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WWE:TV Matches Best of FCW 2012〜の分析


名勝負 なし
好勝負 FCW王座戦:セス・ローリンズ(ch)vs.カシアス・オーノ(4/29/12)

@ディーン・アンブローズvs.リッチー・スティムボート(House Show 3/2/12)
 序盤は伝統的なレスリングの型を色々。
 今のWWEで使う機会があるのかはさておき、
 こういうことが当然出来ておくといのもいざと言うとき役立ちましょう。
 リッチーは各種アーム・ドラッグでアピール。
 アンブローズは基本受けで、リアクションによりキャラを語ります。
 リッチーが逆上がりでリングに戻り、アンブローズを場外に落とすシーンを挟むと、
 場外戦からアンブローズが主導権を握るという王道の中盤への展開。
 アンブローズはグラウンド・サブミッションが
 只教科書をなぞった形だけでなく、相手の動きを押さえつけるという意図を感じさせるのが良いですね。
 リッチーは完全に動きをコントロールできてはいないが、
 ぐったりした見せ方は素晴らしく観る者に一体となって痛みを伝えるし、
 抑揚をの意識をつけた動きも可能性を感じさせます。
 一方でこの辛そうに見せる今の良さを損なわずに
 もう少し格好をつけれたら最高ですね。
 技を出す際に、ちょっとした静止を付け加えるだけで良くなります。
 最後はカウンターの場外へのブレーン・バスターが道連れになり両リンという旧時代フィニッシュ。
 5分延長を求めるリッチーに対しアンブローズが拒否してヒールの王道を貫きました。
 アンブローズの輝きっぷりがCZW時代からのファンとしては嬉しいですね。
 また、インディーのトップ・レスラーと生え抜きのFCWレスラーが戦って、
 ハウス・ショーにも関わらずこれ程までの試合が生まれるFCWに大きな可能性を感じさせる。
 好勝負に少し届かず。
 (執筆日:3/5/12)

Aジャック・ブリスコ15王座戦、20分アイアン・マン・マッチ:リッチー・スティムボート(ch)vs.アントニオ・セザーロ(4/8/12)
 序盤はかわしあいの中でリッチーが丸め込みで牽制。
 リッチーが先手を取り腕狙いも加えます。
 しかしパワフルさで勝るセザーロがCM中にフェイス・バスターを決め先取。
 エプロンの攻防などを要所に配置しながらリッチーを抑えつけていきます。
 リッチーは中々難しい選手ですね。
 綺麗に攻防を演じることができていない。
 しかしその原因の一つになっているであろう動きに関しては
 その雑な部分が応援したくなる必死さというメリットになり、
 受けに回っている時には抵抗として受け止められている。
 悪い部分だけ改善してもらえばベストだけど。
 試合としてはセザーロが1-0で優位に立っている状態での攻めシーンが
 いまいち魅力に欠ける部分があります。
 2本目も取ってやるぞ、という意思をもっと伝えなければいけません。
 構成こそできていましたが戦い手としての戦略が不足していた。
 ちょっとセザーロは漫然と攻めていましたね。
 残り2分でリッチーがヘッド・シザースからの丸め込みで追いつきます。
 セザーロが焦って追い込み連続サイド・スープレックスから打ち上げアッパーカートを決めるも
 リッチーが場外に転がり落ちカバーに持っていく前に時間切れというエンディング。
 平均的な良試合です。
 (執筆日:5/3/12)

BFCW王座戦:セス・ローリンズ(ch)vs.カシアス・オーノ(4/29/12)
 タイミングを計りつつ目の前の戦いもおろそかにしていないレスリング。
 それぞれの形への入りを防いでレスリングに戻します。
 一つ一つの行動が示唆する可能性がその後の攻防に注目を集めていますね。
 オーノがエプロンで覆ってストンピングを打ったりロープにぶつけたりとフィンレー的な戦略を見せますね。
 リリース・スープレックスが迫力あるように見せたりと
 早くもWWE仕様が様になっているのは流石です。
 一方のセス。
 髪の一部を金色に染めたことは置いておくとして
 体格の小ささを感じさせないために大きく動くことを意識しているのは良いですね。
 またFCWスターとして観客の応援を引き出す見せ方の際に
 当然やられる必要がありますが、そのやられ方も弱さを感じさせないものになっています。
 オーノのハード・ヒッティングに支配されるものの
 セスがエネルギッシュな反撃で挽回すると
 終盤は一つ一つニア・フォールで盛り上げる充実の攻防。
 フェイス・ストンプという難しい技もちゃんと使えていますね。
 尤もFCWだから適切なのであってWWEにおいてはやや不適切な必殺技にも思えるけれど
 それはマネージメントに良く考えてもらいましょう。
 素晴らしい試合でした。
 ぎりぎり好勝負。
 (執筆日:5/3/12)

Cジャック・ブリスコ15王座戦、30分アイアン・マン・マッチ:リッチー・スティムボート(ch)vs.アントニオ・セザーロ(5/6/12)
 まずはオーソドックスにゆったりと。
 ゆったり見せると当然観客はよりディティール部分に注目するようになりますが
 しっかり見定められても耐えうる技術的工夫がありましたね。
 リッチーはいつも通り躍動感を意識した独特のフォームですが
 今回はそれが雑さにつながっていないのが良いですね。
 積み重ね式のやり取りを行なった後、レスリングの中でリッチーが丸め込み1本取ります。
 ここで6分経過。
 その後もダイナミックな展開には乏しい。
 セザーロがリッチーを場外に落としてから背中攻めで追いつきます。
 打撃での小さい攻防があり質は落ちていません。
 セザーロがダイビング・クロス・ボディを入れ替えるというこしゃくな動きに出てカウント3。
 19分経過で2-1に引き離します。
 24分経過時にリッチーが丸め込んで追いつき、
 最後はこれまでに確立した安定の関係性の中で終盤らしい見応えのある攻防でフィニッシュ。
 クオリティは常に高いレベルに保たれていた一方で、
 今戦いがレスリングであったり一極攻めであったりする
 展開上の理はややタイム・スケジュールとずれている印象を抱かなくもないですね。
 前回より着実に向上させていた中々良い試合でした。
 (執筆日:5/8/12)

DFCW王座戦:セス・ローリンズ(ch)vs.ディーン・アンブローズ(6/24/12)
 序盤は緊張感あるレスリングで格式を作り上げ、
 これがジャック・ブリスコ15王座ではなくFCW王座である事実を際立たせている。
 転換点としてロープ・ワークを挟みますが
 それまでの流れからするとちょっと息を合わせる性質が強すぎる気もします。
 今回セスは所作を大きく見せることができていませんが
 それはオリジナルに技の位置づけを設定する試合に臨んでいるためにそこに注意を払う余力がなかったか。
 彼らしか行く末を知らない戦いになって後追いする観客の前に異形のシーンが放たれる。
 アンブローズが肩が外れたとして自らエプロンに打ち付けて元に戻そうとする。
 それは現代が忘れてしまった近代的な表現で、怨讐篭ったとでもいうような表現ができる現代レスラーはアンブローズぐらいのものです。
 ハンデを背負ったセスが脚に狙いをつけ、身を削り消耗しながら攻めて行く。
 その攻めに王者が引きずり込まれていく攻防はドラマチックです。
 異質であるが故に完成度の甘さもあるが
 言語で描かれた物語のような生々しい戦いが本で接するような30cmの距離感で描き出されました。
 ぎりぎり好勝負。
 (執筆日:7/1/12)

Eウィリアム・リーガルvs.ディーン・アンブローズ(7/15/12)
 まずはリーガルがじっくりとサブミッションを見せます。
 確かにその技術の見せ方は卓越されていますが
 序盤ということを考えるとアンブローズが痛がりすぎ、
 完全に劣勢に陥っているように思います。
 アンブローズが打撃を打った時には典型的展開と思いきや
 リーガルが反撃を許さず打撃も含めて腕を攻め続けます。
 鉄階段にリーガルの腕を挟んで蹴りつけたところからアンブローズが主導権を握り返します。
 ラフで煽りながらの試合進行は効果を発揮しているが
 一方的なシーンでしかないためまだ試合は爆発していない。
 そしてそのままリーガルにメディカル・チェックが入って試合が止められます。
 リーガルは流血していたしリアリティーはありましたが
 試合というよりはプロモといった方が正確な内容。
 前回が素晴らしい試合だっただけに肩すかしでした。
 まあまあ良い試合。
 (執筆日:7/20/12)

Fセス・ローリンズvs.コーディ・ローデス(9/14/12)
 コーディはスーパー・スターの振る舞いで
 小さい会場を完全に掌握しています。
 セスとのリアル・スピードでの攻防は
 その反応速度とキレがピカイチで魅了されてしまう。
 素晴らしい会場との一体感でしたが、
 映像として見る分にはやや時間をかけすぎなのが玉に瑕。
 コーディが不意をついてエプロンを使った三角蹴りを炸裂。
 そしてリングアウト・カウントを数えさせコーディのターンにつなげたのはインパクトありましたね。
 序盤と同じくコーディの煽りっぷりは良く、
 またそれに対するセスのダウンっぷりも見事なものでした。
 終盤もふらふらの状態と最大スピードの切り返しを織り交ぜ最大級の緩急。
 オーノが乱入して両者攻撃してぶち壊しますが、
 ダスティが3ウェイに変更し、そこからは短いものの
 派手な必殺技の撃ち合いで一気にまとめあげました。
 好勝負に少し届かず。
 (執筆日:11/1/12)

G#1コンテンダーズ・マッチ:セス・ローリンズvs.ディーン・アンブローズvs.レアキー(5/2/12)
 後にシールドを結成する3人による3ウェイ。
 レアキー(レインズ)が拙く、
 3人の交わり方はかなり画一的に規定されてしまっている印象。
 一方でセスとアンブローズは数え歌のように
 攻防を行えてしまうので不釣り合いですね。
 悪くはないのだけれども
 育成選手の3ウェイという表現が適切な内容に収まる。
 平均レベル。
 (執筆日:8/?/16)

注目試合の詳細

なし

試合結果

@ディーン・アンブローズvs.リッチー・スティムボート(両者リングアウト)(House Show 3/2/12)
Aジャック・ブリスコ15王座戦、20分アイアン・マン・マッチ:リッチー・スティムボート(ch)vs.アントニオ・セザーロ(1-1)(引き分け)(4/8/12)
BFCW王座戦:セス・ローリンズ(ch)vs.カシアス・オーノ(4/29/12)
Cジャック・ブリスコ15王座戦、30分アイアン・マン・マッチ:リッチー・スティムボート(ch)vs.アントニオ・セザーロ(3-2)(5/6/12)
DFCW王座戦:セス・ローリンズ(ch)vs.ディーン・アンブローズ(6/24/12)
Eウィリアム・リーガルvs.ディーン・アンブローズ(7/15/12)
Fセス・ローリンズvs.コーディ・ローデスvs.カシウス・オーノ(9/14/12)
G#1コンテンダーズ・マッチ:セス・ローリンズvs.ディーン・アンブローズvs.レアキー(5/2/12)