OVW:Wrestling's Future Starsの分析
名勝負 | なし |
好勝負 | なし |
正確にはWWEから発売されたものではありませんが、当時OVWはWWEの下部組織を務めていたので。
約2時間15分です。
ビデオにて購入。
@ハードコア・マッチ:BJペインvs.フラッシュ
凶器を散らかして、キッチン・スペースやトイレに流れ込む辺りはWWEの下部組織である影響を感じさせますね。
OVWに共通する事ですがテンポも良い。
見せ方に不安があるのならこれは良い手です。
基本的にアクションが多く見れるほどお得になりますから。
最後のフィニッシュはインディーの箱ならではで良し。
平均レベル。
Aリコ・コンスタンティーノvs.ニック・ディンズモア
どちらもWWEに上がった後のビジュアルにインパクトがあるので初見ではおやっ?、と戸惑いましたね。
それはともかく試合ですがディンズモア(ユージン)のベノワ的アピールは場面を得ておらず
ディンズモアのコブラ・クラッチも不発ながらフィニッシャーとして疑問です。
DQフィニッシュでもありますし、悪い試合。
Bブロック・レスナー、シェルトン・ベンジャミンvs.ディシプルズ・オブ・シン
プロレス技として荒削りでも身体能力を使っていれば自然に輝くものです。
レスナー、ベンジャミンという素材を含めて適切なタッグの内容となっていますよ。
ただ女子マネ、シンの乱入からリヴァイアサンのケインに向けたアピールになってしまうんですよね。
この配置は少々不適切でしょう。
後に実現しますがリヴァイアサンとレスナーやベンジャミンの激突を期待する所なのに。
これでは交わらない平行線のように錯角させる。
悪くない試合。
Cハードコア・マッチ:ミスター・ブラックvs.ランディ・オートン
ブラックは運動をするには太りすぎている。
安易な盛り上げのためにのみハードコアにしたように見える悪い試合。
Dリコ・コンスタンティーノvs.ランディ・オートン
技とベビーフェイス/ヒールの役目を適切にわきまえていますね。
オートンのパンチとドロップ・キックが優れているのが地味に利いている。
また相手の行動から自分に繋がるテクも両者見せている。
5分という試合時間に求められるものがあり、OVWにおいて秀逸と評価されて良い内容。
平均レベル。
Eリヴァイアサン、ディシプルズ・オブ・シンvs.ニック・ディンズモア、ダマジャ、トレイラー・パーク・トラッシュ
6マンのテンポを維持しながらリヴァイアサン(バティスタ)が見所を生みます。
バティは動きが確立されていないのが逆に独特のパワフルさをアピールする事が出来ていますね。
素晴らしい売りです。
一方で他はバティの輝きに隠れてしまっていてバティの敵がいないまま決着してしまう。
少し悪い試合。
Fフラッシュvs.リコ・コンスタンティーノ
特に効果的な場面はなく印象を残せていない。
悪い試合。
Gリヴァイアサンvs.ショーン・キャシー、クリス・マイケルズ
カードに書かれている通り。
それ以上でもそれ以下でもない。
Hランディ・オートンvs.リコ・コンスタンティーノ
WIN-WINの関係を築く方法論を彼らは持っている。
場外への投げといった激戦模様で前回より試合の価値を上げてきましたね。
後半のオートンの反撃は良くも悪くもオートンらしくて孤高だし、
最後も流れからするともう一ひねり欲しい所だけど・・・。
平均より少し上。
Iロブコンウェイvs.マシーン
マシーンはダグ・バシャム。
それぞれ攻めに流れがある事は良い事です。
観客はそれに乗る事が出来ますから。
ただ他に比べると独自の個性がもう少し欲しい所だろうか。
悪くない試合。
Jリコ・コンスタンティーノ、フラッシュvs.ランディ・オートン、ニック・ディンズモア
一軍昇格へのアピールという色付けを加えての試合。
それが功を奏したかそれぞれ意欲的にアピールしています。
クライマックスが全員がダウン状態の中でのやり取りなのも面白いですね。
ただタッグとしての魅力には絶対的に欠けます。
悪くない試合。
Kニック・ディンズモアvs.マシーン
どちらがレスリング・マシーンかという題目で組まれた試合。
驚いた事に目指すべき境地を良く分かっていますね。
隙を突く、注意を逸らす、ある程度の優位性を保つ、そういう意図を絡めながらレスリング中心の攻防を行っている。
意味性において投げから打撃までが良い意味で同一化されている所に証明がある。
このコンセプト化領域においては技は全て同一化するものです。
テンポの早さも良い。
これなら一瞬の隙が意味を持ってくる。
5分の試合としては高度なレベルにある。
平均的な良試合です。
Lタッグ王座トーナメント決勝:ディシプルズ・オブ・シンvs.リコ・コンスタンティーノ、プロトタイプ
序盤はリコ/プロトタイプ(シナ)が道化ヒールを演じます。
教師/生徒役という位置づけを段階を踏んで見せている所が良いですね。
マネージャー・スポットを挟んだ後はリコらがペースを掴み適切なタッチ・ワークです。
DoSのそこそこパワフルな技からリコが孤立。
終盤はレフェリー気絶からマネージャー乱入です。
これまであっさり終わらせる傾向があったため、
このスポット一発で終わらない事で決勝という特別性を実感させましたね。
フィニッシュもちょっと一工夫している。
決勝にふさわしい力の入れようでしたね。
唸らされるような事はしていないけれど正しい方向から逸れず、
ブックの補佐を受けながら楽しいロング・マッチに仕上げました。
平均的な良試合。
Mリコ・コンスタンティーノ、プロトタイプvs.ダマジャ、ロブ・コンウェイ
ダマジャ(ダニー・バシャム)、コンウェイはカラーが合っていて良い組み合わせですね。
リコ、プロトタイプもそつない試合運びだったので安定していました。
その中でダマジャが意外に躍動していたので目立っていましたね。
平均レベル。
Nリヴァイアサン、ディシプルズ・オブ・ペインvs.リコ・コンスタンティーノ、プロトタイプ、ミスター・ブラック
テンポはそこまででもないですね。
リヴァイアサンの暴れっぷりも期待を下回っている。
ただ6人という事での個性のバリエーションはあるし、そんなにマイナス面もない内容ではある。
平均レベル。
総評
OVWの団体運営の手腕にちょっと感心しますね。
団体のカラーを浸透させていますし、機能的にブックを組んでいる。
今のインディー出身、パンク、アメドラのような大きな驚きはないし、試合時間も短いけれど地味に楽しめる作品です。
(執筆日:11/23/10)
DVD Rating:★★☆☆☆
注目試合の詳細
なし試合結果
@ハードコア・マッチ:BJペインvs.フラッシュAリコ・コンスタンティーノvs.ニック・ディンズモア(DQ)
Bブロック・レスナー、シェルトン・ベンジャミンvs.ディシプルズ・オブ・シン(DQ)
Cハードコア・マッチ:ミスター・ブラックvs.ランディ・オートン
Dリコ・コンスタンティーノvs.ランディ・オートン
Eリヴァイアサン、ディシプルズ・オブ・シンvs.ニック・ディンズモア、ダマジャ、トレイラー・パーク・トラッシュ
Fフラッシュvs.リコ・コンスタンティーノ
Gリヴァイアサンvs.ショーン・キャシー、クリス・マイケルズ
Hランディ・オートンvs.リコ・コンスタンティーノ
Iロブコンウェイvs.マシーン
Jリコ・コンスタンティーノ、フラッシュvs.ランディ・オートン、ニック・ディンズモア
Kニック・ディンズモアvs.マシーン
Lタッグ王座トーナメント決勝:ディシプルズ・オブ・シンvs.リコ・コンスタンティーノ、プロトタイプ(新チャンピオン!)
Mリコ・コンスタンティーノ、プロトタイプvs.ダマジャ、ロブ・コンウェイ
Nリヴァイアサン、ディシプルズ・オブ・ペインvs.リコ・コンスタンティーノ、プロトタイプ、ミスター・ブラック