TOPアメリカン・プロレスWWE 2010年 →WWE:日本公演 Day Two 8/21/10

WWE:日本公演 Day Two 8/21/10の分析


名勝負 なし
好勝負 なし

今回はメモしていないのでやや記憶便り。

@ハート・ダイナスティvs.ザ・ミズ、テッド・デビアス
 デビアスはしなやかな動きでレスリングしていますがやはり印象薄。
 攻防全盛の現代において今の使い方のままではミリオン・ダラー・ドリームもインパクトを生めません。
 ミズは的確な空気読みと流れの使い方。
 TV以上に可能性を感じさせる働きでしたが、半分はタッグ故でしょうね。
 対戦相手のダイナスティ。
 キッドの体の動かし方こそ不安定でしたが、 
 基本的にダイナスティのダイナミック性をアピールできていましたね。
 ナタリアも只のセコンド、されどセコンドでしっかりとお仕事。
 オープニングで行うだけでサプライズなのに、中身でもちゃんと魅せて良いオープニングでした。
 平均レベルはあるのでは。

Aデイビッド・オタンガvs.ゴールダスト
 ゴールダストがエンターテイメント化された受身と確立されたムーブで沸かせます。
 ただ思ったよりオタンガを引っ張る、力を引き出す意図はありません。
 つまりオタンガの素の状態が出た訳だけど、これがまあ救いようが無い程魅力がありません。
 ひどさというベクトルでも印象に残らないオール低レベル。
 必殺技も知られていないのでフィニッシュには観客がついていけず。
 ひどい試合。

B(レフェリー・イブ):ベラ・ツインズvs.アリシア・フォックス、ジリアン
 段取りありきのレベルで段取り通りに進めれないときついですね。
 動けばディーバの華が漂うもレフェリー含めて粗さで直々水を刺してくる。
 試合前のジリアンの歌、イブがベラ・ツインズにつくレフェリング・エンドが救い。
 ひどい試合。
 
Cレイ・ミステリオvs.エヴァン・ボーン
 去年と同一カード。
 ミステリオは衰えを補うべく鍛えた上手い見せ方を披露し、ボーンはスター性の向上を示しました。
 去年のような観客席ダイブをしなくても和製レスリングや蹴りでの調整、張り合った攻防で、
 最後までミステリオvs.ボーンを通して見せました。
 MOTNですね。
 ただ攻防で観客の予想を利用しているとはいっても試合の性質上、観客の参加度という点で他より劣りますね。
 まあまあ良い試合と言っても過大評価ではないかでしょう。

 (途中休憩)

Dビッグ・ショーvs.マーク・ヘンリー
 様式に沿い両者の体格、力がリアルにぶつかった瞬間はないし、
 行動もレールを外れ気味で、最後のフィニッシャー、KOパンチも左に同じ。
 ただ大味にとことん楽しもうという観客の心持が素敵。
 ひどい試合でしたが、同時に温かい試合でした。
 
Eオープン・チャレンジ:ウェイド・バレットvs.ランディ・オートン
 オートンは動き自体にキレはあるのだけど、
 やはり自らを孤高の人、オンリー・ワンのスーパースターとして演出していく上で
 ナルシスト的な自己満足の構築になっているのが残念。
 バレットも先輩格のオートンにこんな試合運びされては、とは思うけれど
 余りに波風を立てず、現状で満足した運びです。
 ただ試合前のマイク含めたアピール、佇まいは絵になっていましたね。
 面白いカードではあったけど、RKOが2発見られるという以外にセミ足り得る物は無かった、悪い試合。  

Fジョン・シナ、ヨシ・タツvs.シェーマス、クリス・ジェリコ
 まずジェリコ。
 ジェリコは声援を送られない様に意図的に観客を見る時間を減らしていますね。
 いつもの半分ぐらいじゃないかな。
 勿論仕事のクオリティを決して下げずに変化しているのだけど
 何やら気になる人に振られたような気持ちを抱かないでも無いですね(苦笑)
 次にシェーマス。
 シェーマスはジェリコと良いタッグかな、と思わせる一方で流れにブレーキをかけている所がありました。
 そしてやっぱり白い(笑)
 ヨシ・タツ。
 PPVはロイヤル・ランブルにしか出てないので初めて見る事になります。
 うん、受け後を相手まかせにしていますがやられ姿は良いですし、攻めもがむしゃらな感じが出ていますね。
 売りになる”弱さ”を持っているし、アメリカでマイノリティーを背負える可能性はある。
 しかし能力的にはまだまだですね。
 許可を受けて、本人も意識している割にそのチョップは効果を挙げていないし、
 孤立含め自分がどう見えているかに対する感受性に難があります。
 最後にシナ。
 タッチして控えに回った後含めエプロン外で独特の受け表現が光りましたね。
 リング内ではテンプレートだろうが何だろうが他を圧倒する爆発力でクライマックスへ導いてくれました。 
 全員が個性を発揮した内容ながら必要以上に進行が焦れた部分がありましたね。
 それは4人それぞれの影響が重なった所もあるだろうし、
 日本のWWEファンが受けに回るとすぐ手拍子を始めるので、
 観客込みで試合を回していく上で多少ワン・パターンに陥りかけた所もあったでしょう。
 平均レベルはある。

総評
 目玉カードが一日目の予定カードに変更となる等
 相変わらずカード狙いをすかされる公演になっていますね。
 Nexusも来日こそすれ7人が3人、2人と減ったのは痛かった。
 でもそんな中でやっぱり最低限以上の仕事をしてくるのは立派だし、
 試合のクオリティ+αで満足させる所はレスラーではなくスーパースターと呼ばれているだけの事はある。
 そして何より会場を埋め尽くしたファンの盛り上がりが素晴らしかった。
 正直言って観客が勝手に盛り上がっている所も多分にあったけど、これだけ盛り上がると気持ち良いよ、やっぱり。
 WWEと観客が一体となって成功を収めたハウス・ショー。
 来年はざるな運営の改善とボーナス・トラック的な物を期待したい。
 (執筆日:8/22/10)
DVD Rating:★☆☆☆☆

注目試合の詳細

なし

試合結果

@ハート・ダイナスティvs.ザ・ミズ、テッド・デビアス
Aデイビッド・オタンガvs.ゴールダスト
B(レフェリー・イブ):ベラ・ツインズvs.アリシア・フォックス、ジリアン
Cレイ・ミステリオvs.エヴァン・ボーン
Dビッグ・ショーvs.マーク・ヘンリー
Eオープン・チャレンジ:ウェイド・バレットvs.ランディ・オートン
Fジョン・シナ、ヨシ・タツvs.シェーマス、クリス・ジェリコ