WWE:Best of TV Matches 1984の分析
| 名勝負 | ブート・キャンプ・マッチ:アイアン・シークvs.サージェント・スローター(6/16/84) IC王座戦:ティト・サンタナ(ch)vs.グレッグ・ヴァレンタイン(6/16/84) |
| 好勝負 | なし |
@WWF王座戦:ハルク・ホーガン(ch)vs.アイアン・シーク(5/5/84)
シークが奇襲し見得を切って観客をヒートさせます。
ホーガンも無駄な動きで持って観客を大いに盛り上げますね。
ただ一方的なシーンがちょっと長いですね。
反撃のタイミング、流血の付与、良い物はあるのだけど
ハルク・アップと同じでちょっと大雑把な展開ですね。
最後はシークからブーツを奪い滅多打ちにしますが、
サージみたいにその一撃性を尊重して欲しかった所です。
まあまあ良い試合。
Aブート・キャンプ・マッチ:アイアン・シークvs.サージェント・スローター(6/9/84)
ベビーフェイスvs.ヒールの1つなれど
扱っている背景が社会を巻き込んだイラク戦争ですからとんでもない熱狂を生んでいますね。
そしてこの2人はギミックに心身を重ねて試合に挑んだ。
まずはサージがシークのターバンを引き裂き、観客席に投げ込んで観客を煽ります。
気持ちをこめた打撃、所構わずぶつけていく乱戦は素晴らしいものがあります。
シークのブーツの威力を最大化する振りも地味に効果を発揮している。
しかしカットされているため展開は弱くなっているし、
手にとって使う凶器はブーツのみ、絵の作り方もおざなりで
次週の予習という色合を感じざるをえない所はある。
カットが大きいので正確には言えないが、中々良い試合かな。
(執筆日:2/16/11)
Bブート・キャンプ・マッチ:アイアン・シークvs.サージェント・スローター(6/16/84)
前回から一週間後、同形式にて再戦。
歴史に残る更に過激な一戦へと突入していきます。
前回と同じくいきなり見せ場をもってきますが
今回は被ってきたヘルメットでの攻撃、
単なる表現ではなく痛みの伴った表現で幕開けです。
多彩な見せ場を生むために変化をつけるものの
何かを探す事で空白の時間を生まないほど
その判断力は冴え渡りリアルな時間推移で戦っていきます。
そしてウィップの導入もあり憎しみはリミッターを超え、相手を本当に殺そうとしているかのように映ります。
攻防の引き出しを増やす事は抗争の一つの恩恵に過ぎず
根源はリングの仮想をリアルに近づけていく作業です。
場外へのハードな受身でスケール・アップしますが、
この敢えて外である場外でカバーを入れる事で
中盤の根幹はリングでの殴り合いである事を空間的に設定しています。
サージは定番の鉄柱受けで大流血。
その受身、流血量だけではなくガードするのが精一杯という表現によって観客の応援を更に引き込みます。
そして反撃では始めてみせるセカンド・ロープから飛んでの踏みつけで
シークも流血させると共にブーツの威力を印象付ける。
最高レベルの殴り合いから最後はブーツの攻防へ。
まったく異なるアイデンティティーを背負った両者が
憎しみの末一つのリーサル・ウェポンを求め合う、という
表現的にも絵としても素晴らしく美しい方法でフィニッシュです。
観客の日常生活における全ての不満を受けきるだけの強烈なエネルギーがここにはあります。
80年代だからこそ生み出された、80年代にしか出来ない、
プロレスの歴史に残る最もリアルで過激な乱戦。
歴史的な名勝負です。
(執筆日:7/14/10)
CIC王座戦:ティト・サンタナ(ch)vs.グレッグ・ヴァレンタイン(6/16/84)
#2
まだキャリア・メイキングの試合は作れないだろうと思ったらTV4回目の対戦でやってくれました。
最初のレスリングは相手の意思にゆだねる閾値の高い本格派。
短かったもののサンタナのインテンシティーの高さを伝えるには十分。
連続リスト・ロックなど小刻みの行動に観客から素晴らしい反応が返ってきます。
一方グレッグは受けで魅せる。
静謐の間から、痛みを示す素振りで上手く間隔を計り動いています。
受身もぴったりで最高ですね。
受身のベストは派手である事ではなく、自身をも重く見せる事です。
それが出来ている。
中盤のターン・バックルの攻防も独創的で印象深い。
これによりその後の一進一退に緊張感が生まれましたね。
カウント1で返すなどしてグレッグがスピード感も生み出しているのも見逃せない。
終盤前はアーム・ロックという基礎的な技で落ち着けますが、
これが見事にフィットしていて盛り下がる事はなく両肩を押し付けてフォールを狙う攻防で盛り上げられています。
そして終盤はこれまで以上に激しいサンタナのパンチ。
デュガンばりにデフォルメされ伝わってくるパンチです。
グレッグが場外へのショルダー・スルーで凌ぎ戦略的にリングアウト勝ちを収めますが、
これまでの流れから勝負が王座を超えた形で美しいエンディングになっていますね。
ぎりぎり名勝負です。
(執筆日:4/27/11)
Dティト・サンタナvs.ボブ・オートン(7/23/84)
ボブがゆったりした間や独特の振りを持った攻めを見せます。
サンタナは他と比べるとやはり上手いとまでは言い切れませんが
安定した判断に感情を吐露した応対を加えて観客を惹きつけます。
演技と疲弊表現から一歩上のレベルの終盤に突入したものの80年代の限界を感じる所はありましたね。
平均的な良試合。
(執筆日:3/19/11)





