WWE:Hell in a Cell 10/25/20の分析
名勝負 | SD女子王座戦、ヘル・イン・ア・セル:ベイリー(ch)vs.サーシャ・バンクス |
好勝負 | ユニバーサル王座戦、アイ・クイット・ヘル・イン・ア・セル:ローマン・レインズ(ch)vs.ジェイ・ウーソ |
@キックオフ・マッチ、24/7王座戦:Rトゥルース(ch)vs.ドリュー・グラック
@ユニバーサル王座戦、アイ・クイット・ヘル・イン・ア・セル:ローマン・レインズ(ch)vs.ジェイ・ウーソ
レインズは自分の信念を元に動くキャラを色気ったっぷりに語ります。
それは近代的なステレオタイプをベースにしたヒールではなく
個人主義に基づく現代的なヒールです。
レインズの個性に基づいて、
間、視線の置き方、口語りで表現していく。
対するジェイは激情的に振舞いつつポイントで苛烈なムーブ。
このストレートさはジェイの魅力ですね。
試合のギミックとして用意したのはグローブにストラップ。
Mid Southのテイストを感じさせるネタに
オールド・ファンは歓喜してしまいますね。
ただ現代的な感覚からすると少し過激度に欠けることは否めないし、
試合も2人の個人的な感情をベースにした遺恨表現で
間もたっぷり開けて切り返しも少ないのでアクション量は限定されています。
しかしストーリー・テリングとしては唯一無二で
ジミーがジェイを庇って登場してからのレインズの千両役者っぷりにはやられましたね。
前回に続き、他にない試合で、ぎりぎり好勝負です。
とはいってもオープニング・マッチにした団体の采配には疑問が残る。
Aイライアスvs.ジェフ・ハーディ
Bザ・ミズvs.オーティズ
CSD女子王座戦、ヘル・イン・ア・セル:ベイリー(ch)vs.サーシャ・バンクス
ベイリーが持参のXマークの椅子攻撃を狙うも
サーシャにドロップ・キックで返り討ちにされ椅子はセルの外に落下。
このオープニング・シーンの精度からして素晴らしいですね。
サーシャの静かな立ち構えと激しい感情の発露。
対局性を上手く一つの身に両立させていて、
もはや神々しいといって良いレベルです。
ベイリーもブレイク当初は天性のフェイスで
ヒールとしての適性には疑問の余地もありましたが、
足と表情でかき回して場を展開させていく。
細かい所ですが、あのメイクもベイリーらしさを残しつつ
ヒールらしさを引き立てていて絶妙だと思いますね。
スポット一つ一つ手抜きなし。
攻め自体のハード・ヒット度も
受け身によるスケール・アップも齟齬なく2人で最大化できています。
序盤から竹刀にテーブル、と飛ばしていくので
過激化の中に埋もれていかないか心配していましたが、
尽きない創意工夫の数々に圧倒されましたね。
男性に見劣りしない攻防(テーブル越しに炸裂させてセルに突き刺したメテオラは大迫力)で
それを尚且つ他にないハイ・テンポで繰り広げました。
中盤、少しアイディアの物量に依存した内容になりましたが、
各種凶器を場面転換のポイントに上手く使っており、
バンク・ステートメント、Xマークの椅子で序盤の伏線に帰結させる構成も上手い。
そして最後は元親友という背景から情感的な表現で色をつけて
本当に誉める所ばかりの大激戦で30分アイアン・ウーマン・マッチに並び立つ出来。
最後のフィニッシュも素晴らしかった。
ぎりぎり名勝負です。
DUS王座戦:ボビー・ラシュリー(ch)vs.スラップジャック
EWWE王座戦、ヘル・イン・ア・セル:ドリュー・マッキンタイア(ch)vs.ランディ・オートン
オートンが変装して忍び寄る所から場外乱戦。
濃厚なヘル・イン・ア・セル3試合の中で
被らないようによく考えているのは良いですね。
しかしマッキンの攻撃性、
オートンのヒール・プレイを強調する為か
各シーンの攻守バランスを寄せていて
スロー・ペースになっていますね。
細かな仕草に見るべきものはあるものの
もう少し試合時間を短縮したいですね。
そしてオートンがペンチでセルのチェーンを切ると
セル外の攻防に再び移り、そしてセルの上へ。
しかし何故セルの上に登ったのでしょう。
ヘタレて逃げる訳ではなく、
また示し合わせて登ったと見せるには弱い表現でした。
他のHIACの試合との差別化という試合自体には関係ない理由が前に出すぎています。
セルに捕まった所からの実況席落下も
場外ではフォールできずリングまで戻らないといけないので怠い。
WMのオートンvs.エッジと同じ感覚ですね。
そして怠い試合の最後に切れ味鋭い切り返しのRKOは普通に浮きます。
これはCと入れ替えても良かった。
不必要に30分もの長尺にして凡戦。
平均レベル。
(執筆日:10/?/20)
DVD Rating:★★★☆☆
注目試合の詳細
なし試合結果
@キックオフ・マッチ、24/7王座戦:Rトゥルース(ch)vs.ドリュー・グラック@ユニバーサル王座戦、アイ・クイット・ヘル・イン・ア・セル:ローマン・レインズ(ch)vs.ジェイ・ウーソ
Aイライアスvs.ジェフ・ハーディ(DQ)
Bザ・ミズvs.オーティズ
CSD女子王座戦、ヘル・イン・ア・セル:ベイリー(ch)vs.サーシャ・バンクス(新チャンピオン!)
DUS王座戦:ボビー・ラシュリー(ch)vs.スラップジャック
EWWE王座戦、ヘル・イン・ア・セル:ドリュー・マッキンタイア(ch)vs.ランディ・オートン(新チャンピオン!)