TOPアメリカン・プロレスWWE 2009年 →WWE:Fatal Four Way 6/20/10

WWE:Fatal Four Way 6/20/10の分析


名勝負 なし
好勝負 なし

ビンスが登場しブレットの欠場をアナウンス。マッキンがロングを呼び出してオープニングへ。

@IC王座戦:コフィ・キングストン(ch)vs.ドリュー・マッキンタイア
 うんざりするようなライバル対決ですが・・・
 序盤の攻めでコフィは技を連打できない事を露呈。
 そうなるとコフィをどう一発で抑えながら作るかが鍵になりますね。
 それに対しマッキンは腕攻めで支配する事にします。
 良い答えではありますが、今度はマッキンの欠点が出る。
 マッキンはスポットが非常に小さい。
 スポット作りの意識はあるのだけど適切な体の動かし方が出来ていないのですね。
 クルーザー級の体格でクルーザー級ではないスタイルをやっているためでしょう。
 さてスポットが弱いのでそれの対策としてクライマックスをブックによる展開で盛り上げようとする。
 しかしマッキンが気絶したレフェリーに代わりロングにカウントするよう迫るのは
 動作が乱暴なだけである意味まっとうな要求だし、
 それに対しロングがカウントせず、マットの乱入を許す、というのは
 ベビーフェイス/ヒールが逆転していて盛り上がりにくいですね。
 問題に対して解決策を出しているので
 悪いとは言い切れないレベルだし、長時間する価値がなかった、とも言い切れない内容でした。
 悪くない試合。

Aディーバズ王座戦:イヴ・トーレス(ch)vs.マリースvs.ゲイル・キムvs.アリシア・フォックス
 4ウェイとしての形は予想以上に出来ていたのですが
 それが出来ていたのはストンピング1発でダウンしていても気にされないからで・・・。
 まあその関心の引けなさ具合は絶妙であり、また情けない。
 悪い試合。

Bクリス・ジェリコvs.エヴァン・ボーン
 1つ1つのムーブで一進一退を作れている安定感のある内容。
 ジェリコvs.ミステリオと似ている所がありますね。
 しかし”良い試合”を狙いすぎるている部分がある。
 ボーンはまだWWE流では1つ1つのインパクトのスケール・アップの仕方で課題が残るし、
 ジェリコはこういう負け役に慣れ過ぎて壁としてのドラマ性を作れない。
 フィニッシュも格差を活かすならコーナー上の攻防をなくした方が良いですね。
 平均的な良試合。
 
C世界王座戦:ジャック・スワガー(ch)vs.ビッグ・ショーvs.レイ・ミステリオvs.CMパンク
 関係性は良いし、場外に排除するのも正統な作り方です。
 しかしその作り方に依存する事で攻防は面白くなくなっている。
 特にショーの巨人っぷりがそうで、ショーが中心に立つ時、
 他の3人はハンデ戦の1人であるかのような存在になります。
 もう少し時間を与えたなら必然的に個々が
 ストーリーを演じる以上にその瞬間瞬間に力を入れたかもしれませんね。
 最後はケインが乱入。
 許容できるものの、伏線もないままパンクだけを試合から外すのはぶち壊しとしても微妙過ぎますね。
 全員にチョーク・スラムの方がましです。
 平均より少し上。

DUS王座戦:ザ・ミズ(ch)vs.Rトゥルース
 ベーシックな内容なのに基本をかろんじている。
 特にトゥルースは序盤から疲労モードで試合を壊しています。
 空々しい内容で、試合前のミズのマイクが見所です。
 少し悪い試合。

Eハート・ダイナスティ、ナタリアvs.ウソ・ブラザーズ、タミナ
 ウソはインディー臭が抜けませんね。
 そんなに基本も出来ていないし、こんなんで一軍にあげてよいのなら
 そこらのインディーで一線を張っているタッグを拾い、即採用できるような気がします・・・。
 ああ、そういやリキシの息子という要素がありましたね。
 適当にそれぞれの方からスポットを出した後、最後はナタリアvs.タミナ。
 どちらもインパクトのある技を見せましたが
 これもダイナスティvs.ウソズと同じで”攻防”はしていない。
 ただそれぞれが披露しただけです。
 非常に構築レベルの低い内容。
 少し悪い試合です。

FWWE王座戦:ジョン・シナ(ch)vs.ランディ・オートンvs.エッジvs.シェーマス
 シナとオートン、エッジとシェーマス、ベビーフェイスとヒールで分かれるのは良いが
 当たり前として演者側が捉えて弱い内容になっていますね。
 シナvs.オートンもその重要性はわかっているのに軽々しく見せています。
 場外ダウンが長かったりと個々の試合への影響量が絶対的に不足しています。
 Let's go Cena、Cena Sucks!の掛け合いで
 やる気を萎えさせられたエッジ、シェーマスには同情しますが・・・。
 オートンの顔芸だけの試合がまた一つ増えた、って感じです。
 流石にスター選手だけあって終盤は盛り上がりかけましたが
 シェーマスがテンポにのれず足を引っ張っています。
 こつこつ積み重ねるスタイルと4ウェイの特殊性は
 相容れないとはいえちょっと予想外のマイナスでしたね。
 最後はNXT軍がぶち壊し。
 これもSDと同じでぶち壊すなら思いっきりぶち壊せ、と。
 シェーマスも叩きのめしてアピールする形で終えるか、
 この形なら放送終了後に行われた、というシナのマイク・アピールまで収録すべきです。
 またNXT軍にはブライアンの件があるので余計な事をしないよう意識していた節が見られたのは心配です。
 悪くない試合。


総評
 一蹴するようなひどい試合はないが、
 これでもかと色んな方法でクオリティを落としていて、かなり微妙な大会ですね。
 コンセプトも他の団体には出来ない形式であるから優位性はあるのだけど
 他と同じで毎年同じ時期に行うに値するような物ではないからなぁ。   
 (執筆日:6/23/10)
DVD Rating:☆☆☆☆☆

注目試合の詳細

なし

試合結果

@IC王座戦:コフィ・キングストン(ch)vs.ドリュー・マッキンタイア
Aディーバズ王座戦:イブ・トーレス(ch)vs.マリースvs.ゲイル・キムvs.アリシア・フォックス(新チャンピオン!)
Bクリス・ジェリコvs.エヴァン・ボーン
C世界王座戦:ジャック・スワガー(ch)vs.ビッグ・ショーvs.レイ・ミステリオ(新チャンピオン!)vs.CMパンク
DUS王座戦:ザ・ミズ(ch)vs.Rトゥルース
Eハート・ダイナスティ、ナタリアvs.ウソ・ブラザーズ、タミナ
FWWE王座戦:ジョン・シナ(ch)vs.ランディ・オートンvs.エッジvs.シェーマス(新チャンピオン!)