TOPアメリカン・プロレスWWE 2013年 →WWE:Summerslam 8/18/13

WWE:Summerslam 8/18/13の分析


名勝負 なし
好勝負 ノーDQ:CMパンクvs.ブロック・レスナー

WWE王座戦(レフェリー:トリプルH):ジョン・シナ(ch)vs.ダニエル・ブライアン

@キックオフ・ショー・マッチ、US王座戦:ディーン・アンブローズ(ch)vs.ロブ・ヴァン・ダム

@リング・オブ・ファイヤー:ケインvs.ブレイ・ワイアット

Aコーディ・ローデスvs.ダミアン・サンドウ

B世界ヘビー級王座戦:アルベルト・デル・リオ(ch)vs.クリスチャン
 デル・リオは上半身で攻めに高低差をつけ、
 受けではヘタレさを前面に出さないことでキャラを維持している。
 小気味良い打撃での刻み、途中で挟む表情、仕草による表現も良いですね。
 一方でクリスチャン、確かな仕事をしていますが、地味で見劣りしますね。
 持ち味が被っている上、その持ち味はヒールでより出る。
 ヒールのデル・リオが攻め手に回るとなれば
 クリスチャンが飲み込まれているのも当然と言えましょう。
 また10カウント・パンチや歓声の要求といった
 盛り上がりの生み出し方もちょっと安直です。
 終盤は息の合った切り返し合戦で
 若干トーン・ダウンもあるが重厚。
 最後のフィニッシュも中々でしたね。
 中々良い試合。

Cナタリアvs.ブリエ・ベラ

DノーDQ:CMパンクvs.ブロック・レスナー
 試合開始時にレスナーがビーストとしてナチュラル・パワーを上手く見せ付けます。
 一方で相手の打撃に対しては綺麗な受身で
 強さの齟齬無く調和をもたらしています。
 パンクはダイブなどプロレスならではのハイ・フライを
 積極的に使ってスタイルの違い、力量差を明確に打ち立てました。
 MMAという枠に拘らずともシナ戦と同じくらい
 レスナーの強さを築き上げたという点で賞賛に値する。
 ただ強いレスナーをどう切り崩すかという点において
 若干深みが感じられないのが唯一残念な部分でしょう。
 どんな攻めもある程度レスナーに利いてしまっている。
 トライアングル・チョークや椅子攻撃も
 攻防の糸口としての意味合いよりも構成の妙としての意味合いが強い。
 プロレスとしてのレベルを上げるために
 しばしば犠牲になる部分ではあるけれども
 試合よりも個が先立つ部分がもう少し見たかった。
 それを除けば試合全体の展開、技の配置といった構成は
 WMでのテイカー戦と同じく一級品で目を見張ります。
 レスナーが椅子を持つシーンもHHH戦とは違って
 意味深いシーンとして豊かに描かれています。
 ヘイマンも絡んだ表情・仕草によるドラマもWWEならではで魅力に溢れている。
 文句なしに好勝負です。

Eドルフ・ジグラー、ケイトリンvs.ビッグEラングストン、AJリー

FWWE王座戦(レフェリー:トリプルH):ジョン・シナ(ch)vs.ダニエル・ブライアン
 シナは入り混じる歓声の中から使えるチャントを聞き分けて反応して見せます。
 コントロバーシャルな環境におかれ続けてきたシナならではと言えるでしょう。
 序盤のオールドスクールな型をとったレスリングの中で
 不器用な部分も出てしまうがエルボーの状態と関連性を持たせてフォローしています。
 鉄階段の上からのブレーン・バスターなど
 ハードなスポットで中盤へと盛り上げていきます。
 荒々しく固まっていないが、大きな可能性を秘めたスタートですね。
 中盤のシナのターンにおいては
 普段使わない技を織り交ぜて特別性を持たせたり、
 微妙な位置づけに置かれていることを意識して表情と間を作り出しています。
 優れた得意技の交錯と緩急作りを挟んだ後はブライアンのターン。
 シナの腕に狙いをつけていきます。
 シナが苦しげな表情でさっきの技の攻防から見せ場をずらしていますね。
 サブミッションの攻防、対等なハード・ヒット合戦で終盤とは一味違うクライマックス作り。
 積極的に様々な技に挑戦したことで特別性も生まれているが
 その分、全体的に発散している一面もあるのがネックですね。
 また最後の新技は振りがないだけにフィニッシュとして弱い。
 普通にYESロックで良かったのではないでしょうか。
 タップはできずともエルボーの状態に言い訳をつけて気を失うぐらいしても傷はつかない気がします。
 完成されていない部分もあるがシナvs.パンクと同等のエピック性を備えたメイン・イベントでした。
 文句なしに好勝負。

◆オートンが登場しケースを掲げる。そのまま去るのかと思いきや突然HHHがブライアンにぺディグリー。

GWWE王座戦(レフェリー:トリプルH):ダニエル・ブライアン(ch)vs.ランディ・オートン
 オートンがMITBの権利を行使し、カバーでカウント3。王座奪取。


総評
 アンダーカードのクオリティは低いが
 目玉となっている3試合が高いクオリティを誇り、
 中でもDとFはワン・ナイト・オンリー感が強いだけに必見。
 今年のWWEのPPVの中ではベストです。
 (執筆日:8/?/13)
DVD Rating:★★★★☆

注目試合の詳細

なし

試合結果

@キックオフ・ショー・マッチ、US王座戦:ディーン・アンブローズ(ch)vs.ロブ・ヴァン・ダム(DQ)
@リング・オブ・ファイヤー:ケインvs.ブレイ・ワイアット
Aコーディ・ローデスvs.ダミアン・サンドウ
B世界ヘビー級王座戦:アルベルト・デル・リオ(ch)vs.クリスチャン
Cナタリアvs.ブリエ・ベラ
DノーDQ:CMパンクvs.ブロック・レスナー
Eドルフ・ジグラー、ケイトリンvs.ビッグEラングストン、AJリー
FWWE王座戦(レフェリー:トリプルH):ジョン・シナ(ch)vs.ダニエル・ブライアン(新チャンピオン!)
GWWE王座戦(レフェリー:トリプルH):ダニエル・ブライアン(ch)vs.ランディ・オートン(新チャンピオン!)