TOPアメリカン・プロレスWWE 特集DVD →WWE:WWE Top 50 Superstars of All Time Disc Two

WWE:WWE Top 50 Superstars of All Time Disc Twoの分析


名勝負 なし
好勝負 なし

@NWA王座戦:ルー・テーズ(ch)vs.アントニオ・ロッカ
 テーズの基本サブミッションへの移行はスムーズで流石です。
 ロッカはタイミング感が歪ですが、
 それが返って緊張感を持って試合に臨むという結果につながっているように見えますね。
 後半はテーズが巧みにペースをずらして観客を盛り上げていきました。
 一方でロッカの無秩序な欠点が出てしまった印象です。
 あったとしても当時の方法論ではそこまで劇的に変化はなかったでしょうが
 少なくともテーズ・プレスに対する微妙な受け身は改善しなければいけない。
 あれでフィニッシュするのは呆気ない。
 平均より少し上。

Aドリー・ファンクJr.vs.ジャック・ブリスコ
 この時代のものは完全収録の試合が残っていないのでしょうか。
 4分しかなく、不完全燃焼です。

B女子王座戦:ファビュラス・ムーラ(ch)vs.スーザン・グリーン(6/17/75)
 ムーラのばたっと倒れて受け身は良いテンポを生み出していますね。
 華のあるグリーンに良い格好をさせ、
 その後でヒールとしてベテランらしい立ち回りを見せている。
 ここまで型がきっちり出来ているからこそ
 誰にでも出来そうなボディ・プレスが決まるかどうかで大いに盛り上がっています。
 女子は男子に比べて技の迫力が劣る。
 それは事実ではあるけれど言い訳にはならない事を証明して見せた内容。
 平均より少し上。

・モハメド・アリがスカッシュ・マッチ後のゴリラ・モンスーンに突っかかり
 エアプレイン・スピンを食らって逃げていくシーンを収録。

CNWA王座戦:テリー・ファンク(ch)vs.ハーリー・レイス(2/6/77)
 これも3分しかありません。

Dボクシング・マッチ:ゴリラ・モンスーンvs.アンドレ・ザ・ジャイアント(9/23/77)
 ボクシング・マッチであるべき緊張感はなく、
 グラッジ・マッチでも良いような印象を受けますね。
 前半は余り見所はありませんでしたが
 後半になるとモンスーンの荒っぽい動きが出てきます。
 アンドレののけぞる受け身もあって盛り上がり、
 そこからの一発逆転は爽快でしたね。
 ファン・マッチとしては良いですよ。
 悪くない試合。
 
EWWWF王座戦:ビリー・グラハム(ch)vs.ダスティ・ローデス(9/26/77)
 キレの良いダスティの動きにグラハムが情けない醜態を晒す。
 関係性は悪くないのにストーリーが紡がれません。
 グラハムが逃げ出そうとしても次のシーンでは
 そんな行為がなかったかのようにロック・アップをしていたりします。 
 グラハムの打撃は間を取る意識はあるようですがワン・テンポで、
 ダスティは緩急を通り越してリズムがありません。
 そして両者共相手と波長を合わせる意識がないのでガタガタ過ぎてびっくりする。 
 ひどい試合。

FWWF王座戦:ハルク・ホーガン(ch)vs.アイアン・シーク(12/26/84)
 ホーガンがいきなり技の無駄打ち。
 シークの独特のブーツによる蹴りからシークのターン。
 ホーガンはダウンするも完全に画一的なダウンで
 その後少し攻められてもまったく状態は変わりません。
 それでいてその時が来ればハルク・アップで終わり。
 たった3分の内容とはいえ、これまでサージxシークが紡いできた
 米イラン遺恨闘争がこういう形に変質してしまったのが悲しくてならない。
 ひどい試合。

Gイリミネーション・マッチ:ロディ・パイパー、ジャンクヤード・ドッグ、リッキー・スティムボートvs.ランディ・サベージ、ハーリー・レイス、エイドリアン・アドニス(2/23/87)
 6マン・エリミネーション戦の可能性を最大限に活かしておりブック面では最大の賛辞に値する内容でした。
 まずは6マンで相性の良いアピール・ムーブと全員での乱闘を行います。
 これで2人がリングアウト。
 乱闘時に権利のない者がリングに上がってからリングアウト裁定が発表されたせいで水が刺されましたね。
 リングアナとの意思疎通が出来ていませんでした。
 通信設備が不完全だった80年代だからこその改善点でしょうね。
 これでタッグになったので、パイパーの孤立とパイパー、スティムボートの連携技を見せます。
 丸め込みからスティムボートが脱落。
 1対2のハンデ戦。ここはレイスがリングで受け、サベージが控えの立場からコントロールします。
 最後は誤爆からレイスが脱落。
 これによりサベージとパイパーの一騎打ち。
 パイパーの芝居とサベージの逃げの攻防で、最後はズルして頂き。 
 脱落ごとに各形式に変化する上にそれでストーリーをつなげている。
 見事ですね。
 ただWWFではレイス、アドニスが只のジョバーなので
 実質的に攻防で魅せれるのはサベージとスティムボートのみ。
 具体的な攻防はそこまでレベルは高くなかったですね。
 特に最後のシングルとなるとそれが目立ちます。
 パイパーの代わりにスティムボートを残すか(サベージノ抗争相手ですしね)
 パイパーで押すなら1対2の部分でパイパーをビート・ダウンすべきでしたね。
 好勝負に少し届かず。
 (執筆日:7/17/10)

Hリッキー・スティムボートvs.リック・ルード(12/26/87)
 いきなり逆上がりスポットで魅了すると
 それぞれスティムボートがアーム・ドラッグ、ルードが打撃で切る、と明確な戦略で主導権を奪い合います。
 中盤はルードがキャメル・クラッチ/ベア・ハグの2枚刀で支配しエネルギーを溜める。
 そこから勢い良く爆発させるのかと思いきや
 スティムボートの連続丸め込みで80年代とは思えぬカウント2プロレスに突入していきます。
 しかし最後は20分時間切れでヒーナンが5分延長だ、と叫ぶも結局行われずちょっとがっかり。
 まあまあ良い試合。
 (執筆日:4/9/11)

IAWA王座戦:ジェリー・ロウラー(ch)vs.カート・ヘニング(8/13/88)
 ロウラーはもはや一芸レスラーになってしまいまいたね。
 拳主体のスタイルにおいて試合の間合いは大切なものなのに随分と開けています。
 ヘニングの試合運びも微妙ですね。
 セコンドのメデューサの使い方もとても褒められません。
 ロウラーの性質を考えるともっと自由に殴らせて
 その上で抑え込む上手さを発揮していくのが良いと思いますけどね。
 ロウラーの鋭い打撃は健在で得意のMemphisスタイルに持ち込めば良い試合になったと思いますよ。
 見せ場の焦点が定まらず最後までばらばらでした。
 悪い試合。

JノーDQ:テッド・デビアスvs.ジェイク・ロバーツ(12/28/89)
 打撃の比率が多いのがノーDQって事でしょうか。
 しかし短期的に見ても効果を上げていない上
 長期的に見てもまったく+にならない行為です。
 中盤のデビアスの首攻めも退屈で時間をかける意味合いがありません。
 ダラダラした挙句技の攻防に入るかと思ったら
 ジェイクが中途半端に逃げ、凌ぐ形を取り、
 誰も興味を持っていない過程を中心に描いています。
 ひどい試合。

総評
 時代とはいえ収録試合がひどい。
 Top of All Timeであると信じさせるに足る試合を選びましょう。
 (執筆日:10/1/11)
DVD Rating:☆☆☆☆☆

注目試合の詳細

なし

試合結果

@NWA王座戦:ルー・テーズ(ch)vs.アントニオ・ロッカ
Aドリー・ファンクJr.vs.ジャック・ブリスコ
B女子王座戦:ファビュラス・ムーラ(ch)vs.スーザン・グリーン(6/17/75)
CNWA王座戦:テリー・ファンク(ch)vs.ハーリー・レイス(新チャンピオン!)(2/6/77)
Dボクシング・マッチ:ゴリラ・モンスーンvs.アンドレ・ザ・ジャイアント(9/23/77)
EWWWF王座戦:ビリー・グラハム(ch)vs.ダスティ・ローデス(リングアウト)(9/26/77)
FWWF王座戦:ハルク・ホーガン(ch)vs.アイアン・シーク(12/26/84)
Gイリミネーション・マッチ:ロディ・パイパー、ジャンクヤード・ドッグ、リッキー・スティムボートvs.ランディ・サベージ、ハーリー・レイス、エイドリアン・アドニス(2/23/87)
Hリッキー・スティムボートvs.リック・ルード(20分時間切れ)(12/26/87)
IAWA王座戦:ジェリー・ロウラー(ch)vs.カート・ヘニング(DQ)(8/13/88)
JノーDQ:テッド・デビアスvs.ジェイク・ロバーツ(12/28/89)