TOPアメリカン・プロレスWWE 2020年 →WWE:WrestleMania 36 Night One 4/4/20

WWE:WrestleMania 36 Night One 4/4/20の分析


名勝負 なし
好勝負 ボーンヤード・マッチ:アンダーテイカーvs.AJスタイルズ

コロナの影響を受け無観客での開催。2日間に分けて開催、と初物尽くしのWM。

@キックオフ・マッチ:セザーロvs.ドリュー・グラック
@女子タッグ王座戦:カブキ・ウォーリアーズ(ch)vs.ニッキー・クロス、アレクサ・ブリス
Aイライアスvs.キング・コービン
BRaw女子王座戦:ベッキー・リンチ(ch)vs.シェイナ・ベイズラー
CIC王座戦:サミ・ゼイン(ch)vs.ダニエル・ブライアン

DSDタッグ王座戦、ラダー・マッチ:ジョン・モリソン(ch)vs.コフィ・キングストンvs.ジミー・ウーソ
 ミズの体調不良に伴いタッグ対決の予定が
 代表者による3人の戦いに急遽変更になりました。

 無観客で自ずとテンポが上がる中で
 モリソン、コフィがハードコアの見栄えがするスポットを敢行。
 タッグ屋で心配していたジミーは
 少し試合運びの安定感がなかったもmのの
 気になる程ではなかったですね。

 スポット量をしっかり提供しようという
 努力・意識は十二分に伝わってくるので、
 最後、ベルトの掛けられたハンガーが取れて
 揉み合っている中で下のラダーに落下しながらベルトだけ奪取、という
 見方によってはチープなエンドも不満なく受け入れられました。

 好勝負に少し届かず。

Eケヴィン・オーウェンスvs.セス・ローリンズ
 序盤からフットワークを活かして乱戦。
 トラッシュトークを混ぜながらの
 試合運びはオーウェンスがインディー時代から
 得意としていた試合運びですね。

 その得意とするスタイルにおいても
 オーウェンスでさえ無観客の影響は受けていますね。

 しかしセスは変わらずベストの間を維持して表情を見せれていたのには驚きました。
 無観客に影響されず、いつものパフォーマンスを発揮できるか、
 という点においてはセスがこのWMにおいて一番でした。

 プロレスの理屈をしっかり持って試合を運び、
 そこにWWEらしい演出が加わってエンターテイン内容になっています。
 (DQ裁定→ノーDQで再開→セットを使ったビッグ・フライによる実況席葬)

 中々良い試合でした。

Fユニバーサル王座戦:ゴールドバーグ(ch)vs.ブラウン・ストロウマン
 白血病の持病を抱え免疫力が低下しているレインズが欠場。
 他に絵になるのはということで急遽ストロウマンが挑戦。

 スピアー、ジャックハマー、パワー・スラムの三つの技のみの構成。
 WMなのでレスナーvs.ゴーバみたいに
 スピード感を伴った大技戦の奇跡が起きるかとも思いましたが、
 そんなことも無かったですね。

 ゴーバ陥落は既定路線として
 しばらくストロウマンで回していくと決めたなら
 せめて裏必殺技披露ぐらいしてくれても、と思ったり。

 ひどい試合。

Gボーンヤード・マッチ:アンダーテイカーvs.AJスタイルズ
 Impact Wrestlingが生んだFinal Deletion。
 無観客の別セットで撮影し、
 カット撮りの中にストーリー演出も組み込む、という
 映画のアクションに寄せたプロレス。

 WWEではそのプロレスを貶すような
 作為を感じる程のひどさで再現されましたが、
 このコロナ騒ぎの中での救世主として白羽の矢を。

 Impact出身のレスラーが今WWEのスタッフに集っているのもあるでしょうし、
 テイカーが歳で制限がある中で如何に甦らせるか、という至上命題もあったでしょう。

 虫の良い掌返しですが、色々な状況が重なり、
 映像プロレスを真面目に全力で取り組むことに。

 そうなった時にWWE Studioでの映画経験も強かったですね。

 テイカーを墓掘人のギミックから解放し、
 生身に戻して素のレジェンドに戻したストーリー・ラインの中、
 この試合の冒頭でもテイカーをバイクで墓場に乗り込ませ、
 テイカーの存在を再定義します。

 そして重要なのはこの映像がどこまでいっても
 プロレス、試合足りえていて、
 それはテイカーの拳の見せ方であり、
 AJのそれに対する受け身ですね。

 この根本的な部分、如何にリアルのぎりぎり、
 プロレスの世界の法律内で相手を攻撃するか、
 そしてプロレスの世界の力学内で如何に相手を立てる為に受けの表現をするか。
 これが非常に丁寧に行われていて、
 演出依存ではありましたが、
 攻守の転換に無駄なく、理が通っていることに大変感心しました。

 元祖Final Deletionはここの部分が疎かで、
 DDTのキャンプ場プロレスのような
 エンターテイメントが先走っていましたからね。

 この試合は最後にテイカーの超常現象演出が加わっても
 レスラーと試合演出が二人三脚で歩調を合わせていました。

 18分という十分な尺もありお見事です。

 これはプロレスの試合として評価に値します。
 ぎりぎり好勝負。

 (執筆日:4/?/20)
DVD Rating:★★☆☆☆

注目試合の詳細

なし

試合結果

@キックオフ・マッチ:セザーロvs.ドリュー・グラック
@女子タッグ王座戦:カブキ・ウォーリアーズ(ch)vs.ニッキー・クロス、アレクサ・ブリス(新チャンピオン!)
Aイライアスvs.キング・コービン
BRaw女子王座戦:ベッキー・リンチ(ch)vs.シェイナ・ベイズラー
CIC王座戦:サミ・ゼイン(ch)vs.ダニエル・ブライアン
DSDタッグ王座戦、ラダー・マッチ:ジョン・モリソン(ch)vs.コフィ・キングストンvs.ジミー・ウーソ
Eケヴィン・オーウェンスvs.セス・ローリンズ
Fユニバーサル王座戦:ゴールドバーグ(ch)vs.ブラウン・ストロウマン(新チャンピオン!)
Gボーンヤード・マッチ:アンダーテイカーvs.AJスタイルズ