TOPアメリカン・プロレスWWE 2010年 →WWE:Survivor Series 11/21/10

WWE:Survivor Series 11/21/10の分析


名勝負 なし
好勝負 なし

@US王座戦:ダニエル・ブライアン(ch)vs.テッド・デビアス
 ブライアンは外さないですね。
 技の理解と流れの作り方は抜群で
 効果的な1つのスポット、シーンによって試合を展開する事が出来ている。
 また今回から適用した?レベル・ロックの入り方が良いですね。
 過程で楽しめますし、ジャベのようなテクニカルな趣があります。
 一方でデビアスは間が長すぎます。
 1つの技にインパクトがあるならまだしも現状において彼は中途半端なオールラウンダーでしかありません。
 ミリオン・ダラー・ストリートもブライアンのカウンターの仕方によってフィニッシャー化していたから良い物の・・・。
 どちらにとっても悪くはならない結果を出しているが、弱めの内容。
 まあまあ良い試合。

Aジョン・モリソンvs.シェーマス
 モリソンは凶器こそ使わないがハードコア・スタイルと呼ぶべき物で再び自分の道を見出している。
 しかしその魅力が完全に引き立て役に回っていて十分輝いていない。
 相手に対して受けるのは良い。
 しかし自分の価値を考えると、こういう受けをするならもうひとつ避けを入れるべきだし、
 相手に支配されているシーンではもがく必要がある。
 受けは受身だけでは構成されないリーディングです。
 ダイビング・クロス・ボディ→延髄切りの反撃もインパクト、時節を考えるとずれている。
 一方でシェーマスは自分の本質を分かっている。
 相手の反撃を止め、甚振る。
 それができていて間も適切です。
 モリソンのせいで効果的ではなかったが脚攻めも良いね。
 表情から思考まで全般的に褒められHHHのような安心感がある。
 試合はそれ自体が抑制力を働かせてしまっているストーリー・テリング。
 最後のフィニッシュもシェーマスがカウント3.5で返して起き上がるべきです。
 平均レベル。

BIC王座戦:ドルフ・ジグラー(ch)vs.カヴァル
 カヴァルは非常にユニークな印象を残したでしょう。
 しかしあの修行僧的キャラが失われた間はかつてのそれではなく一つ一つが不十分で単発気味です。
 斬新なムーブも奇抜さが悪い意味で先立っています。
 正直言ってジグラーに任せた方が未来が見えるんじゃないか、と思いましたね。
 しかしそのジグラーも最後までコンセンサスを作れず。
 最後の打撃、丸め込みの応酬への流れはひどくフィニッシュは浮いていました。
 カヴァルには失望したといわざるを得ない。
 悪くない試合。

Cサバイバー・シリーズ・エリミネーション・マッチ:チーム・ミステリオ(レイ・ミステリオ、ビッグ・ショー、クリス・マスターズ、MVP、コフィー・キ ングストン)vs.チーム・デル・リオ(アルベルト・デル・リオ、ドリュー・マッキンタイア、ジャック・スワガー、コーディ・ローデス、タイラー・レック ス)
 通り最初の脱落が早く、デル・リオが途中脱落という展開のためにヒール軍のリーダーシップが失われたのはマイナスですがまあ最近は余り力を入れてないですからねぇ。
 個々の寸評に移りましょうか。
 デル・リオは100万ドルの笑顔で試合開始前から楽しませてくれました。
 途中脱落の展開に伴い、チームのバランスを崩してまで活躍の機会を与えられていましたね。
 コーディは足取りが斬新で素晴らしいレベルにたどり着いています。
 キャラ・アピールが強すぎてシングルとして王座に食い込んでいけるかがちょっと心配ですけど資質は大いに感じさせましたね。
 スワガーはこれまでに比べアンクル・ロックの位置づけを調整できている印象を受けましたね。
 この3人は良し。
 次は個性があったけどそれを発揮できなかった2人。
 MVPは力強さとスピードを兼ね備えていますがすぐに消えました。
 レックスはベースの苛烈性は良いがいかんせん行動のチャンスが与えられていない。
 コフィにあんな形で負けるなんて素材を無駄にしています。
 求められているものを満たすがそれ以上ではなかった3人。
 いつもより良い動きをしても不相応の待遇が目に付くコフィ、
 状態ゆえ619に頼りがちなミステリオ、
 存在感はあるものの他で勝負してはいないビッグ・ショー。
 残る2人は駄目。
 というかマスターズは役回りがひどすぎる。
 もうこれはジョバーで良い仕事。
 マッキンは実質仕事せずで残り1人になるも予想通り絵を作れず。
 まあまあ良い試合。

D統一ディーバズ王座戦、ハンデ戦:レイクール(ch)vs.ナタリア
 ハンデ戦の4分とブックがやる気ありません。
 演者側は展開に縛られ、やる気もかき立てられない。
 またナタリアは理を無駄に優先させて試合のテンポを落としていた。
 悪い試合。
 試合後べス・フェニックスが復帰しナタリアを祝福。

E世界ヘビー級王座戦:ケイン(ch)vs.エッジ
 序盤はエッジが能動的に翻弄の動き、あらゆる事を行います。
 それをする必要性、前提条件を作らずに、許容限度を超えた詰め込みをしているだけで馬鹿みたいです。
 この具材を試合全体に適度にばらまくだけで適切にストーリーが紡げるというのに・・・。
 後半は只の得意技にシフトしています。
 ケインも打撃が多少キレていても並列配置で試合を運べていない。
 最後はそれ自体微妙なフィニッシュだが、それよりも演出にふさわしくない動的な技、スピアーを選んだ事を非難したい。
 悪い試合。

Fタッグ王座戦:ヒース・スレイター、ジャスティン・ガブリエル(ch)vs.サンティノ・マレラ、ウラジミール・コズロフ
 マレラ・ルールズ。
 孤立役を引き受けるようにコズロフはもはやコズロフ足りえていないし、
 Nexusもこんな所で正攻法の孤立構築をしてもどうなるものか、どうにもならないのである。
 悪い試合。

GWWE王座戦(レフェリー:ジョン・シナ):ランディ・オートン(ch)vs.ウェイド・バレット
 バレットがちゃんと相手の対面に立てていないですね。
 チン・ロック中心のワン・パターンな試合運びで終盤への技シフトも見られない。
 オートンも前回以上にやる気なし。
 オートン自身も相手のバレットもまったく輝く事はなかった。
 どこにでもある構成をどこにでもあるように行っただけです。
 またシナですが、特にトゥルースが絡む事なく1本調子。
 もう少し判断の余地があると面白かったんですけどね。
 裏をかいたストレートな衝撃の結末のみに依存したメイン。
 悪い試合です。

総評
 地味に実力を見せてくれると思ったUS、IC王座戦がいまいち。
 両王座戦は最低レベルのクオリティできつい。
 確かにシナ離脱はそれだけで売りになるインパクトだが・・・。
 (執筆日:11/25/10)
DVD Rating:☆☆☆☆☆

注目試合の詳細

なし

試合結果

@US王座戦:ダニエル・ブライアン(ch)vs.テッド・デビアス
Aジョン・モリソンvs.シェーマス
BIC王座戦:ドルフ・ジグラー(ch)vs.カヴァル
Cサバイバー・シリーズ・エリミネーション・マッチ:チーム・ミステリオ(レイ・ミステリオ、ビッグ・ショー、クリス・マスターズ、MVP、コフィー・キングストン)vs.チーム・デル・リオ(アルベルト・デル・リオ、ドリュー・マッキンタイア、ジャック・スワガー、コーディ・ローデス、タイラー・レックス)
D統一ディーバズ王座戦、ハンデ戦:レイクール(ch)vs.ナタリア(新チャンピオン!)
E世界ヘビー級王座戦:ケイン(ch)vs.エッジ(ダブル・フォール)
Fタッグ王座戦:ヒース・スレイター、ジャスティン・ガブリエル(ch)vs.サンティノ・マレラ、ウラジミール・コズロフ
GWWE王座戦(レフェリー:ジョン・シナ):ランディ・オートン(ch)vs.ウェイド・バレット