TOPアメリカン・プロレスWWE TV Matches →WWE:Best of TV Matches 2012

WWE:Best of TV Matches 2012の分析


名勝負 なし
好勝負 WWE王座戦:CMパンク(ch)vs.マーク・ヘンリー(Raw 4/2/12)

@チャンピオンvs.チャンピオン:CMパンクvs.ダニエル・ブライアン(Raw 1/30/12)
 通常のWWEより高い俊敏性でスタート。
 インディーのお約束として認知されている動きを
 WWEではお約束として認知されていないことを踏まえた上でするりと序盤に潜り込ませ、
 土台であるはずの序盤から"一進一退である"魅力を含む戦いになっています。
 パンクがショルダー・スルーで落とした後、
 トペではなくダブル・アックスを選択したように、
 WWEの過激さ限界の中での強弱の組み合わせもしっかりしている。
 そして両者の表情と間の長短の一致が素晴らしい。
 パンクは主に短くして、ブライアンは主に長くして個性的に魅せました。
 最後がジェリコの乱入だったのが残念だったものの満足度の高い内容。
 好勝負に少し届かず。
 (執筆日:2/4/12)

Aチャンピオンvs.チャンピオン:CMパンクvs.ブライアン・ダニエルソン(SD 2/21/12)
 リズムにのって動きながらもちょっとした抑揚を含めて
 記憶に引っかかるレスリングとしている。
 ブライアンが腕攻め開始。
 じっくりと見せながらもコンスタントにアクションを挟んでいます。
 パンクがバック・ブリーカーでリセットしたりする様を見ていると
 2回再開するブッキングを前提として対応せざるをえないことが感じられませんね。
 しかしパンクが見事な腕の痛みを表現しています。
 2回目の再開からトペで爆発させた後、
 長く間を取ってこれから起きることを見守らせる。
 最後はWWEらしからぬスーパープレックス炸裂後脚を絡め合ってのダブル・フォール。
 ブッキングありきなので前回の試合よりは劣る物の見事に対応していて
 これまたこの2人にしかできない内容でした。
 中々良い試合
 (執筆日:2/21/12)

BWWE王座戦:CMパンク(ch)vs.マーク・ヘンリー(Raw 4/2/12)
 ヘンリーは押す際の動作や
 蹴られたときの痛がる動作、
 それ自体の乏しさは昔から変わっていないが
 今は高い集中力を持って相手を良く見ているから
 無為から意味性を生み出すことができている。
 ヘンリーが圧倒的壁を感じさせるのに対し、
 パンクも必死の抵抗と死にそうな受身を見せました。
 攻め方も素晴らしくドラマチックでしたね。
 ヘンリーのここぞの次の一手の選択は効果的で無駄がなく
 パンクとアクションの連鎖を生み出していきました。
 最後はリングアウトも納得の一戦。
 ヘンリーのキャリア・ベストです。
 文句なしに好勝負。
 (執筆日:4/24/12)

CWWE王座戦、ノーDQ:CMパンク(ch)vs.マーク・ヘンリー(Raw 4/16/12)
 ヘンリーがパワー・アピールをした後、
 意図的に動かず獲物に襲い掛かる前の獰猛な動物を想起させます。
 パンクは撹乱してトペを打つなど
 真っ向から立ち向かっては勝てないだろう、というスタンス。
 2回目ということでシチュエーションの説明はやや甘いですね。
 パンクは息をする行為を意図的に見せていて前回と同様絶望的なほどヘンリーの強さを際立たせています。
 後半の凶器が加わった攻防はスマートですが
 このカードの魅力はシチュエーションにのったもの。
 PGルールもあって凶器にエスカレートする過激性がなく、
 フィニッシュ含めそこまで試合に役に立ってはいなかったですね。
 好勝負に届かずも中々良い試合。
 (執筆日:4/24/12)

Dダニエル・ブライアンvs.CMパンク(Raw 5/28/12)
 PPVの試合と比べるとブライアンの行動に対してパンクはそっけないですね。
 しっかり掴みとしては正道を行っていて悪くない。
 パンクが鋭く攻めを刻みつけた後、
 ブライアンがパンクの腕をロープに打ちつける。
 普通腕攻めでブライアンが主導権を掴む形ですが
 完全に展開を決定付けず細かい一進一退を生み出して行く。
 完全に自分の世界に入っていますね。
 しかし地力があり、尚且つ今年に入ってインディー以上の手数を重ねた2人にとってはお手の物。
 自分達の世界に閉じこもっても観客は魅入ってしまう。
 中々の試合でしたがこの試合で驚いたのは途中から登場したAJ。
 含みのある機微に飛んだ表情で魅了されました。
 大袈裟な動作、表情といった分かりやすさだけが求められる
 エンターテイメント界にあって稀有な存在となりうるかもしれない。
 好勝負に届かずも中々良い試合。

ECMパンクvs.ダニエル・ブライアン(House Show 9/1/12)
 カットありなので正確な評価は難しい所ではありますが、
 少なくともハウス・ショーだからと手を抜いていないことは
 容易に見て取れるハード・ファイトです。
 比較的オーソドックスな内容ながら
 両者の交流の仕方などは注目に値するものがあり、
 その日のMOTNになったことは確信できる。
 (執筆日:3/13/13)

Fフォールズ・カウント・エニウェア:ジョン・シナvs.アルベルト・デル・リオ(Raw 9/3/12)
 デル・リオはシナのダウン・モードに対して上手く攻めていますね。
 シナのスポットとそれを繋ぐ攻防もできていて
 試合を形作る各場面の連関性の完成度は高い。
 場外戦ではデル・リオが鉄階段を飛び越えるも
 シナが追って鉄階段を踏み台にフライング・クローズラインにしたり、
 また実況席葬まででたりとPPVレベルの仕様となっています。
 アイ・クイット的にデル・リオがマイクで煽る場面もありましたね。
 シナ得意のハードコア・マッチとあって展開もスムーズ。
 クロス・アーム・ブリーカーに対する切り返しも素晴らしかった。
 最後バック・ステージに引っ込み、
 不意打ちとはいえパンクの只の延髄切りで終わる、というのが
 フィニッシュとして弱いのが唯一のマイナス・ポイントですね。
 最後にパンクがヘイマンと合体というサプライズが待っていますが何とかならなかったか。
 好勝負に届かずも中々良い試合。
 (執筆日:9/15/12)

Gアルベルト・デル・リオvs.ジョン・シナ(SD 11/30/12)
 デル・リオの打撃とシナのダメージ表現が見事にはまっていますね。
 場外、コーナー上を使った三次元的な試合の組み立ても良い。
 デル・リオは技の前の間とフォール直後の間を置かないフォローの緩急が素晴らしい。
 2人の間の相互理解が試合を通してまったく崩れないので
 必殺技を早い段階でトライしても相応のカウンターをして、
 試合を崩さないで発展させてくれるという信頼感が築かれている。
 その上でWWEとしては珍しく、フィニッシュを丸め込みでも必殺技でもない形に、
 必殺技至上論から世界観をずらすというユニークな試みも成功しています。
 好勝負に届かずも中々良い試合。
 (執筆日:12/23/12)

注目試合の詳細

なし

試合結果

@チャンピオンvs.チャンピオン:CMパンクvs.ダニエル・ブライアン(DQ)(Raw 1/30/12)
Aチャンピオンvs.チャンピオン:CMパンクvs.ブライアン・ダニエルソン(再開→再開→ダブル・フォール)(SD 2/21/12)
BWWE王座戦:CMパンク(ch)vs.マーク・ヘンリー(リングアウト)(Raw 4/2/12)
CWWE王座戦、ノーDQ:CMパンク(ch)vs.マーク・ヘンリー(Raw 4/16/12)
Dダニエル・ブライアンvs.CMパンク(Raw 5/28/12)
ECMパンクvs.ダニエル・ブライアン(House Show 9/1/12)
Fフォールズ・カウント・エニウェア:ジョン・シナvs.アルベルト・デル・リオ(Raw 9/3/12)
Gアルベルト・デル・リオvs.ジョン・シナ(SD 11/30/12)