TOPアメリカン・プロレスWWE 2011年 →WWE:Over the Limit 5/22/11

WWE:Over the Limit 5/22/11の分析


名勝負 なし
好勝負 なし

@Rトゥルースvs.レイ・ミステリオ
 お互い一進一退を意識しているものの
 ミステリオはラフな部分を上手く上塗りできていないし、
 トゥルースはマイク・アピールに比べ観客を見ていない煽り。
 両者の間にリズムが流れない関係性の中、不十分な攻防を細々と行っています。
 少し悪い試合。

AIC王座戦:ウェイド・バレット(ch)vs.エゼキエル・ジャクソン
 バレットの拳は特徴的だがそれにしたってエゼキエルは押されすぎ。
 一方でスポットでは大袈裟にパワー・アピールをするからこそ、そこに実態がない事が目立つ。
 バレットとの関係性に目を瞑っても試合運びが滅茶苦茶。
 目の前の技のデフォルメに気を取られすぎていて流れが生めていません。
 スポットがベース・ラインで埋もれていく、ひどい試合。

Bシン・カラvs.チャボ・ゲレロ
 シン・カラの多彩なムーブがこれでもかと見られます。
 しかしこういうのは攻め/受けが一致してこそ成り立つ。
 チャボのメヒコ出身というバックグラウンド、ジョバー経験から
 このカードならいけると見込んだのでしょうがその期待は大いに外れる。
 ミスティコはムーブ後の間をアメリカ仕様に矯正しようとして乱れているし、
 チャボは相手の流れの作り方をまったく理解できず。
 2人の間のリズムは只々ひどく1つのスポットたりとも扱いきれていませんでした。
 最後もミスティカを狙ったのか知らないがフィニッシュをミスする始末。
 ひどい試合です。

Cタッグ王座戦:ビッグ・ショー、ケイン(ch)vs.CMパンク、メイソン・ライアン
 バティスタもどきのライアン。
 パワー・アピールをしなければならないのは分かるが
 ロープに走ったケイン相手に逆ショルダー・タックルなんてやりすぎ。
 こういうのは実態から離れすぎると本来の効果をなしません。
 そのくせ思ったほどアピールできずに終わります。
 また一方でパンクも割を食っている。
 まるでジョバーのような小物っぷりです。
 パンクの追悼ダイビング・エルボー・ドロップだけの内容。
 ひどい試合です。

Dブリエ・ベラvs.ケリー・ケリー
 ケリーは支離滅裂。
 ブリエは腕に狙いをつけて恰好をつけている気かしらないが
 ただ停滞させているだけで信じられないクオリティの低さです。
 少なからず経験を積んだWWEレスラーとは思わない内容。
 ひどすぎる試合。

E世界ヘビー級王座戦:ランディ・オートン(ch)vs.クリスチャン
 オートンはSDの試合と同じく素晴らしい状態を保っている。
 ヘッド・ロック時の観客見渡しは
 完全に掌握しているからこその動きです。
 表現的でありながらアスリート的です。
 クリスチャンは前回よりスムーズに絡めている点で良いものの
 試合はオートンの世界で貢献度は余り高くない。
 クリスチャンは上位で試合を作れば魅力的です。
 相手が可能性を出し、広げても成立させる力があるから。
 しかし自ら上位に立てる力はない。
 そして下位になった時彼のオーソドックスなスタイルは
 マイナスを犯さないという事以上の意味を持ちません。 
 型を活かすにしてもオートンはそこまで合意していません。
 何故って今の彼には可能性が360度広がっているから。
 クリスチャンが食い込んだ分終盤の攻防は密度が前回より落ちているが、
 PPVという事でより長い時間が取られており、スピアーも極めて有用な形で使われていました。
 結論としてはクリスチャンがより活躍した結果±0。
 前回と同じ、好勝負に少し届かず、って評価です。

Fキス・マイ・フット・マッチ:ジェリー・ロウラーvs.マイケル・コール
 コールは1回手を出しただけでロウラーがスカッシュ。
 わずか3分です。
 まあ妥当ではありますね。
 しかし3回続けた挙句にこんな形に落ち着くのはどうかと。
 長すぎれば文句を言いますがもう少し何かハッタリかませるネタは無かったのか。
 ひどすぎる試合。

GWWE王座戦、アイ・クイット・マッチ:ジョン・シナ(ch)vs.ザ・ミズ
 ノー・ルールだからと試合開始時からライリーが参加。
 メインをハンデ戦にするなんて正気の沙汰じゃない。
 確かに可能性はあるにはある。
 アイ・クイット・マッチという形式上観客はサブミッションに注目する。
 サブミッションの一定時間をかける必要性とライリーの阻害要素を
 上手く均衡させれば3ウェイのような形でスリリングな攻防を生み出せるでしょう。
 しかしその唯一の可能性は開始数分で限界を迎え放棄される。
 後はミズ、ライリーによる変化の乏しい甚振り。
 単なる絵作りでしかない上、映画のようにカットされないので実にグダグダ。
 金であるはずの時をここまで浪費し散らされた事はない。 
 またやっている事がやっているだけにシナの反撃方法も不自然且つ効果的ではない。
 いやシナが悪いとか言うのではなく、
 こんな極端では誰であろうと納得させる調整を見せる事は出来ないでしょう。
 そしてオチはロックXマンカインドの流用からで何の驚きもない。
 頭を抱えざるを得ない内容。
 WWEメインというシチュエーションを考えると年間最低試合候補と呼んでも差し支えあるまい。
 ひどすぎる試合。

総評

 (執筆日:5/23/11)
DVD Rating:☆☆☆☆☆

注目試合の詳細

なし

試合結果

@Rトゥルースvs.レイ・ミステリオ
AIC王座戦:ウェイド・バレット(ch)vs.エゼキエル・ジャクソン(DQ)
Bシン・カラvs.チャボ・ゲレロ
Cタッグ王座戦:ビッグ・ショー、ケイン(ch)vs.CMパンク、メイソン・ライアン
Dブリエ・ベラvs.ケリー・ケリー
E世界ヘビー級王座戦:ランディ・オートン(ch)vs.クリスチャン
Fキス・マイ・フット・マッチ:ジェリー・ロウラーvs.マイケル・コール
GWWE王座戦、アイ・クイット・マッチ:ジョン・シナ(ch)vs.ザ・ミズ