TOPアメリカン・プロレスWWE 2012年 →WWE:Elimination Chamber 2/19/12

WWE:Elimination Chamber 2/19/12の分析


名勝負 なし
好勝負 なし

@WWE王座戦、イリミネーション・チェンバー:CMパンク(ch)vs.クリス・ジェリコvs.コフィ・キングストンvs.Rトゥルースvs.ザ・ミズvs.ドルフ・ジグラー
 パンク対コフィ。
 丸め込みの応酬、多重ロープ・ワーク、
 攻防を行ないながらの鉄床の利用。
 確かに初手の風呂敷の広げ方としては良いかもしれません。
 只それ自体で強烈に惹きつける程のレベルではないですね。
 3番手ジグラー。
 ジグラーは遺恨とアピールを使い分けていますね。
 完璧とは言わないまでも安心して任せられるレベルです。
 この時間帯でも比較的攻防を前面に出していましたね。
 4番手トゥルース。
 大技を出す契機になっています。
 パンクが緩急を操りトゥルースを上手く仕留めます。
 オープニングとコフィと対等な攻防をやっていたので
 ここで今一度王者であることを再確認させる展開は有効です。
 コフィがラダー戦と同じくECでもスポット要員として
 一手に任せられていると感じさせるムーブを出してきました。
 5番手ミズ。
 去年のマッキンのように暴れ回ります。
 ただ理、キャラの裏打ちがまったくない訳ではないが不完全。
 こずるい戦略家のようでいて強烈な打撃で支配するドミネイターのようでもある。
 感情を出すための間を起き上がる前に入れるべきところで起き上がった後に入れたり。
 どうもミズはいけませんね。
 その場凌ぎの格好付けが多いのです。
 まあ絵を作れるのも才能ではあるのですが、
 図らずもWMのメインを張ったのですからもう少し上の次元で試合できるようにそろそろならないと。
 この辺りからスポットライトの外の選手のダウン時間の長さが目立ってきました。
 最後はジェリコ。
 ジェリコはもっさりとした動き。
 パンクも蹴りを繰り出すもそれをベースで使っていた時のような勢いは生み出せず。
 ジェリコがジグラー、コフィ(その前にケース上ダイブで最後のお仕事)を脱落させ
 脅威であることを台本によりアピールした後、アクシデントを装ってKO。
 WM前の演出としては素晴らしいと思いますが
 そのリング・ワークはとても褒められたものではなく
 (KOするスポットに関してはお見事でしたが)WMが心配になってきました。
 先日パンクvs.ジェリコの一連の試合を扱いましたが、現時点では初戦のレベルです。
 ジェリコが回復する可能性、もしくは一時離脱する振りの可能性もあり
 微妙な雰囲気に包まれる中で最後はパンクとミズの攻防。
 ミズの上記で挙げた欠点がジェリコのKOがリアルのアクシデントで
 ミズがそれを取り繕おうと焦っているような印象を与え演出に一役買いましたが、
 裏を返せば当然最後の攻防を行なうレスラーとしては思えない活躍ということです。
 平均的な良試合。

Aディーバズ王座戦:べス・フェニックス(ch)vs.タミーナ
 タミーナは戦士の雰囲気を作り上げることができていますね。
 まだ技にいく際確実な動きが出来ず、技を決めた印象が残らないのが課題です。
 雰囲気までは出来ているのに攻めのイメージが残らないのは勿体無いですよ。
 スーパーフライ関連の動きは素晴らしかったですね。
 親父さん顔負けのオーラを放っていました。
 ベスの試合運びは次第点。
 もう少し受けに回っても良いだろうし、構成は少々強引でした。
 悪くない試合。

◆ローリネイティスが私をRaw、SD両方の永久GMにすべきだと提案。
デル・リオ、ヘンリー、クリスチャンと続いて登場しその案に同意する。

B世界ヘビー級王座戦、イリミネーション・チェンバー:ダニエル・ブライアン(ch)vs.ウェイド・バレットvs.グレート・カリvs.サンティノ・マレラvs.ビッグ・ショーvs.コーディ・ローデス
 バレット対ショー。
 レスリングができない条件化であることは同情しますが
 バレットはいちいちショーの攻めに倒れ、
 ショーを攻略しようとする戦略は小兵のそれ。
 ジョバー並に自身の価値を落としています。
 エキサイティングなアクションには程遠く、
 実際Boringチャンとが起きてしまっています。
 3番手にコーディが入りますがバレットと同じようにショーの前に倒れる。
 まったくもって試合を固定して邪魔で仕方ない
 ショーの存在が揺るぎません。
 ブライアンへの怒りに狂っていることを示す前振りを示す必要があるとはいえ
 1番手に選んだことが間違いです。
 4番手はぎりぎりかもしれませんが、3番手で何の問題があったでしょうか。
 偶然の合体技によりショーが一時はけてからは
 バレットとコーディがヒール対決ながら激しいものを見せ、
 ショーも全体の一部として機能するようになってきました。
 4番手はマレラですが只のサンドバッグでした。
 続いて5番手はカリですがショーと同じ役しかできない上に
 ショーのスピアー一発でカウント3脱落。
 ここまであからさまな数合わせも見たことがない。
 TNAに刺激されインドのマーケットを意識しているのでしょうが
 それならインパクトが相当落ちますがマハルの方がましなのでは。
 ここまでの前半パートはとても良い試合とは言えず
 平均レベルも言っているかどうかのレベルでした。

 しかし後半から化けていきます。
 まずショーが5分経過を待たずしてブライアンのケースに詰め寄ると
 ケース上の鎖を壊して乗り込んでいきます。
 そのシーンはまさに怪物映画のそれ。
 この1シーンのために20分も犠牲にしたのかと溜息も出ましたが
 同時に最高に盛り上がったことは否定できません。
 コーディ、バレットがショーを攻略していくカタルシスも素晴らしかった。
 ショーが脱落、続いてコーディも不意を突いた丸め込みで脱落。
 ブライアンvs.バレットvs.マレラ。
 ベビーフェイスがマレラ一人でどうするのだろうと思っていたら
 ショーが脱落した途端ブライアンがベビーフェイス面し始めます。
 お見事です。
 ここからはバレットが序盤が嘘のように輝き始めます。
 素晴らしく苛烈な攻めを見せます。
 マレラは相変わらず何もしていませんが
 バレットの脅威性を描くのにマレラという3人目の存在は役に立っていましたね。
 バレットが脱落し最後はまさかのブライアンvs.マレラ。
 ここでブライアンが再びヒール調に転じる七変化。
 マレラも何もせず只くらい続けてきたことで
 WWE版マイキー・ウィップレック的存在になっており最後でしっかり魅せてくれました。
 後半は実に面白かったです。
 平均すると全体の評価としては中々良い試合ですね。

CUS王座戦:ジャック・スワガー(ch)vs.ジャスティン・ガブリエル
 ガブリエルが普通にジョバー・モードです。
 短すぎて流れを作ろうとしても無茶苦茶になる。
 普通にスワガーが勝利で何のために組まれたか首を傾げます。
 まあ試合数が4試合では体裁が整わないというつまらない理由でしょうけれども。
 ひどい試合。

Dアンビュランス・マッチ:ジョン・シナvs.ケイン
 シナは倒れた後の補佐的動作で彼独自のダメージ感を維持しつつ
 序盤でいきなりダウン・モードになるという欠点を克服している。
 ケインは前回不完全だったが乱戦向きににスタイルをより完成させたものにしている。
 ただ通常決着できない&決着シーンが入場口前の救急車という制限要素を克服できてはいない。
 取りあえず車椅子や担架を使いながらリング→入場口前→観客席と一周する乱戦で楽しませてはいます。
 シナが一方的に凶器攻撃を連打し、
 実況席葬を狙うべく鉄階段を上っていく様はなにやら象徴的ですが
 ハードコア回帰につながったとは言い切れない内容に留めている。
 意図的にどちらとも取れるようにしたのかもしれませんけどね。
 問題はメインにしたってことです。
 ここで敢えてメインにしたってことは何らかの演出があるだろう、と予測するのが当たり前。
 しかしどっちつかずの中途半端なファン・ハードコア・マッチで
 Rawで散々絡んできたライダー、イヴは姿一つ見せない。
 ケインに勝利したということでライダー、イヴのサイド・ストーリーを放って
 ロック戦の方に向くストーリーが始まっても目を疑わない駄目っぷりです。
 最後も乱入者がないなら横のセットではなく救急車の天井に落として突き破る演出にしたら良いのに。
 平均レベル。

総評
 両イリミネーション・チェンバーともストーリー関係の演出は良いですが
 それが試合に与える影響をカバーできず失敗した印象を受ける内容に。
 そしてそれを抑えてわざわざメインにしたシナvs.ケインは逆に演出に乏しく、これまた満足感に乏しい。
 (執筆日:2/20/12)

DVD Rating:☆☆☆☆☆

注目試合の詳細

なし

試合結果

@WWE王座戦、イリミネーション・チェンバー:CMパンク(ch)vs.クリス・ジェリコvs.コフィ・キングストンvs.Rトゥルースvs.ザ・ミズvs.ドルフ・ジグラー
Aディーバズ王座戦:べス・フェニックス(ch)vs.タミーナ
B世界ヘビー級王座戦、イリミネーション・チェンバー:ダニエル・ブライアン(ch)vs.ウェイド・バレットvs.グレート・カリvs.サンティノ・マレラvs.ビッグ・ショーvs.コーディ・ローデス
CUS王座戦:ジャック・スワガー(ch)vs.ジャスティン・ガブリエル
Dアンビュランス・マッチ:ジョン・シナvs.ケイン