TOPアメリカン・プロレスWWE 2012年 →WWE:TLC 12/16/12

WWE:TLC 12/16/12の分析


名勝負 なし
好勝負 TLCマッチ:ライバック、チーム・ヘル・ノー(ケイン、ダニエル・ブライアン)vs.ザ・シールズ(ローマン・レインズ、セス・ローリンズ、ディーン・アンブローズ)

@#1コンテンダーズ・テーブルズ・マッチ:レイ・ミステリオ、シン・カラvs.ローデス・スカラーズ
AUS王座戦:アントニオ・セザーロ(ch)vs.Rトゥルース

◆Miz TV。3MBがゲスト。3MBがスペイン語実況者に絡み、そこからデル・リオと揉め乱闘に。3MBとミズ、デル・リオが試合を行うことに。ミズは3人目のパートナーに当てがあるという。

BIC王座戦:コフィ・キングストン(ch)vs.ウェイド・バレット

CTLCマッチ:ライバック、チーム・ヘル・ノー(ケイン、ダニエル・ブライアン)vs.ザ・シールズ(ローマン・レインズ、セス・ローリンズ、ディーン・アンブローズ)
 シールズのデビュー戦。
 ケインxレインズ、ブライアンxセス、ライバックxアンブローズを軸に
 要所ではライバックに対して3人で当たる、という構成です。

 セスはROHでの実績があるように試合運びの良さは織り込み済み。
 ということで今回はシールズに合わせたキャラ作りの仕草が出来ていたことを褒めたい。
 マイク・アピールが依然課題になるでしょうね。
 アンブローズはライバックを相手にCZW時代と同じく受け、顔芸の妙を見せました。
 攻め方も適切で、技の始動とインパクトをずらす工夫も良い。
 初めて見るレインズですが、まず容姿が素晴らしいですね。
 シールズのコスチュームが映えます。
 そして見かけだけかと思いきや拳受けや表情でも良いところを見せていました。
 周囲の把握力の強いセス、アンブローズに遅れず試合の展開についていっていたし、
 シールズとして活動していく中でセス、アンブローズから盗み取って成長していけば将来有望かもしれませんね。

 一方のライバック組み。
 ライバックのパワー・ハウスは楽しかったですね。
 なんだかんだいってトルネード形式の試合においてこういう存在は大切です。
 ただ中盤の攻め通しのシーンはやや単調。
 もう少しアピールを挟んでアクセントをつけるべきです。
 また実況席葬後の復活シーンにおいてはもう少し手負い感を出さなくてはいけません。

 ブライアンは感情ののった攻めで観客との一体感が素晴らしい。
 単純にYES/NOムーブメントでは成立しえない、観客の動向を察知し、それを動かす術を持っているからこそのものです。

 ケインはライバックがチームメイトにいることもあって便利屋扱い。
 特別目だった活躍はしていませんがブライアンをパートナーにタッグ・チームとして一定以上の貢献をしました。

 終盤はフェンス破壊スピアーやコーナー上テーブルに立ってからのスーパープレックスなど
 様々なスポットを盛り込んで派手に、そして混沌と盛り上げて締めました。
 混沌とさせたために、やや発散していた部分もあるがある程度は仕方ない。
 完璧とは言えないがこれ以上望むべくもない素晴らしい一戦。
 文句なしに好勝負です。

Dディーバズ王座戦:イヴ(ch)vs.ナオミ
E世界ヘビー級王座戦、チェアー・マッチ:ビッグ・ショー(ch)vs.シェーマス
Fザ・ミズ、アルベルト・デル・リオ、ブルックリン・ブロウラーvs.3MB

GMITBラダー・マッチ:ドルフ・ジグラー(ch)vs.ジョン・シナ
 序盤、ジグラーがシナと同じ土俵にあるかのようにアピールできていたのは良いですね。
 Let's go Cena, Cena Sucksのチャントが起きても崩れなかった。
 シナがモンキー・フリップをみせたりと軽快な動きで先手を取ります。
 ジグラーは受身自体は派手ですが、
 受身を取った後の体の立て直し方、起き方といった所にはまだ十分気を払えていない感がありますね。
 中盤以降のラダー・マッチ部分。
 ラダーに関して特筆すべきスポットや上手い扱いがあった訳ではないですが
 ラダーのリアルに痛い攻防とスリーパーのような仮想的な攻防のバランスは取れているので良質。
 終盤はラダーごとジグラーを担ぐといったシナのパワーを見せるシーンが目を引きます。
 5シャッフル・ナックルのシークエンスへの入り方もユニークでしたね。
 型を脱して自由度の高さに魅力を移している2012年のシナに対して
 ジグラーも合わせて中々良い攻防を見せました。
 シナが疲弊感を付随させていたのに対し、ジグラーは十分にできておらず表現力をまだ伸ばす必要がありますね。
 最後はAJが絡んできましたが、AJに落とされたシナに間髪入れずスーパー・キックを叩き込むシーンはインパクトがあり、
 AJに全てを持っていかれずに終えることができました。
 ジグラーはまだまだメイン・イベンターとしては
 プロレスを今のスタイルとは別の観点からも見つめ直し成長する必要はあるが
 シナと同じリングに立ってメインとして十分な試合をしたことはその最初の1歩として十分に評価できます。
 好勝負に届かずも中々良い試合。

総評
 ハードコア・マッチが複数あるので当然楽しめるPPVにはなるだろうと予想していましたが、
 怪我の功名で生まれたシールズ・デビュー戦が必見の内容に。
 メインも幸先の良い試合です。
 ショーにとってキャリア一の抗争となったvs.シェーマスはチェアー・マッチという
 いまだ成功事例のない形式とあって予想通り普通の試合に落ちてしまいましたけどね。
 良質な大会です。
 (執筆日:12/23/12)
DVD Rating:★★☆☆☆

注目試合の詳細

なし

試合結果

@#1コンテンダーズ・テーブルズ・マッチ:レイ・ミステリオ、シン・カラvs.ローデス・スカラーズ
AUS王座戦:アントニオ・セザーロ(ch)vs.Rトゥルース
BIC王座戦:コフィ・キングストン(ch)vs.ウェイド・バレット
CTLCマッチ:ライバック、チーム・ヘル・ノー(ケイン、ダニエル・ブライアン)vs.ザ・シールズ(ローマン・レインズ、セス・ローリンズ、ディーン・アンブローズ)
Dディーバズ王座戦:イヴ(ch)vs.ナオミ
E世界ヘビー級王座戦、チェアー・マッチ:ビッグ・ショー(ch)vs.シェーマス
Fザ・ミズ、アルベルト・デル・リオ、ブルックリン・ブロウラーvs.3MB
GMITBラダー・マッチ:ドルフ・ジグラー(ch)vs.ジョン・シナ