WWE:Summerslam 8/23/09の分析
名勝負 | なし |
好勝負 | 世界ヘビー級王座戦、TLC:ジェフ・ハーディ(ch)vs.CMパンク |
@IC王座戦:レイ・ミステリオ(ch)vs.ドルフ・ジグラー
ジグラーが攻めの主導権を取るというバランス転換で
前回よりも試合の完成度が高まっている。
しかし序盤でコーナーへのパワー・ボムを見せたのは
ジグラーのヒール力の弱さを露呈している。
ヒールとしての表現力がつけば
中盤のルーチンワーク的試合運びも良い印象に変わるでしょうね。
終盤は攻防の妙を利かせて良い感じでした。
仮にジグラーが王座を取っていてもこれなら任せられる。
まあまあ良い試合です。
Aジャック・スワガーvs.MVP
才能ある若手同士の対戦という楽しみなカードでしたが
それ故にどちらが引っ張るでもなく、
かといって意思疎通が出来ている訳でもなく駄作に。
またRaw並みの試合時間の短さも足を引っ張りましたね。
スワガーは一極攻めをスタイルに取り込んでいますから。
悪い試合。
Bタッグ王座戦:クリス・ジェリコ、ビッグ・ショー(ch)vs.クライム・タイム
全編を通して速いテンポを貫いているので多少の粗は隠れますし
ジェリコの要所での印象づけでCTはバランスよいタッグとして映りましたね。
只CTが前回PPV時には連携技も使っていたように記憶していますが今回は無かったですね。
勿体無い。
悪くない試合。
Cケインvs.グレート・カリ
カリの状態が悪く、あの動きでは見てて辛いものがありますね。
ビッグ・マン同士の迫力も出せません。
ケインなりに考えたフィニッシュだけが見ものか。
ひどい試合。
DDXvs.レガシー
打ちのめして伸ばすかと思いきや、
起き上がってきた所を認めずに再び殴り倒すような教育方針に
HHHは陥っているのでパワー・バランスが取れないのでは、と危惧していましたが
HBKが見事にバランスを取っていましたね。
ある意味、HHHの手下ぐらいに見えるのはどうかと思いますが
前回DXとして組んでいたよりもタッグとしてレベルが上がっているのは確かです。
一方のレガシー。
前回無為の孤立を批判しましたが見事に改善。
呼吸を得た孤立のさせ方で試合における大きな歯車を動かしました。
今回はHBKの復帰戦という一面もあるので
両者介入して必殺技を打つなどのスポットだけで構築した終盤で
今後どう魅せていけるかに注目ですね。
平均的な良試合。
EECW王座戦:クリスチャン(ch)vs.ウィリアム・リーガル
地味に良いカードでしたが上着を脱ごうとしたリーガルの隙を突いて瞬殺です。
その後リーガル軍団がリンチして終わり。
FWWE王座戦:ランディ・オートン(ch)vs.ジョン・シナ
試合開始時からシナの受け側のリアクションがひどいですね。
殴られただけで崩れたりしてセット・アップは失敗です。
オートンも一発一発で見せようとしたけど中盤の方法論なのでいけません。
試合が進むにつれオートンの振る舞いで魅せたりとある程度盛り返しましたが
シナがオートンに対抗して見せたFU予告が格好悪すぎてげんなり。
その後は再開ネタの連打。
単純に3回は多いし、都合上外部が指摘しないといけないとはいえ
ビンスの名前だけが出てくるのは中途半端ですね。
結局アイ・クイット・マッチへの前振りとなりましたが
位置づけをWM並みにしようという噂もあるサマースラムのセミでやるもんじゃないです。
少し悪い試合。
G世界ヘビー級王座戦、TLC:ジェフ・ハーディ(ch)vs.CMパンク
ひたぶるに良い試合。
椅子、テーブル、ラダーが事前にセットされている中で
それを技の1つとして使うかのようにフィットした試合運びを最初から見せました。
また最初のポイントでパンクが素早くラダーを登ったり
場外の使い方など基本的な所作に気を配った構築ですね。
フィニッシュ前まで長い事ラダーを登る、という行為がありませんでしたが
相手へのスパーク故という理由が行動で語られていたのも評価したい。
それに加えてジェフが離脱するとあって
特大ラダー天辺から実況席へのスワントーン・ボムのような過激なムーブも見られました。
しかし面白みという面では弱く日本公演の試合に劣るように思います。
メジャー独占の形式とはいえインディーの血が入る余地は何らかの形であったように思いますし、
そもそもラダー・マッチ自体の系譜が工夫の歴史でしたからね。
地味ながら徹底した構築論を持っているので
(上記スワントーンを見せながらフィニッシュは只の殴り落とし)
これも工夫の1つ、立派な形と言えばそうなんですけどね。
ぎりぎりグッド・マッチ。
試合後テイカーが復帰しテイカー対パンクという信じられない抗争の幕開けです。
総評
半分があってもなくてもいい試合、で
大会としては余り評価できないですが
残り半分は良くやっており今後の大会に期待を持たせます。
(執筆日:8/25/09)
DVD Rating:★☆☆☆☆
注目試合の詳細
世界ヘビー級王座戦、TLC:ジェフ・ハーディ(ch)vs.CMパンクTLCのセットが場外の4コーナーや花道に設置されている。
組んで押し込みあう。
体勢を入れ替えあいパンクがコーナーに押し込むと殴りニーを入れていく。
踏みまくる。
場外に落とす。
椅子を手にする。
起き上がったジェフを椅子で突く。
背中に椅子を叩きつける。
ラダーをリングに入れたてる。
登っていき手を伸ばす。
ジェフはラダーを突き倒すとパンクにツイスト・オブ・フェイトを狙う。
押し飛ばされるもフォア・アームズ。
ロープに走りフォア・アームズ。
殴り蹴りつける。
コーナーを使ってドロップ・キック。
パンクを場外に落とす。
ラダーを立てると登っていく。
パンクがリングに戻りラダーを蹴りつける。
ラダーを蹴りつけて落とす。
ジェフを担ぐ。
ジェフが後ろに逃れ押し飛ばしてラダーにぶつける。
コーナーのパンクに椅子を踏み台にポエトリー・イン・モーションを狙う。
パンクは受け止めると椅子の背の上に落とす。
ラダーをダウンするジェフの上に叩きつけていく。
コーナーに振る。
踏みとどまられるもレッグ・ラリアットを決める。
場外に落とす。
トペ・スイシーダで追撃する。
パンクはテーブルを移動させリング横につける。
椅子をジェフの首にはめようとする。
抵抗され外されたので椅子を叩きつけようとする。
ジェフは避けて鉄柱に誤爆させると殴りかかる。
パンクはニーを入れるとジェフを鉄階段に振ろうとする。
振り返されるも鉄階段に飛び乗って直撃を避け飛び掛る。
ジェフが椅子で叩き落す。
パンクをフェンスにぶつける。
椅子を踏み台にポエトリー・イン・モーションを決める。
椅子をパンクの背中に投げつけテーブルの上に寝かす。
コーナー上へ。
ダイビング・ボディ・プレスを狙うも避けられ自爆。
パンクはラダーをリングに入れる。
リング中央に立てる登っていく。
ジェフがリングに入り脚にしがみつく。
殴りつけるとのりこえてラダーを登っていく。
ベルトに手を伸ばすもパンクが捕まえG2Sを狙う。
ジェフがサンセット・フリップ・パワー・ボムに切り返す。
ジェフがラダーを登っていく。
ベルトに手をかける。
しかしパンクがラダーを突き倒す。
ジェフは丁度コーナー近くに落ちる。
パンクはジェフにラダーへのスーパープレックス。
パンク自身もダメージを負う。
パンクは起き上がるとジェフにラダーへのブレーン・バスターを狙う。
ジェフは逃れると蹴りを入れツイスト・オブ・フェイト。
スワントーン・ボムへ。
パンクが両膝を立てて迎撃。
パンクは起き上がるとコーナーのジェフにニー・ストライク。
ブルドッグを狙う。
ジェフがパンクを持ち上げ場外のテーブルに投げ捨てる。
ジェフはラダーを立てて登っていく。
パンクがスプリングボード式ダブル・アックスを決める。
ジェフを落とし場外へ。
椅子を手にするとジェフの首に椅子をはめる。
そして鉄柱にぶつけようとする。
ジェフは防ぐとパンクにバック・エルボー。
突進してきたパンクを脚から鉄階段に激突させる。
そして背中に椅子を何度も叩きつける。
テーブルを移動させる。
パンクに実況席の蓋、実況席TVを叩きつける。
椅子を叩きつけて実況席に寝かせる。
そして特大ラダーを実況席横に立てる。
シャツを脱ぐ。
特大ラダーを登っていく。
天辺でポーズを取るとスワントーン・ボム。
炸裂。
ジェフが担架にのせられる。
パンクが何とかリングに這って入る。
ジェフは担架から降りるとふらつきながらもリングに入る。
パンクは片足でけんけんしながらラダーを登っていく。
ジェフが反対側からラダーを登っていく。
お互い殴ってベルトに手を伸ばす。
パンクが蹴りつけ殴りつけるとジェフが落下。
パンクがベルトを取り勝利!
新チャンピオンに!
パンクはラダーをおりるとジェフを跨いでベルトを掲げる。
一瞬照明が明滅する。
鐘の音がして照明が落ちる。
照明がつくとパンクが跨いでいるのはテイカー。
パンクがそれに気がつくとテイカーがむくっと起き上がりチョーク・スラム。
テイカーは片膝をついてポーズ。
リングを降りると去っていく。
入場口前で振り返り腕を上げる。
試合結果
@IC王座戦:レイ・ミステリオ(ch)vs.ドルフ・ジグラーAジャック・スワガーvs.MVP
Bタッグ王座戦:クリス・ジェリコ、ビッグ・ショー(ch)vs.クライム・タイム
Cケインvs.グレート・カリ
DDXvs.レガシー
EECW王座戦:クリスチャン(ch)vs.ウィリアム・リーガル
FWWE王座戦:ランディ・オートン(ch)vs.ジョン・シナ(DQ→再開→カウントアウト→ロープ悪用→再開)
G世界ヘビー級王座戦、TLC:ジェフ・ハーディ(ch)vs.CMパンク(新チャンピオン!)