TOPアメリカン・プロレスWWE 1996年 →WWE:Survivor Series 11/17/96

WWE:Survivor Series 11/17/96の分析


名勝負 ブレット・ハートvs.スティーブ・オースチン
好勝負 WWF王座戦:ショーン・マイケルズ(ch)vs.サイコ・シッド

テイカーvs. マンカインド戦はこの2人にしては、いまいちの試合。
しかし注目すべきはテイカーの入場方法。
上空から翼を広げ降りてきます。

Cブレット・ハートvs.スティーブ・オースチン
 「地味ながらセンスの光る選手」なんて言い方がございますが
 実際にはそういう選手はほとんどおりませんね。
 何せセンスを光らせられないから地味なんですもの。
 「地味ながら上手い選手」、所謂仕事人と称される人達というのは結構いるものですけど。
 しかしながらこの頃のオースチンという男はまさに
 「地味ながらセンスの光る選手」そのものでございました。
 耳にタコができているかもしれませんが
 まずレスリングと喧嘩スタイルのハーモニーが美しいのですね。
 技の使い方は的確でありながら
 一方クライマックスで弓矢固めを見せる独創性を兼ね備えております。
 また、それを四大大会の出世がかかった試合でやってのけるこの度胸。
 惚れ惚れいたしますなぁ。
 場外の使い方、間も良く理解しているのでございます。
 だからこそ怪我した後もトップに留まれたのですね。
 ところで、こんなシーンがございました。
 オースチンが場外にいるブレットを攻撃していて、
 このまま続けるつもりなのですが
 その合間にリングに戻って観客にアピールしたのです。
 小さな、小さな、取るに足らない1シーンですが
 オースチンというレスラーを象徴していたように思えます。
 さてオースチンばかりを褒め称えておりましたが
 ブレットもまた素晴らしかったのでございます。
 彼の欠点に機械的な所がありますけれども
 この試合では飛躍するオースチンを認め、感嘆したようで、
 トップへの手助けをしてやろうと心を開き
 試合をこなす様はまさしく踊るようでございました。
 フィニッシュも技巧戦にふさわしい代物で
 オースチンのベスト・マッチ候補にあげられる一品でありました。
 文句なしに名勝負でございます。

EWWF王座戦:ショーン・マイケルズ(ch)vs.サイコ・シッド
 WWF王座戦は両者誤爆により、
 友情に亀裂が入ったというストーリー展開のため
 2人共ベビーフェイスのはずなのですけれども、
 シッドがHBKより歓声を浴び、HBKにブーイングが浴びせられるという異常事態になっています。
 オースチン・キャラの人気沸騰と言い
 この頃がWWEプロレスにおける近代から現代への転換期でしたね。
 試合の中身に話を戻すといつも通りHBKのキャリーが素晴らしい訳ですが
 その仕方はいつもとちょっと違っていましたね。
 自身に匹敵するスター、そして巨体なのに動けるオールラウンダーとしてスケール・アップしています。
 特にシッドの間を上手くコントロールしていたと思います。
 また観客の雰囲気を察知しアドリブでヒール寄りにスタイルを変えたのも並大抵では出来ない事です。
 只HBKがTVカメラで殴られたホセの心配をする隙を突いてのフィニッシュという
 筋書きだったために全体で見たときに違和感を生む結果にはなりましたけれど・・・。
 後はでかい事は示したけれども脅威という事は示さずに脚攻めに入ったのも惜しい構築です。
 シッドがもう少し使えればもう少し後に取って置けるんですけどね。
 それでもシッドの生涯最高試合、ぎりぎり好勝負。
 (執筆日:10/8/09)

総評
 WMの影に隠れ日の目を浴びることの無い名勝負に
 素晴らしいメイン・イベントが収録されています。
 HBK、ブレット2人共が同時にこういう試合を
 成し遂げた大会は少ないと言う意味でも
 かなり良い大会だったと思いますね。
DVD Rating:★★☆☆☆

注目試合の詳細

Cブレット・ハートvs.スティーブ・オースチン  
  オースチンは挑発の言葉を投げかけ中指を立てる。
  ブレットは動じない。
  ブレットがコーナーに押し込む。
  オースチンは体勢を入れ替えるとクリーンに離れず挑発。
  ブレットが胸を突いて離れさせる。
  ブレットがバックを取る。
  オースチンはロープを掴むとバック・エルボーを放つ。
  ブレットが避けて離れる。
  オースチンが腕を取る。
  ブレットは跳び起きると腕を取り返す。
  腕の取り合いが続く。
  オースチンはロープに振るとドロップ・トー・ホールドからヘッド・ロックへ。
  ブレットがハンマーロックに返す。
  オースチンはブレットをロープに振るとバック・エルボー。
  打撃を入れクローズライン。
  殴りつけ後ろから覆いかぶさる。
  ブレットはオースチンを前に投げると腕を取る。
  ロープに振られたブレットがショルダー・タックル。
  ロープに走る。
  オースチンがブレットを捕らえスタンガン。
  エルボー・ドロップで落としロープに喉を押し付ける。
  チョークをしたりエプロンに出してエルボーを打ち付けたり。
  コーナー上でアピールする余裕すら見せる。
  場外に落ちたブレットをエプロンに登らせるとロープを使ってジョー・ブリーカー。
  リングに戻しチン・ロック。
  離すとニー・ドロップを決めカバー。カウント2。
  チン・ロック。
  ブレットは起き上がると腹にパンチを入れ逃れようとする。
  殴り合いに。
  オースチンは打ち勝つと蹴りまくってコーナーのブレットをダウンさせる。
  ブレットを起こしコーナーに振ろうとする。
  ブレットは振り返すとクローズライン。
  アトミック・ドロップからクローズライン。
  ロープに振り腹にパンチ。
  ロープを使わないオコーナー・ロール。カウント2。
  ロシアン・レッグ・スイープもカウント2。
  ブルドッグへ。
  オースチンは押し飛ばしてコーナーにぶつけ逃れる。
  ブレットを起こすとブレーン・バスターを狙う。
  防がれ逆に持ち上げられかけるも耐える。
  ブレットを持ち上げるとコーナー上に載せスーパープレックスを狙う。
  ブレットはフェイス・バスターで落とすとダイビング・エルボー・ドロップ。
  カバーするもカウントは2。
  サイドウォーク・スラムを狙う。
  オースチンはサミングで防ぐとロープに振って勢いをつけ場外に落とす。
  エプロンからダブル・アックス。
  背中を殴りつけ鉄柱に背中から叩きつける。
  リングに戻ってアピール。
  場外に降りるとフロント・ヘッド・ロック。
  ブレットが食らいながらもオースチンを突進し柵に叩きつける。      
  柵にぶつけリングに戻す。
  オースチンは転がって反対側の場外に降りる。
  ブレットが追いエプロンからエルボー。
  オースチンはブレットの両脚を取って倒すとスリング・ショットで実況席にぶつける。
  実況席で殴りつける。
  リングに戻ってアピール。
  場外に降りるとボディ・スラムでブレットを実況席にのせる。
  エプロンからエルボーを落とす。
  リングに戻りアピール。
  ブレットをエプロンに上げるとリング内へのブレーン・バスター。
  セカンド・ロープからエルボー・ドロップを落としカバー。カウント2。
  エルボー・ドロップからカバー。カウント2。
  アイリッシュ・ウィップ。
  アピールして客を煽る。
  ブレットをロープにもたれさせるとヒップ・ドロップ。
  カバーするもカウント2。
  アブナミドル・ストレッチに捕らえる。
  ロープを悪用して威力を強化。
  レフェリーが見咎め注意する。
  ブレットを殴りつけようとする。
  ブレットはガードすると殴りつける。
  殴り勝つとロープに振りスタンガン。
  丸め込むもカウント2。
  パイル・ドライバーを決めカバーするもカウント2。
  バック・ブレーカーを決めるとコーナー上へ。
  オースチンはブレットの体勢を崩すと殴りつけていく。
  そしてトップ・ロープからのスーパープレックスを決める。
  カバーの体勢に行こうとしたオースチンの脚に
  ブレットが脚を絡めカバーの体勢に。
  オースチンはカウント2で返すと背後に近づいてきたブレットにスタナー。
  カバーするもカウントは2。
  もう1度カバーするもカウント2。
  3度目も同じ。
  殴りつけてカバーするもカウント2。
  ならばとボストン・クラブにロープを掴む。
  ブレットを起こすとコーナーで殴りつけアイリッシュ・ウィップ。
  体勢を崩したブレットは背中から鉄柱にぶつかる。
  カバーするもカウント2。
  オースチンが弓矢固めに捕らえる。
  ブレットは逃れるとシャープ・シューターを狙う。
  オースチンがロープを掴む。
  ブレットは馬乗りになって殴りつけていく。
  ロープに振りスリーパー。
  オースチンがコーナーにぶつけて逃れようとする。
  しかしブレットは離さない。
  オースチンはジョー・ブリーカーに返して逃れると
  ブレットの背後に忍び寄りミリオン・ダラー・ドリーム。
  ブレットはコーナーをコーナーを蹴ってカバーの状態に持っていき、1,2,3!
  ブレットが勝利する!
  

EWWF王座戦:ショーン・マイケルズ(ch)vs.サイコ・シッド
  シッドが初っ端から殴り倒していく。
  コーナーにもたれたHBKにボディ・ブロー。
  ロープに振られたHBKはシッドの股下を潜り抜ける。
  殴りつけていきロープに走るとクロス・ボディ。カウント2。
  グラウンド・ヘッド・ロック。
  グラウンド・ヘッド・シザースに返されるも跳ね除け張り手。
  もう1発。
  シッドはHBKを蹴りつけるとグラウンド・ヘッド・ロック。
  グラウンド・ヘッド・シザースに返されるも跳ね除け張り手。
  殴り合いに。
  シッドがHBKをボディ・リフト。
  HBKは後ろに逃れるとシッドをロープに振る。
  シッドはショルダー・スルーを狙ったHBKにパワー・ボムを狙う。
  HBKが慌てて場外に逃れる。
  しびれを切らしシッドが場外に下りる。
  HBKは逃げるとリングに入りロープに走る。
  ショルダー・スルーを狙ったシッドをコーナーに振ろうとする。
  振り返されるもカウンターで蹴りを入れると脚にクローズライン。
  脚を踏みつけニーを落とす。
  脚を蹴りつける。
  4の字を決める。
  シッドが反転させる。
  HBKがロープに逃れる。
  HBKは脚にニー。
  ニーを落とす。
  4の字を狙う。
  シッドが蹴り飛ばすとHBKはターン・バックルに激突。
  シッドがHBKの胸を蹴り上げる。
  手を取り胸を蹴り上げる。
  顔を蹴り飛ばす。
  コーナーにもたれさせると蹴りつけていく。
  距離を取ってけりかかる。
  HBKは避けるとロープに振ろうとする。
  振り返されるも低空ドロップ・キック。
  シッドの脚をリングに叩きつける。
  脚を取ろうとする。
  蹴り飛ばされるも脚を取ろうとする。
  蹴り飛ばされるも脚を取ろうとする。
  三度蹴り飛ばされ場外に落ちそうになる。
  ロープを掴んで逆上がりで戻る。
  シッドがクローズラインを叩き込んで落とす。
  場外に下りると入場口に連れて行きエプロンに振ってぶつける。
  ボディ・リフトを決めると柵の上に落とす。
  胸を蹴り上げリングに戻す。
  リングに戻しカバー。カウント2。
  ロープに振るとショルダー・スルー。
  コーナーにもたれたHBKにビッグ・ブーツ。
  背中を殴りつけ頭部にビッグ・ブーツ。
  コーナーに振るとHBKは一回転してエプロンに落ちる。
  HBKを捕らえようとする。
  HBKがロープを使ったジョー・ブリーカー。
  ダイビング・クロス・ボディへ。
  シッドは受け止めるとバック・ブリーカーに返す。
  カバーするもカウント2。
  HBKの弱点である腰に狙いをつけアイリッシュ・ウィップを決めて いく。
  殴りつけていく。
  HBKが殴り返していきボディ・スラム。
  飛び技へ。
  シッドは蹴り上げて防ぐとコブラ・クラッチに捕らえる。
  HBKはロープに手を伸ばすも崩れ落ちる。
  起き上がると殴りつけて逃れる。
  ロープに走る。
  シッドはクローズラインを避けられるも喉元を掴みチョーク・スラムを狙う。
  HBKはサミングで逃れると早いテンポの前奏からスイート・チン・ミュージックへ。
  シッドは蹴りを受け止めるとチョーク・スラム。
  そしてパワー・ボムを狙う。
  HBKがインサイド・クレイドルに返す。
  シッドはカウントは2で返すと蹴りつける。
  ロープに振りパワー・スラムを決める。カウント2。
  ロープに振る。
  HBKがフライング・フォア・アームズを決める。
  跳び起きる。
  しかしシッドは読んでいて起き上がりざまにクローズライン。
  カバーするもカウント2。
  TVカメラを奪い取る。
  止めようとエプロンに上がったホセをカメラで殴りつける。
  HBKがその隙を突きスイート・チン・ミュージッ ク。
  HBKはカバーに行こうとするも苦しんでいるホセの 姿を見て場外に降りる。
  担架を運んでくるよう指示する。
  その間に回復したシッドがHBKをリングに戻す。
  コーナーに振る。
  HBKはセカンド・ロープに飛びのりクロス・ボディへ。
  しかし避けられレフェリーに誤爆。
  HBKは再び場外に降りホセの容態を確かめている。
  シッドは背後から近づくとTVカメラで殴りつける。
  リングに戻すとパワー・ボムで1,2,3!
  シッドが新WWFチャンピオンに!

試合結果

@(S):ダグ・ファーナス、フィリップ・ラフォン、ゴッドウィンズvs.ブリティッシュ・ブルドッグ、オーエン・ハート、マーティ・ジャネッティ、リーフ・キャシディー
Aジ・アンダーテイカーvs.マンカインド(ベアラーは上空の柵の中)
B(S):マーク・メロ、バリー・ウインダム、ロッキー・メイビア、ジェイク・ロバー ツvs.クラッシュ、ジェリー・ロウラー、ゴールダスト、HHH
Cブレット・ハートvs.スティーブ・オースチン
D偽レイザー・ラモン、偽ディーゼル、ファルーク、ベイダーvs.サビオ・ベガ、ヨコズナ、フラッシュ・ファンク、ジミー・スヌーカ(ダブルDQ)
EWWF王座戦:ショーン・マイケルズ(ch)vs.サイコ・シッド(新チャンピオン!)