TOPアメリカン・プロレスWWE 2009年 →WWE:Wrestlemania 25 4/5/09

WWE:Wrestlemania 25 4/5/09の分析


名勝負 アンダーテイカーvs.ショーン・マイケルズ
好勝負 なし

ニコール・シャージンガーがア メルカ・ザ・ビューティフルを歌い開幕。

@MITB:CMパンクvs.クリスチャンvs.ケインvs.マーク・ヘンリーvs.シェルトン・ベンジャミンvs.コフィ・キングストンvs.フィンレー
 まず重量級のケイン、ヘンリーと他5人という色分けで展開させます。
 ダイブ祭りにいくのですが
 ベンジャミンがラダー上からダイブしたり
 ヘンリーも続くと思いきやスワグルへの振りだったりと工夫もされています。
 その後は最後までリングに2人が入ってという攻防。
 コフィ始め独創的なムーブやラダーをラダーに挟み込むシーンが見られ面白かったですね。
 只ダイブ祭りだけでこういうシーンに持っていくには余りに弱くて不自然でした。
 それぞれの選手に均等に見せ場を与えたため結構長くなってますしね。
 しかし過激さよりも構築と独創性を優先した内容には好印象を抱きました。
 中々良い試合です。
 今回2連覇となったパンクですが見事3回連続で見せ場なしでした・・・。
 この中身を伴わない(パンクなら面白いスポットの1つや2つ思い浮かぶと思うので)
 プッシュは何なんでしょうね。 

Aミス・レッスルマニア・ディーバ・バトル・ロイヤル
 キッド・ロックの生演奏の中入場。
 OB枠が注目でしたがそれぞれの選手の紹介はなし。
 女装しているマレラに気づかれないための苦肉の策でしたね。
 時間が許せばRR形式にしたかった所です。
 まあそれでも中身の無いひどい試合だったでしょうけれど
 それなりに華を作る事も可能だったはず。
 後試合には参加せず実況に加わったメイ・ヤング、
 てっきり試合後マレラに勝利を祝うキスでもするかと思ったのですがしませんでしたね。
 体調が悪いのでしょうか、ちょっと心配です。

Bエリミネーション・マッチ:クリス・ジェリコvs.リッキー・スティムボート、ロディ・パイパー、ジミー・スヌーカ
 パイパーはシャツを脱げず
 スヌーカはスーパー・フライを出せず、とほとんど動けず
 怪我がこわいので攻防にも手を出せない2人。
 しかしそんな事はどうでも良いのです。
 注目は何といってもスティムボートですよ。
 WWEでスティムボートの試合が再び観れるという幸せ。
 体も絞っているし良い動きをしていましたね。
 もうジェリコとスティムボートのシングルで良かったよというぐらい。
 少し悪い試合です。
 試合後ジェリコはロークを挑発してリングに呼び込みます。
 ロークとのボクシングはロークの左フックが決まりジェリコがダウン。
 フレアーがロークの腕を挙げてエンドです。
 これもロークの出場がもう少し早い段階で決まっていたならねぇ。

Cエクストリーム・ルール:マット・ハーディvs.ジェフ・ハーディ
 兄弟対決という意識が裏目に出ました。
 どちらも引かない攻防にしたために
 展開の溜めもマットのヒール・アピールによるエネルギーの溜めもありません。
 普通のハードコア戦。
 最後には場外の2段テーブルへのダイブと
 ビッグ・ラダーからのレッグ・ドロップもありますが
 どちらもセットして技を打つまで相手がダウンしているので余り締まりません。
 ジェフの状態を考えると通常試合でも十分任せられたと思いますが・・・。
 平均より少し上。 

DIC王座戦:JBL(ch)vs.レイ・ミステリオ
 JBLはマイク・アピールしながら入場しヒートを買います。
 一方ミステリオはダークナイトのジョーカー風にアレンジした格好で登場。
 いや大ヒットしたけどジョーカーは悪役だしどうなんでしょう。
 試合はミステリオが速攻でフルコースにいきカウント3。
 そして試合後JBLは引退を告げます。
 おまけのような突然の試合追加、そしてこの内容と
 JBLにはかわいそうな扱いでしたね。
 どうせ負けるにしても誰かのプッシュに利用すればよいのに。

Eアンダーテイカーvs.ショーン・マイケルズ
 入場。
 ショーン・マイケルズは白い装束に身を包んで中空のリフトから降り
 テイカーはいつもの黒い装束に身を包んでステージの下から上がってくる。
 この対比。
 表情も他ならぬテイカーが気持ちを前面に出し
 ショーン・マイケルズが気持ちを抑えて対比となっています。

 さて試合が始まります。
 最初はパンチを避けてのチョップという堅実ながら単純な入り。
 しかし早々に切ってテイカーのスケール・アップに持っていく。
 テイカーがボディ・リフトを決めた時点でもうできあがっていましたね。
 素晴らしいです。

 次にテイカーの腕攻め、ショーン・マイケルズの脚攻めと続きます。
 ここでも対比が見られます。
 前半の締めにチョーク・スラム狙いから
 クロス・フェイスを決められたままでのサイド・スラムというスケール・アップのハイ・スポットを挟みます。
 次の後半の始めにはパンチを避けてのチョップという試合当初のシーンを復活させる。
 ここら辺の各要素のバランス感覚は天晴れですね。

 またショーン・マイケルズが跳び起きた後ダイビング・エルボー・ドロップにいくまでの運び方。
 このシーンに代表されるショーン・マイケルズの倦怠感と躍動感が入り混じった肉体的表現力といったらないね。
 40代ぐらいで稀に見られる奇跡ですが
 超一流とはいえ1度引退し、2年前にも引退の危機にあったショーン・マイケルズに見られるとは思わなかった。
 ここまでは5スター・マッチの勢いですよ。

 しかしクライマックスで失速しました。
 まずクライマックスの開始を飾ったのが
 ショーン・マイケルズの場外へのムーンサルト自爆と
 テイカーの場外ダイブの自爆です。
 このハードなスポットはまず試合をノー・コンテストにしかねない点で取るべきではなかった。
 テイカーなんて頭から落ちかけていましたからね。
 アクシデントなどによる肉体的ダメージが試合にスペクタクルを与える事は
 名勝負に良く見られますがこの試合は余りにも伝統的でエピックでありました。
 無用の長物であったというしかありません。

 これを経てクライマックスにいくのですがクライマックスは必殺技の攻防/返し合いです。
 フィニッシュのムーンサルトをキャッチしてのツームストンなど
 新たな入り方を開発して深みを与えてきましたがそれに頼っている事は否めません。
 必殺技を何度も返す内容にして良いレベルには達していましたがもう一捻り欲しい所ですね。
 表情の対比の逆転、対比となる絵か、
 もしくは単純に新しく開発したその入りを
 上手いと感じさせる以上の物に仕立て上げて欲しかった。

 評価としてはクライマックスとその前の差に悩む所ですが
 両者これで引退しても良い、と思ってしまう程持てる力を出しましたからね。
 ぎりぎりベスト・マッチとして良いでしょう。
 MOTY候補です。

F世界ヘビー級王座戦:エッジ(ch)vs.ビッグ・ショーvs.ジョン・シナ
 シナの入場はシナの格好をした若者が花道の横を固める中疾走してくるという物。
 エージェント・スミスばりのこの入場がこの試合のハイライトでした・・・。
 最初からして妙にダウンが長く、
 その上エッジがショーに共闘を申し出るも拒否されたので展開も少ない。
 その中でショーがロープに絡まるシーンや(これも長すぎた)
 エッジのスピアーがヴィッキーに誤爆するスポットの他、
 シナの5シャッフル・ナックルが決まりFUも狙う等、
 終盤に持ってくるべきスポットが飛び出しずたぼろです。
 一応頑張ろうという思いが空回りしての崩れなのが救いでしょうか。
 ショーの巨大さを活かした所から軌道修正されましたが良くはないですね。
 通常放送レベルです。
 平均レベル。

 ホール・オブ・フェイマーがステージに現れ紹介されます。
 オースチンはバギーでリングまで来てビールで乾杯します。
 ユニバースの仕事が終わったといいますしこれが最後の姿となるのか。

GWWE王座戦:トリプルH(ch)vs.ランディ・オートン
 妙に遺恨が暴走していながらトリプルHが反則しても
 王座移動という中途半端な縛りが直前で加わったこの試合。
 ベビーのトリプルHはリズムが狂い、普通にムーブでも粗い場面が見られます。
 オートンもカリスマ・ヒールになりそこねキャラがはっきりしません。
 上手すぎる表情も浮いています。
 そして試合構成も悪いですね。
 初っ端から必殺技は決まるし
 その後も最近のトリプルH以上に必殺技に頼り切った攻防です。
 最後は只のスレッジ・ハンマーの攻防。
 乱入はないしサプライズなエンディングもなし。
 ついでにトリプルHが防衛という?な結果です。
 まったく締まらない。
 これまた通常放送レベルです。
 悪くない試合。

総評
 テイカー対ショーン・マイケルズがなければ相当ひどかったですよ。
 ほんとテイカー対ショーン・マイケルズに救われました。
 しかしこの2人に30分も時間を与えておいてこの位置なのはねぇ。
 両王座戦がひどかっただけにメインでなかったのが悔やまれます。
 (執筆日:4/8/09)
DVD Rating:★☆☆☆☆

注目試合の詳細

 Eアンダーテイカーvs.ショーン・マイケルズ

  ショーン・マイケルズは白いテイカーの装束を着て中空から登場。
  リフトから降りるといつもの入場曲がなる。
  テイカーは逆にステージ下から上がってくる形で登場する。
  テイカーが気持ちを強く表情に出しているのに対しショーン・マイケルズはすました顔。
  テイカーが殴りかかる。
  ショーン・マイケルズは避けるとチョップを打ち離れる。
  テイカーが殴りかかる。
  ショーン・マイケルズは避けるとチョップを2発打ち離れる。
  テイカーが殴りかかる。
  ショーン・マイケルズは避けると殴りかかりマウント・パンチ。
  レフェリーが引き離す。
  ショーン・マイケルズはチョップを打つとロープに振ろうとする。
  テイカーは振り返すとクローズラインを狙う。
  避けられるもパンチを受け止める。
  喉を掴むとコーナーの上に投げ飛ばす。
  ショーン・マイケルズはエプロンに降りるとロープ越しに殴りつける。
  セカンド・ロープにのるとDXポーズ。
  怒って突進してきたテイカーを飛び越える。
  着地した際脚を押さえる。
  痛めたと勘違いし一瞬動きの止まったテイカーにテーズ・プレス。
  マウントで殴りつけていく。
  テイカーは跳ね除けるとコーナーに投げ飛ばし殴りつけていく。
  殴りつけて倒す。
  別のコーナーで殴りつけヘッド・バッド。
  ロープに絡めた腕を引っ張る。
  ショーン・マイケルズは蹴りつけるとチョップをいれコーナーに振ろうとする。
  テイカーが振り返すとショーン・マイケルズは一回転。
  テイカーがショルダー・スルーを決める。
  ボディ・リフトから落とすとエルボー・ドロップでカバー。カウント2。
  腕を取るとショルダー・アタックを決めていく。
  オールド・スクールを決める。  
  コーナーへのハイ・ニーへ。
  ショーン・マイケルズは避けるとニー・クラッシャー。
  脚にエルボー。
  顔に蹴りを入れる。
  4の字を狙う。
  耐えるテイカーを蹴りつけ4の字を決める。
  上体を起こしたテイカーを殴りつける。
  ショーン・マイケルズが上体を起こしたショーン・マイケルズを殴りつけ逃れる。
  ショーン・マイケルズが低空ドロップ・キック。
  ロープに走る。
  テイカーは持ち上げるとコーナーに叩きつける。
  蹴り殴りつける。
  コーナーに振ってぶるける。
  クローズライン。
  もう1発。
  ふらついたところを担ぎ上げるとスネーク・アイズ。
  ロープに走ってビッグ・ブーツを決める。
  ロープに走りレッグ・ドロップでカバー。カウント2。
  チョーク・スラムを狙う。
  ショーン・マイケルズがクロス・フェイスに切り返す。
  テイカーが後ろにそらす。
  ショーン・マイケルズはカウント2で返しロックも離さない。
  テイカーは決められたまま起き上がるとサイド・スラム。
  カバーするもカウントは2。
  殴りつける。
  ショーン・マイケルズがチョップ。
  テイカーは殴りつけるとロープに振りショルダー・スルーを狙う。
  ショーン・マイケルズが蹴り上げるもテイカーには利いていない。
  テイカーが殴りかかる。
  ショーン・マイケルズは避けるとチョップ。
  テイカーが殴りかかる。
  ショーン・マイケルズは避けるとチョップを叩き込んで行きロープに振ろうとする。
  振り返されるもフライング・フォア・アームズを決める。
  跳びおきる。
  アトミック・ドロップからチョップ。
  アトミック・ドロップからチョップ。
  ロープに走りクローズライン。
  コーナー上へ。
  テイカーがむくっと起き上がる。
  飛びかかって来たショーン・マイケルズの喉を掴むとチョーク・スラムへ。
  ショーン・マイケルズは後ろに着地するとスイート・チン・ミュージックのフェイク。
  引っかかって倒れたテイカーに4の字を狙う。
  テイカーが防いでトライアングル・チョーク。
  ショーン・マイケルズがロープに脚をかける。
  ショーン・マイケルズは場外に転がり出る。
  テイカーは後を追うと鉄階段にぶつける。
  エプロンに横にすると蹴りつける。
  エプロンに上がるとレッグ・ドロップへ。
  しかし避けられ自爆。
  ショーン・マイケルズはリングに戻ろうとしたテイカーにスライディング・キックを決める。
  コーナーに上りムーンサルトへ。
  テイカーが避けて自爆させる。
  テイカーがリングに転がりはいる。
  レフェリーはショーン・マイケルズに救護班を呼ぼうかと聞いている。
  テイカーがむくっと起き上がる。
  ショーン・マイケルズも起き上がる。
  テイカーがダイブにいくもショーン・マイケルズはカメラマンを身代わりにする。
  テイカーは顔から地面に墜落する。
  ショーン・マイケルズがリングに転がりはいる。
  場外に出るとレフェリーを中に戻す。
  カウントを数えろと迫る。
  レフェリーがカウントを始める。
  カウント9でテイカーがリングに入る。
  ショーン・マイケルズは悔しそうに顔をうずめる。
  ならばと足を踏み鳴らす。
  スイート・チン・ミュージックへ。
  テイカーは避けるとチョーク・スラム。
  カバーするもカウントは2。
  担ぎ上げようとする。
  ショーン・マイケルズは後ろに逃れるとスイート・チン・ミュージックを狙う。
  テイカーは受け止めるとチョーク・スラムを狙う。
  ショーン・マイケルズは腕を払うとスイート・チン・ミュージックを叩き込む。
  這ってカバーにいくもカウントは2。
  ショーン・マイケルズが跳びおきる。
  テイカーを起こそうとする。
  テイカーは喉元を掴み起き上がる。
  蹴りを入れるとラスト・ライドへ。
  ショーン・マイケルズがサンセット・フリップに切り返そうとする。
  テイカーは耐えてショーン・マイケルズを引き起こす。
  蹴りを入れるとラスト・ライド。
  カバーするもカウントは2。
  駄々を打つような動き。
  ダイビング・エルボー・ドロップへ。
  しかし避けられ自爆。
  両者ダウン。
  ショーン・マイケルズが突進。
  避けられ落ちそうになるもロープを掴んで耐えると
  逆上がり式に体を起こして近づいてきたテイカーに場外へのハリケーン・ラナを狙う。
  テイカーが逆にリングへと戻しそこからのツームストン。
  カバーするもカウントは2。
  テイカーも信じられない表情を見せる。
  肩ひもを外すと首をかっきる。
  ツームストンを狙う。
  ショーン・マイケルズがDDTに切り返す。
  ショーン・マイケルズが這ってコーナー上へ。
  ダイビング・エルボー・ドロップを決める。
  足を踏み鳴らす。
  ロープを掴んで起き上がったテイカーにスイート・チン・ミュージックを叩き込む。
  カバーしに行くがカウントは2。
  両者相手の体を押さえて起き上がる。
  ショーン・マイケルズがチョップ。
  テイカーはロープにもたれるも返ってきて殴りつける。
  ショーン・マイケルズはふらつくもチョップ。
  テイカーもふらつくがパンチ。
  ショーン・マイケルズがパンチ。
  テイカーがパンチ。パンチ。
  ショーン・マイケルズがチョップ。チョップ。チョップ。
  テイカーがビッグ・ブーツで倒す。
  ツームストンを狙う。
  ショーン・マイケルズは後ろに逃れるとチョップを連打。
  コーナーに振ろうとする。
  テイカーは振り返すと突進。
  ショーン・マイケルズがカウンターで蹴りを入れる。
  コーナーに上っていきムーンサルトへ。
  テイカーはキャッチするとそのままツームストン。
  カバーし1,2,3!
  テイカーがWM17連勝!

試合結果

@MITB:CMパンクvs.クリスチャンvs.ケインvs.マーク・ヘンリーvs.シェルトン・ベンジャミンvs.コフィ・キングストンvs.フィンレー
Aミス・レッスルマニア・ディー バ・バトル・ロイヤル(優勝:サンティナ・マレラ)
Bエリミネーション・マッチ:ク リス・ジェリコvs.リッキー・スティムボート、ロディ・パイパー、ジミー・スヌーカ
Cエクストリーム・ルール:マット・ハーディvs.ジェフ・ハーディ
DIC王座戦:JBL(ch)vs. レイ・ミステリオ(新チャンピオン!)
Eアンダーテイカーvs.ショーン・マイケルズ
F世界王座戦:エッジ(ch)vs. ビッグ・ショーvs.ジョン・シナ(新チャンピオン!)
GWWE王座戦:トリプルH(ch) vs.ランディ・オートン