TOPアメリカン・プロレスWWE 2012年 →WWE:Money in the Bank 7/15/12

WWE:Money in the Bank 7/15/12の分析


名勝負 なし
好勝負 なし

@世界ヘビー級王座MITBマッチ:クリスチャンvs.サンティノ・マレラvs.シン・カラvs.タイソン・キッドvs.コーディ・ローデスvs.ドルフ・ジグラーvs.テンサイvs.ダミアン・サンドウ
 まず個々で見ていくと・・・
 テンサイはステップが体格に比べ小刻み過ぎる。
 自分の存在をアピールしないといけないのに
 本領ではないラダーを最初に入れているようでは駄目。
 後半の攻防も完成度が低かった。
 ビガロみたいにポテンシャルが食いつぶされている印象ですね。
 マレラはコブラが高所恐怖症というのがネタ過ぎる。
 せめてRawの中で前振りがあれば。
 サンドウは意外に見せ場が多かったですね。
 悪くない印象ですが現状では只見せ場を多く用意されただけで
 自分から見せ場を作り出すとか、大きく盛り上げる、ということは難しそうです。
 キッドはいつもながら完成度の高い動きで
 無茶な要求にも応えて挑戦的なスポットをこなしていました。
 後の面子は8人という状況上
 活躍の場面が限定されていることもあって良くも悪くもない感じです。

 試合としては多少波がありつつも一定の仕事をする彼らが
 8人という数を活かして密度で勝負してきました。
 小柄なものの逆に3人一斉にラダーから落ちたりしてインパクトは十分。
 危なっかしい場面がチラホラありますが
 それが観る側に引っかかって結果的に単なるスポット・フェストになることも防いでいる。
 オープニング、試合の意図としては上出来なんでしょう。
 中々良い試合。

◆ミズが登場しWWE王座MITBへの挑戦を表明。

A世界ヘビー級王座戦:シェーマス(ch)vs.アルベルト・デル・リオ
 デル・リオが同じくらいの体格とあって
 最近の序盤で怪物設定を確立するという方法論が使えません。
 デル・リオも行動を躊躇していて序盤はどちらも得していません。
 形をつけた展開でデル・リオが支配する中盤に。
 この中盤は打って変わって良かったですね。
 デル・リオの支配と一口に言っても
 その戦局は自在に表現されていて
 シェーマスの力強い動きとデル・リオのハード・ファイトが相互に良い影響を与えています。
 終盤も延長線上にあるので雰囲気は良い。
 ただシェーマスの反撃が強引過ぎるきらいがありますね。
 キャラのカラーもありますが、試合を少し壊している。
 平均的な良試合。
 
 試合後デル・リオがシェーマスを襲撃。ジグラーが現れバンクでデル・リオを殴りつける。MITBを使おうとするもシェーマスにブローグ・キックを食らい未遂に終わる。

Bプリモ、エピコvs.ダレン・ヤング、タイタス・オニール
 プリモらは安定の動きですね。
 一方のヤングらは動きこそ阻害していませんが
 自分に主導権が移ると試合を停滞させています。
 特にアピール・ムーブが散漫なのがその印象を助長させていますね。
 終盤らしい攻防もなく決着し見応えはない。
 悪い試合。

CWWE王座戦、ノーDQ:CMパンク(ch)vs.ダニエル・ブライアン
 序盤は何度も戦っている割に攻防が小さく
 流れも場面と一致していない印象がありました。
 AJが巻き込まれて一時退場した後は
 凶器の力を借りてノーDQマッチの体裁を仕上げます。
 ハードでベース・ラインを押し上げているものの
 特に凶器の必然性は感じませんでしたね。
 AJが復帰してくると、悪女として2人を翻弄します。
 どちらにも肩入れしないという点は新しく面白かったものの
 ドラマ・パートだということを意識し過ぎて
 間が長くなり冗長な印象を与えてしまったのは難。
 これまで通り、ずば抜けてクオリティの高い数え歌だったけれども
 数え歌の中で見るとネガティブな面が目立ちました。
 好勝負に少し届かず。

Dハンデ戦:ライバックvs.カート・ホーキンス、タイラー・レックス
 レックス相手とはいえライバックのやられ具合は疑問ですね。
 これまでスカッシュ・マッチばかりで数をこなしていないのでしょうが
 反撃への流れもいまいちで微妙でした。
 来るべき本番の前に修練が必要ですね。
 悪い試合。

Eレイラ、ケイトリン、タミーナvs.べス・フェニックス、ナタリア、イヴ・トーレス
 何も意識に入ってこない攻防。
 トリオで3分という時間設定から無理がありますね。
 レイラの動きは多少切れているな、という印象が残るも、ひどい試合。

FWWE王座MITBマッチ:ジョン・シナvs.ビッグ・ショーvs.クリス・ジェリコvs.ケインvs.ザ・ミズ
 4ウェイでSDと差別化されるはずがミズが加わり5ウェイに。
 結局こちらも物量作戦の色合いが濃いですね。
 ケインとビッグ・ショーのビッグ・マンという要素があり、
 その中でビッグ・ショー>ケインという色合いになっているのは良いことです。
 しかしシナへの拒否反応を恐れてか
 ショーとシナの対決を目玉に据えられていませんし(前回のPPVからするとなった所で、という気はしますが)
 実況席AAでショーが一時脱落する展開が余りに早すぎる。
 これではジェリコ、ミズが犠牲者として何者でもなくなっただけ、という印象が強い。
 後半は必殺技を無駄打ちしたりと安直な見せ場作り。
 誰が役割を務めるかある程度分かっているので機能はしているが
 こじんまりとしていて大きな見せ場もなかった。
 最後のエンディングも目新しいだけでインパクトの面からするとそんなに効果的とも思えず。
 平均的な良試合。

総評
 MITBがメインを取ったりと構成が悪く、
 1つ1つとってみても去年が素晴らしすぎただけに見劣りする。
 パンクvs.ブライアンの数え歌は見逃せないといえば見逃せないものの・・・。
 (執筆日:7/19/12)
DVD Rating:☆☆☆☆☆

注目試合の詳細

WWE王座戦、ノーDQ:CMパンク(ch)vs.ダニエル・ブライアン
 パンクがブライアンのけりを受け止めドラスク。ブライアンが場外でパンクをフェンスにぶつける。リングでけりつける。チョップの打ち合い。蹴り合い。パ ンクがブライアンを落としトペ。ブライアンが花道でブレーン・バスターを狙う。パンクが耐えフェンスにぶつける。ブライアンがパンクを押すとエプロンの AJが巻き込まれる。
 その隙を突いてブライアンが飛びかかる。AJがセキュリティに運ばれバック・ステージへ。ブライアンがエプロンからフライング・ニー。パンクがカウン ターで観客席へのショルダー・スルー。フェンスを跨がせダイビング・クローズライン。テーブルを取り出す。その隙を突きブライアンが襲いかかる。竹刀を持 ち出してパンクにたたきつけて行く。何度も叩きつける。ブライアンが優位に試合を運ぶ。ダイビング・ヘッド・バッドは自爆。パンクがハイ・ニーにパワー・ スラムと追い込む。カウント2。ブライアンもロメロ・スペシャルを決めたりと負けていない。パンクがなんとか逃れると竹刀を連打。パンクがコーナー上のブ ライアンを捕まえスーパープレックス。
 AJが戻ってくる。リングの中でスキップ。椅子を取ってきて中央に置く。パンクとブライアンが取りに行く。一足早く手に入れたブライアンが椅子を連打。カウント2。AJに言葉を投げかける。その隙に丸め込まれるもカウント2。パンクに蹴りを連打。
パンクがカウンターでクローズライン。椅子を連打で仕返し。ブライアンが隙を突いて串刺しドロップ・キック。竹刀を取りに行くもAJが踏みつけて渡さな い。AJは笑顔。パンクがハイ・キック。椅子付ボディ・スラムからダイビング・エルボー・ドロップにいくもかわされ自爆。ブライアンがYESロック。竹刀 も加えて締め上げる。パンクが逃れスリング・ショット。GTSを決める。カウント2。パンクはAJを見つめている。場外からテーブルを持ってきてリングに 立てる。ダイビング・エルボー・ドロップでテーブル葬を狙う。ブライアンが起き上がりパンクの体勢を崩す。スーパープレックスを狙う。パンクが下にすり抜 けると同時に体勢を崩す。そして雪崩式バック・ドロップでテーブル葬。カウント3。
[Winner:CMパンク(27:53)]

試合結果

@世界ヘビー級王座MITBマッチ:クリスチャンvs.サンティノ・マレラvs.シン・カラvs.タイソン・キッドvs.コーディ・ローデスvs.ドルフ・ジグラーvs.テンサイvs.ダミアン・サンドウ
A世界ヘビー級王座戦:シェーマス(ch)vs.アルベルト・デル・リオ
Bプリモ、エピコvs.ダレン・ヤング、タイタス・オニール
CWWE王座戦、ノーDQ:CMパンク(ch)vs.ダニエル・ブライアン
Dハンデ戦:ライバックvs.カート・ホーキンス、タイラー・レックス
Eレイラ、ケイトリン、タミーナvs.べス・フェニックス、ナタリア、イヴ・トーレス
FWWE王座MITBマッチ:ジョン・シナvs.ビッグ・ショーvs.クリス・ジェリコvs.ケインvs.ザ・ミズ