WWE:The Rise and Fall of WCW Disc Threeの分析
名勝負 | なし |
好勝負 | なし |
@WCW王座戦:ザ・ジャイアントvs.リック・フレアー(Nitro 4/29/96)
フレアーはヘタレた後、それで引き出す能力を失っているし、
ジャイアントも体格で圧倒しているからといって
その見せ方の際にまったく動かないというのはどちらも損をする。
それが自分の考えるリアリティーだとしても客観的に見れば見栄えでNGです。
試合はまったく唐突で脈絡の無いチョーク・スラムでエンド。
スカッシュ・マッチと同じレベルの適当な流れでした。
ひどい試合。
Aクルーザー級王座戦:レイ・ミステリオ(ch)vs.ディーン・マレンコ(Clash of the Champions XXXIII 8/15/96)
ミステリオがその場面で出せる技を瞬時に導き出して行うので目の離せない内容になっています。
ただマレンコがやや受け手に回りすぎで、
とめるべき時はインパクトを持って止めなくてはいけませんね。
最後のフィニッシュ・シーンが視覚的にインパクトがあるので特に問題ではないけど。
まあまあ良い試合。
(執筆日:6/13/10)
Bウォー・ゲームス:ハルク・ホーガン、スコット・ホール、ケビン・ナッシュ、NWOスティングvs.スティング、リック・フレアー、レックス・ルガー、アーン・アンダーソン(Fall Brawl 9/16/96)
良いね、良いね。
やれば出来るじゃないですか。
nWoムーブメントで気持ちがのっているのか
全員活きの良い乱戦を見せました。
そこに戦術性はないし、周りを見ながら乱戦している人はいません(フレアーもベビーフェイス役だからね)。
また流血もありませんでした。
しかしエンターテイメントとしてウォー・ゲームスという形式が復活していました。
全員ドル箱物のスターですからね。
見ていて楽しかったです。
スティングが嫌疑を晴らすものの、疑われたためにすぐに去っていき人数差でnWoが勝つというクライマックスはやや弱いものの
試合後のサベージをかばうエリザベスにnWoペイントという強烈な絵によって補われています。
平均的な良試合。
(執筆日:10/10/09)
CUS王座戦、ラダー・マッチ:エディ・ゲレロ(ch)vs.シックス(nWo Souled Out 1/25/97)
試合運びは良いし、どちらも輝いている内容なんだけど
圧倒的にラダー・マッチの過酷さに欠けています。
持ち技を一通り出した後でラダーを投入したから
試合自体としてはラダーを軽視した訳じゃないんだけどね。
PPVの試合としては物足りないです。
まあまあ良い試合。
(執筆日:10/7/09)
DUS王座戦:エディ・ゲレロ(ch)vs.ディーン・ マレンコ(Uncensored 3/16/97)
2人共気持ちを片時もとぎらせる事無くぶつかっていて
相手に負けたくないという主導権の握り合いは実に見応えがあります。
エディの脚攻めも間と攻め方の組み合わせが良いですね。
シックスが絡むチープ・フィニッシュが残念だったのと
マレンコが中盤でレフェリーの目の前でベルト攻撃をしたのが意味不明。
ゴングを鳴らされたらどうするつもりだったんでしょう。
好勝負に少し届かず。
(執筆日:10/8/09)
Eクルーザー級王座戦、マスクvs.タイトル:クリス・ジェリコ(ch)vs.フベントゥー・ゲレラ(Superbrawl VIII 2/28/98)
ジェリコがヘタレなキャラで掴むと
間を使ってじっくりと試合を構築し
フービーの攻防を使いながら1度ゴングが鳴り再試合になる程の熱戦を展開。
ハイ・レベルな内容です。
しかし凡庸なる素晴らしい試合という気がしないでもない。
この頃のフービーは動き回ってギアを上げていくので
ジェリコの土俵内に止まったのは物足りないです。
本来マスク戦と言えばルチャドールにとって特別なはずですしね。
中々良い試合。
マスクを失ってしまったフービーですが珍しい事に
これを切欠としてアメプロでより大きな成功と成長を得るになりましたね。
(執筆日:10/4/09)
Fタッグ王座戦:スタイナー・ブラザーズ(ch)vs.アウトサイダーズ(Superbrawl VIII 2/28/98)
スコットが裏切る展開とはいえ焦らしも前振りもありません。
裏切るまで、というかその後もですがスコットとナッシュは権利を得て参加する事はありません。
ラモンも能動的アクション皆無でスーパー手抜きな内容でした。
ひどすぎる試合。
Gハリウッド・ホーガン、デニス・ロッドマンvs.DDP、カール・マローン(Bash at the Beach 7/12/98)
一人だけでなく二人、しかもファイナルで激突した両者を引っ張ってくる。
話題性としては良いものがあります。
ただ視聴率戦争が加熱し層としてはある程度開拓されているので
必要性はそこまで無かったかもしれない。
何よりPPVのメインでやってプロレス・ファンをがっかりさせるリスクの方が大きいのではないか。
試合の是非はさて置いて内容に移りましょう。
マローンは手足が長く、それがプロポーションとして均整が取れているのでリングで見栄えします。
何とか見せれるレベルの技も2,3あります。
一方のロッドマンはひどい。
ふらついてロープに後頭部をぶつけたり、
ショルダー・タックルのはずが激突して自身が崩れ落ちたり、
攻めにしろ受けにしろリングに入らせたら
怪我をするかもしれないと常に感じさせるレベルの低さです。
この点で言えばまったくスポーツ選手らしくなくレノとほとんど変わらないといっても良い。
試合は当然制約を受ける。
序盤は逃げによる焦らし、仕切りで時間をひたすら潰します。
勿論韻を踏む能力なんてありません。
中盤、理想はマローンの孤立ですが
当然そんな負荷をかけれる訳もなくDDPが弱々しい相手の攻撃にやられなければならない。
試合を通して強さという価値を高めあう事が出来ませんでした。
まあホーガンが一応形をつけて、
マローンがプロレス・ファンであるが故にその場で求められる事を一応自己判断出来るので
ノン・レスラーがゲスト参加する試合の中では楽しめる方でしょう。
紛れもなく悪い試合だけど。
HWCW王座戦:ゴールドバーグ(ch)vs.DDP(Halloween Havoc 10/25/98)
DDPの強みは韻を踏む能力。
それ故ゴーバのような引き出しが少ない選手の相手としては最適です。
韻を踏むという事は形式的になりがちな中で
今回DDPは手数を多くし畳み掛ける事で切迫感を作り上げていますね。
またゴーバも評価できる働きでした。
1つ1つの動きを身体能力の限りを尽くして行う。
当たり前の事ですがこれを行うのは難しい。
そしてゴーバのような素材レスラーがそれをやってのけた時高い存在価値が生まれます。
自身に負荷のかかる鉄柱への誤爆まで含め意識の高い仕事ぶりでした。
その相手を壊しそうな程の強さに対し、
腕の痛みをネタにして決着との二律背反性をクリアした点も評価できる。
ゴーバのシングルにおいて5本指に入る内容。
中々良い試合でした。
IWCW王座戦:ブッカーT(ch)vs.ランス・ストーム(Nitro 8/7/00)
ブックはスピード感、技への始動の伸び感。
黒人特有の良さが出ており独自の魅力になっています。
それに比べるとストームは動き自体に付加価値がない。
しかし積極的に動き(ただ反撃時はもう少しゆとりを)試合が展開するようにしたので
5分程度でしたがその時間の間密度が薄くなる事はなく充実していましたね。
2人の個性が相手の足りない部分を補っている内容。
PPVでも見たいなと思わせる。
平均レベル。
総評
当時売りにしていた部分で楽しめる試合を選出してくれていたが
一方その裏で更にクオリティの高い試合をたたき出していたものもあって
それをもう少し発掘してくれたらよかったのにと思う。
(執筆日:4/6/11)
DVD Rating:★★☆☆☆
注目試合の詳細
なし試合結果
@WCW王座戦:ザ・ジャイアント(新チャンピオン!)vs.リック・フレアー(Nitro 4/29/96)Aクルーザー級王座戦:レイ・ミステリオ(ch)vs.ディーン・マレンコ(Clash of the Champions XXXIII 8/15/96)
Bウォー・ゲームス:ハルク・ホーガン、スコット・ホール、ケビン・ナッシュ、NWOスティングvs.スティング、リック・フレアー、レックス・ルガー、アーン・アンダーソン(Fall Brawl 9/16/96)
CUS王座戦、ラダー・マッチ:エディ・ゲレロ(ch)vs.シックス(nWo Souled Out 1/25/97)
DUS王座戦:エディ・ゲレロ(ch)vs.ディーン・マレンコ(新チャンピオン!)(Uncensored 3/16/97)
Eクルーザー級王座戦、マスクvs.タイトル:クリス・ジェリコ(ch)vs.フベントゥー・ゲレラ(Superbrawl VIII 2/28/98)
Fタッグ王座戦:スタイナー・ブラザーズ(ch)vs.アウトサイダーズ(新チャンピオン!)(Superbrawl VIII 2/28/98)
Gハリウッド・ホーガン、デニス・ロッドマンvs.DDP、カール・マローン(Bash at the Beach 7/12/98)
HWCW王座戦:ゴールドバーグ(ch)vs.DDP(Halloween Havoc 10/25/98)
IWCW王座戦:ブッカーT(ch)vs.ランス・ストーム(Nitro 8/7/00)