WWE:NXT Takeover:New York 4/5/19の分析
名勝負 | タッグ王座戦:ウォー・レイダース(ch)vs.アレイスター・ブラック、リコシェ NXT王座戦、3本勝負:ジョニー・ガルガーノvs.アダム・コール |
好勝負 | ノース・アメリカン王座戦:ヴェルヴェティーン・ドリーム(ch)vs.マット・リドル NXT UK王座戦:ピート・ダン(ch)vs.ウォルター |
@タッグ王座戦:ウォー・レイダース(ch)vs.アレイスター・ブラック、リコシェ
ロウがブラックと打撃戦で漢の格好良さを演出し、
ハンソンとリコシェは軽妙な演舞を見せる。
それぞれシングルでも凄い試合をしてくれそうな程
親和性の高い攻防をしていて驚きましたね。
勿論両者個に加えてタッグとしてもレベルが高いので、
相手が良いところを見せると、
それを利用して自分の良さに繋げて、と
相互作用で高めあう理想的な展開に。
攻防に付き合いつつもレイダースの重さを伝えているのも良かったですね。
シングルとタッグの多重層感が素晴らしかった。
ぎりぎり名勝負。
Aノース・アメリカン王座戦:ヴェルヴェティーン・ドリーム(ch)vs.マット・リドル
ドリームの自由の女神モチーフの入場が秀逸ですね。
リドルのMMAスタイルを前にして
ドリームが新たな境地に入ることを求められていますが、
適切に試行錯誤を重ねていく。
ドリームのオールド・スクール・ムーブの構築に
リドルの派手なムーブがどんどん噛み合っていく。
最後のクイックまでオリジナルの攻防。
想像以上に2人の良さが出た試合でした。
文句なしに好勝負。
BNXT UK王座戦:ピート・ダン(ch)vs.ウォルター
オーソドックスなレスリングでスタート。
ウォルターが体格で圧倒する内容ですが、
丁寧すぎるぐらいにそれをセットアップしていきます。
ピートが場外ダウンのウォルターにダイビング・ダブル・ストンプを決めるも
この特別なスポットと同じくらいのインパクトを
ウォルターが通常技で巻き起こしていて
挑戦者の脅威度を引き立てている。
それでいてピートに攻められた指の痛みも丁寧に表現していて
間違いの無い中盤の構築でした。
終盤はピートも王者として攻撃性を開放。
とはいえ無闇な大技打ち合いではなく
グラウンドからの反撃に絞って道理を立てていて、
シチュエーションに沿った深みを生み出して王座交代劇レベルに到達させている。
是非リマッチでもう一戦見たい内容です。
文句なしに好勝負です。
C女子王座戦:シェイナ・ベイズラー(ch)vs.ビアンカ・ブレアvs.
カイリ・セインvs.イオ・シライ
スカイ・パイレーツを組んでいるカイリ、イオが
連携したり、パートナー対決に挑んだりと構築の肝になっていますね。
ビアンカはボディ・リフトなど驚異的なパワーを披露。
残るベイズラーは4ウェイには向かないファイト・スタイルの為、
アピールはやや他より劣っていたものの、
それでもこの4人が全員しっかり見せ場を与えられた
丁寧な管理プロレスを見せてくれました。
好勝負に届かずも中々良い試合。
DNXT王座戦、3本勝負:ジョニー・ガルガーノvs.アダム・コール
1本目。
スリリングなレスリングの演舞。
スピードを出しているものの
そのために韻のリズムは失われていない。
打撃戦からハードな攻防に転じるも
スポットは1本目ということを意識して抑え目で成立させている。
一方で構築側の論理だけでなく
観る側の期待する一新一体の攻防も両立できている。
1本目はコールが先取。
コールの正確な一撃一撃を耐えながら
ガルガーノがエプロンスピアーなど
より一段ギアを上げたスポットで反撃。
鉄柱にぶつけられた際に流血して
よりドラマチックな流れが生まれていましたね。
3本目。
コールは試合が変化・展開しても
方針・ポイントがまったくぶれないのが素晴らしい。
ガルガーノも温存していたダウン要素を解禁し、
3本目でより深く移入できるように。
一方でドラマ性を高めるだけでなく
技もエプロンへのジャーマンなど
まったくハードさを緩めません。
実況席スポット、乱入ネタ、
エンタメを織り交ぜて熱狂を生み出し、クリーンに最高の結末へ。
とはいえWMウィークエンドのTakeoverとしては演出はかなり控えめ。
試合内容含めて良くも悪くもアティテュード・エラ前のレスリング・マッチ的印象も。
そこが華やかさに欠けるも実に美しいレスリングです。
ぎりぎり名勝負。
(執筆日:4/?/19)
Rating:★★★★★
注目試合の詳細
なし試合結果
@タッグ王座戦:ウォー・レイダース(ch)vs.アレイスター・ブラック、リコシェAノース・アメリカン王座戦:ヴェルヴェティーン・ドリーム(ch)vs.マット・リドル
BNXT UK王座戦:ピート・ダン(ch)vs.ウォルター(新チャンピオン!)
C女子王座戦:シェイナ・ベイズラー(ch)vs.ビアンカ・ブレアvs.カイリ・セインvs.イオ・シライ
DNXT王座戦、3本勝負:ジョニー・ガルガーノ(新チャンピオン!)vs.アダム・コール(2-1)