスタイルが激突する構図と
個性による妙がバランスよく配分され盛り上がりました。
中澤の介入はややしつこいし、
大和はスタイルとはいえもう少しダメージ表現に気をつけなければいけませんが、
2011年に引き続きブッキングの妙による化学反応を感じさせる素晴らしい試合です。
ぎりぎり好勝負。
(執筆日:1/24/12)
AJrヘビー級王座戦:ケニー・オメガ(ch)vs.カズ・ハヤシ(2/3/12)
オメガが素晴らしい身体能力を見せる一方で
カズは時にそのスピードに合わせながらも
基本はゆったりとした間で冷静に対処し情緒豊かに膨らませます。
カズは小難しい切り返しや過激スポットに走ることも多いのですが
オメガに一定の譲歩を示したことが相互の欠点を補う結果となっています。
オメガの観客席裏のステージにある台からのムーンサルトは迫力満点でした。
前回に引き続きマイケルの介入が多いですが
今回はマイケルが巻き込まれるスポットもあり、余剰と感じさせることはありませんでした。
後半になってもハード・ヒッティングな一進一退で盛り上げましたね。
前半からカズが間を惜しみなく使っていたので
終盤前後の色分けが弱かったもののトップ・レベルのJrの試合でした。
ぎりぎり好勝負。
BJrヘビー級王座戦:ケニー・オメガ(ch)vs.近藤修司(3/20/12)
近藤はオメガなんかに翻弄されない
確固とした狙いを明示しパワフルな魅力を披露。
一方のオメガは唾を吐いたりしてこれまでの一歩上の戦略で臨みます。
これまでの王座戦と同じく高いレベルにありましたね。
ただオメガの大袈裟な痛がり方は諸刃の剣。
本当にやられているか分からない、と
かつて日本の実況者がフレアーに使った言葉で説明していましたが、
それはある意味素直な受身でしたし、
やられているのか分からないことが戦略上機能しているのではなく、
やられてからの反撃、切り方という方法論が構築上機能していたのです。
本当にやられているか分からないことに黄金の価値はなく、
リアリティー、たがの欠如という欠点は否めない。
またスポットは要所に抑え、配置も利いているのに
必要とされているもの以上に過激なスポットを選んでいるのも目につきましたね。
vs.大和、カズとvs.稔の間に位置づけられる内容です。
好勝負に少し届かず。
(執筆日:3/25/12)
CJrヘビー級王座戦:ケニー・オメガ(ch)vs.KAI(5/27/12)
オメガが唾を吐き、レフェリーを盾にし、スプレー攻撃と色々やっていますが
変則を狙いすぎて試合運びの流れが歪です。
KAIは芯がしっかりしている分、
それが仇となってこのオメガに対して十分に交流しきれていませんでしたね。
オメガが柵の上からの場外ブレーン・バスターを契機に首攻め。
しかし全然観客を煽れていません。
KAIが力強さを感じさせる技で反撃するもこれまた試合を変えるには至らない。
終盤になっても同じ調子で技の無駄遣いで盛り上げているだけ。
どちらも本来の働きではなかったが、それにしてもがっかりな一戦。
後、王座がAJPWに戻ってきた割りに実況がそっけなさ過ぎやしないか。
まあまあ良い試合。
(執筆日:6/25/12)
EJrヘビー級王座戦:大和ヒロシ(ch)vs.佐藤光留(9/23/12)
佐藤が坊主にして出てくれば、大和も裸足になり馬鹿の対決。
見栄えを気にしない動きですが
それでも通用するリアルさがあるのは良いですね。
張り手の打ち合いからブースト。
大和のチョップの打ち方は大振り且つ気持ちものっている素晴らしい。
一方の佐藤の蹴りは裸足になったせいか、若干打ちづらそうでしたね。
日本のプロレスらしい根性論に軽量級の攻防を交え後半戦。
大和の王者としての磐石のまとめ方、佐藤のみのるを髣髴とさせる表現には目を見張るものがありましたが
ただ、もう少し要素を上手く織り交ぜれたかと思います。
特殊な絵を作ってスタートされた割には特化した試合でもないですしね。
好勝負に届かずも中々良い試合。
(執筆日:10/25/12)
FJrヘビー級王座戦:大和ヒロシ(ch)vs.ケニー・オメガ(10/7/12)
まずはスピードとアピールの織り交ぜというシンプルな見せ方で掴みます。
オメガは今回マイケルに介を入させない行為を最初に挟んだように
ヒール色を抑えて自分の実力を確かめたい、といったスタンス。
完成度の高いセットをベースに試合を作りあげていきます。
改善点としてはスポットの大小が場面にあっていないこと。
大和のトペへの流れは良くも悪くも強烈過ぎます。
普通に終盤へのターニング・ポイントに使っても良いでしょう。
終盤は2人の間に多少ずれが見られるものの
大和がヘッド・バッドなど自分の形に持っていって綺麗にまとめあげたのは流石。
王者として頼れるところを感じさせました。
好勝負に届かずも中々良い試合。
(執筆日:10/25/12)
注目試合の詳細
なし試合結果
@Jrヘビー級王座戦:ケニー・オメガ(ch)vs.大和ヒロシ(1/3/12)AJrヘビー級王座戦:ケニー・オメガ(ch)vs.カズ・ハヤシ(2/3/12)
BJrヘビー級王座戦:ケニー・オメガ(ch)vs.近藤修司(3/20/12)
CJrヘビー級王座戦:ケニー・オメガ(ch)vs.KAI(新チャンピオン!)(5/27/12)
EJrヘビー級王座戦:大和ヒロシ(ch)vs.佐藤光留(9/23/12)
FJrヘビー級王座戦:大和ヒロシ(ch)vs.ケニー・オメガ(10/7/12)